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睡眠

快適睡眠のための処方箋

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快適睡眠のための処方箋

「夢」や「眠り」は普段あまり深く考えることのない分野だけに、意外に知らないことが多いものです。今さら人に聞くのも恥ずかしいけれど、子どもに聞かれたらどう答えればいい
のか困ってしまう……。
そこでこのページでは、夢と眠り、そして眠りにまつわるちょっとした疑問を取り上げてみました。なかには誰もが常識のように考えていることでも、じつは根拠のない迷信だったり、反対にウソのような話が医学的には信憑性の高いことだったりすることもあります。
また、ウンチクというものは知っていると何かと便利なものです。たまたま知っていたために、思わぬ尊敬を受けることになるかもしれません。科学的に検証ができていない疑問に
ついては、文献で検証して私なりの考えを述べてみたいと思いますので、あまり深く考えずに読んでいただければ幸せです。
このページは、日常生活で役に立つかどうかは定かではありませんが、知っておいて損にはならない話題の宝庫です。酒の肴にピッタリで、そして、読んでいるうちに快適な睡眠に入ることができれば……。これはうれしいような悲しいような複雑な気持ちですが、でもまずは読んでみてください。きっと役に立つはずですから。
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Q29 夢ってカラーなのですか?モノクロなのですか?
これは「カラー」というのが正解です。しかし、こう答えると「私の夢はモノクロです」と反論を唱える方もいらっしゃることでしょう。たしかに多くの場合、記憶に残る夢はなぜ
かモノクロなんですね。昔は、カラーで夢を見たなんて言うと「疲れてるんじゃない?」などと言われたものですが、これは医学的根拠のない俗説です。
では、なぜカラーで見た夢がモノクロで記憶されるのかというと、これは非常に難しい問題で、今後の研究を待たなければはっきりしたことは言えないのですが、一つの仮説として、体が寝ているために記憶の機構がフルに機能せず、そのためカラーで記憶できないということも考えられるのではないでしょうか。
ただ、夢というものは、人によって見方が大きく異なるものです。私はこの項目の冒頭で「夢はカラーで見ている」と述べましたが、これは「構造上、カラーで見ることができる」
というのが正確なところで、実際にはモノクロで夢を見ている人もいるし、画像ではなく音でイメージして夢を構成している人もいます。つまり一概には言えないということなのです。
人それぞれ顔かたちが違って、考えていることが違うように、夢の見方も人によって違うものです。いとしい人が、どんな形態の夢を見ているのかを考えるのも、また夢のある話な
のではないでしょうか?。

夢分析

Q30 正夢ってあるような気がしますが、「夢判断」って当たるものでしょうか?
オーストリアの精神医学者・フロイト(1856〜1939)が著した「夢判断」という有名な本があります。ここでフロイトは、「抑圧された欲望が睡眠中に解放され、無意識の全体像が映像化されたものが夢となって現れる」と述べています。そこでどんな夢を見たのかを、精神科医が詳細に聞き出して集計・分析することで、その対象者(患者)の性格を判定していくという方法論が確立されていきました。これが「夢判断」です。
この考え方に妥当性があるかどうかを考えるには、まだまだ不確定要素が多く、今後の研究と社会的な判断を仰ぐことになるのですが、私はこれは観念論的な人間解釈の問題であって、その人間解釈が当たっていると思えば当たっているし、科学的根拠がないといえばそのとおりだと思います。
しかし、人間の性格や評価についての「科学的根拠」というものは、現代においても確立されていない問題なので、人の行動をどう解釈するかと言っても、解釈する人の立場によっ
てどうにでも変わってくるので、「当たる」とも「当たらない」とも言えないというのが正直なところです。
ちなみに、夢の内容とその夢を見た人の精神状態の関係の一例をご紹介しましょう。あなたは当っていると思いますか?
・水に溺れる夢?無意識的なカに興奮したり、感激したりしやすい状態
・川を渡る夢?まったく新しい視野が開けたり、重大な決心を迫られた状態
・空を飛ぶ夢?性的な気分の昂揚を意味しています。知らない分野を開拓しようとする時にもこの夢を見るとされています
・踊る夢?性愛情緒的な気分が高揚している状態。迷いの解決を願っている時にもこの夢を見ます
・料理をする夢?やがて新しい解決が現れる暗示
・火山の夢?日常の行動が過激になりすぎている状態
・風の夢?生命力や精神性、感情の乱れをあらわしています
・海の夢?グレートマザーの象徴でもあり、また一方ではあらゆるものが死んで沈む生命の墓場を意味します
・月の夢?幻影的な世界の危険と誘惑を示します
・血の夢?危機的状況が過ぎ去ったことをあらわします
(出典一 「「夢分析」マニュアル」別冊宝島編集部編・宝島社文庫)
Q31 記憶がなくなると夢は見られなくなるのですか?
これも一概には言えませんが、その可能性はあります。たとえば、痴呆症のお年寄りのケースで考えてみましょう。お年寄りですから人生経験は豊富です。それだけ夢の対象となる
記憶にも恵まれているわけで、たくさんの食材に恵まれたコックさんのようなものです。
しかし、痴呆の人は新しい記憶がなくなっていくため、最近の記憶に基づいた夢は見ない替わりに、遠い遠い大昔の夢ばかりを見る傾向が強くなります。また、記憶がなくなるというのではないのですが、意識不明の人は夢を見ているのかどうかという問題もあります。昏睡状態であれば、通常の睡眠とは脳波が異なるので夢は見ていません。
しかし、交通事故などに遭って意識不明になった人が、回復期に入って表情に変化が生じ、その後、意識が回復するということはよくあります。「3途の河を見た」とか「お花畑のなかにいた」などといわれる臨死体験というのは、この時期に見た夢を語っているのではないかと私は考えます。
それから、心筋梗塞のようにほとんど即死に近いケースは別として、病気の終末期で、臨終直前の人というのも、夢は見ていると思われます。とくに痛みを緩和するためにモルヒネなどを投与している場合はレム睡眠が出ているので、夢を見ている可能性はあります。
Q 32 動物も人間と同じように眠るのでしょうか?
難しいですねえ。アメーバなんていう単細胞の生き物は眠りませんが、これを動物と呼んでいいものなのかどうか……。端的に言うと、カエルは眠らないけれどワニは眠ります。言い換えれば、脳の発達段階がワニより高等な動物については眠るということがいえます。つまり、大脳に新皮質ができる動物は「夢を見る」ことがわかっており、この新皮質があるのが「ワニ以上」の動物ということになるのです。
でも「カエルが眠っているところを見たことがある」という人はいることでしょう。たしかに、目を閉じてじっと動かないでいるカエルっていますよね。しかしあれは眠っているのではありません。単に目を閉じて休息しているだけで、夢を見ているわけではないのです。
眠っている状態というのは、痛みや音、光などの感覚刺激に対して反応しなくなる、あるいは鈍くなることをさすので、カエルが目を閉じてじっと休息していても、感覚刺激(=脳のシステムが定常状態にあるときに外的刺激が加えられ、これによって定常状態に変化が生じること)に対する反応は活動時と変わらない状態を保っているので「眠っていない」ということになるのです。
逆にワニは、人間と同様、一度眠ってしまうと感覚刺激に対する反応が鈍ってしまうので、ちょっと触ったり突っついたぐらいでは反応しないはずなのです(だからといって、試してはいけませんよ。責任は持てませんから……)。
ちなみに「眠り」とよく似た部類の状態には、「休息」「休眠」「昏睡」の3種類があります。いずれも目を閉じて動かないでいるという点では共通していますが、医学的にはこれら
はすべて「睡眠」とは別のものとして区別されます。
レム睡眠の存在を見つけた研究者の丁人で、ハーバード大学の生理学者アラン・ホプソン教授は、こうした「眠りに似た状態」について次のように分析しています。
・ 「休息」とは目を閉じていても感覚刺激に反応を示す状態
・ 「休眠」とは生活機能を一時的に停止し、体温の維持ができない状態(冬眠など、その動物にとっての日常生活が不可能な状態でこの形態をとることが多い)
・「昏睡」とは体温は維持できるものの、ニ度と再び起きてこない状態
そして、これらの3つに当てはまらないことに加えて、脳波が睡眠パターンを示す状態を
「睡眠」と呼ぶということなのです。
ちなみに、ほかの種類の動物が眠るかどうかを脳波の動きから判別すると、魚は静止姿勢はとるけれども感覚刺激に対する反応は減らないし、眠りに特有な脳波も出てきません。カエルなどの両生類も、やはりじっとすることはありますが、脳波からは睡眠を示す電気信号は出てきません。一方、ワニなどの爬虫類は眠ります。ただし、ノンレム睡眠はすべての爬虫類に共通してありますが、レム睡眠は一部の爬虫類に限定されます(ワニにはレム睡眠はあるけれども、ヘビにはありません)。
ところで、馬やフラミンゴなどは、立ったまま眠りますよね。これなどは人間には絶対にできない芸当といえるでしょう。よく深夜の電車などに乗っていると、立ったまま眠ってしまう人を見かけますが、彼らは本格的に眠りに入った瞬間、ひざがガクッと折れて倒れ込んでしまいます。これは人間が眠ってレム睡眠状態に入ると、全身の筋肉が緩んでしまって起立している状態が保てなくなるからです。きっと馬やフラミンゴは、レム睡眠に入っても足の緊張だけは解けないメカニズムになっているのでしょう。便利ですね。

動物も夢を見る?

Q 33 ペットも夢を見るのでしょうか?
前の問いの続きになりますが、これも興味があるところです。人間以外の動物も夢を見るのだろうか?こればかりは、その動物になってみないと本当のことはわかりません。天気のよい日に、縁側で日向ぼっこをしながら寝ている猫の表情を眺めていると、とても穏やかな寝顔に見えるものです。そんなときには「きっと楽しい夢でも見ているんだろうな」と思うことも少なくありません。
動物が夢を見るのか、という問題を考えるときに、まず「夢」というものをどう捉えるかが肝心になってきます。起きているときの意識だって、本質的に夢とどう違うものなのか、という問題もあります。起きているときの意識は、具体的な現実世界を把握することができるので、その結果「正常」とみなされるわけですが、たとえば統合失調症の人は、その現実世界の関係を上手に把握することができにくいために、聞こえない音が聞こえたり、ありもしないことを妄想してしまうということもあるのです。
このことは、現実との対応がないのにイメージだけが生じてくるという点において、夢と共通する部分があるともいえるのではないでしょうか。ただ、もし動物が夢を見ているとするならば、その夢を構成する要素は人間と多少異なっているということは想像できます。
たとえば、犬は嗅覚が発達しているので、匂いに基づいた行動が多いということは皆さんご存知のとおりです。したがって、犬の夢の構成ファクターには匂いが重要な役割を果たしているということは容易に想像できます。私たち人間が画像で見る夢を、犬は匂いで構成しているのかもしれません。
ということは、「こうもりは超音波の夢を見ているのか」ということになりますが、これだってあながち間違いではないのかもしれません。そんなことを考えていくのも、夢のある話なのではないでしょうか?。
Q 34 冬眠のメカニズムってどうなっているのですか?
冬眠は、熊やヘビなどのように、食べ物の確保などの問題から通常の生活を維持したまま冬を越すことができない動物が、眠ることでエネルギーーを温存しようとする「環境適応」の
過程でできていった現象といえます。そもそも冬眠という行為は、哺乳動物の3分の1ぐらいの割合で見ることができます。冬眠の始まりは、通常の睡眠状態で入り、そのまま自然に冬眠状態に移行していくものです。
哺乳類の場合、冬眠中も始めのうちは、通常と同じ周期でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していますが、体温が次第に低下していくにつれてレム睡眠が消失していくのです。
レム睡眠がなくなるということは、夢は見ないということになるわけで、せっかく何カ月もの間、眠っているのだったら、かなり長編の夢でも見たいところですが残念です(どっちにしても我々は冬眠しないのだから関係ありませんが)。
寒いのが苦手な人などは「人間も冬眠できたら便利なのに」などと考えるかもしれませんが、残念ながら人間には、冬眠をするための機能が備わっていません。熊やヘピと同じように冬眠せざるを得ない環境に人間を置いたとしたら、人間は絶滅してしまうことになるでし
もし人間にも、冬眠のメカニズムが備わっていたら便利なのですけれど。そうすれば、冬山で遭難したとしても「捜索隊を頼むといろいろと迷惑がかかるから、ここは一つ春まで冬
眠しますか。ちょうど僕、有給が溜まっているんで」なんていう奇想天外な話もできるかもしれませんね。
「コラム」
水から陸に上がったことが眠りの起源
サイエンティフィック・アメリカン・ライブラリー第7巻に「眠りと夢」(東京化学同人刊)という本があります。この本は前出のハーバード大学・ホブソン教授が眠りについて解
説したものですが、面白い見解が多数示されていて興味深い内容になっています。
ホブソンの説によると、動物が眠るようになったのは、生活の場が水中から陸上に移ったことに伴う出来事だというのです。水のなかで生活していた頃は眠らなかった動物が、陸に上がったことにより、周辺事情の変化で自分の置かれた状況をつねに判断しなければならなくなっていった・・。そのため、水中生活時代と比べると脳の疲労度が格段に高まり、脳を休ませるために一定の休息が必要になっていった・・・これが「眠り」だということなのです。
日本には「寝るヒマもないほど忙しい」という人がたくさんいます。いっそのこと、水のなかで暮らしたほうが仕事がはかどり、眠らなくてもいいし、まさに一石二鳥なんですけどね……。

睡眠にまつわる噂

Q 35 睡眠にまつわる噂や諺に根拠はあるのですか?
「牛乳を飲むとよく眠れる」「アミノ酸をとるとよく眠れる」と言われたことはありませんか? 眠れないという子供に温かいミルクを飲ませて、「大丈夫だよ、おやすみ」と声をかけてあげるとよく眠れるということなのですが、まあたしかに子供はこれで眠れます。しかしこれは医学的根拠のない話です。
ではなぜ子供はこれで眠れるのでしょう? これは多分に、安心感によるものと思われます。現在では逆に「やや空腹」のほうがスムーズに睡眠に入れるという実験的データがあり
ます。よく「おなかが一杯のほうが眠れるでしょ?」と聞かれるのですが、実際には満腹だと、本人が気づかないだけで体は苦しんでいるのです。もちろん「おなかがペコペコ」では眠るどころではありませんが、「やや空腹」から「腹8分目」ぐらいなら自然に眠れるはずです。一度試してみてください。
また「早起きは3文の得」といいますが、これは本当なのでしょうか? 年をとるとどうしても早く起きてしまうもの。人は一定の年齢になってくると、たとえ前日に夜更かしをしたとしても翌朝は早くに起きてしまい、相対的に睡眠時間が短くなっていきます。これは病気ではありませんが、気になる人も多いようです。
この現象は、じつはレム睡眠の時間に関係しています。人間の眠りは、幼少期に長かったレム睡眠の時間が、成長とともに短縮していきます。そのために、お年寄りの眠りはどうし
ても短くなるものなのです。
ちなみに、年齢ごとの理想的な睡眠時間は次の通りです(カッコ内は理想的なレム睡眠の時間)。ただし、これは一般論なので個人差があります。これ以上でもこれ以下でも、ぐっ
すりと快適睡眠が取れる人もいれば、そうではない人もいることはご承知おきください。
・〜1歳  =13時間(4時間)
・10歳  =10時間(2時間)
・20歳  = 8時間(1・5時間)
・40歳以降= 6時間(1時間)
若い頃には長時間ぐっすりと眠っていたのに、加齢とともに朝早く起きてしまって「睡眠時間が足りない」と考えるお年寄りもなかにはいらっしゃいますが、これは心配するにあた
りません。逆に心配しすぎて、本当の不眠を招いてしまうほうが危険ですから、もし睡眠時間が足りないと感じたら、普段より早く布団に入ってみるなどの工夫をして、それでも早く目覚めるようであれば、逆に思い切って起きてしまうほうが体のためにはいいということを認識しておきましょう。そして早起きしたなら、ラジオ体操をしたり、早朝のきれいな空気のなかを散歩したりして、起きている時間を有効利用することが大切です。
ただそうはいっても、5時、6時ならまだしも、人によっては夜が明け切らない2時、3時に目が覚めてしまうことも珍しいことではありません。家族が寝静まっている深夜に一人で起きていると、昼間なら考えもしないような不安に心が苛まれることも理解できます。当の本人にはつらいのもわかります。深夜から早朝にかけてのラジオ番組のリスナーには、そうした不安を紛らわせたいと考えるお年寄りがかなりの数いるというのも事実なのです。
しかし、こればかりは病気ではないので、医者がどうこうすることでもありません。睡眠薬を飲んで形のうえで長時間眠ったからといって、医学的側面から見ていいことは何もないのです。ここは一つ発想を転換して「早起きは3文の得」と考えることにしましょうよ。せっかく手にした時間をどう使えば有意義に過ごせるのかを考えたりしていれば、今度は自然に眠くなるかもしれません。
Q:36 「寝る子は育つ」ってホントでしょうか?
本当です。睡眠中には脳下垂体の視床下部から出ている成長ホルモンが促進されるので、よく眠る子ほど成長がよくなるという理屈です。
小児科の領域では、子供の行動と睡眠はとても密接な関係をもって考えられています。たとえば「てんかん」の症状のある子供は、症状がひどくなると夜と昼のリズムに狂いが生じ
てしまい、昼間寝て夜起きるというパターーンになることがあります。ところが、治療によっててんかんの症状が改善されるようになると、きちんと夜に眠って昼は起きているという、普通の生活リズムに戻るようになることがわかってきました。
また、自閉症の子供は、睡眠中のレム睡眠の回数が通常の睡眠と異なってしまい、睡眠パターンに狂いが生じてしまうこともわかっています。そうなると、当然のことながら、健康
的な睡眠を得ることはむずかしくなり、自閉症の進行に拍車をかける危険性も出てくるわけです。
子供の情緒を保つためには、何より睡眠が重要な位置づけにあることはたしかです。そして子供の情緒をどれだけ保つことができるかどうかは、その子の発達にも大きく影響してく
るのです。言うまでもないことですが、子供が安らかに眠れる環境が確保されるということがまず重要です。なぜならそれは、親の愛情がきちんと注がれていて、子供にとっての安心
と安全が確保されていることを意味しているからです。
ときどきマスコミ報道などで、戦禍にさらされている子供たちの映像や写真を見ることがありますが、そこに写っている子供たちは極限状態に置かれたストレスフルな表情で、見る
人の心を痛めます。逆に安心して眠っている子供の愛らしい寝顔は、人間に限らず動物の赤ちゃんであっても、人の心を和ませてくれるものです。
子供によい眠りを与えることは親の義務であり、社会の義務でもあります。私たち大人は、それが実現できるための環境整備に力を入れていく必要があるということを、決して忘れないでいたいものです。

寝る時の姿勢

Q37 「大の字」「川の字」に寝るのは気持ちがいいものですが、何か医学的根拠はあるのですか?
まず「大の字」ですが、これは人間特有の寝姿で、ほかの動物で「大の字」になって寝るということは、あまり聞いたことかありません。そもそもこのスタイルは、決して理想的な寝姿とはいえないのです。というのも、人間は寝ているうちに必ず寝返りを打つわけで、大の字を維持していたら健康的な寝返りは打てなくなってしまいます。
では、なぜ「大の字で寝ると体にいい」といわれるようになったのでしょうか。これは精神的な安堵感や「大の字」になって無防備な姿でいることで相手(夫婦だったらパートナーであったり、子供にとっては親であったり)への信頼感をあらわしているからではないでしょうか。
おなかを上に向けて手足をおっぴろげて寝る犬やライオンだったらこんな無防備な姿はありません。それができるのは、外敵からの襲撃がなく、安全が十分に確保されていることに浸っているからこそなのです。そういった心理的な安心感を最も端的に表現した寝姿ということから、大の字が奨励されるようになったのではないでしょうか。
会社でくたびれて、家に帰ればこれまた問題山積。そんなお父さんでも、寝る前に布団の上で大の字にひっくり返ってみれば、なんとなく安堵感に浸ることができるはずです。そうしたストレス発散の一助としても、役立っているのかもしれませんね。
次に「川の字」で寝るのはどうでしょうか。ある実験で、夫婦が二人並んで寝ているときの寝返りの打ち方を解析したものがあります。寝人りばなは脳波の動きは別々だった二人ですが、次第に脳波が同調するようになり、最後にはノンレム睡眠とレム睡眠が同期するまでに一致してしまったのです。その結果、一人が寝返りを打てばもう一人も寝返りを打つという面白い現象が見られるようになったというのです。
つまり、同じベッド、同じ布団で寝るということは、無意識のうちにパートナーとの親密度を高める作用があるということがいえるのです。「川の字で寝る」というのは、単に日本の狭い住宅環境から発生した文化ではありますが、こうして考えると決して悪くないことなのかもしれません。「ウチは大の字で寝たくても寝られない」なんてふてくされていませんか? 考え方によっては、「大の字」よりも家族みんなで「川の字」に寝るほうが幸せなことなんですよ!

受験で睡眠時間を削るのは

Q 38 受験勉強で「4当5落」という言葉がありましたが、健康面ではどうなのでしょうか?
今でも「4当5落」などと言うのでしょうか? 昔の受験生は受験勉強をするときに「睡眠時間が4時間なら受かるが、5時間も寝てしまったら合格はできない」と言われていました。4時間なら合格で5時間だと不合格1すなわち「4当5落」ということです。
十数年前、受験生の数が膨れ上がった時期には、これがさらに誇張され「3当4落」なんてバカなことを言っている予備校講師もいましたが、実際はどうなのでしょう? これは受験生だけではなく、サラリーマンでもOLさんでも、たとえば社内の昇進試験や国家試験に挑戦するといったケースでも考えられることでしょう。
まあ人にもよるのでしょうが、私の場合は最低でも7時間は眠らないと、いくら勉強しても頭に入らないタチなので、受験生の頃も必ず7時間以上は寝ていました。そもそも睡眠とは、寝る直前までに蓄積された疲労を回復するのが目的です。その疲労を回復できないままむりやり起きていて、いくら勉強したところで頭には入らないのではないかと思うのです。
3時間や4時間の睡眠で十分に疲労回復ができるというのなら、私はこれ以上何も申し上げることはありませんが、単に強迫観念のように「4当5落」を唱えているようならあまり意味はないと思います。それぐらいの覚悟がなければいけないという心構え程度にはなりますが、医学的にはとても勧められるものではありません。
おそらく「4当5落」を実践している受験生は、「深夜に眠気をおして勉強している自分」に酔っているか、夜中に勉強することで得られる安心感が心地いいのではないでしょうか。
それよりは、早寝早起きで頭をすっきりリフレッシュさせて勉強したほうが、よほど効果的だと思いますけれど……。
Q 39 寝ても覚めても恋しいのはなぜですか?
寝ても覚めても恋しいなどというのは、青春時代の特権のようなものと思うかもしれませんが、医学的に考えれば、これは何も青春時代に限らず、壮年期だろうと、あるいはたとえ老年期であっても、こうした切ない状態に身を置くことはあり得ます。では、なぜそうなってしまうのでしょう?
ここでもフロイトが登場してきます。フロイトは、まず「無意識」というものを仮定して、「そこで情念が持続する」と考えました。実際に私たちが日常生活を送るなかでも、たとえば生命に関わるような重大な局面があれば、「恋しい」という情念は瞬時に梢失してしまいます。しかし、その重大局面が過ぎ去ってしまえば、再び「恋しさ」はよみがえってくるのです。じつは睡眠にもこれと同じことがいえます。睡眠中、たとえ脳が休んでいるときでもレム睡眠に移行して、日頃、心を支配している「恋しさ」という情念がむくむくと立ち
現れてくるということはありますね。
さて、ここからはあくまで仮説としてお読みください。以前の質問で「夢とは記憶を整理している過程である」という仮説について触れました。この仮説にしたがって考えるなら、事の重大性とは関係なく、「記憶」に留められている事象はすべて夢に出てくる対象となります。大昔の子供の頃の思い出が、何の前触れもなく夢となって現れることなどは、この仮説で説明がつきます。
しかし、そうなると「寝ても覚めても恋しい」ような、たとえその人にとっての重大事であっても、夢に出てくる割合としては他の記憶と同列になってしまうのではないか、という疑問も出てきます。うーん、難しいですねえ。やはり重大事は重大事として、夢に出てきやすいように、他の記憶よりはゲタをはかせてもらっているのでしょうか?
でも、これは人間だからできること。記憶の重大性をもとにして順位をつけさせることができない以上、ロボットには夢を見ることはできません。今はそんなところで納得するしかないのかもしれませんね。今後の研究を楽しみに見守りましょう。
Q40 子守唄のリズムはなぜ心地よい眠りを誘うのですか?
ある有名な音楽家が言うには、西洋の子守唄は比較的メジャーコード(長調)でできているのに対して、日本の子守唄はマイナーコード(短調)でできているとのことです。
西洋の子守唄を聴いていると、本当にあたたかく柔らかい雰囲気に包まれて、心地よい眠りに入っていけそうですが、日本の子守唄を聴いていると、なんだか淋しくなっていくような気がするものです。
それでも日本人が「五木の子守唄」の物悲しい旋律を聴きながら眠れるのは、赤ちゃんの頃にお母さんの背中におんぶされて、やさしく歌ってもらった経験があるからなのではないでしょうか。
なぜ西洋の子守唄が長調なのに対し、日本の子守唄は短調なのかという問題について、正確な理由は私にはわかりませんが、もしかしたら、古来、日本には3拍子というリズムがな
かった。ということに関係しているのかもしれません。
「イチニッサン、イチニッサン……」という3拍子のリズムは、ワルツやメヌエットとしてクラシック音楽ではお馴染みですが、日本古来の雅楽にはこのリズムがなかったとされています。
じつはこの3拍子というリズムは、馬に乗っているときのリズムと同じなのです。そのため、狩猟民族だった欧米では日常的にこのリズムに接しているため、音楽にも採り入れやす
かったのですが、元来が農耕民族の日本人には、馴染みの薄いリズムだったのです。
そしてある学者の説によると、この3拍子というリズムは、生理的に最も心地よさを感じさせる拍子だということなので、その点では欧米の音楽は理にかなっているということはいえるかもしれません。
とはいえ、何度も繰り返して恐縮ですが、よい眠りのために大切なのは安心感です。子供の頃にお母さんの背中で聴いた子守唄が、その人にとって一番安心感を抱かせてくれるのは間違いのない事実です。
だから幼少期に「学者の言うことだから」「流行っているから」といって、たとえば「情操教育のためのクラシック全集」などの音楽を無理して聴くのではなく、祖父母から受け継いだお母さんの子守歌を聴くのが一番だということに変わりはないのです。
【コラム】オーケストラを睡眠剤にする贅沢な人
私の知り合いの、ある新聞記者の話です。
彼はクラシック音楽、なかでもオーケストラ音楽が好きで、月に一度は演奏会に出かけていきます。
普段、クラシックを聴かない人が無理やり演奏会に連れて行かれると、演奏中に退屈さのあまり寝てしまうという話を聞きますが、この人は好きで演奏会に行っているのに、演奏が始まると寝てしまうのだそうです。それも楽しみにしていた演奏会になればなるほど、睡魔も強力になるとのこと。はじめは彼も不思議だったそうですが、今ではその理由がわかったと言って、こう説明してくれました。
「眠くなるのは、演奏を聴くことで気持ちも心もリラックスするから。つまり演奏水準が高ければ高いほど、睡魔も強くなるということなんです。そう考えれば、チケット代がもったいないなんて思わなくなりますよ」
なるほど、彼の言い分にも頷けるような気がします。たしかに、古今の名曲を卓越した技術で演奏しているわけですから、リラックス効果は抜群です。客席は適度に暗いし、温度も
快適ですからいい気分で眠れるのかもしれません。それにしても贅沢な人ですね。80人ものプロの音楽家に生で演奏をさせて、それを子守唄替わりにして寝ちゃうのですから。
ちなみに彼はアマチュア合唱団に所属していて、年に数回、オーケストラの後ろに立って歌うことがあるそうです。以前、ステージでオーーケストラの演奏を聴いていて、自分のパートが始まるまで、やっぱり気持ちよくなってひな壇に上がったまま寝ちゃったことがあるのだそうです。
ここまでいくと、これは単に音楽の睡眠効果ではなくて、ひょっとしたら彼が睡眠時無呼吸症候群なのかもしれませんが……。

睡眠中は乗り物酔いしないのはなぜ?

Q41 乗り物酔いをする人も、眠ってしまえば酔わないのはなぜですか?
よく乗り物酔いをする人が、「私は酔いやすいので車に乗ったら寝るようにしています」と言うのを聞くことがあります。そもそも乗り物酔いとは、耳の中にある3半規管が弱いことによる症状なので、眠ることによって3半規管の機能を統轄する能力がなくなるため、酔わなくなるのです。
酔って吐くのは、耳のなかに振動を感じ取る器官があり、ここで感じ取った振動で胃のなかの残留物を調整する機構がおかしくなって起こる症状です。したがって、いくら耳が揺れを感じても、それを胃の内容物の動向に関連づける働きがシヤットダウンしていれば、吐くということはありません。これは「酔い」だけのことではなく、「痛み」なども眠ることでかなり緩和することができます。たとえば、患者がひどい腹痛を訴えたときなどにモルヒネを使って眠らせて、目が覚める頃にはおなかの痛みはなくなっている?というケースがあります。これは次のような働きによるものなのです。まずモルヒネによって不安感が除去されて多幸感が出てきます。これにより痛みの回路が遮断されます。すると当然痛みを感じなくなるので、安心感から眠気が襲ってきます。その結果、深い眠りに入ることになり、その間に痛みの根本原因が除去されて、起きたときには痛みもなくなっている?ということになるのです。
ただ、末期がんなどによる疼痛になってくると、がん組織が存在する以上、痛みの根本原因は除去されませんから、モルヒネでたとえ眠ることができたとしても、モルヒネの効果が覚めれば痛みがぶり返し、その痛みで目が覚めるというつらい状況になります。
また、若いうちは「おなかがすいて目が覚める」という健康的な目覚めがあります。これも寝ている間は「空腹」という刺激を脳に伝える回線がダウンしていたのが、眠りが浅くなったある瞬間に、空腹情報が脳を刺激してしまい、目が覚めてしまうのです。
ちなみに「トイレに行きたい」というのも、膀胱括約筋の緊張状態を示す刺激が脳に伝わり、「このまま眠り続けたらおねしょをしてしまう!」という緊急事態を察知した脳が「起きろ!」と体全体に指示を出し、目覚めることができるのです。交通事故などで脊椎損傷などのケガを負ってしまうと、この「膀胱の緊張状態」という情報を脳に伝えることができなくなってしまいます。
Q42 英会話などの睡眠学習は効果があるのですか?
私自身は体験がないので何ともいえませんが、よく週刊誌などに「寝ている間に英語が身につく!」なんて出ていますね。寝ている間に英会話のテープを流しておけば、自然に英語能力が高まるというのですが、どうなのでしょう?
一般的には、睡眠中の音というのは、快適な睡眠にとって妨げ以外の何物でもありません。睡眠学習については医学的な根拠がないのではっきりしたことはいえませんが、私の経験的なことでいえば、寝るときは下手な小細工をしないでぐっすり寝て、すっきりとした頭で勉強したほうが効果はあると思うのですが……。
私の患者さんでも、どうせ寝つけないのなら、毎日、英会話のCDを聴いて英会話の能力を身につけたい、と睡眠学習に挑戦した人がいましたが、実際は途中から耳が痛くなって、しばらくすると猛烈な眠気が襲ってきたそうです。睡眠学習どころか、その人にとっては意に反して(?)睡眠誘導の効果があったようで、寝つけない夜は英会話のCDを聴くようにしているとのことです。何だか落語のような話ですね。もっとも、なかには睡眠学習で成功したという人もいると思うので、効果があるかどうかは人それぞれということでしょう。

電車で眠くなるのは?

Q43 通勤電車で座ると、すぐに眠くなるのはどうしてでしょうか?
まずは座れたことによる安心感。そして電車の発するガタン、ガタンという適度な揺れとリズム。ほかにすることがないことによる緊張の緩和?の3つが要因として考えられます。
なかでも電車の発する定期的なリズムというのは、眠りにとっては大変に有効なもので、家では眠れないけれども電車では眠れるという方は、一度、走行中の電車内の音を録音して、ベッドサイドで流してみてはいかがでしょう。しかも、今の電車は一定の快適な温度が保たれています。これなども心地よい眠りにいざなう重要な要素かもしれませんね。
ただ、通勤電車というのは「行き」と「帰り」があって、それぞれで眠りに落ちる要因は異なると思われます。「行き」で眠くなるのは、前夜の睡眠不足が第一の原因です。疲労回復に見合った睡眠時間が確保できなかったり、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害により、深い睡眠が得られなかったことなども考えられます。
一方「帰り」の電車で眠くなる理由としては、長距離通勤や仕事の疲労が主な原因で、体が疲れを取ろうと欲しているために眠たくなるのです。
加えて、お酒も大きく影響している場合もあるでしょう。適度な疲労にアルコールによる誘眠効果が作用すれば、電車の適度な揺れが拍車をかけて、まあ普通の人ならイチコロです。
忘年会シーズンなど、終電を乗り過ごして、駅員に起こされて途方に暮れている人の映像をテレビで見ることがありますが、
何とも気の毒なものです。ここからは、そうしたお父さん向けの話です。乗り過ごしを防ぐ方法はないのでしょうか?
そこで一つ、どんなに酔っていても(といっても、前後不覚の泥酔じゃさすがにダメですが)、適度の酔いなら効果のある「寝過ごし防止法」をご紹介しましょう。それはおみやげの選び方です。
昔から、酔っ払ったお父さんのおみやげといえば寿司の折り詰めと相場が決まっていました。これは、寿司折なら揺れても落としても内容物に大きなダメージが及ばないという機能性を考えてのことでもあるのですが、昨今の不況を背景に、寿司屋で酔っ払うまで酒を飲むという行為そのものに現実性が薄くなっているのも事実です。
そこでお勧めなのがケーキなのです。ケーキのように、揺らしただけで損壊が著しいものを持たされたお父さんは、たとえ酔っていようと緊張感を解くことができなくなるのです。
そのため運良く座れたとしても、ケーキの安置に神経が集まり、睡眠(熟睡)に陥る危険性は低減されることになること請け合いです。
乗り過ごしてしまって高いタクシー代を払って奥さんに怒られるのと、ケーキを買って帰って子供に喜ばれるのと、どちらが賢い選択かは明らかです。何ごとも費用対効果を考えて行動すべきということでしょうか。
Q44 休日に寝すぎると、翌日ポーッとしてしまうのはなぜですか?
最近、「ブルーマンデー」とか「サザエさんシンドローム」などという言葉を耳にすることがあります。週末を休んだまではいいのですが、日曜日の夕方になると、翌日(月曜日)会社や学校へ行くことを考えただけで、不安や軽いうつ状態に陥るというものです。
こうした症状が出るという話はべつに今に始まったことではありません。誰だって休んだあとに働いたり勉強したりするのはいやなものです。ただ、近年は職場や学校でのストレスによって精神的にダメージを受ける人が増えており、そうした社会環境の変化が、「ブルーマンデー」のような言葉を作りだしていったのでしょう。
さて、休日に長く眠りすぎたことにより、翌日ボーっとしてしまうのはなぜでしょう?
これは、たっぷりと睡眠をとったことにより、ストレスも減少しすぎてしまうからです。ストレスというのは、健康面でプレッシャーをかけるだけではなく、人間の意識に緊張を与えるプラスの役割も担っています。つまり適度なストレスは適度な緊張感を維持するためには必要なものなのです。ところが緊張感が必要以上になくなってしまうと、人間は日常生活に
支障をきたすことになるのです。それが寝すぎた翌日の虚脱感の原因なのです。
最近は日本の企業も週休二日制が一般化してきたので、土・日を連続して休める人も増えてきたのですが、そんな人からよく間くのが「土曜は寝て過ごし、日曜は休を動かす」という話です。つまり、翌日が休みの土曜日は多少寝すぎても問題はないが、週の始めの月曜日を適度な緊張感を持ってスタートさせるためには、日曜日はさほど疲れを感じない程度に運
動をしておいたほうがいいという、非常に理にかなった考え方ということができます。
とくに月曜日の朝から集中力を要する仕事が入っているときなどは、日曜の午後あたりからウオーミングアップを兼ねて、休を動かしたり仕事の準備をするなどして、「仕事モード」に移行しやすい精神状態にしておくべきでしょう。

冬山で遭難すると眠くなる

Q45 冬山で遭難したとき、寒いはずなのにどうして眠くなるのですか?
これは「寒いのに眠くなる」のではなく、「寒いから眠くなる」というのが正解です。寒さのために体温が低下すると、それに伴って代謝機能も低下します。すると脳の興奮が沈静化されて眠くなっていくことになるのです。
普通であれば、心理的な安心感と筋肉の弛緩が睡眠を誘います。そのためには暖かいほうが眠りやすいのですが、これは全身の機構としての健康な睡眠です。冬山の遭難では、全身より脳の中枢のほうが先に眠りに傾いてしまいます。そして、そのまま眠ってしまうと体温の回復ができず、死に至ることになるのです。
冬山といえば、よくアルプスの遭難救助犬のセントバーナードが、首からブランデーの入ったビンをぶら下げている写貞を昆ることがありますが、あれは体力の消耗が奢しい遭難者にブランデーを飲ませることによって、熱を生産させてエネルギーを補給するためのものです。つまり気付け薬の役割を果たしているのですが、私などは、もしお酒が弱い人だったら「ブランデーを飲んで酔っ払って、かえって眠りこんだりしないのかな?」などと、よけいな心配をしたりしてしまいます。
昔は救急医療の現場で、たとえば事故に遭って意識不明になっている人を覚醒させるときなどに、アンモニアを嗅がせて意識の回復を試みたりしたものです。これは、アンモニアの強力かつ不快な刺激臭により、臭神経ヘショックを与えるのが目的だったのですが、今ではさすがにやらなくなりました。
そもそも人間の嗅覚は、大や猫に比べれば劣っているとはいえ、それでも人間の感覚器のなかでは敏感な部類に入ります。しかし、だからといって冬山登山にアンモニアを持って行くわけにもいきませんね。行きの電車のなかでこぼしたりしたら大変な騒ぎになっちゃいますから。
Q46 人間は宇宙空間でも眠れるものなのですか?
人間が初めて宇宙に行く前、「宇宙では眠れないのではないか?」とみんな心配したようです。しかし、実際に行ってみると、宇宙飛行士たちはみな規則正しい睡眠をとり、睡眠障害を起こした人はいなかったとのことです。これは単に、乗組員が健康的に優れている人ばかりだったからなのかもしれませんが、人類の将来を考えたとき、ひとつ安心できることができたといえるかもしれません。
ただ、この報告には心配な個所がないともいえません。というのも、宇宙飛行士たちは、宇宙ではぐっすりとよく眠ったのですが、地球に帰ってきてからは眠りが浅くなってしまったという結果が残されているのです。
人間の睡眠の深さは、1から4までの4つのステージに分類されます。「こが最も浅く、「4」だと昏睡に近い状態を表し、理想的な熟睡はステージ「3」です。宇宙飛行士たちはみな、宇宙滞在中は「3」の状態で眠っていたのですが、地球に帰還後は「2」や「1に落ちてしまい、なかなか眠れなくなってしまったということです。
また、宇宙滞在中の睡眠ではレム睡眠は起きないが、地上に帰った直後はレム睡眠が増えて、睡眠に入ってからレム睡眠に入るまでの時間が短くなるというデータもあります。これはうつ病の特徴的な症状と一致した睡眠形態ということができ、宇宙に行くことで精神的に何らかの影響があり、それが睡眠に関係してくるという推測を立てることはできそうです。
とはいえ、これは帰還直後の一時的なことで、長期間続くものではないようです。まあ、飛行機に乗ってちょっと外国に行っただけでも時差ボケがあるわけですから、ましてや宇宙ともなると、多少ボケるのも当然なのかもしれません。「時差ボケの大きなやつ」くらいに考えておけばいいのではないでしょうか。

【コラム】睡眠時無呼吸症候群の恐怖ーある企業戦士の最期

最近でこそ睡眠時無呼吸症候群という疾患名も普及してきましたが、それでもその実態については正しく理解されていないようで、あまり真剣にとらえていない人も多いようです。
しかし、実際には非常に深刻な病気であり、時と場合によっては生命の危機にすら関係してくることもあるのです。
そこで、無意味に皆さんを脅かすようなことはしたくないのですが、しかし睡眠時無呼吸症候群を甘く見るとこんな恐ろしいことにもなりかねないという話を、事実として書いておこうと思います。
都内に住むAさん(50代)は、大手百貨店の仕入れ担当マネジヤーでした。20代で結婚したのですが、その後に離婚。たった一人の息子さんは別れた奥さんが引き取りましたが、その子どもが大学を卒業するまではAさんが養育費を支払うという約束もあり、Aさんは再婚することもなく、仕事に専念してここまで来ました。
無事に子どもも社会人となり、ようやく肩の荷がおりたAさんですが、ここ数年は高血圧と狭心症が指摘され、特に狭心症については薬が手放せない状態だったそうです。
自ら「子どもの頃からイピキはかいていた」と話していたAさん。社員旅行などでもその豪快なイビキは同僚たちの問でも有名でしたが、それだけでなく、「寝ているあいだにかなり長い時間息が止まっている」ということも、周囲の誰もが知っていたことです。ところがそれをAさんに言っても、本人にその認識がないためか、あまり真剣に取り合うこともなく、おそらくAさんは自分が睡眠時無呼吸症候群であることには気付いていなかったのでし
そんなある日、出社時刻になってもAさんが現れないのです。自宅や携帯に電話をしても誰も出ません。過去に無断欠勤など一度もないAさんだけに皆心配になり、その日の夜、同僚の一人がAさんのマンションを訪ねました。
部屋の電気は消えており、ブザーを鳴らしても応答がありません。留守にも見えるのですが、どうしても無断欠勤が信じられない同僚は、管理人に事情を話して合鍵で部屋に入りました。するとそこには、布団の上ですでに息絶えたAさんがいたのです。
検死の結果、死因は心筋梗塞。狭心症の発作があったのでしょう。
こう書いていくと、Aさんの死と睡眠時無呼吸症候群には何ら関係などないように見えるかもしれませんが、じつは大きな因果関係があるのです。
狭心症を持病に持っているAさんにとって、睡眠時無呼吸症候群は発作を引き起こす重大なリスクファクター。睡眠中に繰り返し呼吸が停止することで、血圧は高まり心臓への負担
も高まります。心臓に問題を抱えるAさんですから、毎晩が死と隣り合わせの危険な状態だったのです。しかも、本人が睡眠時の呼吸障害に気付いていないことから、特に意識もしていなかったはずです。
加えて一人暮らしのAさんは、たとえ発作で苦しんでいても、誰も助けることなどできず、電話で救急車を呼ぶこともできずに気の毒な最期を遂げたのでしょう。
もちろん誰も見ていたわけではないのでこれは推測です。しかし私はかなり高い確率で、このストーリーが事実ではないかと考えています。そして、睡眠時無呼吸症候群は決してバカにできる病気ではなく、生死に関わる重大疾患だということを、Aさんは教えてくれているのです。ようやく社会人になった息子さんと、酒を飲むことを楽しみにしていたAさん。その思いを果たすことなく人生を終えなければならなかった彼を思うと、悲しくなります。
みなさん、どうか睡眠時無呼吸症候群を甘く見ないで下さい。この病気が単なる「イビキの延長」では済まされない重大疾患だということを、ぜひ忘れないでいただきたいと思います。
これまでお読みいただいた方には、「眠り」と「夢」についてかなりの知識が増えたことでしょう。
そこで最後は、そうした基礎知識をもとにして、どうすれば快適睡眠が得られるのかを見ていくことにします。ここに書かれているとおりにすれば、医学的には気持よく眠れるはず
なのですが、もちろん人によって、あるいはその人の置かれた睡眠環境や精神状態などによって効果は異なります。
しかし、快適睡眠のためのメカニズムだけでも知っておけば、不安はずいぶん軽減されるはずです。眠れないときの〈考え方のヒント〉が満載ですので、もう少しだけお付き合いください。読み終わったときにあなたが、安らかな眠りに落ちていることを願って……。

理想的な睡眠

Q47 医学的にいう「理想的な睡眠」とはどういう状態ですか?
(1)呼吸・循環がしっかりしていて、
(2)血管に老化がなく、
(3)適度なストレスがあって、
(4)脳が活性化された状態
で眠っているのが理想的な睡眠ということになります。ただ実際には、これだけの条件を揃えて眠っている人はそういないでしょう。その意味で、赤ちゃんはかなり理想に近い状態で眠っているということができます。ただ、赤ちゃんの場合は、睡眠そのものが生存の絶対条件であり、単純に大人と比較することはできません。
大人になると、いかに効率的な生産活動を行うかが生存の証となるので、睡眠は疲れを癒す休息の場となっていきます。そういった観点から考えると、大人の睡眠とは、昼間の仕事ぶり、その充実度・達成度などによって評価されるのではないでしょうか。
ただし、あくまでこれは内科医から見た場合の話です。整形外科の先生に言わせれば、腰痛になりにくい眠り、すなわち適度な堅さのベッドが用意され、適度な寝返りが打てて、筋肉の緊張が保たれるような睡眠が理想的になるのかもしれません。これは同じ患者さんからの訴えでも、ドクターの専門領域によっては意見が食い違うことがあることの証拠です。たとえばテレビで評判の法律番組でも、弁護士が違えば回答が違うように、ドクターが違えば、違う領域からの意見も得られるので、不安がある方は複数のお医者さんに診てもらうのも一考かもしれません。
Q 48 健康的な睡眠を取るためのコツってあるのですか?
あります。まず第一に、筋肉をよく使うこと。なかでも足と背中の筋肉を鍛えるとよく眠れます。とくに低血圧の人は夕方になると、だるくなって体が冷えて寝つきが悪くなります。そのため朝は起きるのがつらく、午前中はなかなか仕事や勉強に身が入らないという状態が続くのですが、そんな人はなおのこと、日常生活のなかにストレッチや適度な運動を取り入れて、全身の筋肉をよく動かすことで血流や血圧を保つことが重要になってきます。二番目としては、寝る直前にお酒を飲まないこと。少なくとも、5時間前には、飲酒することはやめましょう。こういうと「お酒を飲んだほうが眠れるんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、これにはわけがあります。たしかに「寝酒」という言葉があるくらいですから、心地よい睡眠のためにアルコールが効果を発揮することはあるでしょう。しかしこれは適量の飲酒に限ってのことなので、「飲みすぎ」あるいは「泥酔」ということになると話は別です。
脳が興奮状態に陥るだけでなく、肝臓をはじめとする消化器系器官がアルコールの分解作業に忙しくなり、形式的には眠っていても、全身状態は多忙を極めていることになるわけです。
また飲酒は習慣になりやすいので、次第に飲酒量が増えていく可能性があります。そうなると、二週間前は一杯でセーブできたのが、一週間前は二杯になり、ついにはキッチンドラ
ンカーのようにとめどなく飲み続けることになって、快適睡眠どころか、体を蝕む原因にもなってしまいます。
では、適量とはいったいどのくらいの量をさすのでしょうか。人によってアルコール分解酵素の働きに違いがあるので、一概には言えませんが、平均的な量ということで次のイラストに示しておきましょう。

お酒の適量

お酒の適量


これぐらいなら、入眠儀式としての飲酒で許される範囲といえます。いずれもアルコールほに換算すると約1.2グラムに相当する量で、ごはん1杯分のエネルギー(約
150〜160キロカロリー)に当たります。これを「1単位」として「1日に1単位以下」あるいは「1週間で.10単位以下」が適量とされています。
これは睡眠に対しての適量ではなく、全般的に健康的な生活を送るうえでの指標なのですが、しかし私は快適な睡眠にも当てはまると考え、あえてここにご紹介しました。お酒の好きな方にはちょっと物足りないと思われるかもしれませんが、何ごとも過ぎたるは及ぱざるが如しですから、ぜひ参考にしてみてください。
さて、快適な睡眠のための3番目のコツとしては、「朝起きて夜寝る」という、言われてみれば当たり前の一連の「概日リズム」を確立することです。夜、一定の時刻に眠るために
は、普段から規則的な生活を心掛ける必要があり、なかでも毎朝の起床時刻を決めることは、一日のリズムを整えるうえでもっとも効果的な手段ということができるでしょう。そうすれば、毎日ほぽ同じ時刻におなかがすき、同じ時刻に仕事のペースが上がり、同じ時刻に疲れが溜まり始めて、同じ時刻に眠くなる?という「時間の経過に伴う条件反射」が形成されていくからです。そして、夜しっかり眠るためには、昼間には連続してしっかり覚醒していることが必要であり、その意味では、昼寝はしないほうがいいでしょう。
また、あまりこだわる必要もありませんが、「これをしたら眠るんだ」という睡眠儀式のようなものを取り入れることで、入眠パターンができあがることもあります。それは人によ
って異なるとは思いますが、歯磨きであったり読書であったり、毎日眠る前に行うことを習慣として決めておくのも一つの手かもしれません。
もちろん、そうした訓練や習慣だけではなく、自分の人生をよりよく生きる努力が必要です。健康というのは呼吸や睡眠だけでなく、生活全般にわたって「安全」が確保され、衛生的であり、栄養がよく摂れていて、周囲の者との人間関係がうまくいっていることが大切ですから。
肉体的な面と精神的な面の双方のバランスの取れた生活習慣が、健康的な眠りにつながるものなのです。

快適な睡眠に適した環境

Q49 快適な睡眠に適した環境とはどういうものでしょうか?
睡眠環境の3大要素は、「温度・湿度」「光」「音」の3つで構成されます。
第一の要素「温度・湿度」については、睡眠のなかでも、とくに入眠時に重要なかかわりをもってきます。人民にあたって最も快適な室温は28度前後で(ただし睡眠に入ってしまえば、布団のなかは35度前後で一定します)、湿度は50〜60パーセントとされています。
医学的には「温熱中間帯」という温度があります。この範囲内なら人間は安らかな睡眠が得られるという温度の幅なのですが、それによると「25度から31度」がその範囲とされていますが、私などは30度を超えたら暑くて眠れないし、23度くらいでも心地よく眠れるので、個人差があるのでしょう。
科学のはじき出すデータというのは、たまに現実的ではない結果を示すこともありますが、ただ、肌で感じる温度が20度を下回ると寒さを強く感じるようになって眠りにくくなるという報告もあり、こちらは多くの人が納得できる数値といえるでしょう。
ちなみに私のクリニックの病室は、患者さんが自分で快適と思う温度に設定できるようにしてあるのですが、ほとんどの人は25〜26度の間で設定しているようです。まあ、これぐらいが一般的に通じる快適室温といえるのではないでしょうか。
また、布団はやや固めで、寝返りを打っても布団から出ない程度の広さは必要でしょう。さらに、前にも述べたとおり。ある程度〃の空腹状態で、多少の疲労があったほうが眠りやすくなります。
第二の要素「光」(明かり)は、目覚めのときに必要なもので、睡眠時には基本的にはないほうがよい、つまり暗闇が最適とされています。そもそも大昔のことを考えれば、人間は
草原の木の上で寝ていたわけですから、それと同じ環境というと暗闇ということになりますね(月明かりはあるかもしれませんが)。
しかし、これについても個人差があり、「暗闇が恐い」という人にむりやり電気を消して寝ろというのは酷な話です。快適な睡眠には、精神的な安堵感が重要なファクターとなっている以上、恐怖やストレスを感じるような環境は避けるべきです。そんな場合には、淡い照明を使うなど、自分にとって安心できて、刺激にならない明るさを探してみるのもいいでし
また、第3の要素「音」についても、目覚めや中途覚醒に必要なファクターなので、入眠時や睡眠中はないにこしたことはありませんが、完全に無音である必要もありません。というのも、胎児はお母さんのおなかのなかで、お母さんの心臓音を間いています。人間が一番最初に安心感を抱くのがこのときなのですから、優しい音はあっても構わないという理屈になりますね。もちろんこれも、刺激にならないレベルの、しかも定周期の心地よいリズムの音が望ましいと思います。
また「音楽を聴きながらじゃないと眠れない」という人もたくさんいます。子守唄などは、まさに誘眠を目的に作られたものですから、眠りの導入部では効果を発揮することでしょう。子守唄に限らず、クラシックでも演歌でも、なかにはロックを聴く人もいるかもしれませんが、自分にとって安心できて心地よい音楽を聞くことで誘眠効果を得ることは可能です。しかし、あくまで睡眠に入るまでのことであって、一度眠りに入ってしまえば、睡眠の邪魔になってくるので、タイマー機能で自動的に消音できるようにしておきましょう。テレビやラジオのつけっぱなしというのは、電気代ももったいないですしね。

【コラム】快適睡眠のための「香り」の効用

当然、快適睡眠のためには香りも重要な要素です。最近はよりよく眠るためのアロマテラピーも若い女性の間では評判と聞きますが、私自身は専門家ではないので、ここはひとつ、専門家の意見を伺ってみることにしましょう。
ご登場いただくのはアロマテラピー・インストラクターの重みちよさんです(「重みちよのアロマテラピー講座」)。
気持ちが高ぶって寝つけない、寝苦しさを感じてしまう……心配事や気になる事があると脳が興奮して、意識レベルが下がらないので、なかなか寝つけないことがあります。そんなときにラベンダーなどの安眠効果のある香りをかぐと、香りに意識が向き、意識レベルが落ちていくので眠れるようになります。
古代エジプトには眠りを心地よくするための香りの処方があり、一説にはあのクレオパトラも愛用したと伝えられています。よい眠りのために、リラックス効果のあるアロマテラピーをあなた独自の入眠儀式として取り入れてみるのも一考でしょう。
たとえば、次のような方法があります。
(一)芳香浴……香りを鼻から吸収して神経に働きかける!
●アロマライト(電気式の芳香器)を使い寝室全体に香らせます。寝室ではキャンドル式の芳香器の使用は火災の危険があるので避け、電気式芳香器を使用してください。
●コットンやティッシュにエッセンシャルオイルを含ませて、枕元やパジャマのポケットヘ。エッセンシャルオイルは、植物の花、葉、果皮などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。エッセンシャルオイルに似た外見の合成オイル(ポプリオイル)は異質のものですので、混同しないように注意しましょう。また、エッセンシャルオイルの原液を直接肌に塗ったり、飲まないようにしましょう。
(二)入浴……疲れをとって、リラックス!
●睡眠前にぬるめのお湯に5滴以下のエッセンシャルオイルを落として、ゆっくりとつかります。体全体の緊張感をゆるめてあげましょう。
(3)ハーブティー……睡眠前のひとときに!
●睡眠の一5分ほど前に飲みましょう。これはお風呂上がりの水分補給にもお勤めです。
ビールを飲むよりも健康的な感じがしませんか?
(4)マッサージ……体と心を優しくほぐして、安らかな眠りを!
●アロマテラピーのマッサージは、キャリアオイルと呼ばれる植物油などにエッセンシャルオイルを希釈したオイルでマッサージをします。心地よい香りと、優しい手の感触が緊張した心と体をほぐして眠気を誘います。睡眠前に首筋、肩、背中をマッサージしましょ
寝る間際まで家事に追われる主婦や、仕事が忙しくてストレスが溜まっている人は、せめて睡眠前のひとときくらい、心と体を癒してあげる時間がほしいものです。アロマテラピーで心地よい香りにつつまれれば、安眠効果もバッチリで目覚めもすっきりします。ぜひお試しください。
どうでしたか? こう語っていただいただけでも、快適睡眠ができるような気がしませんか? 快適睡眠のためには、私たち医者の立場からだけではなく、こうした生活に根ざした専門家の意見も採り入れてみてください。きっとあなたにピッタリの睡眠儀式が見つかるはずですよ。
Q50 疲れ目のときには冷やしたほうがいいのですか?それとも温めたほうがいいのですか?
とりあえず冷やしておきましょう。これは疲れ目だけでなく、捻挫や打撲などの症状についてもいえることですが、不快な症状が出始めてからピークを過ぎるまでの急性期では、冷やすのが原則です。
旅先で捻挫して「ちょうどよかった」と温泉に入って温めるというのは、じつはまったくの見当違いなのです。しかし、これが慢性期(急性期を脱した安定した状態)になると、今度は温めたほうが泊りが早くなります。
疲れ目を医学的に検証すると、目を動かす「毛眼筋」と焦点を調整する「毛様体」という筋肉の疲労ということになります。これらの筋肉が疲れると焦点が合いにくくなり、視覚が画像のイメージを作るのに普段よりよけいにエネルギーを必要とするようになります。
また同じく目の筋肉が疲労すると目の酸素が不足して、血管が拡張してきます。これが「目の充血」の正体です。この状態で点眼薬をさすのは、もちろん「冷やす」という意味もありますが、それに加えて点眼薬によって水分と酸素を局所に補給するので、筋肉の緊張が緩和されていくという目的があるのです。
こう説明すると、水分と酸素を補給するなら水でもいいのではないか、と考える人もいるかもしれません。しかし点眼薬は等張(浸透圧が等しい)の生理用食塩水なので効果がありますが、水は点眼薬とは浸透圧が違うので、かえって痛みを招くことになります。
疲れ目というのは基本的には急性期の症状ですから、冷やすことが大事です。疲れ目で眠れない人は、冷たいタオルを目の上に乗せておくと、気持よく眠りに入ることができます。一度試してみてください。
なお、疲れ目に関係した代表的な目の疾患には次の二つがあります。参考までに簡単に説明しておきましょう。
(一)白内障
白内障は水晶体が混濁して起きるもので、今では手術で治せるようになりました。この白内障を手術で治したら、それまで悩んでいた肩凝りまでもが治ったというケースが意外に多いのです。これは明らかに疲れ目によって、無理して見ていた緊張感から解放されたことによるものと考えることができます。
白内障のときには色彩が感じられなかったのに、手術で治すと世界がまるで違って美しく見えると感激するケースもあります。
白内障の症状としては、強いまぶしさを感じるのが特徴的です。とくに強い日差しのなかで物が見えにくくなるもので、糖尿病で進行が早まることがあるので注意が必要です。お年寄りに多いようです。
(二)緑内障
緑内障には大きく二つの種類があります。一つは眼圧が高くなって視野狭窄が起きるケースと、眼圧が高まらずに視野狭窄が起きるケースです。視野狭窄の原因は網膜の変形による
ものと言われていますが、詳しいことはわかっていません。
緑内障の一番の特徴というと、初期のうちは、視野の一部に見えない部分があるという程度で、しかも検査をしないと気づかないことがほとんどです。しかし進行すると、とくに目
の奥のほうで強い痛みが感じられます。これも糖尿病で進行しますが、白内障と違って、手術で必ず治せるというものではありません。いずれにしても、これは眼科で根気よく治療しましょう。

昼寝の仕方

Q 51 夜によく眠るためには昼寝はしたほうがいいのでしょうか?
Q36でも少し触れましたが、成長期の子供については、眠ることで成長ホルモンの分泌を促すことになるので昼寝はしたほうがいいでしょう。また、どうしても夜の眠りが分断されやすくなるお年寄りは眠りの不足を補う意味で、夜の睡眠の妨げにならない程度に、昼寝をしたほうがいいと思います。具体的には15時前に20分から30分間程度がよろしいかと思います。
しかし、それ以外の、昼間は社会的な活動をしている大人にとっては、昼寝は夜の本来の睡眠に少なからず影響を及ぼしてしまいます。人間は本来、夜の睡眠を充実させるべきであり、それを考えるなら、昼間は多少眠くても我慢したほうが健康的ということができるでしょう。昼寝が記憶機能を強くするということも、言われてはいますが、実際に社会生活のなかで応用するのはむずかしいことです。
ところで「リラクゼーションセラピー」という言葉をご存知でしょうか? これは日中に2時間ほど睡眠をとることでストレスの改善を図ろうとする療法なのですが、この場合は夜の睡眠にダメージを及ぼすことはないのでしょうか?
最近は駅の構内やデパートなどのなかにも、肩、手、足などのマッサージをしてくれるお店をよく見かけます。疲れきったサラリーマンやOLさんなどでかなり賑わっているようですが、これなどはまさに身体的ストレスの発散の場ということができるでしょう。昼間、このようにして身体的ストレスを軽減しておくと、その夜はストレスをそのままにしておいたときと比べてぐっすりと眠れます。
では、身体的ストレスではなく、精神的ストレスについてはどうでしょうか。ストレスに悩むサラリーマンが、同じように昼間、カウンセリングやヒーリングを受けて精神的な不安を取り除いたとしたら、やはりその夜は不安に起因する悪夢を見るようなこともなく、ぐっすりと眠れるものです。そして、昼寝というのはこの精神的なストレスと身体的なストレスの両方の軽減に効果があるので、その意味では安らかな眠りに寄与することはできるということになるのです。
すなわち、この質問への回答をまとめると、次のようになります。
・健康な大人→昼寝はしないほうがいい
・子供、お年寄り、多少のストレスに悩む大人→昼寝は効果的
ここで「多少のストレス」と書いたのは、同じストレスでも、器質性の精神疾患の領域まで達しているようなストレスを持っている人にとっては、昼寝をしても夜の睡眠には効果は期待できないからです。こう見ていくとたかが昼寝とはいえ、おろそかにはできない奥深い意味があるものなのですね。
Q52 寝苦しいのでハンモックで寝てみようと思いますが、健康面ではどうなのでしょうか?
扇風機をつけっぱなしにして寝てはいけないIということはみなさんご承知のとおりです。でもそれはどんな理由によるものなのかをご存知ですか?扇風機の風は体の一部分に強く当たります。そのため風が強く当った部分と弱く当った部分、さらにはまったく当らない部分に温度差が生じることになるのです。これが瞬間的なものであれば構わないのですが、長時間続くとその温度差が常態化してしまいます。これが体調に変化を招く原因になるので、扇風機をつけっぱなしにしてはいけないということになるのです。
でも、サルのように木の上で眠る動物ならいざ知らず、地べたに横になって眠る人間は、どうしたって床に接している部分とそうでない部分とに温度差は生じてきます。まあ、この程度の温度差なら問題はないし、通常、人間は寝返りを打つのでその温度差も無意識のうちに解消されてしまうものなのですが、この温度差に限って見たときに、最も理想的な寝具が
ハンモックです。
木の枝と木の枝を結んでつるしたハンモックに寝れば、本来は床と接するはずの背中にも風が当たるため、全身が同じ通気条件を得ることができるのです。
ただし、これは温度や通気性に関してのみのお話で、整形外科の先生などに言わせれば、背中が丸くなって腰や首にもつねに負担がかかり、加えて安定性に欠けていて容易に寝返りを打つことができないので、ハンモックで寝ることなど許しがたい行為に思えるかもしれませんが・・・。

こたつでよく眠れる

Q53 こたつで眠り込んでしまうとどうしてよくないのですか?
よく眠れて健康にょいとされる「頭寒足熱」……これに最もぴったりの暖房器具といえばこたつではないでしょうか? しかし「こたつで眠ると風邪をひくからダメよ」なんて、母
親に叱られた経験は誰にでもあると思います。では、なぜこたつで眠ると風邪をひくのでしょうか。
まず、こたつで眠ると足は温まるので血液の循環はよくなります。汗はかきますが、そもそも人間は睡眠中に大量の汗をかいているので、本来なら問題はないはずです。でも、これがくせ者なのです。
じつはこたつで眠ることの一番の弊害は、上半身と下半身の温度差の大きさにあります。腰から下はつねに一定の温度で温められるので体は自然に汗をかきます。ところが上半身は外気に触れているので、かいた汗が冷たくなり(こたつを使うくらいですから冬ですよね。ならばなおのことです)、上半身と下半身の温度差が次第に大きくなっていくことになるのです。これが風邪をひく元凶であり、こたつで眠ってはいけない理由なのです。私はこれに加えて、こたつで眠ることによる身体的ストレスのほうが重大だと思います。
寝返りは打ちにくいし足も自由に動かせません。そんな窮屈な眠り方をしていれば大きなストレスを感じるはずだし、そのストレスは睡眠に少なからずダメージを与えているはずです。
たしかに冬の寒い夜にテレビを観ながらこたつで眠るというのは、日本人と生まれて究極の幸せなひとときではあります。でもじつはそれも入眠までのことで、体全体が適度に温まったと思ったら、すぐに布団に入って眠るようにしましょう。
「コラム」人生の最期はどうあるべきか?
医師が筋弛緩剤を使って、患者を安楽死させたという事件が報じられました。これが事実とすれば、同じ医師として非常に残念な話です。「患者の苦痛を取り除くために筋弛緩剤を使った」と供述した報道を見た、ある麻酔科医から、次のような投書が新聞社に寄せられました。
「患者の意識をコントローールすることなく筋弛緩剤を使ったということは、患者は意識がある状態で呼吸困難を起こしていることになる。これは安楽死でも何でもなく、患者は苦しみながら死んでいったことになる」
まさにそのとおりで、この患者さんはとても気の毒な最期を遂げたことになります。人は死の直前、たとえ意識がなくても夢を見ているということは本文でも述べました。しかしそ
れだけではなく、一説には耳も聞こえていて、周囲の会話や呼びかけも理解しているといわれています。
現に看護学校では、臨終に立ち会うときの看護士の心得として、家族に向かって「最期だから声をかけてあげてください」とか「何か言っておきたいことはありませんか?」といった発言は厳に慎むように教えられています。
もしあなたがそのような場に立ち会ったときのために、ぜひこのことだけは覚えておいてください。最期は疼痛管理のため、患者は痛み止めの薬によって睡眠状態であることがほとんどです。夢見心地のまま、静かに送ってあげるべきだと私は考えるのですが……。
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