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入眠障害・過眠(ナルコレプシー)

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入眠障害・過眠(ナルコレプシー)

睡眠時無呼吸の症状のある人は夜中に突然死することがあると聞きましたが、本当でしょうか?
睡眠時無呼吸症候群が、生存率に関係する諸疾患の危険性を上昇させる要因になることはほぼ確実です。重症例では夜間突然死の原因にもなり得ると考えられます。
閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)については、かなり人規視な調査により、OSAHSが生存率に悪影響を及ぼすことがわかっています。
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未治療群(50歳未満)における、無呼吸指数の相違による累積生存率に対する影響

未治療群(50歳未満)における、無呼吸指数の相違による累積生存率に対する影響


 
図にあげたカナダのHeらの研究結果でも、未治療のOSAHS患者さんでの8〜10年後の累積生存率は経鼻的持続陽圧呼吸による治療を受けた患者さんに比べて低いことがわかっており、生存率に対する悪影響が予測されるのは、無呼吸指数(1時間あたりの無呼吸の回数)が20以上すなわち中等症〜重症の症例であろうと考えられています。これ以外にもOSAHSが生存率に悪影響を及ぽすとの報告は数多く、OSAHSに対する適切な治療(上に述べた経鼻的持続陽圧呼吸だけでなく、口腔内装只・、喉の外科的手術なども含まれます)の必要性が強調されています。またその死因としては、虚血性心疾患、脳卒中などが重要視されています。死亡時間帯は、これらの合併症の発現時間帯に一致すると考えられます。
OSAHSでの脳卒中の発現が早朝から夜間後半に多いことは、睡眠中の突然死に結びつく可能性があると考えてよいでしょう。
もう1つ忘れてはいけないのは、OSAHS患者さんが居眠り運転を生じる可能性であり、米国ではOSAHS患者さんが事・故死ないしは重度のケガを負ったという報告があります。身体的な症状だけでなく、OSAHSが眠気による事故を引き起す可能性についても十分な注意が必要です。また、OSAHSでの無呼吸症状は、夜間前半より後半になるに
つれて頻度が増え、持続時間も長くなることがわかっています。このため、無呼吸のもたらす低酸素血症ならびに高炭酸ガス血症も睡眠の後半に著しくなりやすく、重症患者さんでは呼吸不全状態による夜間突然死の可能性もあると思われます(特に肥満に基づくOSAHS患者さんで、突然死の危険度が高くなるようです)。
しかし、夜間突然死という最悪な事態は、重症例のみに限られた現象であり、軽症例では生命予後に悪影響を及ぼす可能性は非常に少ないと考えられています。 OSAHSの可能性が高いと思われる場合には、まずその重症度を医師にチェックしてもらうとともに、上に述べた心血管系の介併症がないかどうか調べ(合併症がある場合には、病状の経過について注意が必要です)、総合的な判断のもとに治療を受けるようにして下さい。また高齢者では、呼吸調節機能の老化につれて睡眠時無呼吸が生じることが少なくない(70歳以上の高齢者では少なく見積もっても15%以上に睡眠時無呼吸が存在することが知られています)のですが、これについてはたとえ無呼吸の頻度が多くても病的意義は低く、生存率に対する悪影響もほとんどないと考えられています。あまり神経質になりすぎるのもよくないでしょう。

乳児突然死症候群(寝台死)は、特殊なタイプの睡眠に関連した呼吸障害ですか?

おそらくは睡眠中に生じる死であろうと考えられています。
原因は不明ですが、呼吸障害というよりは、覚醒反応異常説が有力視されています。
乳児突然死症候群はSIDS(Sudden lnfant Death Syndrome)と略して呼ばれます。SIDSとは「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況および剖検(解剖して検査すること)によってもその原因が不詳である、乳幼児に突然の死をもたらした症候群」のことで、SIDSというためには「突然死をもたらす隠された疾患がないこと、窒息などの事故でないこと、さらには犯罪などでないこと」を証明しなければなりません。
わが国では、今も出生約2,000人に対して1人の赤ちゃんがSIDSで亡くなっています。月齢では4ケ月日に高頻度を示し、6ケ月までにその80%が発生しています。しかし解剖をさせていただいても「この所見が見つかったならばSIDSと確定できる」ということはありません。事故による窒息死とSIDSの鑑別は、必ずしも可能とはいえないのです。
もちろんの.や目から肺に至る空気の通り道である気道を閉塞する明らかな証拠が見つかれば、その時点で赤ちゃんの死因はSIDSではなく、その気道の閉塞が原因で亡くなったということになります。そのため赤ちゃんの死亡原因を知るには死亡現場の状況調査が非常に重要となります。
現在、SIDSの原因に関して最も有力視されている考え方に、「覚醒反応異常」説があります。「睡眠時に無呼吸になった場合、通常ならば、応しがって目を覚ます、という覚醒反応が起こって無呼吸から回復するはずですが、SIDSの場合にはこの覚醒反応がうまく起こらずに死亡してしまう」という考え方です。覚醒反応がきちんと起きるためには、苦しさが感じられ、脳に伝わり、それに対する行動を起こせという命令が出て、その命令が実行されなければなりません。この過程のどこに問題点があってもきちんとした覚醒反応は起きません。以lこのことからご質問の「SIDSは特殊なタイプの睡眠に関連した呼吸障害」とは現時点ではいえません。
また、最近の疫学調査の結果を受けて母子健康手帳にSIDS対策として、母乳栄養、禁煙、仰向け寝のすすめが記載されるようになりました。これらの対策により危険を3〜4倍回避できることが明らかになっています。なかなか積極的な防止策はないのですが、仰向け寝を推奨したところ既界各国でSIDSの発生頻度が明らかに減少しました。

各国仰向け寝推奨キャンペーン前後のSIDSの出生1,000人あたりの発生数

各国仰向け寝推奨キャンペーン前後のSIDSの出生1,000人あたりの発生数


 
なお、うつぶせ寝で窒息するのでは、とお考えになるかもしれませんが、仰向け寝こそ吐物や誤嚥(ごえん)等で窒息の危険を高めます。かつてうつぶせ寝が推奨されたときにも誤嚥や窒息を防止するという目的がありました。9世記の聖書にSIDSと考えられる状態が「乳児窒息」と記載されていたためか、窒息との混同があるようです。しかし、新生児といえども柔らかい枕などを使用していた場合を除いて、うつぶせ寝で鼻や口が塞がれて窒息に陥ることは、ほとんどないといわれています。 SIDSと窒息とは全く違うものです。うつぶせ寝で、目覚めずに死んでしまうのがSIDSです。重要なことは6ケ月未満の赤ちゃんを1人で放置しないことです。
睡眠時無呼吸と診断され、鼻マスク装置の使用をすすめられましたo圧力をかけた空気を送り込んで無理に呼吸させるそうですが、どのくらい効果が期待できますか?
鼻のマスクによる池原は、閉悪性睡眠時無呼吸に対し、最も効果の安足した治原として知られでいます。これを使えば、無呼吸はほぼ完全になくなります。
夜間寝る前に、鼻にマスクを装着して気流を送り込む治療は、経鼻的持続陽圧呼吸(nasaI CPAP)と呼ばれており、1980年代前牛にオーストラリアで開発)されて以来、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)治療の最も有効な治療法として全欧界で使用されています。
経鼻的持続陽圧呼吸の作用機序

経鼻的持続陽圧呼吸の作用機序


この治療の原理は、図に示したように、気流によって喉が閉塞しないようにするというもので、喉がどんなに狭くても気流の圧力を調節することにより無呼吸が起こらないようにできるのが長所です(だいたい5〜15cmH2O程度の陽圧を加えます)。現在、わが国ではこの機械を医療機関でレンタルする制度があり、その保険適用にあたっては患者さんの無呼吸低呼吸指数(1時間あたりの無呼吸ないし低呼吸の回数)が20以上であること(すなわち中等症以上)であることが条件になっています。正確な数字は提示できませんが、現在、わが国でも2万人くらいの患者さんが、この治療を受けていると推定されています。
この治療によって無呼吸がなくなると、その効果はすぐに現れ、昼間の眠気がなくなりますし、無呼吸が原因となって生じた高血圧も改善します。しかしnasaI CPAPによる治療は、喉が渇く、マスク内が湿って気持悪い、気流を不快に感じるなどの副作用や、機械の運搬が面倒なため出張の多いビジネスマンでは規則的に使うのが困難であるなどの短所もあるため、おおよそ20〜30%の人がその使用に耐えられず中止してしまうという問題点があります。また、この機械は十分使わないと効果が出ませんし(一晩に4時間以上使用することが目安であるといわれています)、やめるとすぐに元通りになってしまうという問題点があります。
nasal CPAP治療ができない場合には、夜間睡眠時にマウスピースを装着して下顎を前|リパこ移動させ喉がつまらないようにする治療、もしくは喉の狭い部分を手術によって広げる治療が行われます。しかし、これらはnasal CPAPほどわずらわしくはないものの、効果が不十分なことも少なくありません。患者さんからは、煩雑な機械を長期間使うよりは、手術した方が楽でいいという声をよく聞きますが、扁桃腺が大きくなっているなど、喉の詰まっている場所が明らかにわかる場合を除くと、手術は劇的な効果をもたらさないようです。臨床現場では、気長にnasal CPAP治療を続けながら、その間に喉の閉塞の原因になっている肥満をなくすために十分な減量を行い、やがてこの治療がやめられるようにするというやり方が一般的です。 OSAHSの治療は、根気強く取り組む必要があるのです。

早朝覚醒

40歳の独昼女性。すぐ寝つけるのですが、午前3時から4時の間に目覚めてしまい、その後はもう眠れません。どうしたらよいでしよう?
早朝覚醒は、うつ病に特徴的な不眠のタイフです,抑うつ感、意欲低下、易疲労感、倦怠(けんたい)感、食欲低下なとの有無を確認して、精神科なとを早めに受診しでください。
不眠の症状は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の大きく4つのタイプに分けられます。入眠障害とは、就床してから実際に眠るまでの時間が延長してしまう症状で、不眠のなかでは最もよくみられます。
中途覚醒は、夜中に度々、目が覚めてしまうため熟眠感が得られず、日中の眠気が強くなります。早朝覚醒は、明け方早くに目が覚めてそれからは眠れなくなってしまいます。熟眠障害は、睡眠時間は十分に取れていても眠りが浅いなどの原因のため熟睡できていないと感じるものです。
あなたの場合は、典型的な早朝覚醒のタイプの不眠に当てはまりますが、早朝覚醒はうつ病に特徴的な不眠のタイプであることが知られています。多くの場合、睡眠不足を伴い、熟眠感も欠如してしまいます。うつ病では約90%の患者さんに不眠がみられます。また、不眠を訴えて医療機関を訪れる患者さんのなかでも、うつ病が原因として最も多いといわれていますへしたがって、不眠を訴える患者さんでは常にうつ病の可能性を考えておく必要があるわけです。特にI割引覚醒は、うつ病以外の疾患ではまれなものですので、うつ病を診断するうえで重要な不眠の特徴と考えられます。
抑うつ感、意欲低下、易疲労感、倦怠感、食欲低下などの症状の有無はいかがでしょうか? これらの症状が合併しているようでしたら、うつ病の可能性が非常に高いといえます。しかしながら、抑うつ感、意欲低下などの精神症状はほとんど目立たず、易疲労感、倦怠感、食欲低下などの身体症状だけがみられるうつ病、すなわち仮面うつ病もまれではないので注意が必要です。うつ病や仮面うつ病は、睡眠薬だけでは根本的な状態は改善しませんので、できるだけ早く精神科や心療内科を受診して抗うつ薬などによる専門的な治療を受けることが望まれます。

健康な人とうつ病患者さんの睡眠経過

健康な人とうつ病患者さんの睡眠経過


図に、典型的なうつ病患者さんの睡眠経過を示しましたが、うつ病患者さんでは早朝覚醒だけでなく、レム睡眠が早期に出現したり、徐波睡眠(深い眠り)がみられなくなったりと、いくつかの特徴的な睡眠の異常を有することが知られています。
うつ病以外に早朝覚醒を呈するものとしては、睡眠相前進症候群があげられます。これは高齢者に多いものですが、寝つきも目覚めも早くなったために早朝覚醒の状態となります。しかし、うつ病の場合とは異なり、睡眠時間は足りており、熟眠感欠如などの症状もありません。
ベッドに入っでもなかなか寝つけず寝返りをうち続けで、寝つくまで2〜3時開かかります。日中はいらいらしがちで、くたびれでいます。どうしたのでしょう?
寝つきが悪いことから入眠降霜であると思われます。精神生理性不眠症なとの原因が考えられます。生活上の注意点を提示しましたので、参考にしてみてください。
寝つきが悪いことを入眠障害と呼びますが、その原因としては、以下の原因が考えられます。
①精神生理性不眠症:一度の不眠の経験に対し、過度に不眠に対する注意が高まることで、また眠れないのではないかという不安が強まり、ベッドに入っても緊張が強く、寝つけなくなるものです。
②不過切な睡眠衛生:睡眠に対する知識不足から、入眠を妨げる睡眠習慣(不規則な睡眠時間、過度の昼寝)、睡眠環境(寝室の温度、湿度、騒音)が原因となるものです。
③精神疾患:不安性障害(パニック障害など)、気分障害(うつ病、躁うつ病)、統合失調症などは入眠障害の原因となります。
④中枢神経刺激薬:カフエイン、ニコチンなど、覚醒作用をもつ嗜好品(コーヒー、紅茶、タバコ)が原因となるものです。
⑤身体疾患:痛み(外傷、骨折)、かゆみ(アトピー性皮膚炎)、発熱、呼吸苦(喘息)、尿意(前立腺肥大)の原因となる身体疾患により入眠が妨げられるものです。
⑥むずむず脚症候群:ベッドに入ると不快な感覚が下肢に起こり、下肢を動かしたいという強い衝動にかられるものです。妊娠、貧血、尿毒症などの際に多くみられます。
不眠の方には以下の点に注意して生活してみることをおすすめします。
1.睡眠・覚醒リズムの維持
睡眠を休息(睡眠)と活動(覚醒)という24時間サイクル(リズム)でとらえ、規則性を維持することが重要です。また週末も、睡眠・覚醒リズムを崩さないように、朝は平日とほぼ同じ時間に起床することがポイントです。
2.就寝時、起床時のすごし方
朝の散歩は、1)生体リズムの調節因子として最も重要な朝日を浴びる、2)他人との接触などによる社会的同調因子の強化、3)起床後の深部体温上昇(Q46参照)、などの作用により、午前中の覚酸度を高め、生体リズムを整える作用があると考えられるため有効です。また就床前のすごし方としては、ベッドサイドまで仕事を持ち込まず、気分をリラックスさせることが大切です。
3.運動
軽く汗ばむ程度の運動を夕方から午後8時(深部体温が頂点から降下する時点)に行うのがよいとされます。この時間帯の軽い運動は就寝時の深部体温を上昇させることで、夜間睡眠における徐波睡眠(深い眠り)の出現量を増やします。
4.入浴
就床1時間前の入浴は運動と同様に、深部体温を上昇させ睡眠を改善する作用があります。ただし、就寝直前の入浴や過度に高温の湯への入浴は交感神経を刺激し、寝つきを悪くします。
5.嗜好品
1)カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、コーラなどに多く含まれますが、覚醒作用が知られ不眠の原因になります。
2)アルコールには催眠作用がありますが、依存症になることがあることと、過量のアルコールは睡眠サイクルを壊し、睡眠の質を悪化させるため、不眠に対してアルコールを用いることは望ましくありません。
3)ニコチンには覚醒度を高める作用があり、就寝直前の喫煙は寝つきを悪くします。1日60本以上吸うヘビースモーカーでは、入眠困難、夜間の覚醒回数を増やし、3日間程度の禁煙で睡眠が著しく改善することがわかっています。したがって喫煙本数を減らすことも睡眠の改善につながります。

不眠症にはどのような原因がありますか?

不眠症の原因は、身体的、生理学的、心理学的、精神医学的、薬理学的の5つのカテゴリーに分けることができます。
不眠症の原因には様々なものがありますが、いくつかの原因が重なって不眠症が起こってくることも少なくありません。不眠症の原因を考える上で、わかりやすく覚えやすい方法として、不眠症の原因を頭文字にPがつく「5つのP」のカテゴリーに分けるやり方があります。これによると、不眠症は、身体的(Physical)、生理学的(Physiologic)、心理学的(Psychological)、精神医学的(Psychiatric)、薬理学的(Pharmacological)の5つの原因に分類されます。
不眠症の原因(5つのP)
1.身体的原因(physical)
心疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、皮膚疾患、内分泌疾患、代謝疾患、睡眠時無呼吸症、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、熱性疾患、長期透析、末期がん、出産、月経
2.生理学的原因(physiologic)
時差ボケ、交代制勤務、短期間の入院、不適切な睡眠衛生
3.心理学的原因(psychological)
精神的ストレス、重篤な疾患による精神的ショック、喪失体験、恐怖体験
4.精神医学的原因(psychiatric)
神経症、感情障害、統合失調症、アルツハイマー型痴呆、脳血管障害、パーキンソン病、脳腫瘍、脳炎、髄膜炎
5.薬理学的原因(pharmacological)
中枢神経刺激薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬、アルコール、降圧薬、副腎皮質ホルモン薬、経口避妊薬、抗結核薬、嫌酒薬、杭がん剤、抗パーキンソン薬、甲状腺薬、喘息治療薬、インターフエロン
1.身体的原因
身体的原因とは、疼痛、呼吸困難、頻尿、掻痒(そうよう)感などの症状が出現するため、不眠を生じてしまうものです。末期がんによる疼痛や椎間板ヘルニアなどによる腰痛は、容易に不眠を引き起こします。肺炎、気管支炎、喘息などの呼吸器疾患では咳や呼吸困難のため不眠が起こります。老人の前立腺肥大などによる夜間頻尿、アトピー性
皮膚炎や皮膚俊作症によるかゆみは深刻な不眠をもたらします。この他にも、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、糖尿病、高血圧など多くの身体疾患で不眠になることが多いことが知られています。夜間の頻回の無呼吸のために覚醒反応が起こって睡眠が浅くなる睡眠時無呼吸症候群もここに含まれます。
2.生理学的原因
生理学的原因とは、睡眠環境や生活リズムの変化によって、不眠を生じるもので、時差ボケや交代制勤務者の睡眠障害などがあります。この他に、環境因子としての光や騒音、不適切な寝室環境などが睡眠を妨げることがあります。
3.心理学的原因
心理学的原因とは、誰もが経験するような心配事や精神的なストレスなどによって、眠れなくなる場合ですが、神経質な性格のために不眠が起こることもあります。この代表的なものに、精神生理性不眠症がありますが、これは神経質性不眠、不眠恐怖症などと呼ばれてきたもので、不眠症のなかで最も多くみられ、神経質でこだわりの強い性格傾向が関係すると考えられています。
4.精神医学的原因
精神医学的原因とは、神経症、噪うつ病、統合失調症などの精神疾患に伴って不眠を生じるもので、うつ病では約90%に不眠を合併します。不眠のタイブとしては、神経症では入眠障害が多く、うつ病では早朝覚醒が特徴的といわれます。
5.薬理学的原因
薬理学的原因とは、アルコールやカフェインなどの薬物に起因して不眠が起こるものです。アルコールには緊張をほぐし、入眠を促進する作用がありますが、中途覚醒や早朝覚醒を引き起こしやすく、連用(毎日飲むこと)すると徐波睡眠(深い眠り)を減らして不眠となってしまいます。また、降圧薬、副腎皮質ホルモン薬、抗炎症薬などには不眠を引き起こすものがあるので、注意が必要です。

一時的な不眠症と長期的なもの

不眠症には一時的なものと長期的なものがあると間いていますが、その原因を具体的に教えてください。
不眠症は、持続期間により3つに分類されます。一過性不眠や短期不眠では、急性あるいは状況性ストレスが原因となりますが、長期不眠の原因には様々なものがあります。不眠症は、持続期間によって、一過性不眠、短期不眠および長期不眠の大きく3つに分類されます。
不眠の分類
1.一過性不眠(持続:数日間)
急性の状況性ストレス(不安、痛み、外科手術前など)に遭遇した場合や時差ボケなど
2.短期不眠(持続:1〜3週間)
やや長く続く状況性ストレス(仕事や家庭生活上のストレス、重大な病気など)に起因
3.長期不眠(持続:1ケ月以上)
・精神生理性不眠症
・不適切な睡眠衛生
・身体疾患に伴う不眠(睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、高血圧、心疾患など)
・精神疾患に伴う不眠(神経症、うつ病、統合失調症、老年期痴呆など)
・アルコール、薬物に関連した不眠
・老人性不眠(加齢に伴う生理的睡眠障害)
・概日リズムに関連した不眠(睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間睡眠症候群など)
1.一過性不眠
一過性不眠は、せいぜい数日間の不眠で、普段は睡眠が正常な人が、大事な仕事や試験の前など急性のストレスに遭遇した際に一時的に眠れなくなる場合などが含まれます。一過性不眠の主症状は、入眠障害が多いようです。この他に、時差のある地域へ航空機で旅行した場合に起こる時差ボケがありますが、これは、4〜5時間以上の時差がある距離をジェット機で移動した場合に、体内時計はまだ日本の時間のままなのに現地の生活時間に合わせなければならなくなるため、体内時計と現地時間の間に脱同調を生じ、そのために不眠や日中に眠気などの身体の不調和状態が一時的に出現するものです。
2.短期不眠
短期不眠は、1〜3週間の不眠ですが、仕事や家族生活あるいは重大な病気などによる比較的長期間の状況性ストレスに起因するものです。
この場合には、睡眠薬を使った治療が行われることが多いのですが、睡眠薬の服用期間が不眠の原因であるストレスの持続に伴ってやや長くなるため、漫然と使用しないようにすることが大切です。
3.長期不眠
長期不眠とは、1ケ月以上にわたる本格的な不眠で、その原因には様々なものがあります。
1)精神生理性不眠症:不眠に対するこだわりや不安が非常に強くなってしまって不眠が慢性化したもので、発病には性格要因の与が大きいと考えられています。

不眠の起こるメカニズム

不眠の起こるメカニズム


図に精神生理性不眠症が生じるメカニズムを示しました。ストレスにより不眠となっても、不眠の病態をよく理解してストレスの処理に努めるとともに生活習慣を改善するなどの方法をとれば、不眠は一過性のものとして解消されます。ところが、不眠に対するこだわりが強すぎると、不眠への不安が高まって不眠自体がストレスとなる不眠恐怖の状態に陥ってしまいます。この場合には、専門医による治療が必要となりますが、睡眠薬の習慣性や副作用を心配しすぎる睡眠薬恐怖の状態になるとさらに不眠は難治化してしまいます。
2)不適切な睡眠衛生:快適な睡眠を得るためには適切な睡眠衛生を保つ必要がありますが、このような睡眠のためのよい生活環境が守られていないと不眠が長引くことになります。
3)睡眠時無呼吸症候群:夜間の頻回の無呼吸による覚醒反応のために睡眠が浅くなってしまって、日中の過眠が起こります。
4)周期性四肢運動障害:睡眠中に周期的な下肢の不随意運動が起こるために中途覚醒を生じ、日中の過眠を生じます。
5)むずむず脚症候群:下肢を中心に耐え難い不快感を生じて入眠が障害されます。
6)神経症、うつ病、統合失調症などの精神疾患:不眠を合併することがきわめて多く、不眠がこれらの疾患の病状を反映する指標になることもあります。
7)毎日アルコールを飲用:徐波睡眠(深い眠り)が減って慢性の不眠となってしまいます。
8)高齢者:睡眠時間の短縮、中途覚醒の増加や早朝覚醒の出現、徐波睡眠の減少、さらに生体リズムの障害に由来する日中の過眠傾向など加齢に伴う生理的な睡眠の変化のために、不眠を生じることが多くなります。
9)睡眠相後退症候群、非24時間睡眠覚醒症候群:体内時計による生体リズムの調節がうまくいかなくなり、睡眠・覚醒リズムが乱れて、学校や会社に行くなどの社会適応が困難になります。

睡眠不足が原因で、記憶力、知力や創造性が損なわれることがありますか?

睡眠不足は、日中の眠気を増し、意欲、集中力、判断力、作業能力の低下を引き起こすとともに、精神機能の変化も起こします。
ヒトにおいて睡眠がどのような役割を持っているのかという疑問は、古くから人々の関心が持たれ、動物やヒトを対象とした断眠実験が行われました(断眠とは、強制的に眠らせないようにすることです)。その結果、動物は2〜4週間の断眠で死亡してしまうことがわかりました。
しかしこの原因は現在、強制的に運動させることで断眠させたためのストレスが原因であるといわれています。一方ヒトでは、17歳の男子高校生が、約11日間(264時間)断眠を続けた記録があります。
この断眠実験では、開始後3〜4日ごろから、神経過敏になりいらいらして落ち着きがなく、協調性が失われ、思考力低下、幻覚がみられるようになりました。実験終了のころになると妄想気分のような軽い精神的変調がみられました。終了時、大きな身体的界常は認められませんでしたが、注意集中力および思考力の低下は著明でした。

断眠による知覚および認知機能の変化

断眠による知覚および認知機能の変化


Pasnauらは健常被験者を対象に205時間断眠させた実験で、知覚および認知機能を調べたところ、図に示したとおり、断眠時間が長くなるにつれ、視覚性誤認(物をみてもそれが何であるか誤って認識してしまうこと)、時間的見当識障害(正しい日時がわからなくなる状態)、認知機能障害のポイントが高くなり、知覚および認知力が低下することがわかりました。また、Korneらは、断眠により、明らかな覚酸度への影響が出現する以前より、選択的に前頭葉機能低下がみられることを報告し、一夜の断眠が創造的思考力の低下をもたらすことを示唆しました。これら精神機能低下の原因として、①覚醒度の低下、注意維持力の低下、②気分の不安定さ、③作業能力リズムの乱れがかかわっているといわれています。
最近、睡眠不足による認知機能障害が注目されています。 1979年米国スリーマイル島原子炉爆発事故、1989年アラスカ沖巨大タンカー座礁事故などの重大な事故は睡眠不足がもたらしたヒューマンエラー(本来の目的と異なる動作をしてしまったこと)と判定されました。
睡眠研究の発展により、睡眠、特に深いノンレム睡眠には、脳温を下げ、脳の機能を回復する作用があることが知られています。睡眠不足は、日中の眠気を増し、意欲、集中力、判断力、作業能力の低下を引き起こすとともに、不安、焦燥、易怒性、無関心、無気力など精神機能の変化も起こします。
睡眠不足がひどくなると心理的または精神的な障害が起こりますか?
眠らずにいると、集中力や注意力の低下がみられます。最近、睡眠が記憶の定置や技能の習得に一役買っていることがわかってきました。
睡眠が本当に必要なものかどうか確かめるために、どのくらい睡眠をとらないでいられるかという試みが行われました。これらは、主としてパフォーマンス(余興・催し)として米国で行われたもので、科学的な実験としては厳密さに欠けていますが示唆に富むものです。
1959年、ポリオ救済募金運動の義援金を募るためのパフォーマンスとしてラジオDJ(曲の紹介、選曲を行うアナウンサー)が、200時間の断眠記録に桃枝しました。全く眠らずに4日すぎたころから、集中力の著しい低下がみられ、幻覚が出現するようになりました。何もいないのに、机のうえに虫が群がっているといったり、部屋中をクモがはい回っているというようになりました。気持の面でも大きな変化が現れてきました。次第に周りの人に対して疑い深くなり、食べ物に睡眠薬を入れられていると疑ったり、自分は何かの陰謀で監禁されているなどというようになりました。しかし、パフォーマンス後に自宅に帰り13時間眠り続け、目覚めた後は思考も記憶も知覚も正常化しました。
1965年、米国の高校生がギネスブックの断眠記録を更新しようと不眠実験に参加し、264時間という記録を残しました。実験の間じゅう精神科医が観察をしていたところ、断眠実験が始まって4日目から気分が沈みがちになり、いらいら感がみられるようになりました。さらに、通りの信号が人の姿になって見えるという幻覚症状が現れました。さらに、自分か周りの人々から嫌われている、あるいは周りの人々が自分に危害を与えるという妄想にとらわれるようになりました。1週間経つと、言葉がときどき不明瞭になり、記憶力と集中力の欠如が目立つようになり、記憶力の著しい低下が出現してきました。断眠実験の後、この高校生は自宅に戻って14時間45分眠り、その後はこうした異常な現象はみられませんでした。これらの実験は、やる気さえあれば、人間は長時間にわたって何とか眠らずにいられることを示していると同時に、極端な睡眠不足は、記憶力、集中力、判断力などの障害を引き起こし、幻覚、錯覚、妄想などの認知面での異常をもたらすことを示しています。
これほど極端なものではありませんが、より科学的な実験から睡眠不足によって引き起こされる精神機能への影響を調べた結果もいくつか報告されています。 64時間の断眠実験では、断眠により徐々に計算能力が低下し、48時間も経つと正答率が断眠実験前の約6割程度に低下することがわかっています。
学習による記憶の形成期にレム睡眠が重要な働きをしているということが考えられています。ラットを用いた動物実験では、迷路学習の形成過程で学習が成立する直前にレム睡眠の持続が長くなり、学習が完全に成立すると通常の長さに戻ることが報告されています。人間でも同様の観察がなされています。6ケ月見に顔向け反応を学習させると、学習完成時にレム睡眠が増加し、学習に飽きてくるころになると基準値に戻ることが観察されています。成人が外国語を学習する過程でも学習により成績の向上した学生ではレム睡眠が増加し、成績が向上しなかった学生ではレム睡眠の増加がみられなかったことが報告されています。最近は技能の習得に関連して、睡眠中に技能の習得を促す脳内過程が働いていることが報告されました。夜によく眠らないと知識も身につかないということでしょうか。

不眠対策

自分でできる不眠対策を教えてください。
不眠の予防や早期の解消のためには、起床時刻を一定にする、起床毎には太陽光を十分に浴びる、就寝所にはリラックスを心がけるなど適切な睡眠衛生を守ることが非常に重要となります。
不眠にならないように予防したり、不眠になっても早期にこれを解消するためには、適切な睡眠衛生を守ることが非常に大切です。睡眠衛生とは、睡眠に関連する外的環境要因や生活習慣の総称ですが、不適切な睡眠衛生は不眠を引き起こすだけでなく、他の多くの睡眠障害の発症にも密接に関連し、睡眠障害の悪化の原因ともなります。
睡眠衛生に関してまず重要なことは、なるべく規則的な睡眠スケジュールを守るようにすることです。しかしながら、早く眠りたいからと眠くもないのに早くからベッドに入り逆に入眠障害を引き起こしている場合もありますので、就床時刻はあくまでも目安として、これにはあまりこだわりすぎないことが大切です。一方で、起床時刻は毎日一定にするように心がける必要があります。起床後には、十分に太陽の光を浴びて、体内時計のリズムをリセットして、夜間の快適な入眠が得られるようにしましょう。
規則正しい3度の食事は生体リズムを整えるために大切ですが、特に朝食は脳と身体の目覚めに重要ですので必ず食べるようにしてください。
逆に、夜遅くに食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、消化作用や膀胱膨満のために睡眠は妨げられますので注意が必要です。空腹のために寝つけないときには、消化のよいものを少量、たとえば牛乳や軽いスナックなどがよいでしょう。午後や夕方早い時間の適度な運動は睡眠を促進させ、睡眠の質も改善することが知られています。 30分くらいの散歩、軽いランニング、体操やストレッチなどを軽く汗ばむ程度に、毎日規則的に行うのが効果的です。
コーヒーやお茶などに含まれているカフェインには覚醒作用がありますが、この作用は摂取後4〜5時間持続しますので、夕食以降はこうした飲み物は避けるべきです≒また、リラックスできるからと、就寝前にタバコを吸う人が多いようですが、タバコに含まれているニコチンは交感神経系の働きを活発にして睡眠を妨げますので、これも避けた方がよいでしょう。アルコールには緊張をほぐし、入眠を促進する作用がありますが、中途覚醒や早朝覚醒を引き起こしやすく、毎日、飲酒すると徐波睡眠(深い眠り)を減らして不眠となるばかりか依存症にもなってしまいますので、眠る目的でのアルコールの飲用、いわゆる寝酒はやめた方が賢明です。
寝室は暗く静かにし、暖かすぎたり寒すぎたりしないようにします。寝具にも快適に過ごせるよう気を配り、適切な睡眠環境を整えるようにしてください。また、寝室はなるべく眠る目的にだけ使うようにし、仕事、食事、テレビ鑑賞など、覚醒時に行う活動には使用しないことが大切です。
最後に、ストレスや心配事は睡眠の一番の障害物ですので、できるだけ心配事は寝室に持ち込まないようにしてリラックスを心がけましょう。
就寝前に音楽を聞いたり軽く読書するなど、自分なりのリラックス法を取り入れることが睡眠を誘うのに有効なことがあります。下に、厚生労働省「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」による睡眠障害に対処するための12の指針を示しましたので、参考にしてください。
睡眠障害対処12の指針
1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない歳をとると必要な睡眠時間は短くなる
2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法、就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング
3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする
4.同じ時刻に毎日起床
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる
5.光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン夜は明るすぎない照明を
6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く運動習慣は熟睡を促進
7.昼寝をするなら、午後3時前の20〜30分
長い昼寝はかえってばんやりのもと
夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響
8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る
9.睡眠中の激しいイピキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要
10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
車の運転に注意
1 1 . 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる
12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就床
アルコールとの併用をしない

ナルコレプシー

思春期のころから、授業中や勤務中、車の運転中の居眠りが続いています。ナルコレプシーの疑いがあると診断されましたが、ナルコレプシーとはどんな病気ですか?
ナルコレプシーは長期間にわたりほとんと両日居眠りを繰り返す過眠症の1種です。また情動脱力発作が臨床的に確認されることも必要な所見です。
ナルコレプシーは日中大切な場面でも眠り込んでしまうことをほとんど毎日繰り返す慢性の過眠症の1種です。主要な症状は日中繰り返し起こる居眠りが3ケ月以上持続し生活上の妨げとなることと、情動脱力発作といって大笑い、得意、怒りなどの強い陽性の情動を契機として姿勢を保つ骨格筋の緊張が突然消失する発作があげられます。
このほか随伴症状としてよくみられるものに、入眠時幻覚、睡眠麻痺、夜間熟眠困難などがあります。
通常、居眠りの持続は30分以内で1〜2分ということもあります。居眠りは揺り起こすことで容易に目が覚めます。居眠りをした後は通常さっぱりしますがしばらくするとまた眠くなることを繰り返します。発病は10歳代のなかごろが多く、性差はありません。発病後の経過は非常にゆっくりですが眠気や随伴症状が軽くなり、特に情動脱力発作、人眠時幻覚、睡眠麻痺などは20年もすると半分以上の人は消失します。眠気と夜間熟眠困難は軽くはなりますが、ほとんど消失して日常生活に困らなくなるのは10%くらいです。
発病誘発因子としてこれまであげられているものは、意識障害や睡眠不足、精神的緊張の長期間の持続などです。睡眠ポリグラフ検査を行うと、照明を消して記録を開始してから眠りが始まるまでの時間(睡眠潜時)が10分以下と短く、睡眠開始からレム睡眠が始まるまでの時間も20分以内と短縮している“睡眠開始時レム睡眠”が高い頻度で認められます。さらに睡眠潜時反復検査法(MSLT)といって日中2時間おきに30分くらいずつ睡眠ポリグラフを4〜6回記録すると、平均睡眠潜時が10分以下、睡眠開始時レム睡眠の発現が2回以上認められることがよくあり、ナルコレプシーの特徴的所見とされています。これは1日中眠気があり、レム睡眠が発現しやすいことを示しています。ま
た健康な人では夜の睡眠開始時にみられる成長ホルモン分泌がナルコレプシーでは欠如しているという報告と、脊髄旅中のオレキシン(食欲と睡眠に関係するタンパク質)濃度が非常に低下しているという報告があります。家族内での発現は二重闇値モデルの遺伝様式が考えられます。さらにほとんど全ての患者さんに共通して特定の薬物が同じような効果を示します。ペモリンや塩酸メチルフエニデートなどの中枢神経刺激薬により眠気は劇的に改善します。また情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺には塩酸クロミプラミンという薬剤が著しい効果がみられます。このように症状構成、予後(長い期間病気の経過を追った結果)、検査所見、特定の薬物反応、遺伝様式などが人種を超えて一定であるのでナルコレプシーは症候群ではなく単一疾患であると考えられましょう。

情動脱力発作(カタプレキシー)

突然、強烈な眠気に襲われます。また、冗談を口にしたとたん、意識はしっかりしているのに、一瞬全身の力が抜けてしまうことがよくあります。医師は情動脱力発作(カタプレキシー)の疑いがあるといいますが、情動脱力発作とは何ですか?
情動脱力発作はナルコレブシーの基本症状の1つです。陽性の強い感情の動きにより誘発される全身または身体の一部の姿勢筋の緊張が、両個性に突然喪失する発作です。
情動脱力発作はナルコレプシーの重要な基本症状の1つです。大笑いしたり、得意になって面白いことを話そうとしたり、突然知人に出会って嬉しくなったり、興奮して怒ったりするなど陽性の強い情動が引き金となり、令身または身体の・部の姿勢筋の緊張が両側性に突然消失する発作です。
通常、脱力は瞬間的ですぐに回復するので周囲の人にあまり気づかれないで済むことが多いのですが、時には顔にしまりがなくなって口が利けなくなったり、歩けなくなったり、床に転んでしまうこともあります。テレビを観ていて興奮した弾みに頭が前に垂れ下がってしまい、両面を見ることができなくなったり、野球で球をうまく受けたとたんに力が抜けて落としてしまったり、入浴中に掴まる力が全くなくなって浴槽のなかに沈みこんでしまったり、釣りに行って魚がかかったとたんに全身の力が抜けて逃がしてしまうこともあります。
情動脱力発作の間は意識が清明に保たれ、周囲の状況はよく記憶されています。呼吸停止は起こりません。時には情動脱力発作が続けざまに起こり、数分から30分も脱力状態が続くことがあります(情動脱力発作重積状態)。
治療薬としては三環系抗うつ薬が効果があり、特に塩酸クロミプラミンが特効的です。通常1日1回の服用で効果があります。なお、子どもが大笑いしたときなどに身体の力が抜けてしまう情動脱力発作が単独でみられることがまれにありますが、生理的情動脱力発作として病的意味はありません。情動脱力発作は経過中に軽快したり消失する傾向があり、また患者さんの陳述によるため、間違えないように詳細に発作の状況を聴取して診断する必要があります。
ナルコレプシー(過眠)の原因はわかって
いるのでしょうか? 家族性に起
こることもあるのでしょうか?
睡眠潜時とレム睡眠潜時の短縮、脳脊髄液中のオレキシン濃度の低下、特定の遺伝子の陽性所見がみられます。家族内でのナルコレフシー発現率は一般に比べ5倍も高頻度です。
本当の意味での原因は未だ不明です。しかしいくつかの特徴的な病態生理学的な所見があります。睡眠ポリグラフ検査ですぐに眠り込んだり(睡眠潜時の短縮)、睡眠が始まるとすぐ(10分以内)にレム睡眠が出現すること(睡眠開始時レム睡眠)が特徴的で未治療ナルコレプシー患者さんの85%以上.にみられます。
ナルコレブシー患者さんの第1度近親内(親、子、兄弟姉妹)でのナルコレプシーの発現率は0.81%、真性過眠症が4.71%、合計5.52%で、一般人口中のナルコレプシー発現率の0.16%、真性過眠症の0.52%、合計0.68%と比べると家族内でのナルコレプシー発現の頻度は約5倍増加しています。このような発現の遺伝形式は、二重闇値モデルがよく当てはまります。
特徴的な検査所見としては、白血球の血液型であるHLAという組織適合抗原系を調べると、HLA-DR2という遺伝子が陽性であることがわ
かっています。そのHLA-DR2を分子生物学的に解析するとDR15、さらに詳しく調べるとDRB1*1501およびDQB1*0602という遺伝子型が少なくとも日本人ではほぼ100%陽性であることです‰ただしアフリカ人など異なる人種では必ずしもこの型が陽性ではないという報告があります。一部性双生児研究によれば、これまで報告された17組の一部性双生児ナルコレプシー患者さんのうち一致例は5組に過ぎず、残りは片方のみナルコレプシーで相手は正常であるという不一致例でした。このことは、遺伝子のみでナルコレプシーが発症するのではなく、素因のある人に環境因子が加わるとナルコレプシーが発症することを示して
います。
また最近脳脊髄旅中のオレキシン(食欲と睡眠に関係するタンパク質)濃度を測ると、ナルコレプシー患者さんでは測定限界以下に低下している場合が多いという報告があります。また、情動脱力発作のない過眠症ではオレキシン値の低下はみられないようです。
ナルコレプシーの初診から10年以上の長期にわたる経過をみると、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺などといったレム睡眠に関連があるといわれる症状は半数以上の症例で消失するのに比べ、日中繰り返す居眠りと夜間熟眠障害は消失する場合が10%程度で、それも睡眠ポリグラフ検査をすると入眠潜時の短縮は改善していない場合がほとんどです。つまりナルコレプシーの基本は睡眠・覚醒リズムの障害と考えられます。

ナルコレプシー(過眠)の診断

診断基準として、①反復する日中の居眠りがほとんど毎日、少なくとも3ケ月以上持続する。②情動脱力発作が臨床的に確認されることが必要です。
夜、よく眠っても学校で授業中によく居眠りをしたり、会社で大切な会議中や商談中に居眠りをすることが毎日のようにあり、社会生活に困難をきたしている人はナルコレプシーの可能性があります。診断基準としては、①反復する日中の居眠りがほとんど毎日、少なくとも3ケ月以上持続する。通常、眠気は耐えがたく、居眠りの持続は
30分以内で後はさっぱりとする。②情動脱力発作が臨床的に確認される。情動脱力発作とは、姿勢筋の緊張が突然両側性に消失する発作で通常、持続は1分以内です。この2項目が確認されればナルコレプシーと診断できますに。情動脱力発作は過去にあって現在はない場合も含みます。最近は治療薬としての中枢神経刺激薬、特に塩酸メチルフェニデート(リタリンうを吸引するために医師を敗いて薬を手に入れようとするグループも現れ、情動脱力発作の診断はその状況について詳しく問診する必要があります。
睡眠ポリグラフを記録すると非常に眠りやすく、記録の開始から睡眠波形が現れるまでの睡眠潜時が10分以内で、かつ睡眠開始からレム睡眠が出現するまでの時間が20分以内(睡眠開始時レム睡眠)ときわめて短縮している場合が多くみられます。 MSLT(入眠潜時反復検査;1日に4〜6回30分以内の睡眠ポリグラフ記録をとる検査)
により、睡眠潜時の短縮とレム潜時の短縮を確認することは有用です。さらに白血球の血液型であるヒト白血球抗原(HLA)を調べるとDRB 1*1501とDQB1*0602が日本人ではほぼ100%陽性です。近年、脊髄池中のオレキシン(食欲と睡眠に関係するタンパク質)濃度が測定限界よりも低い場合が多いという知見もあります。
ナルコレプシー(過眠)はどのように治療するのでしょうか?
まず睡眠日誌を記入してもらい不規則な睡眠習慣の自覚を高めます。さらに薬物療法により夜間睡眠を安定させ、残る日中の眠気に対しては中枢神経刺激薬を朝夕服用します。
ナルコレプシーと診断された場合、症状と重症度により治療法は異なります。多くの患者さんは長年にわたって日中居眠りを繰り返し、夜の睡眠が分断され、睡眠のリズムが乱れています。まず1ケ月くらい睡眠と覚醒の現状を睡眠日誌に記入していただきます。これにより1日全体の不規則な睡眠習慣についての自覚を高め、それをできるだけ正常化するとともに夜の睡眠時間を十分にとるように指導します。必要に応じ各種の睡眠導入剤を投与して夜間の睡眠を安定するようにします。そのうえで残る日中の眠気に対しては中枢神経刺激薬を朝と昼に必要最小量投与します。日中に投与する中枢神経刺激薬の量が多い場合には、夜間にも血中に少量の薬剤が残留する可能性があるので、少量の抗精神病薬を就寝前に投与して、中枢神経刺激薬の効果を遮断して良好な睡眠がとれるようにします。情動脱力発作の治療には塩酸クロミプラミンが特効的です。通常101回就寝前に少量服用するだけで効果がみられます。入眠時幻覚と睡眠麻痺に対しては塩酸クロミプラミンと睡眠導入剤が有効です。
通常、これらの薬物療法によって社会生活にほとんど支障のない状態を維持することが可能になります。しかしナルコレプシー患者さんの多くは眠気に慣れ、挫折を繰り返し、あきらめやすい性格変化を起こしています。このため些細なきっかけで治療から脱落しやすい傾向があります。「なるこ会」というナルコレプシー患者会への参加を勧め、治療の見通し、薬剤の使い方と副作用などの情報交換を行うことが治療からの脱落を防ぐうえで有効です。また合併症として肥満、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などがよくみられるのでこの面の治療も必要になります。

犬にもナルコレプシーがあると聞きましたが、本当でしょうか?

スタンフォード大学で飼育されでいるイヌは嬉しいことかあると全身の力が抜けて床にへたりこむことからイヌのナルコレフシーモデルと呼ばれています。
米国のスタンフォード大学のナルコレブシーセンターに特殊な家系のイヌが飼育されています、この家系のすべてのイヌは餌をもらったり飼い主に会うなど嬉しいことがあると全身の力が抜けて床にへたりこみ、じっと動かなくなりますが、2〜3分間くらいすると元通りになります。これはヒトのナルコレプシーで情動脱力発作が強く起
こった場合とかなり似ているのでイヌのナルコレプシーと呼ばれ、ナルコレブシーのモデルとして研究に用いられています。
しかしイヌは元々、しょっちゅう短い眠りを繰り返しており(多相性腫眠)、どこまで病的な居眠りなのか正常なのかを判別しにくい点があります。また遺伝子を訓べると、ヒトでは白血球の血液型であるHLA(Human Leukocyte Antigens : ヒト白血球抗原)のDRB1*1501/DQB1*0602という遺伝子がほぼ金側で陽件であるのに比べ、イヌ・ナルコレプシーモデルではヒトのHLAに相当するDLA(DogLeukocyte Antigens : イヌ白血球抗原)には特別な変化は見当たらないのです。近年、イヌのモデルではオレキシン(ヒポクレチン;食欲と睡眠に関係するタンパク質)受容体遺伝子の塩基配列に変賢があり、オレキシンが体内で作られていないことがわかりました,さらに遺伝子操作
によりオレキシン受容体遺伝子の働きをなくしたマウスでは生まれつき脱力発作が頻発することもわかりました。しかしヒトのナルコレプシーではオレキシン遺伝子の塩基配列には全く界常が認められないのです。オレキシンの脳内での分布や作用については現在、研究が盛んに行われており、脱力発作に関係していることがわかってきました。イヌのナルコレプシーモデルは情動脱力発作のモデルといえるのかも知れません。
65歳男性。寝ようとすると、足が変にむずむずしできます。足を動かし続けるか、ベッドを出で歩き回らないといられないのです。このため気が変になりそうで寝つけません。心理的なものだという医師もいますが、そうでしょうか?
足のむずむすは、むずむず脚症候群によるものだと思います。この病態の原因は完主には解明されているわけではあ
りませんが、心理的原因によるものではありません。
この男性がお困りになっている足のむずむずは、むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome ; RLS)によるものだと思います。
RLSとは、安静時、特に夜間にベッドに入ったときに出現する、主として下肢、時に上肢にも生じる異常感覚を特徴とする病態です。この異常感覚は、「針で刺すような」「火照り」「蟻走感」「むずむず感」などと表現され、多くは足の裏から下腿部(足首からひざの間)にかけて出現します。まれには手や手首からひじの間にもこの異常感覚が生じることがあります。皮膚の表面の感覚というよりは「皮膚の裏側」「深いところ」の異常感覚として自覚されることが多いようです。軽い場合は夜間にベッドに入ったときにのみ現れますが、重症の人では日中の会議出席の際や映画館などでじっと座っているときにもこの異常感覚が現れてしまいます。一般に、昼間よりも夜間、活動時より安静時、特に眠気をもよおす状態で異常感覚が出現ないしは増強します。足を動かしたり歩き回ったりすると、この異常感覚は軽減します。特に裸足になってリノリ
ウムの床など、冷たい床に足をこすりつけるようにして歩くとよいようです。
異常感覚が軽減してようやく眠りについても、周期性四肢運動障害が出現するために目覚めやすく、目覚めると再び異常感覚が現れて再入眠が著しく妨げられます。時には寝つきはスムーズですが、真夜中に異常感覚のために目覚め、再入眠が妨げられるという訴えをする患者さんもいます。入眠障害や中途覚醒とそれに引き続く再入眠困難のために強い不眠が生じ、その結果、半数近い患者さんは日中の眠気や倦怠感(けんたいかん)を自覚します。
RLSは決してまれなものではなく、米国では軽度のものも含めると成人の10〜15%にみられるとされています2)。日本人成人を対象とした調査によると、この異常感覚は男女とも5%にみられるとのことです。また、加齢とともにこの異常感覚を自覚する人の頻度は増加し、私たちの調査では60歳以上の男性の約8%、女性の約16%が異常感覚を自覚しています。症状とその頻度や程度は変動することも多く、毎晩数回も出現していた異常感覚が何のきっかけもなく数ケ月以上にもわたって消失することすらあります。しかし、多くの患者さんでは加齢とともに症状の程度はしだいに悪くなる傾向がみられます。
重症のRLS患者さんの日常生活動作(ADL)は著しく低下し、抑うつ的になったり、自殺を図る患者さんも存在します。この病態の原因は完全には解明されているわけではありませんが、心理的原因によるものではありません。逆に、この病態が患者さんを苦しめ、心理的に不健康な状態へと導いています。原因と治療法についてはQ44を参照してください。
米国のレストレスレッグ症候群財団のホームページ(http://www.rls.org)には、一般向けと医療関係者向けにきわめて有用な情報が掲載されていますので、ぜひ、アクセスしてみてください。

周期性四肢運動障害

眠っでいる間中ずっと足を動かしていると央にいわれます。日中、疲労感がありいらいらしがちです。夜間、質のよい眠りがとれていないようです。むずむず脚症候群(レストレスレッグ症候群)でしょうか?
周期性四肢運動障害と呼ばれるものであろうと思われます。むずむず脚症候群の患者さんではその7〜9割に周期性四肢運動障害が合併します。
ご質問の方の病態は周期性四肢運動障害(Periodic Limb Movements during Sleep ; PLMS)と呼ばれるものであろうと思われます。PLMSとは、睡眠中に5〜90秒(多くの場合は20〜40秒)の間隔で周期的に足の母趾(ぼし)の背屈(反り返り)、足関節の背屈、膝関節の屈曲、時には股関節の屈曲や手関節の背屈などの不随意運動が繰り返し起こる病態を指す言葉です。

周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害


上の画像はその異常運動を示しています。睡眠中のみではなく、寝人りばなの安静覚醒状態でもこれと同じ運動がみられることもよくあります。患者さんの多くはこの異常運動を自覚していません。しかし、一緒に寝ている人を蹴飛ばしたり、寝具が乱れることで気づかれる場合があります。
この病態は単独でも現れますが、むずむず脚症候群(RLS)の患者さんではその7〜9割にPLMSが合併します。逆にPLMSの患者さんのうち、RLSがみられる患者さんは30%たらずです。この異常運動が繰り返し現れると目が覚めてしまい、睡眠を分断します。 RLS患者さんの場合にはPLMSによる覚醒後に再び異常感覚が現れますので、再
入眠が著しく妨げられることになります。一方、PLMSが単独でみられる場合に、それが不眠や熟眠感欠如、夜間睡眠の分断の結果生じる昼間の眠気や居眠りの原因となることは比較的少なく、異常運動の回数が著しく多い場合に限られると考えられています。
PLMSは若年者にはまれであり、加齢に伴いその発症頻度が増します。
60歳以上の高齢者ではその半数近くにPLMSがみられますが、それは不眠や過眠の訴えにつながらず、また、あまりにも発症頻度が高いため病的とはいえません。そこで高齢者のPLMSはバラ・ノーマル(超正常)な現象であるともいわれています。いずれの年齢層においてもPLMSが単独でみられる場合にはそれが不眠や過眠の原因でありえるか
という点には未解決の問題が多いと考えられています。
RLSに有効な薬物のうち、L-ドーパ製剤、ドーパミン受容体刺激薬はPLMSの異常運動を抑制することにも有効ですが、クロナゼパムは、異常感覚と不眠には有効なものの、PLMSにはあまり効果がないといわれています。
むずむず脚症候群の原因はわかっているのでしょうか? よい治療法はありますか?
原因は不明ですが、ドーパミン受容体刺激薬が有効なことから、ドーバミン作動性神経細胞の機能低下に関係しているものと考えられています。
むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome ; RLS)は、そのことを除いては全く健康な人にもよくみられます(本態性RLS)。また、性差はなく、どの年齢層にもみられますが加齢に伴ってその発症頻度は増えることが知られています。家族発症することもまれではなく、その場合には若年で発症することが多いとされています。わが国の成人におけるRLSの有病率は、男女とも5%程度と推測されています。この値はおおむね諸外国で報告されているものと同じです。
本態性RLS以外のものとして、妊娠、鉄欠乏性貧血、尿毒症、腎不全、透析に伴うものがよく知られています。妊娠時にはその2割の人がRLSを呈したり、元々のRLSが悪化したことを自覚します。腎不全や透折中の患者さんではその15〜40%にRLSがみられます。
RLSの正確な原因は不明です。しかし、その原因はおそらく脳の間脳から脳幹にあり、特にドーパミン作動性神経細胞の機能低下に関係しているものと考えられています。後述するように、ドーパミン受容体刺激薬が有効なこともこの可能性を支持するものです。また、RLS患者さんでは脳の線条体という部分でドーパミンに関係する機能が低下していることが脳機能検査法の一種であるPET、SPECTを用いた画像検査で示されています。前述したように、鉄は妊娠、貧血、腎不全で共通して低下するものです。この鉄はドーパミンを合成する酵素の働きに必須のものであり、RLSの患者さんでは脳内の鉄代謝にも異常があることが報告されています)。したがって、鉄の不足などを介して脳幹部のドーパミン機能が低下することにより、RLSが引き起こされるという可能性が考えられます。
むずむず脚症候群に有効な薬物
ドーバミン作動薬:L-ドーパ/カルビドパ製剤、メシル酸ペルゴリド
ベンゾジアゼピン製剤:クロナゼパム
麻薬製剤:コデイン、ペンタゾシン
RLSに対する薬物療法としては3系統の薬物があります。第1に、脳内のドーパミン神経機能を高める薬物があげられます。この種の薬物はむずむず感を和らげるだけではなく、周期性四肢運動障害をも改善させます。これにはドーパミンの前駆体であるL-ドーパ、ドーパミン受容体に直接結合して作用を発揮するドーパミン受容体刺激薬(メシル酸ペルゴリドなど)があります。L-ドーパは、脳への作用を劫けるために末梢のドーパミン分解酵素阻害剤であるカルビドパとの合剤として製薬されています。通常は寝る前に服用しますが、薬物の効果が切れて夜間睡眠中にむずむず感が再発する場合には、夜間にも服用します。効果発現までの時間が短く、有効率はきわめて高い薬物です。副
作用としては、吐き気、腹部膨満感、頭痛などがあります。しかし、L-ドーパ療法の最も大きな問題点は、augmentationと呼ばれる現象で
す。augmentationとは、治療前よりもむずむず感が早い時間帯から生じ、また、その程度も増強する現象で、L-ドーパ療法を受ける患者さんの半数以上にみられるとされています。
ドーパミン受容体刺激薬としてRLSに対する有効性が証明されている薬物のうち、わが国で発売されているのはメシル酸ペルゴリドです。
消化器症状や起立性低血圧(たちくらみ)などの副作用を軽減するためにドンペリドンを併用します。 L-ドーパに比べて効果がみられるまでに時間がかかるので、眠る2時間前に服用することがすすめられます。
また、厄介な問題であるaugmentationの頻度はL-ドーパに比べてきわめて低いとされています。
第2に海外ではRLS治療の第1選択薬ではありませんが、わが国ではベンゾジアゼピン系の薬物、とりわけクロナゼパムがよく使われます。
この種の薬物はむずむず感を軽減させ、睡眠を改善させる作用はありますが、周期性四肢運動障害には効果がありません。 augmentationや、消化器系の副作用が少ないので使いやすい薬物です。しかし、有効率ではドーパミン系の薬物より劣り、筋弛緩作用による夜間排尿時の転倒、持ち越し効果による昼間の眠気などが問題です。第3にコデイン、ペンタゾシンなどの麻薬系鎮痛剤もRLSに有効ですが、依存性や耐性の問題が生じやすく、あまり一般的な治療法ではありません。
最近、抗てんかん薬をRLSに使用する試みがなされ、確かに有効であるとの報告があります。有効性が示されているのはカルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウムなどです。
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