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睡眠障害

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睡眠障害

長時間眠るのは有害ですか? ふだんよりも過剰な睡眠は精神と身体に悪影響を与えるでしょうか?
長眠者が長時間眠るのは有害ではありません。しかし、ふつうの人がいつもより余分に寝ていると、悪影響が現れます。
長時間眠ることは必ずしも有害ではありません。人並み以上に寝ている健康人がいて「長眠者」と呼ばれます。時間さえ許せば、いつでも1日に10時間以上眠ることができます。にもかかわらず、睡眠は基本的にすべて正常です。睡眠が満たされているかぎり、睡眠の質についての問題はなく、日中の眠気もありません。覚醒時の気分も悪くありません。
意欲や実行力もふつうに認められます。しかし、人並みの睡眠量では睡眠不足を訴え、疲労感や倦怠感を覚えることになります。
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多くの長眠者は、仕事や学校の都合から、勤務目や登校日には1夜に9時間未満しか睡眠がとれず、日中に睡眠不足の症状(眠気や高次精神能力の低下)が出現します。そのため、週末や休日には12〜15時間眠っています。
長眠者は、一般に心理学的に正常ですが、特徴的な人格をもっています。短眠者に比べて、社会的に内向性で、軽度のうつ状態かまたは不安状態を示しており、心配性とされます。眠りが多いために、家族や社会との関係がうまくいかなくなり、当人もかかりつけの医者も何か病気があるのではないかと疑うのです。しかし、内科あるいは精神科的な疾患は何もなく、睡眠のパターンは非常に安定しています。

ノンレム睡眠とレム睡眠

ノンレム睡眠とレム睡眠


長眠者では、深いノンレム睡眠の段階3〜4の絶対量(時間)は正常範囲内です。しかし、レム睡眠、浅いノンレム睡眠の段階2、および中途覚醒が多くなっています。
長眠者と短眠者の睡眠内容の絶対量での比較(上)と比率での比較(下、数字はノンレム睡眠の段階)

長眠者と短眠者の睡眠内容の絶対量での比較(上)と比率での比較(下、数字はノンレム睡眠の段階)


人口統計学的な調査から
は、長眠が寿命を縮めることが示されています。
ヒトの睡眠量と死亡率との関係

ヒトの睡眠量と死亡率との関係(7〜8時間眠る人の死亡率を1として比較)


この場合の長眠の原因は、主として身体の病気や睡眠障害に伴って、2次的に総睡眠時間が増加したものです。
それでは、長眠者ではないふつうの人がいつもより余分に寝ていると、どうなるでしょうか。睡眠調節の第2の基本法則(ホメオスタシス機構)から、寝過ぎの害という現象が出てきます。熟睡は事前の必要量から割り出されるものですから、その必要量は寝人りばなの3時間ほどの問に優先的に出現します。必要量が満たされると、もうそれ以上
はほとんど出現せず、後は浅い眠りばかりになります。たくさん眠ってベッドに長くいれば、そのぶんだけ質の悪い浅い眠りばかりが現れてきますから、起きたときの気分は悪く身体はぐったりして、かえって疲れてしまうのです。多すぎる眠りはむしろ害があるというわけです。
多忙で、時間がなく自動車や電車のなかで「なしくずし」に眠っている人がいます。これで健康を重しないのでしょうか?
細切れの時間のみの睡眠ては、十分なレム睡眠がとれず、集中力なとの低下による仕事への悪影響が引き起こされる可能性があります,健康への悪影響も否定はで呑ません。
睡眠には、大きく分けて、ノンレム睡眠とレム睡眠があります。そして、90〜100分間の周期をもってこれらの睡眠を繰り返しています。最初のレム睡眠が現れるのが、睡眠開始から70〜100分後とされていますし、さらに、レム睡眠の多くは夜間の後半に現れてきますので、細切れの睡眠では、レム睡眠にいたる前に睡眠が遮断されてしまう可能性が高いため、十分なレム睡眠がとれていない可能性があります。
レム睡眠の役割に関しては、まだ十分には明らかにされていませんが、動物実験では、長期に渡りレム睡眠を遮断した結果、死亡にいたったという報告もあります。この実験結果の原因もまだ明らかにはなっていませんし、ヒトにそのまま結果をあてはめてよいかどうかという疑問も残りますが、健康への悪影響の可能性は示唆されます、また、直接健康とは関係ないかも知れませんが、注意・集中力・記憶力などの低下を引き起こすことが報告されておりへ仕事への悪影響や事故につながる恐れがあり、生活の質(Quality of Life ; QOL)を下げてしまう可能性は十分にあると思われます。

睡眠不足になるとどんなことが起こりますか?

睡眠不足になると、日中の眠気が増加し、集中力や判断力が鈍くなり精神的に不安定になりかちです。睡眠時間を十分確保するように生活を調節することが大切です。
睡眠不足とはその個人の必要とするだけの睡眠時間がとれないことです。社会生活の状況により違いがありますが、日常的に勤務時間が長時間におよび、朝は早く出勤して夜遅くまで仕事がある環境や、昼夜交代勤務などで十分な睡眠時間がとれない場合などの睡眠不足は勤務体制によるもので労働問題でもあります。米国の巨大タンカー、
エクソンバルデーリ・の座礁による海洋の油汚染、宇宙船チャレンジャー号の打ち上げ失敗など、いずれも勤務員の睡眠不足のため作業の集中力が低下していたことによる、作業ミスが事故の一因であったと考えられています。日本でも交通事故、船舶事故などの原因として居眠りをあげている新聞記事がたくさんあります。平日の睡眠時間が5時間以下の日が続き、週末の土曜日や日曜日になると昼近くまで眠り、睡眠不足を補っているような場合を睡眠不足症候群と呼びます≒ただし必要な睡眠時間は個人により界なります。 子供のころから毎晩の睡眠時間が短い生活を続けている短眠者(短時間睡眠者)もいる一方、1日10時間以上は眠らないと体調が悪くなる長眠者(長時間睡眠者)もいます。それぞれ一般人「1の4%くらいいると考えられています。長眠者の睡眠不足の場合には睡眠日誌を用いるとはっきりわかります。一方、睡眠の質が悪く、浅い眠りが続いたり、しばしば目を覚まして睡眠が中断されたりする場合もあります。睡眠不足の原因としては病気、周囲の環境、ライフ・スタイルによる場合など色々とあります。
睡眠不足が続くと、日中の眠気が増加し、集中力や判断力が鈍くなり精神的に不安定になることがあります。精神や身体の色々な病気のために、特に精神的ストレスや心配事が続き、夜の睡眠が妨げられると、睡眠不足が起こりがちです。また夜よく眠れないことは色々な心身の病気の初期症状の可能性がありますので、注意が必要です。さらに原因不明で不眠だけが続く原発性不眠症もあります。
病気としての不眠症で一番多いのは、精神生理性不眠症といわれるものです。これはあるとき眠れないつらい一夜を過ごした体験が不安として記憶され、ベッドに入って眠ろうとすると緊張と不安が起こり寝つけなくなってしまうもので、長期間続き、だんだんと不安が強くなりがちです。一種の不眠恐怖症とでもいうべきもので、歯を磨く寝間着に着替える、寝室に入るなどの眠るための儀式をするだけで緊張が高まってしまいます。しかし寝室ではなく、たとえば電車のなかとかソファーでテレビを観ているときなどには眠ってしまうことがよくあります。治療としては睡眠日誌をつけながら、自分の睡眠生活についての自覚を高め、睡眠と覚醒のリズムを保ち、睡眠時間を十分に確保するように生活を調節することが大切です。抗不安薬や睡眠導入剤を上手に使うことも効果的です。また不眠はうつ病をはじめ色々な精神障害の初期症状としてよく現れます。特にうつ病は入眠障害、中途覚醒、熟眠障害、早朝覚醒などすべての不眠症状を伴うことが多いのです。寝起きの気分が悪く、ゆううつ、おっくうさ、集中力低下、気力低下、決断困難、悲観、不安、焦燥などを伴います。また高齢者は睡眠時間が短くなりがちで、夜間せん妄といって夜中に意識障害を伴う興奮や幻覚を起こす場合があります。
よく眠らないと、女性では肌が荒れるといいますが、本当ですか?
成長ホルモンは、寝入りばなの深いノンレム睡眠のさいにまとめて分泌されます。成長ホルモンが不足すると、皮肉の表皮細胞が分裂して新生しないため、肌が荒れるのです。
本当です。成長ホルモンは、寝人りばなの深いノンレム睡眠、つまり、熟睡のさいに分泌されます。

「成長ホルモン」は入眠直後の熟睡期にまとめて分泌されます.数字はノンレム睡眠の段階を示し,3〜4が熟睡

「成長ホルモン」は入眠直後の熟睡期にまとめて分泌されます.数字はノンレム睡眠の段階を示し,3〜4が熟睡


 
最初の睡眠周期に最大量が分泌され、以後の浅いノンレム睡眠やレム睡眠のさいにはほとんど分泌されません。成長ホルモンは、成長期の子どもの骨を仲ばし筋肉を肥やします。文字どおり身体の成長を促進するホルモンです。大人では身体を成長させるという役割はありませんが、細胞組織の修復や新生に大事な働きをしており、疲労回復の役割があります。本来、睡眠と成長ホルモンの分泌とはたがいに独立した機能ですが、生体は熟睡状態を利用して、効率よく自己の保守点検や成長を夜ごと定期的に実行しているのです。よく眠らないと肌が荒れる理由は、熟睡しないと成長ホルモンの分泌がほとんど起こらないため、皮膚の表皮細胞が分裂して新生しないからです。その脳内メカニズムは次のように説明されます。脳下垂体に作用して成長ホルモンを放出させる脳ホルモンの一種「成長ホルモン放出ホルモン」は、睡眠物質として深いノンレム睡眠を誘発させる作用もあわせもっています。ですから、成長ホルモンが分泌される時間帯は、熟睡期と同調しているのです。また、成長ホルモン放出ホルモンは、ストレスを引き起こす脳ホルモンの一種、「コルチコトロピン放出ホルモン」によって作用が抑制されます。
徹夜による断眠や浅い眠りのためにストレスが高まると、コルチコトロピン放出ホルモンが夜間にも分泌されます。こうして、成長ホルモン放出ホルモンならびに成長ホルモンの分泌がさらに減ってしまうと、深いノンレム睡眠がいっそう現れにくくなるとともに、身体の修復や新生という大切な身体機能も損なわれることになります。またコ
ルチコトロピン放出ホルモンは、免疫機能を抑制する結果を招きます。そのため、よく眠らないと美容によくないばかりでなく、疲労感も増大し、健康に対しても悪影響を及ぼすわけです。ですから、なにはともあれ、寝人りばなの熟睡期に眠りが妨げられないよう、十分な配慮をすることが美容にとっても、健康維持にとっても肝要です。
ちなみに、成長期の幼児の睡眠は、深いノンレム睡眠が非常に多いことが特徴です。深いノンレム睡眠を発現させる「睡眠圧」がきわめて強いので、容易に熟睡できるし、熟睡の量が生涯で最も多くなります。この熟睡時には、成長ホルモンが大量に分泌されているわけですから、文字どおり「寝る子は育つ」のです。それゆえ、子どもを熟睡させることは、身体の成長のためにも健康の維持のためにもきわめて大切です。睡眠中に成長ホルモンの分泌が起こるという現象は、月齢3ケ月のころにすでに認められます。熟睡期に集中して分泌されるのは、4〜5歳になってからですが、それ以前にすでに、睡眠と成長ホルモンとの密接な相関関係が確立しているわけです。

すぐ眠れる人となかなか眠れない人がいるのはなぜでしょう?

寝つきのよさは、性格傾向、体質や健康状態、個体差、年齢が関連しています。
寝つきのよさは、性格傾向、体質や健康状態、個体差(朝型・夜型)が関連しています。まず性格傾向では、神経症傾向、不安、抑うつ的、心気的(身体症状に対してこだわりが強い)、主観的といった性格傾向の持ち主に寝つきが悪い人が多いことが知られています。これらの性格的特徴をもつ人は、一度起こった些細な睡眠状態の変化に対し繊細でこだわりが強く、不眠が再び起こるのではないかという恐れから、ベッドに入っても緊張が強く、精神的にも興奮してしまうため、眠ることができません。不眠症の40%を占めるという精神生理性不眠症の患者さんはこのような性格傾向に関連しています。
体質では、アレルギー体質が不眠を生じやすい体質の1つとしてあげられます。アレルギー体質の方には、喘息やアトピー性皮膚炎などが多くみられ、喘息は就床後に咳がひどくなったり、アトピー性皮膚炎は、就床後しばらくして全身が暖まってきたころから全身の皮膚の掻痒(そうよう)感(かゆみ)が強くなり、入眠および熟眠を強く妨げます。また、アトピー性皮膚炎は慢性疾患であり、昼夜を問わず強い憧憬感に悩まされるため、いらいらしやすくなったり、些細なことが気になるなど、性格が神経質になる傾向があるため、これらも不眠の原因となります。
また健康状態にも左右されます。発熱、心疾患、精神障害、骨折による疼痛、呼吸器疾患による呼吸苫、皮膚病による擾乱泌尿器科的疾患による頻尿などは、入眠を妨げる原因になります。
一方、朝型と夜型といった2つのタイプの人がいることも知られています。早寝早起きで心身活動のピークが日中の早い時間帯にある人を朝型といい、夜遅くまで活動的で朝寝坊が日課で活動のピークが遅い人を夜型といいます。4人に1人は朝型、4人に1人は夜型で残りはその中間といわれています。朝型と夜型の生体リズムには違いがあることがわかっています。統計によると朝型の人の就床と起床時刻は夜型の人に比べ1〜2時間早いといわれます。また朝型と夜型の人の深部体温を測定したところ、朝型の人の体温は目覚めてすぐ急激に上昇し、午後にはピークとなり夕方ごろから下がり出します。しかし夜型の人は朝型の人より体温上昇が1時間半くらい遅れて始まり、夕方にはピークとなってゆっくりと下がります。つまりこれら生体リズムの違いから、健康な睡眠の範囲内でも寝つきにおいて個人差が出ることになります。
また加齢によりヒトの睡眠は、入眠時刻が早まり、総睡眠時間が短縮し、何度も寝たり起きたりする睡眠パターン(多相性睡眠)に変化することが知られていますので、年齢でも睡眠状態が変わります。

老人になると、なぜ夜間睡眠中の尿意による覚醒が増えるの?

最近、寝る前にコップ1杯の水を飲むと、血液を薄めて脳梗塞の予防になるといわれでいるようです,しかし老人はただでさえ睡眠中に尿意のために何度も目を覚ますので、水を飲むと夜間の覚醒が増えるのではないでしょうか?
高齢になると夜間睡眠時に尿意による覚醒が増えるのは、加齢によるホルモンの日内変動の変化による影響、腎機能の変化、膀胱の機能の変化など様々な要因が関係しています,高齢者では、夜間の睡眠中に尿意による覚醒の回数が増えます。その原因としては、加齢による様々な要因が影響しています。
1つは、抗利尿ホルモンとよばれる尿量を調整しているホルモンの口内変動(1日のリズム)の変化です。若い健康な人では、このホルモンの血液中の濃度が睡眠時に最も高くなり、尿量を減少させるような日内変動がみられますが、加齢とともにこの変動が減少してくるために結果的に睡眠中の尿量が増加する傾向にあります。また、ホルモンに関しては、日内変動の変化だけではなく、血圧や尿量に関連するホルモン(レニンや心房性ナトリウム利尿ホルモンなど)自体の濃度の変化が加齢により認められるために、尿量が増えてしまうという要因も関係しています。
さらには、加齢による腎機能および膀胱機能の変化も影響してきます。
尿の多くは、腎臓にある尿細管という細い管をとおる間にほとんどが再び腎臓に吸収されるのですが、吸収する機能の低下により尿量が増えてしまいます(尿濃縮能の低下)。さらに、膀胱の容量の低下により少量の尿でも尿意をもよおすという結果になってしまいます。以上のような様々な要因が関連した結果、高齢者では夜間睡眠中の尿意による覚醒が増えてしまいます。
また、尿濃縮能の低下とも関連しますが、結果的に高齢者では脱水状態になりやすい傾向があります。脱水状態になると血液の粘度が増えて、血管が詰まりやすくなります。尿の回数が増えるから摂取する水分を控えるというよりは、水分が足りなくなりやすいので積極的に補給していくというふうに考えた方がよいでしょう。
睡眠・覚醒は、太陽光へのあたり方によってどのような影響を受けますか?
ヒトの睡眠・覚醒パターンは太陽光により影竺を受けます。これは目から入った光情報が体内時計に直接伝達されることによります。
いくつかの一般事項を対象とした調査において、夏に睡眠時間が短くなり、秋から冬になると睡眠が長くなることを感じる人が多いことが報告されています。これは、暑さ寒さによるものか、あるいは日長時間によるのかが、調べられています。日の出と日没により日長時間が決まります。日長時間は、ご存じのとおり季節性に変化し、夏至で最も長く、秋分、春分でほぼ12時間となり、冬至で1年のうち最も短くなります。
実験により、季節による睡眠時間の変化は日長時間と関係することがわかってきました。
健康な人に対し、高照度光にあたる時間(日長時間)を変化させ、このときの睡眠時間の変化について調べた実験があります。日照時間を長くすると睡眠時間が短縮しかつ睡眠が深くなりますが、日照時間を短縮すると睡眠が長くなっていき、夜中の中途覚醒を挟んで睡眠が夜と朝の2回起こるようになることを示しました。これは、ヒト以外の動物においても観察される現象であり、ヒトにおいても季節性の日長時間の変化と関連した睡眠の変化があることを示唆するものです。この背景には、夜間に分泌されるメラトニンやプロラクチンなどのホルモン分泌時間の延長がみられ、おそらく体内時計の機構を介した作用と考えられています。
日長時間は、睡眠だけでなく食欲や気分にも影響し、「食欲の秋」といわれるように秋から冬にかけての食欲増加、「憂(うれ)いの秋」といわれる軽い気分の沈みなどがロ長時間と関係していることがわかってきました。こうした季節性変化が極端に強く出ると、冬季うつ病という冬のみ出現する過食および過眠を伴ったうつ病になります。
これとは別に、光には睡眠のタイミングを変化させる作用があります。
すなわち、自然に寝つける時刻と自然に起床する時刻に太陽の光が関係しているのです。これは体内時計が環境の明暗周期に対して同調する機構の1つと考えられています。ヒトは、朝に高照度光を浴びると概日(がいじつ)リズム位相が前進し、夜の入眠時刻が早くなります。

光によるヒト生物リズムの位相反応

光によるヒト生物リズムの位相反応。


日中の時間帯の高照度光は位相反応を起こしません(上段).早朝の時間帯に高照度光を照射すると.深部体温および睡眠相が早まりますく中段).前夜の就寝時刻前後に高照度光を照射すると深部体温および睡眠相が遅れます(下段)
この反応は、私たちが昼夜のサイクルに同調して日常生活を規則正しく送るために役立っています。ヒトの親日リズムの周期は24時間よりやや長く25時同程度であるため、朝の高照度光を全く与えられない条件で生活すると眠りにつくことのできる時刻が次第に遅れていくこともわかっています。
一方、夜眠る前に高照度光を照射すると概日リズムが遅れ、自然に入眠する時刻が遅れます。
時差地域にジェット機で急速に移動した際に、最初は到着地の昼夜のサイクルと出発地に同調していた体内時計の間にずれ(脱同調)が生じますが、これが次第に到着地の昼夜のサイクルに同調できるのは、先に述べた光による体内時計の位相反応が働くためなのです。したがって、時差ボケを解消し、到着地の生活にうまく同調するためには、タイミングをよく考えて太陽光にあたることが重要なのです。

なぜ夢を見るのでしょう?

夢は、レム睡眠期に起こる脳のなかの眼球運動系や視覚系の興奮の結果、脳の貯蔵庫から偶発的な映像が引き出され、これを自動的に連想することで生じると考えられます。
占くは、夢は何らかの超自然的な力や神が引き起こしている現象であると考えられてきました。近世になっても、夢は心理学的な解釈の対象とされましたが、この代表的なものがフロイトによる夢学説であり、抑圧されながらも存続する幼児期の無意識の願望(性的な抑圧の現れ)、人間の情動の心的な表現、本能が夢を作り出すと考えました。しかし、
レム睡眠が発見され、この時刻に人を起こすと夢を見ていることが多いことがわかってから、睡眠と夢に関する科学的な研究が急速に発展してきました。
脳幹部からの電気信号によりレム睡眠は起きますが、脳幹部の興奮の信号が眼球運動系に伝わって急速眼球運動が起こり、さらにその興奮が視覚系を介して視覚情報の処理を行う後頭部の大脳皮質(後頭葉皮質)などにPGO波(Ponto-Geniculo-Occipital activity)という高振幅の脳波を即発させます。HobsonとMCCarley は、このようなレム睡眠時に起こる脳幹部や眼球運動系の電気信号、PGO波などが大脳を剌激し、それによって記憶が呼び出され、これらが合成されて夢が作られると考えました。たとえば、レム睡眠時に眼球が左に動いたときには、その感覚・運動情報が大脳に伝えられ、その情報と合致するような、目の前を犬が左に走って行ったというような夢となるわけです。しかし、夢の内容は実際にはきわめて複雑ですから、脳幹部の電気信号から起こってくる単純で常同的な感覚・運動系への刺激だけですべての夢の内容を説明するのは難しいように思われます。また、夢はレム睡眠期に多く出現しますが、ノンレム睡眠でも現れますので夢のメカニズムを考える場合には、ノンレム睡眠の夢も説明できなければいけません。大熊は、レム睡眠期でも第1、2段階の浅いノンレム睡眠期でも低振幅の脳波パターンを示すような時期には、ぼんやりと考えているという程度の低いレベルの精神活動が行われており、これはノンレム睡眠期の夢を説明すると考えました。

夢のストーリー形成についての模式図

夢のストーリー形成についての模式図


レム睡眠期には、急速眼球運動(図中イ)に伴って、脳の視覚系を中心に興奮が起こり、これによって脳の貯蔵庫から最初はかなり偶然的な映像(図中 a )が引き出されます。夢を見ている人はうとうと状態でこの映像について自動的に連想(図中A))を始め、その後引き続く急速眼球運動(図中・ロ、ハ、ニ)に伴って現れる映像(図中 b,c,d)を取り入れながら連想(図中B,C,D)を続け、夢のストーリーを自動的に創作していくことになります。この説に従えば、夢の内容が偶発的なものであること、しかしながらその内容にはその人の体験や性格が反映されることなどがよく説明できるように思われます。ところで、遺伝子DNAの二重らせん構造を発見したCrickは、Mitchisonとともにへ夢は不必要な記憶を消去する役割を果たしているという仮説を提唱していますが、これは現在までのところ実証されていません。

特定の薬のせいで夢をたくさん見ることはありますか?

直接夢を増やす薬はごく一部の薬に限られています。しかし、突然の服薬中止によって「夢を多く見る」という体験が起こる薬はいくつか知られています。
「夢を多く見る」という現象には、実は2つの側面があります。1つは、実際に夢(を見る時間)が増えるときです。もう1つは、「夢を昆た」と感じる機会が増えたときです。ヒトは、一晩に、ノンレム睡眠という夢を見ていない睡眠と、レム睡眠という夢を見る睡眠という、件質の賢なる睡眠を交互に4〜5回繰り返しています。したがって、実際には一晩に夢は4〜5回見ているはずですが、「夢を見た」と感じるのは、朝起きる直前がレム睡眠であったときだけ、その内容を覚えているのです。途中でも見ているはずの夢は、また引き続いてノンレム睡眠に入って寝続ければ、りJになったときはその内容はもう思い出せなくなっているというわけです。このことから、「夢を多く見た」と感じるには、実際に夢が増え、しかもそのつど覚醒して夢を見たことを自覚している必要があります。また、夢そのものは増えていなくても、睡眠が何度も途切れて、レム睡眠のたびに起きれば、やはり「夢が多かった」と感じられるでしょう。このように、「夢を多く見た」という体験をするには、実際に夢が増えている場合と、不眠のため何度も途中で覚醒している場合があることが予想されます。
夢を直接増やす薬は、実際にはあまり多くありません。L一ドーパ(パーキンソン病の治療薬)や、β一遮断薬(動悸や高血圧の治療薬)で、夢が増えるという報告があります。また、レム睡眠を抑え、夢を減らす作用のある薬の服用を突然中止したとき、その反動で一時的に夢が増えることがあります。このような薬、物質として、睡眠薬、抗うつ薬、アルコールなどが知られています。
「夢を多く見る」薬
1.服用中 L-ドーパ、β一遮断薬、カフェイン、ステロイド、ジギタリス製剤、降圧薬の一部、テオフィリン製剤
2.中止時 麻薬、睡眠薬、抗うつ薬、アルコール
これらのお薬を飲んでいる人のすべてに起こるわけではありませんか、比較的報告の多いものをあげてあります.
不眠を引き起こす可能性のある薬は、夜間の覚醒を増やすことで「夢を見た」という記憶を残しやすい場合があります。カフェインなど精神刺激作用のある薬物、ステロイド(抗炎症薬)、ジギタリス製剤(心不全,不整脈の治療薬)、降圧薬(高血圧の治療薬)の一部、テオフィリン製剤(気管支の拡張薬)、前述のL-ドーパなどが知られています。また、中止時に不眠が生じることのある薬物としては、麻薬が代表的なものですが、前述の睡眠薬、抗うつ薬、アルコールも可能性があります。
服用中止に伴う不眠の場合は徐々に減量することで防げますが、服用中の場合は他の薬に変更できるかよく主治医と相談して下さい。
頻繁に夢を見ると睡眠の妨げになりますか?
夢を見ることが直接的に睡眠を妨げることはありませんが、長く睡眠をとった場合や、睡眠薬やアルコールの連用を中止した場合などに、頻繁に夢を見ることがあります。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠の大きく2つに分けられます。夢を見るのは主にレム睡眠のときですが、成人では一晩の睡眠のおおよそ20%がレム睡眠ですのでぃ、誰でも毎晩夢を見ていることになります。全く夢を見ていないという人もいますが、これは見た夢を覚えていないだけだと考えられます。したがって、夢が直接的に睡眠を妨げることはないといえます。
睡眠のなかで特に収要なのはノンレム睡眠のなかの徐波睡眠と呼ばれる深い睡眠で、この睡眠の間に大脳が十分な休息をとります。徐波睡眠は寝入ってから3時間くらいまでの問に現れますが、この徐波睡眠が出現しているときにはいくら刺激を与えても覚醒しないので熟睡状態にあると考えられています。徐波睡眠が出現し終わると次第に睡眠は浅くなって、明け方になるとレム睡眠が増えてきて目が覚めます。このように夢は、深い睡眠をとり終わった後の明け方に見ることが多く、夢を見ることと熟睡できていないこととは直接は関係ありませんので、あまり夢にこだわりすぎないことが大切です。
ただし注意すべきこととして、レム睡眠の割合が異常に増えて全体として睡眠が浅くなっている場合があります。過剰に長く睡眠をとった場合、睡眠薬やアルコールの連用(毎日飲むこと)を中止した場合などですが、このような場合に、頻繁に夢を見てよく眠れなかったと自覚することがあります。適切な睡眠が得られるように生活習慣や睡眠環境を調整することが大切ですが、睡眠薬やアルコールが原因と思われる場合については専門医に相談する必要があります。
また悪夢は恐怖や不安から夢にうなされる状態ですが、いくつかの薬剤では連用を中止した際に出現したり、頻繁に見ることがあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)でも頻繁に悪夢が認められるため、そのような場合には精神科的な治療が必要となります。
ナルコレプシーにおいても現実感を伴った夢を頻繁に見ることがあります。
あまりにも頻繁に夢を見る場合は専門医を受診する必要があります。

睡眠障害にはどのようなものがあるのでしょうか?

睡眠障害は、①不眠症、②過眠症、③睡眠・覚醒リズム障害、④睡眠時随伴症に分けることができます。また国際的睡眠障害の分類がいくつかあります。
睡眠・覚醒障害は、大きく4つのグループに分けることができます。
第1は不眠症で、夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状があります。
第2は日中の眠気が強く、起きている必要がある場面でも眠ってしまうことを繰り返すもので、過眠症と呼ぱれています。このなかには睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症候群などが含まれます。
第3は睡眠・覚醒リズムの障害で、正常な人でも外国旅行をして時差ボケとか昼夜交代制勤務の場合などは昼なのに眠く夜間目が覚め、望ましい時間に眠れず望ましい時間に起きていられないということが起こります。また宵っ張りの朝寝坊は正常な人でも浪人していたり、何もすることがないと体内リズムが少しずつずれて遅くなることがよくあります。しかし会社などに出勤すべき時間に起きられないことが続く場合には体内リズムの異常が原因である睡眠相後退症候群と呼ばれる病的な場合があります。
さらに外界の昼夜のリズムに同調することができなくなって、本人の体内リズム(通常24時間より長く25時間くらい)に従った睡眠・覚醒リズムが続いてしまうため、就眠時刻と覚醒時刻が毎日少しずつ遅くなるという非24時間型睡眠覚醒症候群というリズムの病気もあります。第4は睡眠そのものの時間や内容は正常ですが、夜間眠っている間に異常な行動や身体症状が現れるもので、睡眠時随伴症と呼ばれます。このなかには睡眠時遊行症、夜驚症(やきょうしょう)、入眠時幻覚や睡眠麻痺などの精神症状を呈するものと、夜尿症、歯ぎしり、狭心症の発作など様々な身体症状を呈するものが知られています。
睡眠障害の分類には理論を排し、臨床的にまとまった疾患カテゴリーを取り上げて、その臨床症状と経過の厳密な記述に基づいて分類し、明確な診断基準をもつ診断分類が必要です。現在、国際的に行われている睡眠障害の分類には、ICD-10(WHOによる国際疾病分類第10版)、DSM-IV(米国精神医学会による精神障害診断と統計の手引き第4版)、ICSD(米国睡眠医学会(AASM)による睡眠障害国際分類)などがあります。それぞれ長所と短所がありますが概要を表1〜3で示します。
表1 1CD-10の睡眠障害分類(1991)
F51:非器質性睡眠障害
F51.0非器質性不眠症
F51.1非器質性過眠症
F51.2非器質性睡眠覚醒スケジュール障害
F51.3睡眠時遊行症
F51.4睡眠時驚愕症
F51.5悪夢
F51.8他の非器質性睡眠障害
F51.9非器資性睡眠障害、特定不能のもの
B.G47:器資性睡眠障害
G47.0睡眠開始と持続の障害(DIMS)
G47.1眠気過剰障害くDOES)
G47.2睡眠覚醒スケジュール障害
G47.3睡眠時無呼吸
G47.4ナルコレプシー・カタプレキシー
G47.8その他の器質性睡眠障害
G47.9特定不能の器質性睡眠障害
刀vorld Health organization : The Tenth Revision of the
lrltemational Classification ol Diseases (ICD-10);
Chapler 5 ; F51 Nonorganic sleep disorders ; Chapter
6;G470rganic sleep djsorders. WHO.Geneva,1990
より引用1=
表2 DSM-IVの睡眠障害診断分類(1994)
A.睡眠異常
307,42原発性不眠症
307.44原発性過眠症
347 ナルコレプシー
780.59呼吸関連睡眠障害
307.45概日リズム睡眠障害
307.46特定不能の睡眠異常
307.47悪夢障害
307、46睡眠時驚愕障害
307.46睡眠時遊行症
307.42他の精神障害に関連する不眠症
307.43他の精神障害に関連する過眠症
780.xx 一般内科的障害による睡眠障害
〔・American Psychiatric Association : Diagnostic and
stalistical manual ol mental disorders Founh Edilion
(DSM-IV≒AmericanPsychiatric Press, Washington、
D.C7994より引用)
表3 ICSD(1997年改訂版)
睡眠異常
A.内在因性睡眠障害
1.精神生理性不眠症
2.睡眠状態誤認
3.特発性不眠症
4.ナルコレブシー
5.反復性過眠症
6.特発性過眠症
7.外傷後過眠症
8.閉塞型睡眠時無呼吸症候群
9.中枢型睡眠時無呼吸症候群
10.中枢型肺胞低換気症候群
11 . 周期性四肢運動障害
12.むずむず脚症候群
13.特定不能の内在因性睡眠障害
B.外在因性睡眠障害
1.不適切な睡眠衛生
2.環境因性睡眠障害
3.高所不眠症
4.適応性睡眠障害
5.睡眠不足症候群
6.しつけ不足睡眠障害
7.睡眠開始関連障害
8.食物アレルギー性不眠
9.夜間摂食(飲水)症候群
10.睡眠薬依存睡眠障害
11 . 中枢神経刺激剤依存睡眠障害
12.アルコール依存睡眠障害
13.毒物起因性睡眠障害
14.特定不能の外在因性睡眠障害
C.概日リズム睡眠障害
2.睡眠時随伴症
A.覚醒障害
1.錯乱性覚醒
2.睡眠時遊行症
3.夜驚症(睡眠時驚愕症)
B.睡眠覚醒移行障害
1.律動性運動障害
2.睡眠時ひきつけ(びくつき)
3.寝言
4.夜間下肢こむらがえり
C.通常レム睡眠に伴う睡眠時随伴症
1.悪夢
2.睡眠麻痺
3.睡眠関連陰茎勃起障害
4.睡眠関連疼痛性陰茎勃起
5.レム睡眠関連洞停止
6.レム睡眠行動障害
D.その他の睡眠時随伴症
1.睡眠時歯ぎしり
2.睡眠時遺尿症
3.睡眠関連異常嘸下症候群
4.夜間発作性ジストニア
5.説明不能の夜間突然死症候群
6.原発性いびき
7.乳児睡眠時無呼吸症
8.先天性中枢性低換気症候群
9.乳児突然死症候群
10.良性新生児睡眠時ミオクローヌス
11 . 特定不能のその他の睡眠時髄伴症
3.精神、神経あるいは他の内科的障害に伴う睡眠障害
A.精神障害に伴うもの
B.神経疾患に伴うもの
C.その他の内科的疾患に伴うもの
4.提案検討中の睡眠障害
(American Academy ol Sleep Medicine : lntemational Classjfication of Sleep Disorders、
Revised(ICSD-R):Diagnostic and CodingManual.AmericanAcademny of Sleep Medicine、
Rochesler、Minn.1997より引用)

睡眠障害の人はどのくらいいるのでしょうか?

最近の調査で、日本成人の5人に1人が不眠の訴えをもち、約20人に1人が睡眠薬を服用しており、さらに6人に1人が日中の過剰な眠気を訴えていることがわかりました。
日本における本格的な不眠の疫学調査が90年代の後半になっていくつか報告されています。その1つは、健康・体力づくり事業財団により行われた日本全国の成人一般住民3,030人を対象とした疫学調査で、これに基づいて国立精神・神経センターのグループが解析し報告したものです。この他に、国立公衆衛生院が中心となって報告した日本全国の成人一般住民1,871人を対象とした疫学調査があります。
健康・体力づくり事業財団の調査によれば、「何らかの不眠がある」との回答が日本の成人の21.4%に認められました。つまり、成人のおよそ5人に1人が不眠の訴えをもっていることになります。不眠の症状をより詳しく調査すると、入眠障害が8.3%、中途覚醒が15.0%、早朝覚醒が8.0%と中途覚醒が最も多く、次いで入眠障害、早朝覚醒の順になります。
不眠の年齢による影響をみると、20〜30歳代18.1%、40〜50歳代18.9%、60歳以上29.5%であり、高齢者で高頻度にみられることがわかりました。不眠の症状別にみると、入眠障害は年齢問で頻度に有意差(統計的に意味のある差)がみられませんでしたが、中途覚醒と早朝覚醒は年齢の影響を有意に受け、高齢者で頻度が高くなっていました。

年齢別睡眠障害の頻度(全国20歳以上3,030名)

年齢別睡眠障害の頻度(全国20歳以上3,030名)


不眠のために過去1ケ月間、寝酒や睡眠薬を常用している人が6.3%いることがわかりましたへ国立公衆衛生院の調査では、成人男性の3.5%、成人女性の5.4%が過去1ケ月間に何らかの睡眠薬を使用しており、高齢になるほど多くなることが明らかにされました。すなわち、70〜79歳では、男女それぞれ8.7%(男性)、11.7%(女性)で、80歳以上になると10.2%(男性)、21.8%(女性)という高い頻度となりました。
このように、寝酒の習慣ばかりでなく、成人のおよそ20人に1人が睡眠薬を使用している事実には驚かざるを得ませんが、これらは米国やドイツにおける調査とほぼ同様の数値です。
健康・体力づくり事業財団の疫学調査に基づく研究において、日中の過剰な眠気は成人の14.9%に認められました。日中の過剰な眠気について、若い人ほど頻度が高いことがわかりました。この背景には、睡眠時間の短さ、たとえば入眠障害と中途覚醒というように、複数の不眠症状をもっていることなどが関連していることがわかっています。

睡眠専門医向けの診断基準

不眠で悩んでいます。睡眠専門医向けの診断基準があると聞きましたがどのようなものでしょうか?
専門医向けの自記式睡眠質問票にはピッツバーグ睡眠質問票やアテネ不眠尺度なとがあります。
睡眠障害の分類としては、1990年米国睡眠障害連合会が中心となって睡眠障害国際分類(ICSD)が作成され,今日最も吟及しています。しかしこれらの分類はすでに10年を経過し、多くの新知見を反映していないため、現在ICSDの改訂版を作る動きが進行中です。他に、診断基準としては、米国精神医学会による精神障害診断分類(DSM-IV)やWHOによる国際疾病分類(ICD-10)によるものがあります。DSM-IVによる原発性(いわゆる)不眠症の診断基準は表1に示すとおりとなっています。
表1 DSM-IVによる原発性不眠症の診断基準
A.主要な訴えは、少なくとも1ヵ月間続く睡眠の開始または維持の困難、または非回復性の睡眠である。
B.睡眠障害(または、それに伴う昼間の疲労感)が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
C.睡眠障害が、ナルコレブシー、呼吸関連睡眠障害、概日リズム睡眠障害、または睡眠時随伴症の経過中にのみ起こるものではない。
D.その障害は、他の精神疾患(例:大うつ病性障害、全般性不安障害、せん妄)の経過中にのみ起こるものではない。
E.その障害は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではない。
これらの診断基準は、医療機関における専門医による診断のためのものですので、一般の方が直接用いる機会は少ないと思います。
次に、睡眠障害を診断するための補助的な役割として、いくつか睡眠質問票が開発されています。代表的なものとしては、ピッツバーグ睡眠質問票やアテネ不眠尺度などがあります。
ピッツバーグ睡眠質問票は、睡眠の質に関する18項目の質問からなるもので、質問項目はすべて過去1ケ月間における睡眠習慣や睡眠の質に関する項目となっています。内容としては、就寝時刻、入眠時問、起床時刻、睡眠時間に関する質問があり、これら以外には、1段階の尺度のなかから該当する選択肢を選ぶ形式で、主観的睡眠の質、入眠時間、睡眠時間、有効睡眠時間、睡眠障害、睡眠薬の使用、日常生活における障害の7つの要素からなる質問があります。合計点を計算し、点数が高いほど睡眠の質がより惑いという評価になっています。

アテネ不眠尺度

アテネ不眠尺度


アテネ不眠尺度2

アテネ不眠尺度2


アテネ不眠尺度は、8項目の質問より構成されており、過去1ヶ月間に、少なくとも週3回以上経験したものに当てはまるものをチェックする形式となっています。各質問項目への回答は4段階の尺度となっており、0〜24点の問の得点となりますが、得点が高いほど睡眠の質が悪いという評価となります。
ただし、繰り返しになりますが、これらの質問票は、あくまでも補助的なものであり、絶対的なものではありませんので、必ず医療機関を受診のうえ、専門医の診察をお受けになる必要があります。

いびきが酷い時の対処法

夫がまるで貨物列車のようなひどいいびきをかくので、気が変になりそうです。また、日中眠いとこぼしています。
いびき止めを使うか、医師の診察を受けるべきでしょうか?
普段からいびきがあり、しかも昼間の眠気の自覚症状がある場合には、閉塞性睡眠時無呼吸症候群が強く疑われますので、ぜひ医師の診察を受けることをおすすめいたします。
いびきは、人口の4割以上に存在するいわばありふれた現象ですが、これが診療対象になるのは、いびきの騒音被害のために周|川が困っている場合と、いびきの影響が身体機能に影響を及ぼしていることが明らかな場合です。一般に問題になるのは後者ですが、一緒に寝ている人が眠れなくなるようないびきをかく場合には身体への影響の有無によらず治療対象となることもあります(特に女性の場合、いびきを気になさる方が多いようですが)。
いびきが身体機能に影響を及ぼす最大の要因は、いびきの原因となる喉の狭窄(きょうさく=挟まること)です。狭窄が強まって呼吸が止まるようになると閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS : 1時間あたり5回以上呼吸が止まったり、呼吸量が通常の半分以下になるような症状がみられるものをいいます)になる可能性があります。この病態では、停止した呼吸が再開する際に目を覚ましますので、睡眠が浅く分断されやすいのが特徴です。目覚めるとはいっても、ごく短時間で再び眠り込みますので、忠者さんのほとんどがこの現象に気づいていないようです。このような夜間の寝不足の結果、患者さんは昼間の眠気を感じることが多くなります。

世界における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の有病率

世界における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の有病率


OSAHSは、図に示したように、きわめて頻度が高く、世界各国の調査によって人目の2%以上がこの病気にかかっていることがわかっています。本疾患の研究が始められたころには、OSAHSが肥満者に多いことから、肥満人目の比較的少ない日本ではその割合も低いものと考えられていましたが、近年では欧米と同程度の頻度で患者さんが存在すると考えられています。これは、日本人では欧米人に比べて顔面の奥行きが狭いため、肥満の程度が軽くても喉が詰まりやすいことによると考えられています。なお、女性は男性に比べてOSAHSは少ないのですが、閉経期以降増加するようです≒原因は明らかではありませんが、女性ホルモンが呼吸を保つ作用があるためとの意見があります。
また、OSAHSではなくても、喉が詰まりかけた刺激によって夜間に何度も口を覚まし、OSAHSと同様の眠気を呈する病態があり、上気道抵抗症候群と呼ばれています。これらの、いびきと関連した病気が疑われる場合には、医師の診察を受けることをおすすめします。市販されているいびき防止器具は、軽症いびきを想定して作成されたもの(これらのなかには有効なものもありますが、夜間全般を通じて効果が持続するものは少ないようです)なので、OSAHSや上気道抵抗症候群のような重症いびきには効果が乏しい
と思います。いびき音の大きさは、上述の気道狭窄の程度にかなり強く影響を受けるので、貨物列車のような大いびきということは、狭窄が重度であることを示していると思われます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群治療に用いるマウスピース

閉塞性睡眠時無呼吸症候群治療に用いるマウスピース


OSAHSや上気道抵抗症候群に対する治療法としては、鼻マスクによる夜間人工呼吸、歯科で使うマウスピース、喉の手術などが有効であることがわかっていますので、適切な治療を受ければ、いびき音だけでなく昼間の眠気に悩まされることもなくなると思います。

お酒を飲むといびきがひどくなるのはなぜでしょうか?

飲酒した夜にいびきがひどくなるのは、喉を拡げる筋肉の活動が低下するためです。普段からいびきをかく人がお酒を飲むと、睡眠時無呼吸を生じることがあります。
アルコールや睡眠薬には、呼吸を制御する中枢神経のコントロール機能の抑制作用と、上気道を開く筋肉の活動を抑制する作用があります。
このため、飲酒した夜には喉が狭くなり(アルコール中毒になるほど大量だと舌根まで落ち込むことがあります)、喉の狭くなった部分から気流音(いびき)が生じます。これだけでなく、アルコールには毛細血管を拡張する作用があり、そのために鼻咽頭内の粘膜浮腫もいびきをひどくする要因になります。しかし、健康な人で飲酒時のみにいびきをかく場合には、周囲が多少迷惑する以外それほど大きな問題はなさそうです。
しかし、気をつけなくてはいけないのは、①習慣的にいびきをよくかく人が飲酒した場合、もしくは②閉家例匝眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)にすでにかかっている人が飲酒した場合です。①では、非飲酒時から半ば詰まりかかっている喉がアルコールの影響で完全に閉塞してしまい、OSAHSに移行することがありますし、②についてはさらに増悪(無呼吸が増加)する可能性が高いのです。

健康な人での上気道抵抗を負荷した際の覚醒に到るまでの時間

健康な人での上気道抵抗を負荷した際の覚醒に到るまでの時間


また、Berryらが行った実験から、飲酒後の睡眠中には非飲酒夜と比べて、喉に眼圧負荷(すなわち閉塞性睡眠時無呼吸と同様の状態)をかけた際の覚醒を生じるまでの時間が延長する(すなわち睡眠時無呼吸が延長する)ことがわかっています。OSAHSの疑いがありそうな人には、アルコールは悪影響があると考えて間違いないので、飲酒は避けた方がよいでしょう。
日中、所かまわず居眠りをしてしまう60歳男性。このため2回もあやうく自動車事故を起こすところでした。睡眠専門医の診察を受けた方がよいでしょうか?
日常生活の望ましくない場面で居眠りしてしまうという状態は、過眠症が疑われます。ぜひ、睡眠専門医の診察を受けてください。
日中所かまわず居眠りしてしまうのは、ご本人が意図したものではなく、病的な日中の眠気(過眠症)があるのでしょう。過眠症の患者さんは、不眠症の患者さんに比べて少ないものの、日常生活への影響は大きく、無視できません。
日中の過剰な眠気を呈する患者さんの診断チャート

日中の過剰な眠気を呈する患者さんの診断チャート


図に、過眠を呈する原因を理解するためのフローチャートを示しました口。この質問の男性のような中高齢者層で問題になるのは以下のものでしょう。
1.薬剤の副作用による過眠
不眠症の治療薬として用いられた睡眠薬の作用が昼間に持ち越すことによって起こる過眠症状は、近年、作用時間の短い薬剤が坏及してきているので減ってきてはいますが、それでもまだかなり多いようです。また、抗うつ薬や精神安定剤、内科系の薬剤のなかにも過眠を生じる可能性のあるものは少なくありませんので、服用中の薬剤と関係がないかどうか、必ず医師にチェックしてもらってください。
2.睡眠時無呼吸症候群による過眠
睡眠時無呼吸症候群では、夜間に何度も呼吸が停止するために中途覚醒が多発し、これによって睡眠が浅く分断されやすくなり、その結果、過眠症状が起こることが多いようです。睡眠時無呼吸症候群は、中高齢男性できわめて有病率の高い疾患ですので、この病気がないかどうかチェックすることはきわめて重要です。例外もありますが、常習的ないびきが存在し、しかも時々無呼吸のために途切れることが、本疾患の目安になります。
3.周期性四肢運動障害による過眠
夜間眠っている間に、周期的に(だいたい20〜40秒程度の間隔)で、足首の関節が背屈(反りかえる)するような不随意運動を示す病態を周期性四肢運動障害といいます。患者さんはこの不随意運動のために何度も中途覚醒を繰り返し、その結果過眠症状を呈することがあります。このような病態も中高齢層での過眠の原因になります。
眠気のために事故を起こしそうになるとすれば、かなり症状が重い可能性があります。
昼間の眠気の自己評価(エプワース眠気尺度)

昼間の眠気の自己評価(エプワース眠気尺度)


表に示したエブワース眠気尺度だと何点になるのでしょうか? 11点以上なら過眠症状があるとされていますし、16点以上なら重症に属します。睡眠障害専門医(睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、関連した耳鼻咽喉科、呼吸器内科の医師でも可)の診断・治療をお受けになることをおすすめします。
なお2002年に改正された道路交通法においては、強い眠気を呈する睡眠障害では適切な治療が行われるまで運転免許が保留・停止されることになっていますので、くれぐれも気をつけて下さい。

睡眠時無呼吸とはどのようなものですか?

夜間に何度も呼吸が止まる病気で、昼間の眠気、血圧上昇、虚血性心疾患、脳血管障害などが生じる原因になります。患者さん自身が病気を自覚していることは少ないので、ご家族の注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は、夜間睡眠中に何度も呼吸が止まる病態で、その診断基準としては1時間あたり5回以上の無呼吸(呼吸停止)もしくは低呼吸(呼吸量が正常呼吸の2分の1以下になるもの)が存在することがあげられています。睡眠時無呼吸症候群は睡眠時呼吸障害(夜間の異常呼吸を示す病態の総称)のなかの1つで、その大半は喉が詰まって起こる閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)と呼ばれるものです。また、この他には喉の閉塞はありませんが、呼吸運動の停止のために起こる中枢性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(CSAHS)があります。 1時間に5回の呼吸停止というのは、いかにも多いように感じられるかもしれませんが、健康な人でも一晩に20〜30回は無呼吸ないしは低呼吸が生じます。垂症度の判定としては、1時間あたりの無呼吸ないし低呼吸の回数(5〜15回が軽症、15〜30回が中等症、30回以上.が重ね)によって分類されますが、本症候群の症状として収要な眠気の程度から服症度が判定される場合もあります。OSAHSの原因としては、小児では扁桃腺(口の後ろにあるリンパ)肥大・アデノイド(鼻腔の後ろにあるリンパ組織、加齢とともに小さくなる)が、成人では顔面・頚部の形態毘常(下顎の後退、小顎症など)と肥満があげられています。
睡眠時無呼吸症候群、特にOSAHSでは、これによる夜間中途覚醒、低酸素血症、胸腔内眼圧の増大により、数多くの合併症が生じます。

睡眠時無呼吸の病態生理と臨床状況

睡眠時無呼吸の病態生理と臨床状況


図に示したように、睡眠時無呼吸症候詳での合併症は、成人病(生活習慣病)に属するものが多いので、本症候群は隠れた成人病の要因として服要視されています。そのなかでも特に高血圧の頻度が高く、数多くの疫学調査の結果から、いびきと無呼吸が血圧上昇の原因になることがわかっています。
OSAHSでは、すでに有効な治療法があります。全世界的に最も安全かつ有効な治療とされているのは、経鼻的持続陽圧呼吸(nasal CPAP)で、これに次いでマウスピースを挿入して下顎を前上方へ移動させ気道を広げる治療、上気道の外科手術(扁桃腺やその近くの組織を切除するものです)などの有効性が知られています。若いころから常習性のいびきをかく(すなわち喉のどこかに細くなっている部位が存在する)人が、中年期に太り始めてから無呼吸を生じるようになるというのが本症候群の一般的経過ですが、無呼吸は治療せずに放置すると確実に悪化していく(重症化するほど上述の合併症も多くなります)ことがわかっていますので、気がついた時点で早めに医師の診断を受けることをおすすめします。診断にあたっては、一晩の睡眠内容、呼吸状態などを記録する睡眠ポリグラフ検査が必要ですので、これができる医療機関を訪ねてみて下さい。

睡眠時無呼吸は、脳卒中、心臓病、高血圧にかかわる重大な症状だと聞きましたが、本当ですか?

閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)は、高血圧、虚血性心疾患、脳梗塞の発現要因になることがわかっこいます。
睡眠時無呼吸低呼吸症候群、特に閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)では、高血圧の危険度が高くなります。これは、無呼吸に伴なう夜間低酸素血症と度収なる中途覚醒の両方が交感神経活動を上昇させる要因になり、さらにはOSAHSにより、血管の調節機能に関連する物質の分泌が変化するためと考えられています。また、OSAHSによって、インスリンヘの反応が悪くなることもわかっており、このことは糖尿病の発現〜脂質代謝の変化〜動脈硬化の発現にも関与することから、狭心症、心筋梗塞などの要因として重視されています。さらに、OSAHSでの呼吸停止〜再開は脳血量速度・血流量に影響を及ぼし、脳梗塞発現の原因(特にOSAHSでの脳梗塞は夜間後半ないし起床後、朝早い時間帯に起こりやすいのが特徴です)にもなります。
高血圧については、OSAHS重症度が比較的低い時期からその発症の危険度が高くなることがわかっていますが、現在のところ虚血性心疾患ならびに脳梗塞発症の危険度と、OSAHS重症度の関係についての詳細は十分わかっていません。しかし、少なくともすでに狭心症や脳梗塞の既往がある患者さんにおいて、OSAHSが存在することが如実ならば、OSAHSによる呼吸停止〜再開が全身の血流動態に大きな影響を反ぼすことを考えると、これらの再発を予防するためにも、ぜひ早めにOSAHS治療に取り組むべきでしょう。
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