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睡眠薬の種類・強さ・副作用・分類とその特徴・効果・口コミ

睡眠

睡眠薬と精神安定剤

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睡眠薬と精神安定剤

気がかりなことがあったり、いやなことがあってなかなか寝つけない・・そういうことは誰にでも少なからずあることです。 現代社会では、ストレスを感じないで生きるなどということは不可能です。 多少眠れないことがあっても、数日で解消されるのならよいのですが、それが長く続いたり、たびたび何度も起こるようなら問題です。眠れないことそれ自体がストレスとなりている状態を不眠と呼びます。 眠りは本来人間にとっては自然な生理現象で、眠ることによって心身を休め健康でいられるのですから、眠りたいというのは人間のごく自然な欲求です。それかできないというのは本当につらいことだと思います。 不眠かきっかけで健康を害さないとも限りません。また、不眠自体が心の病の初期症状である場合もあります。
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眠れなくてつらい・・そんなときは
そんなときはかまんせず、精神科や心療内科に相談して欲しいのですが、まだまだ多くの人が睡眠薬を使わずがまんしています。睡眠薬や精神安定剤に対する偏見や誤解があるからです。 睡眠薬や精神安定剤に対して、 「薬に頼らなくては眠れない体質になってしまうのではないか」 「そういう薬は精神に異常のある人が飲むものだ」 「薬に頼らなくてもがまんしていれば眠れるのではないか」 などと考え、薬を使ってまで眠ろうとは思わないのです。ほかの高血圧や糖尿病などの薬であれば抵抗なく飲む人でも、睡眠薬、精神安定剤になると使用をためらうのです。 しかし、睡眠薬はアメリカの空軍では当たり前のように使われ、睡眠か不規則な職業についている人なども抵抗なく飲んでいます。自らの健康のために積極的に睡眠薬を利用しているのです。睡眠薬をサプリメントのようなもの、あるいは生活を快適にするためのひとつの道具として用いるという発想の転換もいいように思います。 不眠など、睡眠障害には原因があります。原因がわからず苦しんでいるのならぜひ精神科、心療内科を訪れてみてください。どのようにかかればよいかわからない場合、まず内科で相談し、紹介してもらうという方法もあります。偏見から門戸を叩くことをためらい適切な治療を受けることができず、無駄に長い間苦しみ続け問題が深刻化するより、まずは医師に相談してみてください。
●診療を受けるときは
心療内科や精神科など診療科にはいろいろありますが、不眠などの睡眠障害や心の病気による不調で悩んでいる人には、どこが自分の状態にふさわしい診療科なのか判断するのは難しいと思います。 患者さんが「自分は何科にかかればよいのか?」と迷うことが多いということは、心療内科や精神科の職員であれば理解しているケースが多いので、そうした疑問についても、診察前にf約の電話をする際に相談してみるとよいでしょう。 まず、診断ではどんなタイプの不眠なのか、そしてその原因となっているのは何かを探ります。 あとで述べますが、不眠にはさまざまなタイプがあり、原因も多様です。症状に応じて適切な治療を行います。
睡眠薬や精神安定剤にも多くの種類かあり、用途、効果はさまざまです。それらを適切に見極めることが問題解決への近道です。そのためには、
・眠れない状況
・いつから眠れないのか
・ほかの心身の病気にかかっていないか
・環境に問題はないか
・夜勤などはないか
・以前にほかの医師にかかったことはあるか
・睡眠薬を飲んだことがあるか
・ほかの薬を飲んでいるか
などを正確に伝えられると診断がスムーズです。
検査や診察方法は医療機関や医療者の方針によっても違いますので、持ち物や、食嘔、当日の薬の服用などについては予約時に確認しましょう。

不眠・睡眠障害にも種類があります

睡眠障害とは、睡眠に関してトラブルのある状態です。多くみられるのが不眠ですが、ひとくちに不眠と言ってもいろいろなタイプがあります。寝つきかよくない、長く眠れない、あるいはそのどちらも当てはまるなどです。そして性格要因も影響し、同じような不眠でもたいへんな苦痛に感じられる人もいれば、不眠状態に慣れてしまったなどという人もいます。 また、不眠とは反対に「起きていたいときに、眠くなってしまって困る」「居眠りをしてしまい日常生活や仕事に影響がある」という過眠もあります。体の病気などか原因となっているケースもありますが、ストレスからの心理的な逃避として過眠がみられることもあります。いわゆる「引きこもり」につながるケースです。
これらの睡眠障害については、よくみられるタイプと、特殊なタイプがあり、それぞれに特徴があります。分類するとだいたい次のように分けられます。各タイプをみていきましょう。
1.比較的よくみられる不眠のタイプ

熟眠感の欠如「眠った気がしない、眠っていないと感じる」

睡眠時間から考えるとよく眠っているにもかかわらず、本人は「眠っていない」「眠った気がしない」と感じる症状です。
睡眠には浅い眠りと深い眠りかありますが、浅い眠りの状態でずっと眠っていると、このように「眠った」という実感が持てないのではないかという見方もあります。

入眠困難「寝つきが悪い」

不眠症のなかでもっとも多いタイプです。
ベッドに入って寝ようと思っても眠ることができません。不安や気がかりなことが頭の中に浮かんでくることもあります。眠ろうと体を安静な状態にすると、思考しやすい状況になり、もっとも気になることが思い出されてしまうからです。

中途覚醒「夜中に目が覚める」

夜中に目が覚めて眠れなくなってしまう症状です。
トイレに行きたくなったり、物音などで目が覚めたりすることは誰でも経験があると思いますか、中途覚醒タイプの不眠のひとは再び眠ることかできなくなってしまうのです。
うつ病の一症状として現れやすい症状です。

早朝覚醒「朝早く目が覚める」

お年寄りによくみられるタイプの不眠で、早朝に目が覚めて眠れなくなります。高齢になると睡眠時間は短くなる傾向があるので、お年寄りは早朝覚醒しやすいのです。 中途覚醒と再入眠困難を同時に起こすと、この早朝覚醒に近い状態になります。 こちらもうつ病の症状として現れやすい症状です。
2.特殊なタイプの睡眠障害

睡眠時無呼吸

「睡眠中に呼吸が止まってしまう」
眠っているときに呼吸か数十秒問完全に止まってしまうという症状です。このような無呼吸の状態かひと晩に9回以上みられる場合もあります。家族の指摘で発覚することか多いため、ひとりで寝ている大は気づきにくく、日中の居眠りなどで困って受診して初めてわかるようなこともあります。 睡眠時無呼吸は肥満者に多く、いびきや歯ぎしりを伴うことが多くあります。また無呼吸状態から戻るときに大きな呼吸立口をたてることがあります。 昼間に強い眠気を生じることがあり、専門的には「睡眠時無呼吸症候群」といいます。この症状に気づいた場合は必ず専門医を受診しましよう。
症状:眠っているときに呼吸が止まってしまう

金縛り「目覚めているが、体を動かせない」

金縛りは脳か覚醒しているのに体は眠っているという状態です。逆に、脳か眠っているのに体が起きて動いている状態を夢遊病といいます。いずれも体と』の覚醒レベルが一致していないときに生じる状態です。
金縛りになると、体を思うように動かすことができず一過性のパニック状態になる人もいます。
症状:脳は起きているのに体が動かせない

ナルコレプシー

「急に眠気に襲われる、脱力する」
ナルコレプシーとは、日中、急に強い眠気に襲われる病気です。眠気は10分から20分くらいの短い時間ですが、眠気の程度は強く、起きていられないほどです。 そのような眠気が.日に何回も繰り返し起こることもあります。そして、その眠気のあとに爽快感を感じることかあります。 情動脱力発作と呼ばれる発作が生じることがあります。この発作は、笑ったり嬉しかったりなどの情動を表現する際に、全身の筋肉の緊張がなくなるという発作で、突然しゃがみ込んだり、ろれつが回らなくなりたりします。 また、寝ているときに金縛りのような状態になったり、寝入る際、夢のような幻覚を見たりすることもあります。
症状
「睡眠発作」発作的に眠り込んでしまう
「脱力発作」全身の筋肉が麻痺する
「睡眠麻痺」目が覚めているのに体を動かせない
「入眠時幻覚」寝入る際に幻覚を見る

特発性過眠症「長く眠気が続く」

特発性過眠症では、日中に眠気をもよおす点はナルコレプシーと同じですが、比較すると異なる特徴があります。 かなり長い時間(10時間以上の例も)に及ぶ眠気がみられますが、その眠気は、ある時期に突如として発症します。中途覚醒などの不眠も同時に現れることがあります。 一日のなかで眠気か続く時間は長いのですが、眠気の強さはナルコレプシーほど強くなく、耐えがたいほどではありません。情動脱力発作を伴わないところもナルコレプシーとの違いです。

症状 長く眠気が続く

周期性傾眠症「周期的に眠くなる」
数カ月ごとなどの周期的に傾眠傾向に陥る周期性傾眠症という睡眠障害もあります。「傾眠」というのは、外部から呼びかけなどの刺激があれば目を覚ますものの、放っておくと眠ってしまうような状態のことをいいます。
日常生活への影響は大きくないので、治療しないで済ますケースも多いです。
症状 周期的に眠くなる
このような特殊な不眠の場合は、睡眠障害に対する治療のほかに、原因となっている体の疾患の治療や、精神疾患への対応か必要になります。
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群(レストレス・レッグス症候群=Restless Legs Syndrome以下RLS)をご存じでしょうか? 一般的に安静にした状態、たとえばじっとしていたり、横になっていると下肢が「むずむずする」「じっとしていられない」などの訴えが出てくる症候群です。 RLSになると、眠ろうと布団に入ってじっとしているときに足などがむずむずして眠れません。また寝ていてもこのために目が覚めてしまうこともあり、結果として睡眠障害の原因のひとつになっています。 RLSの原因としては、今のところ決定的なものはありませんが、脳内における鉄欠乏やドーパミンという物質の合成異常が関与しているという仮説が有力になってきています。その基礎データとして、鉄欠乏性貧血、腎不全、パーキンソン病、胃切除、妊娠、尿毒症、痛風、関節リウマチなどの状態にある人にみられやすいという報告もあります。 ひと昔前は腎不全によって透析治療を余儀なくされた患者さんにRLSが頻繁にみられていましたが、透析における医療の進歩により腎性貧血が軽快し、それに伴いRLSは激減しています RLSの治療にはレボドパ製剤やドーパミン受容体刺激薬が有効とする報告もあれば、クロナゼパムやバルプロ酸などの抗てんかん薬によって効果がみられるという報告もあります。 RLSの治療の際に注意しないといけない点は、RLSにより引き起こされた睡眠障害を改善するために、RLSの問題に気づかず睡眠薬が処方されることが少なくないことです。 睡眠薬で眠気が強く生じたとしても、むずむず感があまりにも強いと眠れず、「睡眠薬の効果で脳は眠くて仕方がないのに、むずむず感が解消されなくて眠れないのは、よけいにつらい』と訴える患者さんもいます。RLSでむずむず、いらいら感が強く発現し、その辛さは経験したものしかわからないと訴える患者さんもいます。 現在、睡眠障害で医師にかかっていてRLSの症状に思い当たる人は、主治医に相談してみましょう。

原因にもいろいろあります

前述したように、不眠、睡眠障害にもいろいろなタイプがありますが、不眠を引き起こす原因もさまざまです。
眠るのは動物にとっては自然な営みなのに、どうして眠れなくなってしまうのか・・・、不眠の原因については以下のようなものが考えられま
す。
1.心理的な原因による不眠
心配事やストレスか原因で不眠になります。 こうしたことは誰にでもあることなので、経験のある人も多いのですが、たいていの場合は眠れないのも一日か数日のことで、また普通に眠れるようになります。 しかし、こうした状態が解消されず不眠が続くと医学的な対処が必要となります。 薬物への心理的な抵抗感はあったとしても、眠れるようになることで本来持っていたストレスヘの対処能力を取り戻し、状況が改善されるということもありますので「睡眠薬という方法もある」というふうに考えてみてください。
2.心の病による不眠
統合失調症、うつ病やうつ状態、不安障害などの心の病は、初期症状、部分症状として不眠を伴うケースかよくあります。 遂にいえば、不眠症状に心の病か隠れている可能性も考えられます。不眠が艮く続く場合は、こうしたことも考慮して専門医を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。
身体的な疾患と同様に、心の病も早めに対処した方がよいのです。
3.身体的な原因による不眠
身体の病気やけがなどで眠りか妨げられることもよくあります。たとえば、夜間に激しい痛みやかゆみがあれば、熟睡できませんし、ぜんそくなどの発作で夜中に目が覚めてしまうこともあります。 また、生活習慣病と呼ばれる病気でも不眠が起こる場合があります。たとえば、糖尿病や心筋梗塞なども生活習慣病ですが、糖尿病患者の約30%、心筋梗塞患者の20%には不眠がみられるという報告があります。また、病気の存在そのものが不安を生み出し、不眠の原因になることもあります。
4.環境要因による不眠
騒音がうるかくて眠れないなどが代表的な例です。その環境に慣れ、ふだんは気にならないようなことも、情緒的に落ち着きがないときなどは気になって眠れなくなってしまうこともあります。また静か過ぎる環境では、些細な物斤
か気になって眠れないこともあります。
音のほかに、暑さや寒さ、明るさ、からだに合わない寝具なども不眠の原因になります。
5.そのほかの原因
コーヒーなどカフェインを多く含む嗜好品の多量摂取によって眠れなくなることもあります。
また、看護師やコンビニエンスストアの店員のように不規則な夜間勤務を続ける人や、国際線の乗務員のように時差ぽけを頻繁に繰り返す環境におかれている人などは、睡眠のリズムが乱れることがよくあります。
PC、スマホ、ゲームが眠りを妨げる?
心地よく眠りにつくためには、睡眠前に心身ともにリラックスし、緊張を解くことが大切です。 最近、夜遅くまでインターネットやメール、ゲームなどをして不眠を訴える人が増えています。こうした機器類の使用は目などを酷使し、精神の緊張を高め、体を眠りにくい状態にしてしまうからです。また、ついつい夢中になって長時間続けてしまい睡眠時間そのものを削ってしまうことにもなりがちです。 そしてまた、こうしたものが手放せなくなって依存状態に陥る人もいます。インターネットに接続できなかったり、携帯電話が手元にないと不安になって落ち着かなくなるのです。そうなると使用時間を自分でコントロールするのは難しくなります。 こうして夜更かししたことで寝不足になり、翌日眠気に耐えられずいつもより多く眠り、また夜更かしをして・・と不規則な睡眠習慣を続けてしまうことも睡眠障害の原因となります。 快適な睡眠のためにはなるべくこうしたことは日中に行い、夜の睡眠の直前にはしないようにしましょう。
ひとが眠るしくみ
起きているとき人間の脳は、知覚を通してさまざまな刺激を処理して覚醒していますが、眠りに近づいてくるとこうした活動が低下します。
同時に脳内物質であるセロトニンが増え、この働きによって脳が鎮静化されます。セロトニンは睡眠導入物質であるメラトニンというホルモンの分泌を促します。こうして人はリラックスして眠りにつくのです。
レム睡眠とノンレム睡眠
浅い眠りの「レム睡眠」、深い眠りの「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことのある方もいらっしやるでしょう。レム睡眠のレムとは、急速眼球運動(Rapid Eye Movement=REM)のことで、眠っているときにまぷたの下で眼球が速い動きをしていることからこう呼ばれています。1953年にシカゴ大学のアセリンスキーとクライトマンが発見しました。
この眼球運動のない眠りの状態がノンレム睡眠で、深く眠っている状態です。人はレム睡眠とノンレム睡眠を約90分の間隔で交互に繰り返しながら眠っています。レム睡眠とノンレム睡眠にも眠りの深さによってそれぞれ段階があります。ノンレム睡眠は4段階に分けられます。 そして、レム睡眠のときに人間は夢を見ているということもわかっています。「夢を見た」と言う人は、このレム睡眠時に見た夢を覚えているということです。「夢を見なかった」と言う人は、レム睡眠がなかったのではなく、このときに見た夢を覚えていないということです。 眠りの状態を表すと下図のようになります。 一晩の眠りの中では、前半はノンレム睡眠の割合が高いのですが、後半はレム睡眠の割合が高くなってきて、徐々に眠りが浅くなりやがて目を覚まします。
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脳波からみた睡眠
1.脳波とは
脳波とは、脳の神経細胞から出ている電気信号を頭皮につけた電極から一定時間、機械的に読み取って記録したものです。脳波は人が生きて脳が活動している間は必ず出ています。いくつかの種類に分けられ、それぞれ特徴的な波形を持っています。
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リラックスしているときに脳脳波検査をするとみられる脳波のひとつにアルファ波があります。アルファ波は8〜13Hzの波で、起きていてリラックスしているときによくみられます。ほかには、波の速いベータ波、波の遅いシータ波、デルタ波があります。 ペー夕波は活発に活動しているときに多く出てくる脳波で13〜35Hzくらいの速さです。逆に遅いのか4〜8Hzのシータ波と、0‐5‐4Hzくらいのデルタ波です。人間か眠ると、シータ波やデルタ波のような遅い波である徐波が多量に出てきます。脳波を検査してシータ波やデルタ波が多く出ていれば眠っていることがわかります。 この検査法はドイツのバーガーが1929年に開発したという非常に歴史のある検査法ですが、睡眠の状態を知るためには現在も有効です。
2. 脳波と睡眠の関わり
では、その脳波と睡眠の関わりについてみていきましょう。 前にも述べたとおりノンレム睡眠では、睡眠段階は1から2、3、4というステージに分けられます。このうち最も深い眠りが睡眠段階4です。睡眠段階3、4には、シータ波やデルタ波など徐波かかなり多量に出てきて眠りが深いということを示します。なお、若い人ほど睡眠段階4は多く出現し、高齢になるにつれて少なくなります。若い人の方が深い眠りを得やすいのです。 レム睡眠時はノンレム睡眠の睡眠段階1に近い脳波所見を示します。つまり、レム睡眠時には遅い波である徐波の現れる割合が低く、アルフア波などの覚醒時にみられやすい脳波も混在した脳波所見を示します。眠っているが起きている状態に近い状態、つまり眠りか浅いということがわかります。
薬に頼らないで不眠を解消するためのヒント
眠るというのは些細なことに影響される反面、環境や生活習慣を見直すことである程度改善されることもあります。眠りやすい状況については個人差がありますが、いろいろ試してみて自分なりの快眠環境を作るようにしてみてください。
ポイントとして重要なのは、「精神的疲労」と「肉体的疲労」のバランスです。精神的ストレスをほぐし、ほどよく運動することで軽く疲労すると寝つきやすくなります。

睡眠を促すための生活習慣

①運動
軽く疲労をおぼえる程度の運動は眠りやすくなりますが、過度に疲労するような激しいスポーツなどは、かえって脳を覚醒させてしまうことがあります。快眠のためには、ジョギングやウォーキング、体操、エアロビック・エクササイズなどの有酸素運動がよいでしょう。 有酸素運動とは、酸素を適度に取り込みなから、安定して長く続けることができるタイプの運動をいいます。これを睡眠の数時間前に行うことで血行を促し、脳の温度を上げることかできます。脳は温度が下がるときに睡眠に入りやすくなりますので、ちょうど寝るころに脳の温度が下がってきて眠りやすくなります。ただし寝る直前に激しい運動をするとかえって目が覚めてしまいますので控えます。
②入浴
同様に入浴も睡眠には効果的です。ややぬるめの湯(38〜39度ほど)にゆっくりつかると眠りやすい状態がつくられます。
あまり熱い湯に入ると、その熱さがストレスになって血管が収縮し、血圧が上昇してしまうので、適度な温度の入浴を心がけましょう。
③食生活
次に、食生活ですが、睡眠に効果的であると立証されているものに、トリプトファン、カルシウム、ビタミン類などがあります。 トリプトファンはアミノ酸の一種で、睡眠に関係するセロトニンという物質か体内で生成されるために重要な役割を果たす物質です。トリプトファンを多く含んだ食物としては、牛乳、チーズ、大豆、魚などがあります。ビタミン&と一緒にとることでよく吸収されます。 食品から摂取する分にはほとんど心配ありませんが、抗うつ剤などを服用している人は相互作用もあるので主治医に相談しましょう。 カルシウムは精神の安定に役立つ栄養素で、牛乳、大豆、ひじき、小魚などに多く含まれます。ビタミンDと一緒にとることで吸収がよくなります。ビタミン類では、ビタミンB1やビタミンCなどがストレスに対する抵抗力を高め、眠りやすくするといわれ、玄米、大麦、レバー、野菜などに多く含まれています。 ビタミンCはバルビツール系の睡眠薬(現在ではあまり処方されません)やアスピリンの効果を弱めることがあるので、服用している人は注意か必要です。
④飲酒
お酒に関しては、寝酒(ナイトキャッブ)などと言って習慣にしている方もいますが、原則としてやめることをおすすめします。 アルコール耐性ができてしまうと、その量がだんだん増えていってしまう危険性があります。そうなるとアルコール依存などまた別の問題が発生します。 また、アルコールには眠気を誘う効果もありますが、遂に覚醒させる効果もありますので、かえって眠れなくなったり、夜中に起きてしまったりすることがあります。眠りを促すような別の方法を考えましょう。

睡眠環境の調整

そのほか、快適な睡眠を得るために、睡眠環境を改善してみましょう。睡眠環境というのはたとえば、寝室の音、温度、湿度、光などの照明、寝具などです。
①寝室
まず眠りの妨げとなっている原因環境を改善します。外の光が入ってきてしまう部屋でしたら、光が通りにくい遮光カーテンに変えてみたり、物音か気になって眠れない場合には、サッシなどで防音を工夫するなどです。
部屋を良っ暗にするよりも小さな照明のついている方が落ち着いて眠れるという人もいますし、音楽を聴きながらの方が眠りやすいという人もいます。
②寝具、パジャマなど
シーツや枕カバーを清潔にすると通気性、保温性、吸湿性などの点で環境かよくなります。パジャマなども締めつけすぎない体に合ったものを着ることか望まれます。素材の肌触りなどもエ夫の余地があります。
ベッドや布団などの寝心地も寝つきに影響します。マットレスなどもいろいろな種類かあるので、できれば自分に合ったものを選びたいところです。また、「枕が変わると眠れない」などというように枕のやわらかさや形状、高さな
どは重要ですので、タオルを挟んで調整するなどしてご自身にとって快適な状態を探してみましょう。
睡眠に入る段階での心理状態
「眠りたい」「眠らないといけない」というように、意識しすぎると逆に眠れなくなってしまうことかあります。 翌日いつもより早起きする必要があったり、重要な仕事があるからよく眠っておかないといけないなどというとき、無意識に自分にプレッシャーをかけてしまって結局よく眠れないなどという経験はないでしょうか。 そんな状況に陥ってしまりたときは、一度寝床から出て自然に眠気を感じるまであえて寝ない睡眠制限法という方法もあります。 いずれにしても、あまり意気込まずに自然な眠りを迎えるようにすることが望ましいのです。 以上のような工夫で不眠状態かある程度改善される場合があります。 こうしたことで睡眠薬や精神安定剤を使用せずに快い眠りが得られれば、それが望ましいのですが、日常生活をいろいろ工夫しても、不眠か解決しない場合もあります。 そんなときは、がまんしないで専門家に相談して、一緒に問題解決への道を見つけるようにしてください。
不眠への対処法の基本は睡眠薬
不眠で医療機関を訪れた場合、医師は診察をし、上で述べたような不眠のタイプと状況を診断します。基本の治療のうちのひとつは薬物療法、つまり睡眠薬です。 いろいろな種類の睡眠薬の中から効果的なものを選択して処方し、睡眠の状況を改善します。作用の仕方、効果の現れる時間の長さなどそれぞれ特徴かあり、効果にも個人差がありますので、ある人には効果のあった薬が別の人にはまったく効果がなかったなどということはよくあります。
睡眠薬はこわいものではありません
睡眠薬と聞くと、乱用したりしてトラブルを起こす人の話などからマイナスイメージを抱いたり、依存症となって睡眠薬なしではいられなくなってしまうのではないかなど、少なからず抵抗をおぼえる人がまだまだ多いようです。その傾向は日本では特に強いものかあります。 ひと昔前の睡眠薬には副作用の強いものもありましたが、今ではそういったものはほとんど処方されません。安全性に関してもかなり研究か進んでいるのです。 医師の診断のもと適切に使用していればとくに心配するようなことは起こらないと言えます。もちろん不安に感じることや疑問があればなんでも医師に相談しましょう。 勝手に判断して薬の服用をやめたり量を減らしたりすることもよくありません。ましてや他人が処方された薬をもらって飲むなどということは絶対にやめましょう。

睡眠薬にもいろいろな種類があります

以前は睡眠薬といえば、バルビツール系と呼ばれる薬が主流でした。ただし、バルビツール系の薬は、副作用が強く、また安全性についても課題がありました。これに代わる薬もなかったので多く使われていたのです。 しかしその後ベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬が開発され、こちらにはバルビツール系と比べると大きな副作用がないため、今ではこちらの方が処方されることか多くなっています。 とはいえ、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬にも副作用がまったくないというわけではなく、物忘れ(健忘)、ふらつきなどかあります。 最近では非ベンゾジアゼピン系と呼ばれ、依存度が弱い安全性のより高い薬が登場し、こちらが多く使われるようになりて来ました。 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼビン系の睡眠薬と同じ脳の大脳辺縁系にあるベンゾジアゼピン受容体に作用し睡眠をもたらしますが、化学構造式がベンゾジアゼビン骨格を持たないので、このように呼ばれます。
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睡眠薬はこうして作用します
1.神経伝達物質
人間の脳内には、神経伝達物質という情報を伝えるための物質があります。これらは電気信号(活動電位)によって神経細胞の先端部にあるシナプス小胞から出され、別の神経細胞の受容体(レセプター)にとりこまれるというようにして、思考、記憶、感情などの情報を伝えています。 これらのバランスが崩れたり、伝達がうまくいかなくなったりすると、不眠やうつ、幻覚、妄想などの症状を起こすようになります。 主な神経伝達物質には次のようなものがあり、それぞれ異なる働きをしています。
・GABA(ギャバ)
正式な名称はガンマアミノ酪酸という脳内物質。不安やいらいらを取り除き、眠りに導き、てんかん発作を抑える働きがあります。この物質の働きが悪くなると、不安、不眠、てんかん発作が起こります。
・セロトニン
気分と関係した脳内物質。食物に含まれているトリプトファンというアミノ酸が、腸から吸収されて、脳に取り込まれてつくられます。うつ病の患者さんは、健康な人と比べて、脳内のセロトニンの量が少なくなっています。抗うつ薬のSSRIは、セロトニンの働きを増大させる効果かあります。
・ノルアドレナリン
不安や意欲と関係した物質です。うつ病の時は、このノルアドレナリンの働きも落ちている状態です。また、不安か強くなると、ノルアドレナリンの働きか強まり、これに伴って動悸がしたり、血圧かhがったりします。
・ドーパミン
情緒、意欲、幻覚、妄想と関係した物質です。ドーバミンか適度に働いていると、気分がよく、活発に生活できます。しかし、働きが強すぎると情緒が不安定になり、幻覚妄想状態が起こります。ドーパミンの働きが落ちると、パーキンソン症状が起きることがあります。
・アセチルコリン
神経刺激を伝える物質で、骨や筋肉を収縮させたりする鋤きをします。副交感神経を刺激して、脈拍を遅くしたり、唾液の分泌を促します。
・グルタミン酸
興奮を伝える機能のあるアミノ酸の一種です。
睡眠薬や精神安定剤の多くは、こうした神経伝達物質の働きをコントロールしてさまざまな作用をもたらします。
2.ベンゾジアゼピン系睡眠薬の作用
もっとも多く使用されているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、大脳辺縁系のベンゾジアゼピン受容体に作用し、GABΛ(ギャバ)受容体を介して、さまざまな神経の機能を抑えるように鋤きます。 抑制される神経伝達としては、ノルアドレナリン、ドーバミン、セロトニンなどに関連した神経系です。これらの機能が抑えられると不安や緊張かなくなり、しだいに眠くなるのです。 ベンゾジアゼピン系の睡眠薬はこのメカニズムを利用して睡眠をもたらします。 数十年前に多く使用されていたバルビツール系の睡眠薬はもっと直接的で、脳の睡眠や覚醒を司る部分に作用し、強い催眠効果を発揮します。麻酔に近いものかあります。
と、同時に呼吸を司る部分にも抑制的に作用して呼吸が停止してしまうなど、効果を及ぼす範囲か広く安全性が疑問視されていました。ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の薬の登場により、今ではほとんど処方されることはありません。

睡眠薬の副作用

バルビツール系の睡眠薬に取って代わって、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬か用いられるようになり、睡眠薬の安全性はかなり高まったと言えますが、副作用がまったくないわけではありません。
ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の副作用としては次のようなものが挙げられます。
①翌日、眠気が残る、ふらつく(持越し効果)
効果が長時間続くタイプの睡眠薬で引き起こされます。睡眠薬の効果か目が覚めた後も続くためです。高齢者に比較的現れやすい症状です。
ふらついて転倒すると危険ですので注意が必要です。
②物忘れをする(健忘)
薬を飲んで効果が現れてからの行動をおぼえていないことかあります。効果の続く時間が短いタイプの睡眠薬で起こることが多いです。
③薬に頼るようになる(依存)
「反跳性不眠」といって薬を長期間服用していて飲むのをやめると眠れなくなるという症状です。これを身体的依存と言ったりしますが、これに対して「薬かないと眠れないはず」という思い込みから不眠になる精神的依存かあります。詳しくは次項の「睡眠薬への依存」でお話しします。
④睡眠薬が効きにくくなる(耐性)
ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼビン系の薬ではほとんどありませんが、何年も同じ薬を使っていると効果を得にくくなってくることがあります。主治医の指示に従って正しく飲むようにしましょう。
以上のように、現在多く使われている睡眠薬には副作用がありますか、睡眠薬に限らず、薬品には使用目的である圭作用と、それにともなう副作用のあるものが多くあります。
大切なのは症状を見極め、専門家に処方された薬を適切に使用するということです。
睡眠薬への依存
依存性の低い薬が主流
現在では、依存性の比較的弱いベンゾジアゼビン系の睡眠薬か主流になりました。また、さらに依存性の低い非ベンゾジアゼピン系の優れた睡眠薬が登場しています。
最もよく臨床の場で使われているのが、一般名ゾルピデム酒石酸塩(商品名マイスリー)です。依存性は弱く、作用時間は4時間前後であり翌日の持越し効果はありません。作用はマイルドであり、すっきり目覚められるので、軽症の不眠症には最適とされています。欧米のみならずわか国でも医療現場での使用頻度は第一位であり、最も好まれる睡眠薬の地位を獲得しています。
しかしながら、マイスリーは中等度以上の不眠症には効果が弱いために、対応し切れないこともあります。
使用者を悩ませるの反跳性不眠
睡眠薬を連日使用していると、どうしても睡眠薬の依存の問題が出てきます。さきほど述べたマイスリーであっても依存の問題はしばしば起きます。
たとえば、ごく軽症の不眠症である患者さんであっても、安易に睡眠薬を使って快適な睡眠を取ることができるようになると、自分の力で十分な睡眠を取るよりも、睡眠薬を使ってイージーに睡眠を取ることに依存してしまうことがあります。そうなると、薬なしで寝ようと思っても寝られなくなってしまう場合があります。
これが反跳性不眠です。
この場合、やめようとしても反跳現象のために睡眠薬を飲まないと一睡もできない、あるいは眠れても1、2時間ほどの短時間という状態が数日は続きます。この時期を耐えることかできないと睡眠薬をやめることは難しいです。タバコやお酒と同じようなもので、一度身についた習慣をいきなりやめることはなかなかできません。それゆえ、睡眠薬を簡単に使うのではなく、必要性に応じて専門家に相談しながら適切に使うことが必要なのです。
睡眠薬の分類と不眠のタイプによる使い分けこれまでに述べたように不眠をはじめとした睡眠障害にはさまざまな種類があり、またこれから述べるように睡眠薬にもさまざまな種類かあります。
症状に合う睡眠薬を選ぶ際のひとつの基準となる指標に作用時間があります。作用時間で大きく分類すると4つの型に分けられます。
実際に効果か持続する時間で、
・「超短時間型」3〜4時間の効果
・「短時間型」5〜6時間の効果
・「中時間型」7〜8時間の効果
・「長時間型」それ以上の効果
の4種類です。
使い分けとしては、一般的に次のような考え方をします。
1.入眠困難タイプの不眠
寝つきが悪い人には、「超短時間型」の睡眠薬を用い、寝つきをよくするようにします。睡眠導入だけをスムーズにすればよいので、作用時間の長い睡眠薬は必要ありません。
短時間で睡眠の導入ができる薬(睡眠導入剤とも呼ばれる)で、しかも作用時間の短い薬を服薬すれば、寝つきはよくなりますので、その後は自然睡眠に任せれば気持ちよく眠ることができます。
作用時間が短いダイプの睡眠薬は4時間前後の効果を示すものが多く、一日の睡眠を8時間として前半の4時間を睡眠薬、後半の4時間を自然睡眠で眠るということになります。
処方例
マイスリー10mg1錠就寝前1回
※処方例はあくまでもサンプルですので、実際の治療については主治医とよくご相談ください。
2.中途覚醒、早朝覚醒タイプの不眠
寝つきはいいが、長く眠れないという悩みを抱えている人には、「中時間型」や「長時間型」の睡眠薬を用います。睡眠導入剤としての働きをする睡眠薬よりも、むしろゆっくりと良く作用する「中時間型」か「長時間型」の睡眠薬が必要になります。
たとえば、寝ついた後、4時間くらいしてから目が覚めて困るという場合は、6‐7時間くらいの作用時間を有する睡眠薬を使います。
処方例
ロヒプノールール1錠 就寝前1回
※処方例はあくまでもサンプルですので、実際の治療については主治医とよくご相談ください。
3.複合タイプの不眠
寝つきが悪く、しかも長く眠れないというタイプの人には、「超短時間型」と、「中時間型」あるいは「長時間型」の2種類の睡眠薬を用います。 「寝つきが悪く」しかも「途中で目が覚めたり」「朝早く目が覚める」という人は、作用時間の短い睡眠薬で寝つきをよくし、作用時間の長い睡眠薬で長く眠ることかできるように、作用時間の短いものと長いものとの2種類の睡眠薬を併用するとよいでしょう。2種類の睡眠薬を使う場合でも、主治医の処方通りに用いているならば、問題はほとんどありません。
処方例
レンドルミン0.25mg 1錠 エリミン5mg 1錠 就寝前1回
※処方例はあくまでもサンプルですので、実際の治療については主治医とよくご相談ください。
このように、睡眠薬は不眠症のタイプによって使い分けを行っているのです。 さらに、同じ超短時間型の睡眠薬であっても、その効き目の強さは睡眠薬によって異なります。不眠症の強度によって医師か判断し使い分けているのです。 寝つきが悪い入眠困難タイプの不眠症であれば、程度が軽い場合は、作用の弱い「超短時間型」の睡眠薬を用い、やや重度の場合は、「超短時間型」のなかでも作用が強めのものを用いるなどです。
睡眠薬にはこうした種類とそれぞれの特徴かありますので、不眠症のタイプと、不眠の強さによって適切な使い分けか必要になります。
睡眠薬、精神安定剤は代謝され、尿として排出されます
睡眠薬は服用されると胃で消化されます。次に小腸で吸収され、血液に入ります。そして、静脈の流れに乗って心臓に行き、心臓から全身に運ばれます。脳にも運ばれ、催眠作用を発揮します。 その一方で肝臓にたどりついた睡眠薬は、肝臓の中にあるp450という酵素によって生体に作用しない形に分解されます。最終的には便、または尿として排出されます。 昔、処方されていたバルビツール系の睡眠薬は体内に蓄積されることにより、耐性ができて効きにくくなるなど間題がありましたが、現在ではまず処方されることはありません。

睡眠薬を使用する際の注意点

1.アルコールと一緒に飲んではいけません
アルコールを飲んだ直後に睡眠薬を使用すると、両方の催眠作用か出て、睡眠薬の副作用である翌朝の眠気やふらつきなどの症状(持越し効果)かみられることかあります。また、物忘れ(健忘)などの副作用が生じることもあります。 その一方、アルコールを飲んだために眠れなくなることもあります。量の多少は問いません。 このようにアルコールは、催眠作用を発揮することもあれば、不眠を引き起こすこともあるわけです。 睡眠薬を使用する場合、アルコールの飲用は、睡眠薬の正しい効果判定にも悪影響を及ぼしますので、一緒に飲むことは控えたほうか賢明です。 なお、睡眠薬とほかの薬との相互作用については、特にみられませんが、他の診療科でも治療を受けたり、服薬している場合には、その旨を主治医に伝えるようにしましょう。
2.睡眠薬は就寝の10〜30分前に服用する
睡眠薬は、服用してから催眠作用が現れるまでの時間がおよそ10〜30分ほどなので、服用後はそれまでに寝床に入って、眠る準備をしておくとよいでしょう。 睡眠は、眠気か出てきたときにそのタイミングを逃さず、うまく眠ることか大切になります。人間の睡眠の1サイクルは約90分です。せっかく眠気が出てきても眠る準備ができていなければそのチャンスをいかせず、次の睡眠サイクルが来るまで約90分待つことになります。睡眠薬を飲んだときは、眠気か生じたタイミングで眠れるように、ベッドに入って環境を整えておきましょう。
3.短時間の仮眠のためには使えない
睡眠薬は、作用時間の短い超短時同型のものでも3〜4時間効果が持続します。また、前述したように催眠作用が現れるまでに10〜30分程度要します。ですから、112時間、もしくは3時同程度眠っておきたいなどというときには使用できません。
短時間で目を覚ましたとしても、睡眠薬の作用が残っていて、ふらつき、めまいなどを起こしてしまうことがあり危険です。

睡眠薬を必要とするとき、しないとき

不眠症で悩んでいる患者さんか、精神科や心療内科などの心の病の専門家を受診したときのみならず、内科、外科、産婦人科などの一般の身体秤を受診したときにおいても、治療薬として睡眠薬を処方されることは少なくありません。医療の現場において睡眠薬で問題が解決できるケース、つまり睡眠薬が必要とされるケースがよくあるということです。医師であれば、睡眠薬の基本的な使い方に関する知識を持って
います。その指示に従って使用する限りはまず心配することはありません。
睡眠薬が必要とされるケース、されないケースには次のような場合があります。
1.睡眠薬が緊急に必要な場合がある
睡眠薬が緊急に必要な場合があります。 たとえば、ある患者さんで最近心配事があり眠れない日が続き、睡眠不足なのに仕事を休むわけにもいかず、困っていたとします。眠れていないために、 「頭がぼーっとして集中できない」 「職場で居眠りやミスを注意された」など日常の生活にも支障か出ています。 このようなケースでは早急に睡眠を確保し、生活を立て直せるように対処する必要かありますので、翌朝に眠気か残らないような超短時間型、あるいは短時間型の睡眠薬を処方して、極力仕事への悪影響が残らないレベルでの睡眠薬の服用か推奨されます。 言い換えれば、緊急の処置としての睡眠薬の処方が必要な状態です。
2.アクシデントで睡眠薬を必要とすることもある
たとえば、総合病院の内科や外科の病棟などで、高齢の方が体調を悪くして入院生活を余儀なくされ、入院という環境の変化についていけずに「眠れない・・・」と訴えることはしばしばあることです。 環境の変化に加えて、合い部屋に入院し・同室の患者さんが夜間救急を要する状態になるなど、真夜中に医師や看護師が慌ただしく出入りするような状況では、物音で目を覚ましてしまい、せっかくの快眠が台無しになることもあります。 入によっては一度目を覚ますとなかなか再入眠できないこともあります。結果として、不眠状態がアクシデントで発生することになるのです。
こうしたケースも睡眠薬で不眠の状態を解消する必要があります。
3.睡眠薬を必要としないケース
また「不眠でつらい」「ぐっすり眠れない」と本人が訴えていても、実際にはよく寝ているケースもあります。本人は睡眠薬の処方を希望していても、すでに睡眠は得られているので睡眠薬の処方はふさわしくありません。 こうしたケースでは睡眠薬ではなくほかの解決方法を検討する必要かあります。 以上のようなケースをまとめると、睡眠薬が応急処置のひとつとして必要になることもあれば、睡眠薬を処方すべきではないようなケースもあり、周囲の状況を十分に検討しなけれぱならないので注意が必要です。それゆえ、眠れないからと言って一律に睡眠薬を処方するのではなく、個々の状況をよく吟味し、患者さんのニーズと睡眠薬の処方の必要性を考慮しないといけません。 また、このほかに心の病などか不眠の原因となっている場合には、精神安定剤を併用したり、精神安定剤による催眠効果を利用して睡眠障害に対処したりすることがあります。
眠れないという患者さんが・・
都心の総合病院の内科病棟に入院中のある高齢の患者さんの例です。その患者さんは、「夜眠れない」と言って、主治医に睡眠薬の処方を求め、最初はマイスリー5mg1錠が処方されました。マイスリーはよく用いられる睡眠薬のひとつです。患者さんは睡眠薬を服用し、5時間ほどぐっすり眠ることができました。 それから2週間ほど経過したある日、またその患者さんが今の薬では眠れないからと、さらに睡眠薬の追加を要求してきました。臨床経験の浅い若い主治医は、一瞬迷いましたが、マイスリー5mg1錠に加えて、レンドルミン0.25mg1錠を追加処方しました。 それでも、気になってレンドルミンを処方される前のここ数日間の患者さんの夜間看護記録を見返してみると・・・、その記録では、その患者さんはいびきをかいて熟睡しているとあるではありませんか。しかも、その記録は夜間のある1回だけの記録ではなく、消灯から8時間経過した早朝5時までの間に数回にわたる看護師の見回りによる記録です。同様の記録が1週間以上続いています。つまり、患者さんは熟睡しているにもかかわらず、「自分は眠れていない」という錯覚に陥っているのでした。 まれなことですが、よく似たことは睡眠薬を常用している患者さんにみられます。

精神安定剤

今まで不眠症への対処についてお話ししましたが、前にも述べたように、心の病が原因で不眠が引き起こされることがあり、また遂に不眠という症状がきっかけで心の病が見つかることもあります。
心の病の多くにその初期症状、部分症状として不眠が現れます。不眠と心の病は密接な関係があるのです。
心の病で悩んで医療機関を訪れる人は、近年とても増えています。この章では、心の病と精神安定剤についてみていきましょう。
さまざまな精神安定剤があります
心の病というと、古い考え方をする人は偏見とともにいりしょくたにしてしまって考えがちですが、多様な種類があり、それぞれ明確に症状が違います。
そしてそれらに対処して使用される精神安定剤にも種類があり、使い分けかされています。主な精神安定剤を分類すると次のように分けられます。
・抗精神病薬
抗幻覚妄想薬/鎮静薬
・抗うつ薬
・抗そう薬
・抗不安薬
1. 抗精神病病薬
抗精神病薬は、主に統合失調症の患者さんに用いられる薬ですが、幻覚妄想に対する抗幻覚妄想薬と、鎮静を主目的として用いる鎮静薬に分けることができます。
古くは1950年代に開発された薬から始まり、その後、さまざまな改善が施され、現在に至っています。従来は、脳内のドーパミンに対して強い桔抗作用(打ち消し合うように作用する)を示す薬剤(第1世代抗精神病薬あるいは定形抗精神病薬と呼ばれる)が主流でしたが、最近ではドーバミンとセロトニンの両方の神経系に作用して、比較的おだやかな効果を現し、副作用も少なくなった第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)が多く使われるようになっています。 第一世代の薬剤は、大きくフェノチアジン系薬剤、プチロフェノン系薬剤、その他に分けられています。 第二世代の薬剤は統合失調症の患者さんには、今ではまずこれらの薬が処方されることが多くなっています。 第二世代の薬剤のなかでも特徴的なものとして、アリピプラゾール(商品名エビリファイ)かあります。これはドーバミン放出量をi常に保つ効果から、ドーパミン・システムスタビライザー(Dopamine System Stabilizer=DSS)と呼ばれています。 統合失調症の患者さんの気持ちを落ちつけ、幻覚、妄想を軽減します。それと同時に、無気力などの症状にも効果があり、快楽消失などを起こしにくく、長期の治療に使うことができます。 鎮静作用の現れはゆっくりなので、強いぷふ又や興奮、混乱状態などをともなう急性の症例には即効性のある別の薬を用います。 この薬は患者さんにより合う、合わないがはっきりしていて、合わないケースでは吐き気、むずむず感、不眠が強く現れます。
そのほかの抗精神病薬で特徴的なものにはクロザピン(商品名クロザリル)というものもあります。 クロザビンは1960年代と比較的昔に開発された薬です。危険な副作用があるため日本ではなかなか承認されず、外国でも一時使われなくなりましたが、独自の効果を見直され、厳格な安全管理のもと再び使用されるようになったという歴史があります(日本での発売は2009年)。 既存の抗精神病薬で効果が見られない患者さんでも60〜70%くらいの割合で効果が現れるとされています。そのため、日本国内で認可される前は「輸入してでも試したい」と言われるほどでしたか、最近ではもっと良い抗精神病薬が出ており、そこまでの人気はありません。クロザビンの問題点は副作用です。無顆粒球症(白血球の顆粒球が減少し感染症を起こしやすくなる)や糖尿病、心筋炎などを起こす危険性があり、生命にも関わります。そのため、ほかの既存治療薬が効かない「治療抵抗性統合失調症」に最終手段として用いられます。 クロザピンは安全管理上、副作用の発現を早期発見するために扱える医療機関、薬局などか登録制となっています。クロザピンを使用する際は厳格な使用手順などを定めたクロザリル患者モニタリングサーピス(CPMS)のしくみに基づく必要かあります。
①抗幻覚妄想薬
抗精神病薬のうち抗幻覚妄想薬は、統合失調症や覚醒剤中毒の患者さんにみられる幻覚妄想に対して用いられます。これらの心の病には不眠症が高頻度でみられます。 幻覚妄想が関係した不眠症には、興奮状態が原因で睡眠薬では効果が十分に得られないことが多く、そういう場合には睡眠薬と抗幻覚妄想薬を併用します。 幻覚には、そこにないものが見えたりする幻視と、誰かが話しかけたり命令してきたりするように感じる幻聴などかあります。また妄想にはさまざまなバターンがあります。これらは心の病にみられることもあれば、脳腫瘍や脳血管障害などのように脳の器質的な病気にもみられます。 また、体の病気が原因で幻覚妄想を呈することもありますし、覚醒剤中毒や、ステロイドを用いた薬物治療を受けている患者さんにもみられます。
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②鎮静薬 もうひとつの抗精神病薬である鎮静薬は、激しい興奮状態を引き起こしている患者さんに用いられます,興奮状態が原囚の不眠の場合、睡眠薬のみでは対処しきれないことが多く、抗幻覚妄想薬と同様に、睡眠薬と鎮静薬を併用しています。 抗幻覚妄想薬や鎮静薬を睡眠薬と併用する場合の多くは、統合失調症などの心の病があって、幻覚妄想状態や激しい興奮状態に陥っているケースです。これらの抗精神病薬を用いて、興奮状態を鎮め、睡眠薬で不眠に対処します。
③抗精神病薬の副作用
抗精神病薬の副作用として、バーキンソン症状、アカシジア、ジストニアなどの症状か起こることがあります。 パーキンソン症状は、体が硬直し歩行ができなくなる、目がつり上がる、ろれつが回らなくなるなどの症状か見られます。副作用としてはもっともよく現れます。 アカシジアでは、むずむず感や焦燥などから落ち着きかなくなって、立りたり座ったり歩き回ったりしないといられない状態になってしまいます(静座不能)。 また、ジストニアは筋肉の調整がうまくいかなくなりた状態になります。 このほか、便秘、肝臓の障害、発疹、皮膚炎といった症状も起こることがあります。 第二世代代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)では、これらの副作用のヽっち最も頻度の高いバーキンソン症状が現れにくいという特徴かあり、注目されています。 それぞれの副作用への対策など、主治医と相談のうえ、よりよい治療を受けていきましょう。
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2.抗うつ薬
気分が落ち込んだり、思考力が低下したりするうつ病ですが、ほとんどのうつ病の患者さんは不眠症を伴っています。そのために、睡眠薬に抗うつ薬を併用するのは、うつ病に対する一般的な治療法となっています。
また、抗うつ薬を服薬すると、ある程度は眠気が出てきます。この作用をうまく利用し、抗うつ薬としての治療効果だけでなく、睡眠薬として不眠状態の改善に使うこともできるケースがあります。
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①うつ状態とは
うつ状態は脳の機能に異常が生じている状態で、精神症状として憂うつになったり、意欲が持てなかったり、考える力が弱くなったりします。また、身体症状として眠れない、疲れやすいなどの症状があります。
原因としては、次のようなものがきっかけとなっていることが考えられます。
・心因性、あるいは反応性
親しい人の死、リストラによる失職など強いストレスかきっかけとなる心理社会的な原因で生じるもの
・内因性
遺伝的な要因により、原因と考えられるようなきっかけかなく生じるもの
・外因性
脳血管障害や脳腫瘍などの脳器質的な病気、甲状腺機能亢進症などの体の病気、感染や中毒などか原因で生じるもの
うつ状態はさまざまな原因で起こります。ストレスだけではなく、脳腫瘍などの脳の病気や甲状腺異常などホルモンの病気が原因となっていることがあるのです。
ですから、これらの可能性を考慮してうつ状態の患者さんに対して、頭部の検査を行ったり、血液検査をしたりして他の疾患かないかチェックすることもあります。
②抗うつ薬の種類
抗うつ薬は、
・三環系抗うつ薬
・四環系抗うつ薬
・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
・NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
などの種類に分けることができます(表7参照)。
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三環系抗うつ薬は、抗うつ薬治療が始まった初期の時代に開発された抗うつ薬です。抗うつ作用は強く、うつ状態に効果的ですが、便秘やのどの渇きなどの副作用が強いものです。 その次に開発された抗うつ薬か四環系抗うつ薬です。四環系抗うつ薬は、作用は比較的穏やかですか、副作用が弱く、高齢者や軽いうつ状態には使いやすいという特徴があります。 そしてその後開発された抗うつ薬がSSRIです。うつ病の原因は、脳内のセロトニンが欠乏したために起こるという考え方からつくられた抗うつ薬で、日本では1999年にSSRIのひとつであるフルボキサミンが初めて発売となりました。 SSRIはそれまでの抗うつ薬にみられる副作用が弱く、抗うつ効果も高い薬です。 SSRIの中でセルトラリンという薬はセロトニン系の神経にだけ選択的に働き、ほかのSSRIに比べ、セロトニン再取り込み阻害作用が強いのが特徴です。 セルトラリンは、抗うつ作用のほかに抗不安作用もあるので、パニック障害などの不安障害にも適応します。効果が長く続くため(約23〜24時間)、1日1回の服用で済むという利点もあります。 また、同じく新しいタイプの抗うつ薬としてSNRIがあります。うつ病の原因が脳内のセロトニンとノルアドレナリンの欠乏によって起こっているという考え方からつくられました。SNRIは、セロトニンとノルアドレナリンの働きを強める作用によってうつ病の症状を改善させます。 SSRIがどちらかというと不安症状に効果的なのに対し、SNRIは意欲低下などの症状があるケースに適し、活動性を回復させることにより効果的であるとされています。 さらに新しいタイプの薬として注目されたのが2009年に承認されたNaSSAで、一般名をミルタザピンといいます。作用するしくみはSSRI、SNRIとも異なり、ノルアドレナリンとセロトニンを効率良く増やします。そのため効果が早く現れ、ドーパミンも間接的に活性化するとのデータもあります。焦燥感や衝動性などの副作用も現れにくいと言われています。 また、SSRIの効果が患者さんの遺伝子などに影響され個人差が大きいのに対して、NaSSAの効果は個人差か少ないという報告もあり、以上を聞くととても画期的な薬のように思われます。 とはいえ、実際には患者さんごとに「合う」「合わない」かあります。ミルタザピンは効き目が早く現れるため、薬の効果の判定には3、4日もあれば足ります。とてもよく効くという評判もあれば、翌朝起きることもできなくなり使えないという人もいます。 今では、使われることが少なくなったものの、まだ三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬が好ましい場合もあり、状況に応じて使い分けられています。
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③うつ状態の初期症状は不眠
うつ状態の患者さんの多くは、深刻な不眠を訴えます。最初の症状が不眠であることも多くあります。不眠症状に対しては睡眠薬を用います。 不眠以外に、気分の落ち込みや意欲の低ドなど、うつ状態にみられる精神症状がすでに出現しているのであれば、睡眠薬による薬物治療に加えて、抗うつ薬による治療も始めます。
④抗うつ薬の催眠効果に関して
うつ状態に不眠はつきものです。 このうつ状態に対処する抗うつ薬も、睡眠薬と同様に催眠効果をもっています。不眠症状が軽い場合は、就寝前に抗うつ薬を服薬してその催眠効果を得るという方法もあります。 ですが、抗うつ薬は毎日規則正しく服薬してもらい、1週間から10日は経過しないとその効果判定を行うことができません。睡眠薬よりも効果が現れるのに時間がかかるのです。不眠状態について患者さんがすでに片痛を感じている場合は、その苦痛をなるべくすみやかに解消してあげたいので、睡眠薬を用いた方がよいでしょう。
⑤抗うつ薬の副作用
抗うつ薬の副作用として、のどの渇きや便秘、めまい、手のふるえ、眠気などかみられます。高齢者などは注意が必要です。 三環系抗うつ薬は、こうした副作用がもっとも強いとされています。 また、2009年に「重大な副作用」として三環系抗うつ薬と四環系抗うつ薬に関しては「敵意、攻撃性が高まることがある」という指摘がされました。これらはそううつ病、統合失調症患者のうつ症状、アルコール依存症、パーソナリティー障害といった状況か併存しているケースにみられることがあり、薬品の添付文書には、これらの注意が明記されています。 SSRIの副作用としては吐き気などの消化器症状がよく知られています。 SNRIは、SSRIの吐き気に加えて多汗尿閉といって汗をいっぱいかいて尿か出にくくなるという副作用がみられます。 NaSSAも眠気や口が渇くなどの副作用が現れることがあります。 抗うつ薬は、効果か出るまでに1週間から10日かかることがあるため根気強く服用する必要がありますが、副作用が強く出た場合はすみやかにその旨を主治医に伝えましょう。
3.抗そう薬
①そう状態とは
そう状態とは、異常に気分が高まった(高揚)した状態か一定時間続く状態です。自信に満ちあふれ、疲れを感じにくく、口数が多くなったり、活動的になったりしますか、その際注意力を欠いていたり、思い込みや妄想をともなうこともあります。そう状態とうつ状態をくり返すことがあり、そうした状態を「そううつ状態(双極性障害)」と呼びます。
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そう状態の主な症状は次のようになります。
・気分の異常な高揚
・情動易変性
感情が不安定で、すぐに怒ったり泣いたりする
・観念奔逸
考えが次から次へと浮かび、会話はとても早く、話がとびやすい
・不眠
睡眠をとらなくても活力に満ちあふれている
・食欲・性欲亢進
・誇大妄想
何でもできるという万能感にあふれている そう状態の人は激しく興奮しているために決まった時間に眠れません。本人が眠れないことを苦に思っていないこともしばしばあります。眠るためには、抗そう薬を飲むことによって気分の高揚や興奮している状態を安定させる必要があります。抗そう薬は、激しく興奮するそう状態を改善させるための薬で、気分安定薬ともいわれています。
②そう状態を改善する薬
炭酸リチウム(リーマスなど)が代表的な抗そう薬です。 ただし、炭酸リチウムには、副作用を起こす可能性かあります。服用によって、血中炭酸リチウム濃度が上昇すると、中毒症状として嘔吐や下痢、腎臓の機能障害を生じることがあるので注意が必要です。そのためにリーマスは徐々に使われなくなりつつあり、そのかわりに抗精神病薬のなかでも鎮静作用の強い薬剤などが、そう状態の改善に多く用いられるようになってきています。また、本来はてんかんの治療薬ですがバルプロ酸ナトリウム(商品名デパケンなど)やカルバマゼピン(商品名テグレトールなど)も気分安定薬として、そう状態の改善に用いられることがあります。
4.抗不安薬
不安障害、あるいは不安障害までいかなくても、心配事があって眠れないといったことは誰でも経験かあるでしょう。しかし、あまりにも不安が強いと、動悸やめまい、頭痛などの身体症状を招くことがあります。
抗不安薬は、不安や緊張をやわらげます。
①不安や緊張をやわらげる抗不安薬
抗不安薬は、内科、外科、産婦人科などのほとんどの診療科に常備してあるポピュラーな薬剤であり、精神安定剤の中では効き目もとても穏やかです。 抗不安薬の多くは、ベンゾジアゼピン系であり、これらは睡眠薬と同様に、ベンゾジアゼピン受容体にくっつき、不安や緊張をやわらげます。 ベンゾジアゼピン系の抗不安薬が、ベンゾジアゼピン受容体にくっつくと、GABA(ギャバ)受容体を介して、さまざまな神経の機能を抑えるように働きます。GABAを介して抑制される神経系としては、不安に関連しているノルアドレナリンやセロトニンの系列が考えられています。
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②抗不安薬が必要な場合
抗不安薬が必要になる心の病は「全般性不安障害」や「パニック障害」などの不安障害です。不安障害とは、本来危険やストレスに関連して生じる不安感が、理由なく発生したり、頻繁に発生したり、もしくは日常生活に支障をきたすくらい長く続いたりする状態をいいます。 こうした場合の不安感を軽減するために抗不安薬を使用します。 そのほか心の病でない場合も抗不安薬は用いられます。 たとえば、病院などで大きな手術の前日は、患者さんは強いストレスや不安を抱えています。このストレスが原因で夜眠れなくなることがあります。こういう場合に抗不安薬を処方し、緊張をやわらげることかあります。 また、日常生活にはさまざまなストレスや不安の原因がありますが、あまりにも不安を強く感じている場合、抗不安薬で不安をやわらげることも可能です。 とはいえ、薬によって不安のみを軽減させるわけで、不安の根本的な原因が改善されたわけではありません。たとえば経済的なトラブルなどで不安を感じていた人が抗不安薬で不安を軽くできたとしても、原因である経済的なトラブルは何も解決されていません。再び不安か大きくなることもあるでしょう。 それでも抗不安薬によって苦痛が軽減し、少しでも精神状態が安定するのであれば、抗不安薬を用いる価値があると考えられます。
③抗不安薬の催眠効果
不安が原因で不眠となっていた場合、抗不安薬を使用することで不安が軽減し、不眠状態が改善することかあります。 つまり、不眠を直接的に改善させる睡眠薬で眠れるようにするのではなく、不安や葛藤を抗不安薬で軽減させて、不眠を二次的に改善させる方法です。 抗不安薬はすでに説明したように、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬と同じように、ベンゾジアゼピン受容体に作用し、GABAを介して効果を発揮する薬物だからです。 もし睡眠薬を用いないでも眠れるのであれば、抗不安薬で眠るほうが望ましいでしょう。
④抗不安薬の主作用と副作用
抗不安薬の主作用には、心の緊張をほぐし、不安を取り除くという作用があります。緊張がほぐれ、不安が軽減すると、ほとんどの人は心地よくなり、眠気を感じ始めます。 多くの抗不安薬は、服薬後30分から1時間くらいに血液中の濃度がピークになり、その後、しだいに効果は弱くなっていきます。そのため、1日3回前後の服薬が行われます。 状況によっては、『不安を感じ始めたときに抗不安薬を使用する」、という頓服薬的な使用方法もあります。 抗不安薬にも副作用があります。基本的にベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬と同様にふらつく、眠気か生じるなどです。しかしそれは、リラックスしてきたことの現れれで主作用の一部ともいえます。 そういう症状か現れてきた場合には、できるだけ横になって休んでください。 総じて、抗不安薬の副作用はたいしたものはなく、それほど気をつかう必要はありません。
これまで精神安定剤を中心に心の病についてみてきました。
ひと口に精神安定剤といっても、統合失調症のような病気に対して抗幻覚妄想薬や鎮静薬を用いる場合もあれば、うつ病の治療に用いる抗うつ薬、不安感を軽減する目的で使用する抗不安薬を利用する場合など、さまざまな用い方があります。
このほかにも、よくみられる心の病として全般性不安障害、パ二ック障害、高齢者のせん妄などかありますので、次項でご説明します。

そのほかのよくみられる心の病

前項で抗不安薬の説明とともに不安障害について説明しました。不安障害では、「全般性不安障害」や「パ二ック障害」などがよくみられます。

全般性不安障害

人は誰でも不安をおぼえることがありますが、健康なレベルの不安はその不安の対象が明確です。
全般性不安障害の不安は、「何となく不安であるが、自分自身で一体何が不安なのかわからない・・・」というように対象が不明確です。
健康なレベルの不安と比較すると表10のようになります。
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不安感をコントロールできない状態にあるので、対処としては、抗不安薬や抗うつ薬で不安感を軽減しコントロールできるようにします。

パニック障害

パニック障害は、突然の不安感から呼吸困難感や、動悸や発汗などの身体症状(パニック発作)が現れ、パ二ック状態に陥ります。自分は死ぬのではないかなどとも感じられます。不安か消えると、発作もおさまります。 しかし、再発を恐れるようになって(予期不安)、ひとりで外出したくなくなったり、行動範囲が狭まったりする(広場恐怖)ことかあります。こうなると日常生活にも影響しますので早めに受診することが必要です。 こうしたパ二ック障害を引き起こす不安も全般性不安障害と同じように、「自分でも何が不安なのかわからない……」という状況です。パニック障害になる原因はわからず、脳の機能に障害があることが原因という見方もあります。 パ二ック障害で引き起こされる発作では、呼吸困難、動悸、発汗などさまざまな身体症状がみられます(表11、表12)。
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対処する精神安定剤としてはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)で効果かみられます。

高齢者のせん妄

①せん妄とは?
高齢者に多く現れる症状として、夜中などに突然起きてわけのわからないことをいい出して、それを翌日全然覚えていないという「せん妄」というものがあります。
せん妄とは、意識が混濁した状態において、幻覚妄想やこれに関連した行動異常を呈する状態をいいます。せん妄の症状には幻覚(幻視)や被害妄想などがあり、認知症などと混同されがちです。
せん妄の原因は、体の病気によるもの、心因性のもの、薬剤によるものなどいろいろあり、健康な人でも発症することがあります。しかし、このせん妄が現れたときには、なにかの病気が原因となっているのではないかなどを見極める必要がありますので、放置せず受診しましょう。
治療法としては、少量の抗精神病薬が処方されます。
②せん妄が起きる原因
高齢者では、ごくありふれた身体的変化(脱水、発熱、下痢など)が原因で起こることもあれば、ちょっとした手術の直後にみられることもあります。
薬剤が原因で起こるせん妄もあります。
③せん妄時にみられる精神症状
・意識混濁
意識混濁のレベルには日内変動(一日の中で変化すること)があり、ぼんやりしているだけだったり、うとうとしているものの呼びかけに返事がかろうじてできたり、返事はできないものの刺激に対しては反応があったりなど状態に変化があります。
また、日中は意識がはっきりして(清明)いても、夜間のみ意識混濁が顕著になることもあります。
・幻覚
実在しないものが見えるという幻視が特徴的です。小さな動物がいると言ったり、誰もいないところに話しかけたりします。
・行動異常
日ごろ慣れ親しんだ作業を行っているように見えたり、無意味で無目的な動作を行っているように見えます。
・先行する不眠
睡眠障害がせん妄に先行して現れることがあります。高齢者に強い不眠が現れたときには、常にせん妄の存在を疑わなければなりません。 比較的よくみられるパターンとして、日中はまどろみを繰り返し、夜間は不眠を呈するという昼夜逆転があります。せん妄は夜間に増悪することか多いのが特徴です。
心の病も、身体の疾患と同様、早期の対処が望ましく、思い当たることがあったら「たいしたことない」「しかたがない」と思わず専門家に相談するようにしましょう。

精神安定剤はいつまで飲む?

精神安定剤には、症状か軽減もしくは解消してきたら減量したり、飲まなくてもよくなるものと、飲むをやめると症状が再発してしまう恐れがあるので服薬をやめてはいけないものがあります。
いずれの場合も、素人判断は危険ですので主治医の指示に従うことが大切です。
1.抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬は、よくなれば薬をやめることが可能
うつ病や不安障害に用いることが多い抗うつ薬や抗不安薬に関しては、これらの薬剤を用いる薬物治療によって症状が改善すれば、徐々に薬を減量するのが一般的です。
睡眠薬も同様です。睡眠薬はできる限り服薬しないほうがいいので、不必要になれば早めに減薬したほうか賢明です。その際も必ず主治医に相談しましょう。
2.頓用できる薬と、定期的な服薬が必要な薬
症状が出たときや、ひどいときなど必要に応じて薬を飲むことを頓用といい、そういった薬を頓服薬といいます。 うつ病の際に用いる抗うつ薬は、定期的な服用が必要で頓用はできません。治療中は規則正しく定期的に抗うつ薬を服薬することか不可欠です。 一方、不安障害のときに用いる抗不安薬に関しては、不安及び不安関連の身体症状(動悸、呼吸困難感、吐き気、頭痛、めまい、発汗などの自律神経症状)が、ある限定された時間や場所にだけ出現するのであれば、そういうときにのみ使う頓用も可能です。 しかしながら、不安感のレベルが中等度以上の場合など、非常時のみの服薬では対応しきれなければ定期的な服薬が望まれます。いずれにしても主治医の指示に従いましょう。 もちろん疾患名、服症度、回復レベルなどの諸要因によって服薬の方法が変わってきますので、わからない点があれば、積極的に主治医に相談するようにしましょう。
3.症状がよくなっても薬が減らないとき
あせるのは禁物ですが、症状かよくなってきているにもかかわらず、いつまでたっても抗うつ薬や抗不安薬が減騒されない場合には、「どうして減量しないのですか」と主治医に相談してみてください。もし減量しない理由かあれば、説明してくれるはずです。 日本人には「お任せ医療」を好む心理特性の人が多くいます。また、専門家に対して治療方針に関する疑問などは聞きにくいと思うかもしれません。ところが、医療者サイドからすれば、患者さんか何も言ってこないということは、「今のままでいいと思っているのだ」と判断しているケースもあります。 また、患者サイドから主治医に質問したとき、主治医かお茶を濁すような返事しかしてくれない、ごまかすようなはっきりとしない曖昧な答えが返ってくるような場合では、セカンド・オピニオンとして別のクリニックや病院に相談したほうかいいでしょう。 私のクリニックにも「いつまでも同じお薬ばかりで全然減らしてくれないので不信感を持っている・・・」という理由でセカンド・オピニオンを求めて受診される患者さんが、年々増加傾向にあります。むやみに主治医の治療方針を疑う必要はありませんが、同じ治療が何年も続いているのなら一度セカンド・オピニオンを受けてみるのも一考でしょう。
4.統合失調症に用いる抗精神病薬は服薬し続けるのが基本
統合失調症では、ほとんどの患者さんにおいて抗精神病薬か処方されますが、患者さんの判断で勝手に服薬を中断すると、一般的に見て、半年から一年ほどで多くの患者さんは再発してしまいます。緊急入院が必要になることもあります。 そうなってから服薬を再開したとしても、元の状態に戻るのに大変な労力と時間を要します。抗精神病薬の臨床効果も減弱することがあり、患者さんの独断で薬の服用を中断するのは非常に危険です。 現代の精神医学では、抗精神病薬については、再発、悪化を防ぐために長期にわたって服薬し続けることが必要です。
5.主治医と十分なコミュニケーションを取る
以上をまとめると、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬は症状が改善されれば薬を減量していくのが望ましいのに対し、統合失調症で用いる抗精神病薬は、中止するのは危険であるということになります。 注意すべきケースで、実際の疾患が統合失調症であるにもかかわらず、患者さん自身は白分かうつ病であると思い込んでおり、抗精神病薬の効果により改善し、「もう飲まなくてもいい」と勘違いをして服薬を中断してしまうことがあります。患者さんの家族がうつ病と思っていて同様のことになることもあります。 「病名を間違うなんて・・」 と、思うかもしれませんか、主治医とのコミュニケーションかうまくとれていないときに、このようなことか発生します。 いずれにしても、無意味な労力と時間を費やす結果にならないためにも、主治医と患者さんおよび患者さんの家族の間に十分なコミュニケーションがとれている必要があります。
抗てんかん薬とは
てんかんとは、痙攣や意識障害などのてんかん発作を起こす病気で、脳の障害や神経の異常などが原因と考えられ、脳疾患や脳の外傷、遺伝子の異常などから引き起こされると考えられています。てんかん発作を起こす人は、きっかけとなる外因(光刺激、ストレス、過労など)によって発作を誘発されます。 抗てんかん薬はてんかんを根治するのではなく、てんかん発作を予防したり、症状を抑えるための薬です。 てんかん発作の型を見極めてから、それに適した薬を選択して用いることが原則です。多くの種類の薬がありますが、1種類の薬で効果が不十分な場合は、複数の薬を組み合わせて使うこともあります。決められた量をきちんと服用することが極めて大切です。 近年、いくつかの新薬が導入されている分野でもあり、新しいものではガバペンチンがあります。GABA機能を強化するなどの作用があり痙攣発作を抑えます。別の抗てんかん薬と併用して治療に用いることができます。 同じく新しいタイプの抗てんかん薬としてトピラマートというものがあります。脳神経の興奮を鎮め、てんかん発作のきっかけとなるカイニン酸型グルタミン酸受容体(AMPA)の機能を抑制する働きをします。 トビラマートは抗てんかん薬ですが、副作用に食欲低下があり、これを利用して痩せ薬として使うこともあります。欧米では過食症、アルコール依存症のための薬として使われることがあります。

睡眠薬と精神安定剤

これまで、睡眠薬と精神安定剤について見てきましたが、さまざまな種類があり、それぞれ用途と特徴が異なるということをご理解いただけたと思います。
使う際には医師の指導のもと、適切に使うことが重要なことは言うまでもありません。
この項では、それらに加えて、睡眠薬、精神安定剤を使用する際に知っておいていただきたいこと、注意してほしいことをお話ししたいと思います。
薬局で買える睡眠薬
最近、テレビのコマーシャルなどで見て知っている方もいるかと思いますが、薬局で睡眠薬を購入できるように伝えられています。 こうした薬はOTC(Over The Counter)医薬品と呼ばれています。「薬局で睡眠薬が買えるようになったのか」と思った方もいらっしゃると思いますが、そうしたOTC医薬品はパッケージには「睡眠改善薬」と書かれており、睡眠薬とは書かれていないはずです。 医師など専門家を介さずに人手できるということは、相当な安全性を要します。結果的に効き目の強い医薬品はOTC医薬品として認可することができません。ですから薬局の店頭で購入できるような薬剤は、処方される睡眠薬に比べ、睡眠を促す作用がかなりマイルドです。 「何錠飲んでも全然効かない・・」という訴えで、心療内科や精神科の門を叩く方は決して少なくありません。もちろん、効かないからといってたくさん飲んではいけません。 また、OTC医薬品の睡眠改善薬で眠ることができるレベルの不眠症であれば、きわめて軽度の不眠症だと言えるのかもしれません。
2.「睡眠改善薬」の成分
薬・局で購入できる睡眠改善薬には、大きく分けて、
・ジフェンヒドラミン塩酸塩
・ブロムワレリル尿素、アリルイソブロビル
アセチル尿素
・生薬
のいずれかが含まれています。
・ジフェンヒドラミン塩酸塩
風邪薬や、花粉症などの抗アレルギー作用を持つ薬を飲まれた経験のある方ならわかるかと思いますか、服用して一時間ほど経つと、どうしようもない眠気を感じることかあります。これらの薬の中には、ジフェンヒドラミンという成分が入っており、脳の中のヒスタミンを抑える抗ヒスタミン作用を有しています。その働きで、催眠鎮静作用が現れて眠くなるのです。
・ブロムワレリル尿素、アリルイソプロビルアセチル尿素
ブロムワレリル尿素、アリルイソブロピルアセチル尿素は、不安、イライラ、緊張、恐怖などを抑える抗不安作用があります。そのため、ジフェンヒドラミンと同様に、眠気が出てくることがあります。風邪薬や解熱鎮痛剤にもこれらの成分が含まれていることがあります。
・生薬
漢方薬の成分である、生薬が配合されているものもあります。こうした薬に入っている生薬は催眠作用を有し、眠気を促します。また鎮静作用も持っており、精神安定剤にみられる抗不安作用を有しています。
ホップ、チョウトウコウ、カギカズラ、チョウジ、サンソウニン、カンゾウ、サイコなどがよく知られた生薬です。このページで紹介している精神安定剤に加え、漢方薬のなかにも抗不安作用を有するものがあり、その臨床効果を期待して、不安障害の薬物治療を行う医師もいます。
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3.きちんとした睡眠薬は専門医で
「餅は餅屋」ということわざがあります。不眠症にはいろいろなパターンがありますか、適切な投薬を受けたい場合、自分で薬を選ぶのではなく、睡眠薬の処方を専門とする精神科や心療内科の受診をおすすめします。
きちんとした睡眠薬を適切に服薬したい方は、その専門家に疑問点を聞かれることか最良の道のように思います。
妊娠と睡眠薬
妊娠中の女性か睡眠薬
や精神安定刻を使用してもいいのか、それとも使用してはいけないのかを知りたい方もいらっしやるでしょう。本人あるいは患者さんの家族の方たちであれば、より関心をお持ちでしょう。
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原則的には服薬は控えます
表14に示したような薬剤に関していえば、妊娠中に服薬すると胎児に及ぼす影響があり、催奇性がある可能性が高いということです。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は胎盤を通過しやすいために、妊娠期間を通して服薬には十分な注意が必要です。
また、出産後の授乳に関してもほ乳へ移行することが確かめられており、ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服薬する母親は、新生児への授乳を行わないようにするのが一般的な考えです。以上のことから、可能であるならば、妊娠中、授乳中は睡眠薬を服用しないほうがよいでしょう。
2.絶対安全とは言い切れないが・・
私のクリニックでは、治療中に妊娠したことがわかった場合、産婦人科の主治医の許可がない限り、睡眠薬や精神安定剤は一切処方しないようにしています。催奇形の可能性など、妊娠への影響がきわめて低いとされる薬剤であっても、心療内科や精神科で治療を行っている患者さんは総じて不安が強いため、不安が治療や妊娠の継続に悪影響を与えかねないということを危惧するためです。 また、胎児への影響か完全にないと.ばい切ることはできません。たとえば、外出すれば交通事故に出合う確率はゼロということがないのと同様です。 また、「影響がほとんどない」という場合でも、服薬するかしないかの判断の根拠は、数学の確率論の問題になります。 たとえば、わずかI%の確率で問題か生じる薬剤があるとしましょう。患者さんにそのパーセンテージを説明すると、ある人はわずかI%であっても可能性はあるので、服薬に関しては「不安で仕方ない:・」といいます。ある人は20%の確串で問題かあるときいても、「80%は問題が生じないのだからよいだろう」といいます。あるパーセンテージが高いか低いかは客殿的に判断するのか難しく、個々の主観がどうしてもそこに入ってしまいます。状況によって数字の捉え方は大きく変化していくものです。
3.相対的に判断するべき
医師が処方する医療用薬剤には必ず製薬会社が作成する添付文書があります。その添付文書には起こり得る可能性のある副作用が列挙されています。 妊娠に影響を与える可能性のある薬剤の添付文&には、 「妊婦又は妊娠している可能性かある婦人には投与しないことが望ましい。また、投与中に妊娠が判明した場合は投与を中止することか望ましい」 または、 「本剤投与中に妊娠か判明した場合には、投与継続が治療上妥当と判断される場合以外は、投与を中止するか、代替治療を実施すること」などと書かれている薬剤もあります。 つまり、妊娠が判明すれば投与を中止すべきであるか、一部の薬剤に関しては、薬剤の継続によって患者さんが得られるメリット(不眠症、心の病などの治療)が、投与中止によって得られるメリット(妊娠への影響の軽減)よりも明らかに高い場合に限って、投与を続けることもあるということです。 たとえば、統合失調症の治療中の患者さんに、妊娠の発覚が理由で薬剤投与を中止した場合、幻覚妄想が激しく悪化し、出産するどころではなくなるであろうと推測できるケースでは、投与を続けることもあるかもしれません。投与の継続により妊娠、出産への悪影響の可能性かあるとしても、それ以Lの好ましくない結果か明らかに予測できるということです。そして、これらの判断はケースバイケースであるかゆえに、文章の形で「・・の場合は投与を中止」「・・・の場合は投与を継続」というクリアなラインを引くのは難しいのです。 いずれにしても、不眠や心の病に限らず薬剤治療中に妊娠がわかった場合には、主治医とよく相談することか大切です。

自分に合う睡眠薬、精神安定剤とは

1.医療の現場でよくみられる薬の「合う」「合わない」という現象
ここでいう「合う」「合わない」は効果があるかないかということです。
精神科臨床の現場で精神医療に従事していると、AさんとBさんの不眠症の内容はまったく同じであるにもかかわらず、AさんにはCという睡眠薬が合うが、BさんにはCは合わずにDの睡眠薬か合うという現象に出会うことかあります。 もしもAさんの不眠症が、「寝つきが悪い」という人脈困難であり、Bさんの不眠症は「朝早く起きすぎてしまう」という早朝覚醒で、不眠症の中身かまったく異なるのであれば、効果を示す睡眠薬に違いがあるのは当然でしょう。 しかしながら、AさんもBさんも同じ人眠障害を示しているにもかかわらず、たとえばAさんはハルシオンが非常に効果を示し、Bさんはハルシオンは効果を.ボさずにマイスリーのほうがより効果があるということがあります。 これと同じ現象は、睡眠薬、精神安定剤だけに限らず精神科以外の診療科での薬物治療の際にも、ごく普通にみられます。 ある病態に対して、ある薬以外はまったく効かないということはそう多くありません。同じ病態のように見えても、効果を示す薬は多様であるということになります。もしかすると、その多様さは個々の遺伝子の微妙な違いによって生じているのかもしれませんが、現時点では未解決のままです。
2.うつ病では「合う」「合わない」ははっきりしている
近年、わが国ではうつ病で苦しむ患者さんが急増しています。そううつ病なども含めると患者数は100万人を超えているという報告もあります。その治療には、主に抗うつ薬を用いるのですが、その際も患者さんごとに合う抗うつ薬と、合わない抗うつ薬があります。 たとえば、Xさんにはパキシルが「こんな素晴らしい薬はない」とご本人が感激するほどの高い効果を示すのですが、似た症状を持つYさんにとっては「パキシルを飲んで、うつかますますひどくなった。薬を変えてほしい」と言わざるを得ないという結果になるということかあります。 Xさんにしてみれば、うつ病で苦しむ患者さんがいれば、「すぐにでも心療内科を受診して薬をもらったほうがいいですよ」と言いたくなりますか、これに対して、Yさんは、「薬で心の問題を解決しようなんて間違いだったのかもしれない。薬を使った治療はこれ以上受けたくない」と思うかもしれません。 何も知らない人がパキシルについて、服薬の経験者に聞いたら、Xさんから話を聞くのと、Yさんから話を聞くのでは、まるで印象か違うでしょう。 このように、抗うつ薬は患者さんにとって「合う」「合わない」の結果が非常にはっきり出るので、聞きかじりや思い込みで「この薬がよい」などと決めつけずに、専門家と相談しながら慎重に自分に合う薬を見極める必要があります。
3.ベストな薬剤選択とは・・
薬剤選択において重要な点は、医療者サイドが、今用いている薬剤がその患者さんに本当にベストの薬剤であるのかどうかを常に検討しなければならないということです。つまり、主治医は、現在の薬物治療がベストであると安易に判断し、同じ処方を延々と続けていてはいけないのです。 可能な限り、患者さんにとってよりよい薬剤選択を求め続けることが医療者には必要であり、安易に妥協しないことが肝要です。 個人的な経験ですが、ほかのクリニックですでに受診、治療していてセカンド・オピニオンとして私のところに受診して来られる患者さんの処方内容を見ていると、医療者が努力を怠り、全然効いていない薬剤を数年以上に渡って処方し続けているケースがみられます。
そしてもっと問題なのは、患者さんは本当はほかにもっと良い方法かあるのに今の薬か最善の薬剤選択であると思いこみ、全然効いていないということに気づいていないケースです。初めてうつ病になり、あるクリニックに通院を始め、「なかなかよくならないけど、うつ病治療とはこんなものなのだろうか・・」と不思議に思いながらも数年経過していることもあります。セカンドーオピニオンを受けることすら思いつかず、問題解決が遅れます。 患者さんが客観的な眼を持つことができればいいのですか、専門家でない患者さんにそこまで求めることは無理というものです。 だからこそ、医療者には常に患者さんにとってさらによりよい治療がないか、検討し続ける努力が必要なのです。
4.通院期間が短いほど、適切な薬剤選択がされている
「合う」「合わない」の薬剤選択に関して、興味深いことがあります。うつ病に関しては、適切な薬剤選択をしているクリニックや病院であればあるほど、一人当たりの通院期間が短くなります。つまり、適切な薬剤選択が治療効果を示し、心の病が早く治るということです。とくにうつ病に関してはその傾向か強いように思います。不適切な薬剤選択をしていると、治るものもなかなか治りません。必然的に治療期間は長くなります。
5.使用薬剤数も大切な指標
もうひとつ大切な指標があります。一般に適切な薬剤治療をしていれば、用いる薬剤数は少なくなります。つまり、個々の患者さんに非常に合う適切な薬剤投与がされていれば、何種類もの薬剤を用いる必要はありません。ある薬剤では効かないと主治医か感じているから、さらにもう一種類の薬剤を追加し、ひいてはさらにもう一種類という感じで薬剤数が増えていくのです。
6.セカンド・オピニオンも試すべきか?
以上をまとめると、少ない薬剤数でもって短期間で通院を終えることかできれば、そこの医療者は信頼に値すると考えても、間違いはないように思います。
患者さんが「どうも治療かおかしい・・・」と思って主治医に薬剤変更などを訴えても、主治医がごまかそうとしたり、自分の非をなかなか認めず、話を聞いてくれないなどということかあったら要注意です。これでは良好なコミュニケーションは望めず、信頼関係を築くこともできません。
こういうときは、セカンド・オピニオンを求めて、他の専門家に現在の治療状況に関してコメントしてもらうという積極的な行動が必要です。
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