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睡眠

睡眠障害とは?

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睡眠障害とは?

24時間型の眠らない社会
現代社会では高度情報化により、生活様式が大きく変化しました。マスメディアを通じた情報は24時間休みなく送られ、受け手であるわれわれの睡眠時間を奪っていきます。
産業の多様化は労働の時間帯を変え、交代制勤務や残業は人間の体内リズムを脅かしています。寝不足と体内リズムの乱れはさまざまな睡眠障害を起こし、さらに睡眠障害がもたらす日中の眠気は、ときにより大きな産業事故、交通事故に結びつきます。
いまや「眠りと寝不足」の悩みは、医学の範囲を超えて、社会、経済の問題として考えなければなりません。
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このことは、現代のような24時間型の「眠らない社会」における、睡眠障害の実態の一端を表しているともいえるのです。
私は、都内の大学病院の睡眠専門クリニックで睡眠障害の診療をしてきました。睡眠クリニックが本格的に注目されはじめたのは、1990年からでした。睡眠障害に悩む人は
ここ10年くらいで増加傾向を見せています。

受診時年齢分布

受診時年齢分布


まず、図1のように年齢的な分布に特徴が見られます。思春期から青年前期の患者さんが多く、また、初老期の患者さんも増加しているのです。
慈医医大精神神経料睡眠障害専門外来患者のICSD分類

慈医医大精神神経料睡眠障害専門外来患者のICSD分類


 
睡眠障害の内容は、図2のように年齢の若いグループで、体内リズムがおかしくなるために「朝起きられない」、「夜眠れない」、「日中眠い」などの概日リズム睡眠障害が目立ちます。中年からはいわゆる不眠症(精神生理性不眠)や睡眠時の呼吸障害が多く、さらに不安や抑うつによる不眠も見られます。年齢によって、睡眠障害にも特徴があることがわかると思います。
このような特徴は、約10年間の睡眠外来の臨床例から、明らかになってきたものです。そのなかから現代の睡眠障害の特徴を明らかにし、それぞれの睡眠障害について、
「その特徴は?」
「どうして起こるのか?」
「どこから病気といえるのか?」
「どんな人がなりやすいのか?」
「対応はどうすればいいのか?」
をできるだけやさしく説明します。また、眠りのしくみについて最新の研究結果をもとに解説しています。
このブログの目的は、めまぐるしい現代生活の中で、のびのびと「より
よい眠り」がどうすれば得られるのか、なぜ「よい眠り」にならないのかをみなさんといっしょに考え、アドバイスをすることです。さらに睡眠を現代社会の問題として捉え、みなさんの睡眠衛生が充実する一助となるよう願うものです。

睡眠不足を放置してはいけない

ここでは、睡眠不足と大きな事故との関わりについてふれておきたいと思います。重大事故と眠気の関係は、最初、米国で明らかにされました。米国では州ごとに睡眠障
害センターが開設されていて、睡眠専門医が治療や指導を行っています。睡眠衛生への関心が高い世論を背景に、行政でもNTSB(米国運輸安全委員会)などが中心となり、産業・交通事故の迅速な原因究明を行い、事故原因の人的要因を綿密に追究し、事故再発防止に成果をあげています。
米国で眠気による事故がもたらす経済・社会的損害総額は、年間460億ドル(約5・5兆円)といわれます。そればかりではありません。睡眠不足が原因の事故によって、年間2000人の人命が奪われ、250万人が重傷を負っています。
このような眠りが剥奪されかけている社会では、寝不足の負債が増大し、自然から「強い眠気」というツケを突きつけられているのです。まさに虐げられた眠りからの逆襲です。この眠気を、米国睡眠研究専門家たちが、社会的損失を起こす危険のある「見えざる敵=アンシーン・エネミー」と捉え「目覚めよアメリカー」というキャンペーンを繰り広げ、睡眠衛生の立場から警鐘を鳴らしているのです。
米国で起こったスリーマイル島の原発事故、スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故などは、いずれも睡眠不足、あるいは睡眠障害による居眠り(問題眠気)が原因ではないかとみられています。
日本でも2002年8月、居眠り運転による追突事故で多くの死傷者が出ています。3重県鈴鹿市内の東名阪自動車道で、大型トレーラーが帰省ラッシュで渋滞中の車列に
突っ込んだのです。これに4台が巻き込まれ、激しい衝突によって車からガソリンが流れ出して炎上。逃げ遅れた5人が焼死、6人が重軽傷を負う惨事となりました。本人は、居眠りしていて、衝突の衝撃を受けるまでまったく意識がなかったといいます。事故を起こしたトレーラーの運転手は、3日間連続で大阪と茨城県日立市を往復する乗
務についていて過労による居眠りが事故原因と特定されました。また、常日頃の勤務状態から慢性的な睡眠不足状態にあったとみられています。これは睡眠障害(慢性的な睡眠不足)による問題眠気(居眠り)の典型例でしょう。こうした睡眠不足が長く続かないようにすぐに改善を図らないと事故や身体的不調につながっていくきっかけとなるのです。単なる寝不足と考えず、できるだけ早くきちんとした睡眠のとれる「環境」を整えなければならないのです。
この事故は、本人が逮捕されたほかに運送会社の運行管理者と配車担当者も道路交通法違反(過労運転容認)容疑で逮捕、法人としての運送会社も同容疑で書類送検されるというまれなケースとなりました。勤務状況から発生する慢性的な睡眠不足を放置した管理責任が問われたのです。
われわれはよく眠れないと、翌日に寝不足が残ります。寝不足が累積されていくと、眠気が生じます。眠気の程度がひどくなれば、それは「問題眠気」といわれ、日常生活や先にあげたように仕事に悪い影響が起こってきます。
寝不足を起こしやすい交代勤務では、消化器病、循環器病が多く、さらに慢性的な睡眠不足は、血圧や代謝・内分泌機能、免疫機能にも影響を与えるといわれています。
また、日本人の5人に1人は、睡眠の問題で悩んでいるといわれています。さらに2人に1人は睡眠に関して、何らかの問題を抱えているという報告もあります。
問題眠気が疑われる10の状態
①十分な眠りがとれない、眠りの質がよくない
②運転中に眠ってしまう
③テレビを見たり読書をしたりするときに起きているのが辛くなる
④仕事や、勉強に集中するのが困難
⑤仕事や勉強中のパフォーマンスに問題がある
⑥しばしば人に眠そうだといわれる
⑦記憶力が低下
⑧反応が鈍くなった
⑨感情のコントロールがよくない
⑩日中はほとんど仮眠をしている
問題眠気を疑わせる状態としては、次のようなものがあげられます。
問題眠気の3大原因としては、
⑴睡眠覚醒サイクルの乱れ
⑵睡眠衛生上の不適切な睡眠
⑶さまざまな睡眠障害
などがあげられます。
問題眠気を起こす原因のうち、生活習慣上での問題は調整も可能ですが、睡眠障害となると、専門的な正しい診断と治療が必要になります。
睡眠についての理解度テスト
次の問いは正しいでしょうか、間違いでしょうか?
①眠っている間は、からだを休め、リラックスするため、脳は休んでいる。
②日中、思いがけなくうつらうつらすることが繰り返して起こるようだったら、眠りの質について考えてみたほうがよい。
③夜間、睡眠中大いびきをかき続け、日中、眠くて困るようなときには、睡眠障害があるかもしれない。
④運転中、眠くなるときには、窓を大きく開け、ラジオを大きくすると眠気を覚ますことができる。
⑤ナルコレプシーは睡眠発作を主とする睡眠障害である。
⑥不眠症の主な原因は心配事である。
⑦脚のむずむずする感じは、寝不足の原因の1つである。
⑧からだは夜勤や時差ぼけのように時間帯がズレても、新しい時刻にすぐ合わせられる。
⑨歳をとると眠りはあまり必要がなくなる。
⑩運転中は多くの人が夕方に比べ、早朝や午後に眠気が強くなる。
(Sleep Disorder Sourcebook,Jenifer Swanson編 Omnigraphlcs lna, Detroit参考)
解答と解説
1 ×
睡眠は、受動的な空白の時間ではありません。休息をとり、エネルギーを保存し、心身の健康に備えるためのホルモンが分泌される活動的な期間です。
2 ○
ふつうに眠った翌日でも、強い眠気がよく起こる場合は、やはり夜間の睡眠障害を疑う必要があります。睡眠時呼吸障害があるのに気づかないことや、体内リズムが乱れて眠りの質が落ちたりするということもありますので、一度、睡眠専門外来に相談することをおすすめします。
3 ○
毎日、いびきがひどく、日中に眠気が強く起こるようなら、まず睡眠障害を疑ったほうがよいでしょう。それに加え、眠っている間にのどが詰まるような感じや、エンスト型のいびきであえぐように呼吸する場合には、睡眠呼吸障害の疑いがあります。
4 ×
運転中、眠気が強くなったときに、窓を開け、ラジオのボリュームを上げると、一時的に眠気は治まります。しかし、それは長続きしません。眠気は集中力や反応低下をもたらし、事故につながる危険性があります。眠気による交通事故は、米国では年間5万6000件もあり、そのうち1500件は人身事故といわれています。眠いままで運転することは避けなければなりません。
5 ○
ナルコレプシーの患者さんは、眠りの発作をコントロールできません。夜はよく眠っているのですが、日中、いつでもどんな状況でも睡眠発作を起こします。また強い情動によってからだが脱力発作を起こし、倒れることもあります。
6 ×
心配事で眠れないことはありますが、不眠の原因はそれだけではありません。心身の状態の変化やストレス、飲んでいる薬、体内リズム障害なども不眠症の原因となります。(不眠症の項参照)
7 ○
脚のむずむず症状は、眠ろうとすると、ふくらはぎにアリが這っているような感覚が起こり、気になって眠れないものです。脚を動かしたり、起き上がって歩くと消失しますが、そのため眠りが妨げられます。また、脚むずむず症候群の人の8割ぐらいが、やっと眠っても、脚が突然ぴくん、ぴくんと動き出して眠りを妨げられることがあります。(むずむず脚症候群・周期性4肢(しし)運動障害の項参照)
8 ×
生活時間が急に変化すると、体内リズムはすぐには合わせることができません。そのため、時差ぼけや交代勤務による不眠が起こります。リズムを早めに合わせるためには、体内時計に合ったタイミングで明るい光を浴びることが効果的だといわれています。(時差ぼけの項参照)
9 ×
年をとれば、誰でも睡眠時間が少なくなるというわけではありません。睡眠時間が長くなる人もいます。ただ、夜中に目覚めることが多くなるということはあります。年齢が高くなると眠りが持続しにくくなり、深い眠りは少なくなります。したがって物音や光などの刺激で目覚めやすくなり、心身の病気も起こりやすく、それが眠りへ影響を与えるのです。
10 ○
眠気には体内リズムがあります。生理的に眠気が強くなるのは午後2時ごろと午前4時ごろといわれています。これは脳波を測定して確認されているものです。
さて、正解はいくつあったでしょう?
判定
9〜10 深い知識を持ってます。
7〜8 よくできました。
6以下 もう少し睡眠全般についての理解を深めるようにしましょう。
睡眠外来を訪ねてみよう
眠れない、または日中眠くて困るという日が二〜3週間以上続いたときは、一度病院を受診することをおすすめします。
その際、どの科にかかるのがよいのかと迷うことも多いと思います。いちばんよいのは、これから設立されていくであろう睡眠障害センターや専門医がいる病院に行くことでしょう。
最近、睡眠研究の発展や睡眠衛生の普及とともに、日本睡眠学会では、睡眠の専門医を学会認定とすることを決めました。この制度は、わが国における睡眠医療の普及と向上を促すことを目的としています。これによって現在の日本で睡眠医療に関わっている専門家を、睡眠学会認定医師、認定歯科医師、認定技師として認定し、また睡眠学会認定の医療機関も明らかにするのです。
睡眠障害で悩んでいる人も、医療を受けやすくなることでしょう。睡眠医療の専門制度が整えば、睡眠障害に対する関心の強い一般医や専門施設への依頼も多くなるに違いありません。
一方、睡眠障害に悩んでいる方の心構えとして、医療機関を受診する前に自分の睡眠障害の経過を書いた睡眠日誌などをつけておかれると、病院側は大変助かります。ほとんど一目瞭然に睡眠障害のパターンがわかるのです。その結果、応対、検査、治療などがきわめてスムースに行われ、時間もかかりません。
これは、上手に医師にかかるコツとして、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。
睡眠日誌といっても特別なことはありません。就床時刻、起床時刻、眠ったと思われる時間をメモしておくだけでよいのです。

スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発

1986年1月28日、寒さの厳しいケネディ宇宙センターから、7人の宇宙飛行士を乗せたスペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げられました。しかし、その73秒後、固体燃料ロケットに異常をきたし爆発。注視していた5000万人の前で7人の乗員は全員死亡したのです。
大統領から事故調査を命じられた特別委員会ロジャース・コミッションは、事故原因をOリングの欠陥と特定しました。○リングはスペースシャトルの外部燃料タンク(液体水素と液体酸素が入っている)と固体燃料ロケット(加速用)の接合部に用いられるものです。事故の際には右側の固体燃料ロケットの継ぎ目に亀裂が生じて燃料ガス漏れを起こし、それが燃料タンクに当たり、タンクが破壊され大爆発につながったことがわかりました。亀裂の原因は継ぎ目の部分に用いられた合成ゴム製のOリングが低温で弾性を失ったためとされました。
打ち上げ前日の午後7時、Oリング製造元であるユタ州のモートンサイコール社とNASA(米国航空宇宙局)の電話会議がはじまったとき、スタッフの多くは12時間勤務を続けていました。うち2人は19時間働き詰めで、前の晩は2〜3時間しか眠っていませんでした。そのほかのスタッフも睡眠時間は平均6時間。とくに責任者の睡眠時間は数時間程度であったことが専門家の睡眠調査で判明したのです。モートンサイコール社はOリングが低温に弱く、マイナス10度では十分な性能が保証されないと報告、寒波に見舞われた状況では疲弊が予測されると主張し、打ち上げの延期を申し入れていました。その朝すでに打ち上げは一回延期されており、打ち上げを実行するかどうかで議論が白熱、電話会議は難航していました。
寝不足という状態が電話会議の意思の疎通を欠き、Oリングが疲弊した場合に起こる影響が正確に受け止められないまま電話会議は終わってしまったのです。打ち上げ時、ロケットの右側のOリング接合部分ではマイナス22度を記録していたのです。
事故調査委員会は、打ち上げに関わったNASA職員の寝不足(睡眠負債)について着目し、打ち上げ2日前のスタッフ13人の睡眠時間を再現しました。その結果、最高責任者3人の睡眠時間が極端に少なくなっていたことがわかったのです。
調査の結果から、事故原因はOリングの欠陥よりも、毎年打ち上げるというスケジュール、国の威信、政治上の問題のために無理な打ち上げを強行したNASAの体制そのものにあり、スタッフの多くは睡眠不足によって、重要な細部を見逃したと指摘したのです。
損失のコストは、打ち上げ延期による損害、契約金の損失、宇宙飛行士の訓練費用、莫大な保険金、さらにシャトル自体の損失など合わせて、総額数十億ドルにのぼりました。もちろん7人の尊い人命が奪われたことは何よりも大きな痛手でした。この事故は、おそらく眠気がもたらした史上最大の損失事故として記憶されることでしょう。

睡眠のしくみ

眠りはからだと心を調節する
人はなぜ眠るのか。現段階では、まだ十分な答えが出ていないといっていいでしょう。難しい論議はともかくとして、私たちは本能的、経験的に睡眠の重要性を知っていま
す。ぐっすり眠った後のさわやかな目覚め、からだの隅ずみまで満たされるような充実感、満足感、見るもの、感ずるものすべて新鮮に知覚され、晴れやかな気分とともに気力も充実してきます。まさに睡眠には、「人生の饗宴における最も滋養になるもの」
「身体の安息とともに、心配というもつれた糸くずを編み繕う」(シェークスピア)といった作用があるでしょう。
私たちが食べ物や水を必要とするのと同じように、眠りは自己保存のための基本的な欲求です。睡眠は生まれつき備わった自給的なものなのです。最近の睡眠研究の結果から、睡眠は人の活動や代謝を低下させてエネルギー保存を行い、同時にからだと心を調整する、能動的な働きがあることがわかってきました。翌日の活動を行うためには、眠りという長い時間の経過が必要なのです。多かれ少なかれ、善かれ悪しかれ、人は眠り、その眠りは生活のなかの大切な部分であることは間違いありません。
体内時計はどこに?
⑴視交叉上核(しこうさじょうかく)で光をキャッチ
生体内の時計の局在(ありか)を調べるためには、まず動物を環境から完全に隔離し、明暗や時の変化を知る手がかりの一切ない条件(恒常条件)におく必要があります。そしてその個体に、一定周期の自由な継続リズムがあることを確認するのです。
次に、この条件で脳の一部を壊したときにそのリズムが消失すれば、その部位に時計があることが立証されるというわけです。
このような方法でいろいろな動物について調べたところ、だいたい体内時計の存在箇所がわかってきました。ヒトでも動物と同じように、間脳視床下部の視交叉上核が時計の役割をしていることが、明らかになっています。
視交叉上核とは脳の視神経が交叉する部分の上にある一対の神経細胞の集まりです。大きさはピンの頭くらいですが、そのなかに一万個の神経細胞が集まっています。この細胞の核を分子がゆっくりと出入りする自律振動が時計の働きをしていると考えられています。ショウジョウバエの実験ではこの分子は遺伝子によってつくられる蛋白質であることがわかっています。細胞内でその蛋白質合成がはじまり、一定量を超えて細胞内の核にまで入っていくと蛋白質合成は停止します。蛋白質は時間が経つと自然に減少していくので、また合成が開始されるという繰り返しが時計の振動と考えられています。脳の中で視交叉上核のある場所は、目の奥の視神経が交叉する部位です。体内時計は光情報の入力に近いところにあって、光が体内時計の調節に密接な関連をもつことがわかってきました。
⑵生物時計とは何か
最新の研究技術による神経細胞活動解析では、視交叉上核は多くの固有の周期をもつ「時計細胞」が共同してペースメーカーを構成し、個体のリズムを決定することが明らかとなってきました。
この時計細胞がもつ振動体の実体は、「時計遺伝子」といわれるもので、とくに「Per」という時計遺伝子の発現リズムは、時計の振動体といわれます。
しかし、このモデルはまだ仮説段階で、実際にこの遺伝子だけが24時間リズムをつくっているのかどうかは確認されていません。
また、ヒトでの睡眠覚醒リズムを支配する時計の局在は、まだはっきりしていません。
動物実験のように培養下や細胞レベルでの検討ができないこと、適当な動物モデルがないことなどの理由によって、研究が遅れているのです。睡眠覚醒時計は視交叉上核や松果体(しょうかたい)、大脳辺縁系などが時計機構と関連があると考えられていますが、まだ明らかにはなっていません。
⑶体内リズムの性質を調べる
人間の体内リズムの特性を調べるために、ある壮大な実験が行われました。
一人の人に、隔離実験室で生活してもらったのです。そこは快適な生活空間が用意されていますが、外の明暗や時間の手がかりからは完全に遮断された設定になっています。中では本人が好きなだけ眠り、起きるという生活です。
その結果、時計や明暗はわからなくても、睡眠覚醒や体温リズムは、だいたい一日の規則的な周期にのって出現することがわかりました。しかし驚いたことに、体内時計は生活時間の24時間とは一致していなかったのです。

時間的手がかりのない隔離実験室

時間的手がかりのない隔離実験室


↑は、一人の人が隔離実験室で外界の明暗や時間の手がかりのない生活をした記録。縦軸は日にちの経過を示し、横軸は24時間の時刻を表す。横のバーの黒い部分は覚醒を示し、白抜きの部分は睡眠を表す。最初の2週間(A)くらいは約1週間リズムが遅れていき、その後(B)は1日が33.4時間となって大幅に後退している。表のなかの▲印は、体温リズムの頂点を示し、▼印は、体温リズムの谷を表している。興味深いのは、睡眠党醒リズムと体温リズムは、最初はいっしょに後退しているが、後半からはお互いに別れて後退している。これはそれぞれのリズムを発振しているしくみ(時計)が別であることを示唆している
図5のように被験者は、実験第一日目はいつもより一時間遅くベッドに入り、翌日はさらにそれより一時間遅れて眠りについていました。これを繰り返すと、二週目には被験者の時間は外の世界から半日ほどズレるという結果になりました。
体内時計は25時間周期を刻んでいたのです。
⑷体内時計の微妙なズレ
体内時計が一日を25時間と数えているのに、なぜ私たちは24時間のリズムで活動しているのでしょう。
それは、体内時計には24時間時計にうまく同調する機能があるからです。
隔離実験室で、24時間のうちの6〜8時間は灯りを消して、擬似的な昼夜を体験させると、時間の手がかりはないはずなのに、その人は暗くなると眠り、灯りがつくとまもなく目を覚ますという一日を、24時間周期で過ごすようになります。
体内時計が部屋の灯りと同調したのです。つまり、体内時計を外の時間と同調させるには、光が重要な役割をもっていたのです。
睡眠覚醒リズムや体温、ホルモンなどの約24時間のリズム(概日リズム)は、体内時計によって発振されます。本来は約25時間の自律性をもった周期を示すのですが、ふだんは壁時計が教えてくれる生活環境因子(明暗、温度、食事、社会的要因など)の影響をうけて、一日という環境サイクルに同調しているのです。
ここで興味深いのは、リズムが環境によってつくられているのではなく、体内時計リズムが壁時計に何とか合わせているということでしょう。
このように、私たちは生活の中に、本来の生体リズムを刻んでいる体内時計と、生活環境で定められた壁時計との二つをもっているのです。日々の私たちの活動は、ともすれば24時間から遅れがちな体内時計を、壁時計に合わせて生活しています。体内時計は壁時計に合わせる機能をもっていますが、そのリセットを強めるのが環境因子である光や、仕事や家族、食事などの社会的同調因子といわれるものです。
このリセット機能の中で最も強力で、そのしくみが比較的わかっているものが、光の作用なのです。
光と体内時計
光は体内時計に働き、実際は25時間以上となっている体内リズムを24時間社会に同調させてくれます。そのしくみを見てみましょう。
まず、網膜に入った光は、光情報として視交叉上核の時計に伝えられます。視交叉上核に到達した光は時計遺伝子Perの光受容領域に働き、リズムの変位を起こします。これは時計の針に相当するもので、生体リズムの位相変位を起こすと考えられます。
ただ、いつでも同じように効果が出るわけではありません。光照射のタイミングが大事なのです。遅れがちな生体リズムを前進させて、社会に同調しようとする場合には、睡眠から目覚めた後、早朝の光に当たることがたいせつです。

ノンレム睡眠とレム睡眠

眠りのプロセスからわかったこと
⑴90分周期で4つの段階を繰り返す眠りも約24時間のリズムの支配を受けているという事実をもとに、次は睡眠のしくみに話を進めます。
人が寝ているところを脳波で記録すると、おもしろい変化が見られます。
まず入眠するとき、私たちは徐々に眠りに入って行くのではなく、急にストンと眠りに落ちます。脳波の変化を見ていると、その瞬間がわかります。
最も浅い「睡眠段階1」では、眼球がゆっくり左右に動きます。少し深くなった「段階2」では、眼球は上にあがって動かなくなります。さらに深くなると、脈拍も呼吸もゆっくりとなり、「段階3、4」では脳波上に大きな振幅の遅い波(徐波)が出てきます。段階1、2とこの深い眠りを合わせて「ノンレム睡眠」といいます。
こうした睡眠が約90分続いた後、脳波は覚醒時に近いレベルとなり、「レム睡眠」が出現します。ノンレム睡眠時には動かなかった眼球が、急速に動き出します。それは非常に速い動きですが、目で何かを追っているようにも見えます。さらに、レム睡眠時には、からだを支えている筋肉の緊張が低下するため、からだの力が抜けてぐったりしてしまいます。

ネコの睡眠と覚醒ポリグラム

ネコの睡眠と覚醒ポリグラム


上図はネコの睡眠と覚醒の状態を表したもの,起きているとき、ノンレム睡眠、レム睡眠それぞれの筋電図を示している。起きているとき筋電図は活発で、ノンレム睡眠では筋電図は弱くなるがまだ残っている。レム睡眠では、筋電図か消失している。レム睡眠では筋肉の力がぬけることがわかる
図6のネコを見てください。右は目覚めているネコで、左上はノンレム睡眠時、左下はレム睡眠時の状態です。レム睡眠時のネコがひっくりかえっているのは、筋肉の力が抜けてしまうからです。
このように、レム睡眠では脳の機能は目覚めの状態に近く、眼球は何かを見ているようで、からだの力は抜けて外界からの刺激は入りにくい状態となっているところから、この時期は、夢と関連が深いことがわかっています。
レム睡眠時には、さらに呼吸や脈拍が乱れる自律神経系の変化が見られます。レム睡眠は数分くらい続いてまたノンレム睡眠に入ります。これを約90分の周期で繰り返すのです。
レム睡眠の持続時間はしだいに長くなり、朝方のレム睡眠は、30分〜一時間くらい続きます。年齢によって多少異なりますが、一夜の眠りでは前半に深いノンレム睡眠が出現、後半は浅くなりレム睡眠が増加するのです。
⑵2種類の睡眠の特徴
ノンレム睡眠とレム睡眠について、若干の解説を試みましたが、現在のところ、これら2種類の眠りの意義やその機能については、一応、次のように考えられています。
①ノンレム睡眠
人を眠らないように起こしておいた(断眠)後の回復睡眠では、まずノンレムが多く出現します。このことからノンレム睡眠は、からだにとって必要な眠りであることがわかります。
深いノンレム睡眠で成長ホルモン分泌が盛んになります。成長ホルモンは子供では成長に役立ちますが、成人では、からだの組織の修復が行われていると考えられます。
また、ノンレム睡眠は免疫作用と関連があることがわかりました。細菌などに感染したときなど、白血球から放出されるインターロイキンーが徐波睡眠を増加させるといわれており、免疫物質が睡眠を調節しているとの指摘もあります。この指摘は、風邪の引きはじめにぐっすり眠るとひどくならないことから、私たちが日頃から実感することと一致しているといえるでしょう。
②レム睡眠
その多彩な性格にもかかわらず、レム睡眠はまだ正体が見えていません。
レム睡眠中には、ノルアドレナリン作動性ニューロンの活動が停止します。つまり交感神経が休み、身体はほぼ完全なリラックス状態に入るのです。これはアドレナリンの活動が疲れすぎないように適度な機能を維持させながら休ませて、覚醒時の注意保持能力を改善させるものと考えられます。
東京医科歯科大学元教授の井上昌次郎先生によれば、レム睡眠は眠りに落ちているからだにプレーキをかけておいて、脳を活性化し、起きる準備をさせる役割がある、と説明されています。脳波では、浅いレム睡眠の出現頻度が朝方に高くなることからも、納得がいく解説です。
レム睡眠中には脳の蛋白質の合成が増加します。つまり、脳の修復機転をしながら脳内情報を整理して、覚醒後の記憶を強化、固定させる役割が考えられます。さて、これまでは一夜の睡眠の経過を、脳波の記録をもとに見てきました。そこであらためて睡眠が起こるしくみを考えてみましょう。

眠らせる「しくみ」

眠らせる「しくみ」は、どんな手立てで眠りを起こさせるのでしょうか?
それには二つの手段があります。一つは神経細胞の神経機構によるもので、もう一つは脳脊髄液内の睡眠物質の働きによるものです。そこでまず、眠りを起こす細胞の神経機構から順に、眠りのしくみについて見ていきましょう。
脳は本来、覚醒状態にあると考えられます。私たちが目覚めているのは、身体の内外から刺激をとり次いでいる脳幹網様体(のうかんもうようたい)が、大脳皮質を刺激(賦活=ふかつ)しているからです。賦活する経路には、
⑴視床から直接大脳皮質へいく経路
⑵視床下部から前脳基底部を経由して大脳皮質へ到達する経路
の二つがあります。
⑴の経路は、網様体から大脳皮質へ伝達する上行ニューロンによって大脳皮質を興奮させ、覚醒が続けられます。外からの刺激がなくなると眠くなるのは、この系の働きが悪くなるからです。強力に目覚めを促進している主なものは、青斑核(せいはんかく)から発するノルエピネフリン系ニューロンと、中脳・橋(きょう=中脳と延髄の間にありレム睡眠の発生と関連する部位)からのアセチルコリン系ニューロンといわれています。いずれも覚醒に関わりますが、広く睡眠の調節系としての働きもあると考えられています。
⑵の視床下部から前脳基底部を経由して大脳皮質を興奮させる系は、視床下部から出る覚醒型のヒスタミンニューロンが、直接大脳皮質に投射されて覚醒を起こします。
夜になると、視交叉上核のペースメーカーから信号が出て、脳幹網様体を積極的に抑制するしくみが働きはじめます。するとまず、ノンレム睡眠が起こります。ノンレム睡眠を引き起こすニューロン機構はまだ明らかではありませんが、眠りに入るとその一部が橋にある細胞の神経機構を動かして、レム睡眠を発現させることは間違いありません。それでは、次にレム睡眠の起こるしくみについて考えてみましょう。

ノンレム睡眠からレム睡眠ヘ

レム睡眠は、周期的に出現し、一定期間持続するというパターンを繰り返します。このことから、レム睡眠の出現には二つの働き(系)が関わっていると考えられます。
二つの系とは、
⑴積極的にレム睡眠を発現させ持続させる「実行系」
⑵ふだんはレム睡眠の出現を抑えているが、その抑制作用の解除によってレム睡眠を出現
可能・促進させる「許容系」です。
この二つの系が、橋から下の脳幹に存在することはわかっていますが、その働き(レム睡眠に「そろそろ出る準備をしなさい!」、あるいは「さあ出なさい!」という指令を出す働き)が、ある特定のニューロン鎖によるものか、特定でないニューロンなのかということで論議は分かれています。

睡眠物質という存在

睡眠にはなぜリズムがあるのか、という説明には、いままでに述べたような神経の電気
信号による調節だけでは不十分です。
実は神経機構と同時に、一方では「液性機構」とよばれる睡眠調節も働いているのです。その主役は「睡眠物質」と呼ばれるものです。睡眠物質とは、眠くなると脳内に現れ、睡眠を起こし、持続させる内因性の物質です。現在までに、十数種類の睡眠物質が発見されています。
睡眠物質の作用は、脳脊髄液を媒介にして脳全体に伝えられ、神経回路ネットワーク活動を変化させるものと考えられます。
睡眠物質は現在までに十数種類が発見されていますが、そのなかでも最も強力な作用をもつプロスタグランジンD2という睡眠物質がよく知られています。このホルモンは京都大学の早石修先生たちによって発見されています。さらにプロスタグランジンD2をつくっている酵素は、脳を包む膜に存在していることがわかりました。このことからプロスタグランジンD2は、脳をとりまく膜組織でつくられたあと脳脊髄液を循環して睡眠中枢に働きかけ、眠りを起こすと考えられています。

「寝る子は育つ」は正しい

図7は、睡眠のリズムと他の体内リズムとの関係を表したものです。

睡眠・覚醒リズムと他のリズムとの関連

睡眠・覚醒リズムと他のリズムとの関連


 
通常、私たちの眠りはノンレム睡眠からはじまります。この眠りは、深い眠りを含む、いわば、ふつうの睡眠と考えてよいでしょう。入眠後のノンレム睡眠、つまり眠りの深い段階(第3・4段階)では、成長ホルモンが最高に分泌されることが知られています。
成長ホルモンが睡眠に依存して出現するということは、眠りの生理的役割と深く関わっていると考えられます。つまり、子供が深く眠っているときは、成長ホルモンが一気に分泌され成長を促進させているときなのです。「寝る子は育つ」という昔からの諺(ことわざ)が、科学的にも証明されたようなものでしょう。
このホルモンは、成長期以後も分泌されます。成長促進作用のほかにも、蛋白質や核酸などの物質代謝での合成を促進する働きがあり、これが心身の修復と関連し、疲労を回復させるのではないかといわれています。ただ、睡眠中は食事をとらないので、蛋白合成量はむしろ減少すると考えられるため、この仮説には疑問も残ります。
他にも、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌は、睡眠中しだいに増加し、朝方に最高となって覚醒後の活動に備えます。
また、副腎皮質ホルモンは血糖値を上げる働きもあります。眠っている間は食べませんから、血糖を高くすることはできません。そこでコルチゾールホルモンが血糖値低下を防いでくれるというわけです。ですからコルチゾールと睡眠のリズムが一致しないと、朝に低血糖になり、元気に目覚めることができなくなってしまいます。
メラトニンは夜間に増加するリズムを持っています。さらに睡眠作用とリズム同調作用があるといわれています。
さらに、体温も入眠時刻ごろから下がりだして眠りやすい状態をつくり、早朝にリズムは谷となり、ふたたび上昇してきます。
眠っている間には、さまざまな生物学的変化が、絶妙の組み合わせで起こっているのです。睡眠時間が通常より急にズレたりすると、これらのリズム間の組み合わせがうまくいかなくなり、リズム説同調を起こして時差ぼけのような症状が出現するのです。
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