睡眠薬通販・販売|エスゾピクロン・バスパー・眠剤の個人輸入

睡眠薬の種類・強さ・副作用・分類とその特徴・効果・口コミ

睡眠

概日(がいじつ)リズム睡眠障害

投稿日:

概日リズム睡眠障害

時差症候群による睡眠障害

時差がある地域にジェット機により短時間で移動すると,体内時計は現地の明暗周期に対応して生体リズムを前進あるいは後退させる(再同調)。1日あたり1〜2時間か体内リズムの同調能力の限界であるため,完全に現地時刻に再同調するには数日から2週間程度を要する。この再同調中に,不眠,日中の眠気,身体の不調などの症状が生じるのが時差症候群,いわゆる時差ぼけである。

睡眠薬・精神安定剤デパスやエスゾピクロンの通販サイト

1)疫学的事項
ジェット機により5時間以上の時差のある地域に旅行を行った場合には,ほとんどの人に生じると考えられる。ただし,時差症候群の自覚症状には個人差があり,旅客機パイロットが対象の調査では約10%の人はまったく訴えがなかった。
2)臨床症状
(1)一般的な症状
旅客機パイロットにおける調査では,睡眠障害(67%),眠気(17%),精神作業能力低下(14%),そのほかに疲労感,食欲低下,ぼんやりする,頭重感,胃腸障害,眼精疲労などが認められた。睡眠障害の内訳は,夜間中途覚醒が52%で一番多く,人眠困難は31%であった。
(2)症状の影響因子
時差症候群では,西行飛行に比べて車行飛行の方が症状は重くなる。また現地時刻への同調には順行性再回訓と逆行性再同調の2つがあり,たとえば,日本から時差がマイナス16時間(+8時間)のアメリカ西海岸に飛行した場合では,通常は生体リズムを8時間前進させて現地時刻に再同調(順行性再同調)するが,逆行性再同調の場合は生体リズムを16時間後退させて現地へ再同調する。

時差8時間のアメリカ西海岸での血中メラトニンリズムの再同調

時差8時間のアメリカ西海岸での血中メラトニンリズムの再同調


 
この飛行の場合,解消する時差時間が大きくなる逆行性再同調の方が,症状が重症で遷延化しやすい。
睡眠潜時を繰り返し測定する睡眠潜時反復測定検査(MSLT)を用いて客観的眠気を調べると、夜型の人の方が順応が速やかで時差症候詳による日中の眠気が弱いことがわかった。
高齢者では時差症候群の症状が重いことが知られている。神経質な人や内向的な人では,時差症候群の回復に時間がかかることがわかった。現地の時刻を無視した長時間のまとまった仮眠は,現地時刻への適応を遅らせる可能性がある。
3)診断
5時間以上の時差のある地域への飛行後,1〜2日以内に症状が現れていることが診断には必要である。飛行後2週間以上にわたって症状が持続する場合は,神経症性不眠などそのほかの睡眠障害の可能性があり,専門医への受診が必要である。
4)治療
時差のある地域で1週間以上滞在する場合は,睡眠,活動,食事など生体リズムの同調因子をできるかぎり現地の時間帯に合わせることが重要である。逆に,2〜3日の短期の滞在で戻る場合は,滞在中は日本時刻で過ごした方か,帰国してからの時差症候群が軽くすむ。
2.500ルクス以上の高照度光は,体内時計の指す時刻の朝に浴びると生体リズムを前進させる働きがあり,逆に体内時計の指す時刻の夕方〜夜に強い光を浴びると,生体リズムは後退する性質かある。生体リズムを再同調させるためには,現地で屋外の太陽光を浴びるか,人工的な高照度光を利用する。曇りの日でも屋外では3,000ルクス以上の高照度か得られるため十分に効果はある。生体リズムを後退させる方が前進させるより容易であり,生体リズムを後退させる必要のある西行飛行では,特に意識しなくても現地での活動中の自然光によって再同調できることが多い。東行飛行では生体リズムを前進させる必要かあり,意識して太陽光を浴びるか,人工照明を利用するようにする。薬物療法としては,不眠に対して超短時間型のベンゾジアゼピン系,非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が,覚醒後の眠気をもた
らしにくいため使用される,睡眠不足が解消されるとともに生体リズム調整効果がある。アルコールとの併用は禁忌である,メラトニンは、生体リズムと関連の深いホルモンである。体内時計が夕方から夜の時刻を指しているときに3mg程度を服用すると,光とは逆に生体リズムを前進させる作用がある。西海岸への飛行後,現地での就寝前の服用では自覚症状の軽減が認められている。しかし,民間連用の副作用については不明な点が多い。

交代勤務による睡眠障害

24時間社会となり,さまざまなサービスか24時間供給される必要が高まり,夜間勤務者,交代勤務者が増加している。交代勤務者では,日中に仮眠をとらなければならなかったり,日勤と夜勤を交互に行わなければならなかったりして,時差症候群と似た状態になることが知られている。時差症候群では最終的には現地時刻に同調できるが,交代勤務者においては常に勤務時間帯が変化するため生体リズムの同調が困難となり,睡眠のタイミングと,体温・メラトニンリズムがずれてしまう内的
脱同調という状態に陥ることが多い。
1)疫学的事項
交代勤務の行われる頻度により異なるか,夜勤を行う大部分の人がなんらかの睡眠障害を経験する。交代勤務就労人口が日本では全就労人口の20〜30%にのぽり,そのうちの80%が睡眠障害を訴えていると推計されている。
2)臨床症状
(1)一般的な症状
精神科を受診した交代勤務者157名を検討したところ,105名は心身症様症状を示し,72名(69%)が睡眠障害,次に17名(16%)がめまいや立ちくらみなどの自律神経症状,さらに吐き気,下痢などの消化器症状などがみられた。これらの症状は,交代勤務と時間的な関連をもって発症・増悪し,3分の1は交代勤務の継続が困難であった。シフトごとの睡眠時間を調べた調査では,日勤の7.6時間に対し,早朝勤務では5.7時間,夜勤では4.3時間と極端に短縮していた。さらに,睡眠障害の訴えは,早朝勤務と夜勤で高率であった。
(2)症状の影響因子
ヒトの体内時計は24時間より長い周期を持ち,生体リズムを遅らせる方向の方か同調させやすい。早寝するよりも夜更かしする方が容易なのはこのためである。このため,シフトのローテーションの方向は,日動→準夜勤→夜勤の順向性が望ましい。夜型の人の方が交代勤務に向いており,長期間の交代勤務からの脱落者は朝型が多い。また,加齢に伴って生体リズムの同調能力が低下するため,中年以降は交代勤務には適応しにくくなる。神経質な人や内向的な人では,同調に時間がかかり適
性が低いことが示されている。
夜勤中に短時間の仮眠をとることは,眠気による作業能率の低下防止に役立つ。夜勤明けの日中に仮眠をとらずに夜まで我慢した方が,生体リズムの安定にとってよい場合がある。
3)診断
夜勤と睡眠覚醒障害の発生に時間的,生理学的に関連のあることが診断上,必要条件である。交代勤務者では内的脱同調が長期間持続することがある。もともと不眠や過眠,概日睡眠リズム障害を持つ患者か交代勤務につくこともあるため注意が必要である。勤務中の眠気や夜間の不眠を解・消しようとして,薬物,アルコールの乱用や依存の問題が同時に生じることがある。
症例:交代勤務の睡眠障害
30歳,女性。寝つきはもともとよかった。21歳より看護師として働きはじめ9年目になる。今年より配置転換で、ICU勤務となり.2日ローテーションの3交代で3ヵ月ほど勤務してから、不眠(入院困難、中途覚醒)が出現してきた。日中の眠気も強く,仕事のミスが心配で受診した。適度な運動をとることや,日勤の時は朝方日光に当たるように指導したが、改善しないため,ゾルビデム(マイスリー)10mgを処方し、夜勤明けなど、睡眠障害の起きやすい時に服用させた。睡眠が改善し、同時に自覚的な疲労感、眠気も軽減している。

交代(3交代)勤務の睡眠日誌の一例

交代(3交代)勤務の睡眠日誌の一例


太線より上の期間では入眠障害,中途覚醒が目立ち、効率の悪い睡眠をとっていた。
このため勤務に入る時や夜勤明けで短時間型睡眠薬を使用した。その後は,睡眠は改善し,仕事中の眠気が改善した。
4)治療
一般に,夜勤が連続2ロ以内の場合は,生体リズムを本来の社会のリズムからずらさないようにする。連続1週間以上の場合は,夜勤時間帯に体内時計が日中の時刻を指すよう生体リズムをずらせる。
高照度光療法は,勤務の長さやローテーションの方向,目的とする生体リズムのずらし方により施行するタイミングが異なる。夜勤中に2.500ルクス以上の高照度の光を浴びると,眠気の軽減などか得られ,すばやく夜勤へ適応する助けとなり,日中の仮眠も安定した睡眠になる。しかし,次のシフトヘの適応に支障になる可能性がある。
薬物療法としては,超短時間型のベンゾジアゼピン系,非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を睡眠障害に対して使用する。メラトニンの交代勤務者に対する効果は確立していない。

睡眠相後退症候群

1)疫学的事項
睡眠相後退症候群(Delayed Sleep Phase Syndrome : DSPS)の有病率は一般人口の0.17%,高校生の0.4%と推定されている。
不登校,頻回欠勤など社会的にも無視できない症状を引き起こす。DSPSは慢性に経過し,長期間の治療を要する。
2)臨床症状
DSPSでは,生体リズムの遅れにより睡眠時間帯が極端に遅くなっていることか特徴である。典型的なDSPS患者は,明け方にならないと眠れず,昼ごろにならないと起床できない。

睡眠相後退症候群の睡眠パターン

睡眠相後退症候群の睡眠パターン


入眠は午前2時以後、起床はお昼過ぎで、平日も週末もパターンは変わらない。
早く眠ろうとして就床しても,何時間も眠りにつくことができず,ある一定の時刻にならないと入眠できない。重要な仕事や試験など,必ず朝起きなければならない状況においても起床できない。無理して起床しても,午前中は過剰な眠気や集中力低下,倦怠感,頭重感などのため什事・勉学は不可能であるが,午後あるいは夕方になるとこれらの症状は消失する。このような症状のため、学校生活や社会生活に大きな支障を来す。健常者でも,長期休暇のあいだに生体リズムか遅れてDSPSのような夜型の生活になることは多いが,休み明けには生活をもとに戻すことができる。しかし,DSPSではいったん遅れると戻すことが非常に困難である。
3)診断
DSPSでは,望ましい時刻に人眠あるいは起床できず,睡眠エピソードが後退している。また,無理に朝起床すると,日中に過剰な眠気を来す。これらの状態が最低1ヵ月持続している。自分が眠れる時刻に入眠した場合には,質・持続ともに普通の睡眠をとることかでき,自然に覚醒できる。これらの状態が最低2週間,睡眠日誌で確認できればDSPSと診断できる。登校拒否やひきこもりなどにより,2次的にDSPS様の状態を呈することがある。こうした場合は,起きなければならない強い動機があれば,起床できることが多い。うつ病や精神分裂病などによる睡眠障害も,引きこもりがちな生活の結果として生体リズムが遅れ,DSPS様の状態を呈することかあり,鑑別を要する。睡眠状態だけでなく,精神症状を把握することか鑑別の重要なポイントとなる。
4)治療
(1)治療方針
DSPSは多くの場合、睡眠薬による治療が無効である。体内時計の周期は約25時間であり,生体リズムを遅らせる方が進ませるより容易である。このため,従来よりDSPSにおいては,毎日約3時間ずつ入眠時刻を遅らせ,社会生活にちょうどよい時間帯に眠れるようになった時点でこれを固定させる「時間療法」が用いられてきたが,その効果は1ヵ月くらいしか持続しなかった。朝の高照度光照射,メラトニンなどの薬物により,睡眠位相の前進が可能であることがわかり,単独,あるいは,これらの祖み合わせによる治療が導入されてきている。 DSPSの治療では治療の継続が重要であり,そのためには本人の治療意欲が必要である。また,睡眠日誌をつけ,学校や職場に間に合うようにきちんと朝食をとり,週末も同じ時刻に就床・起床し,規則正しい生活習慣の構築のための努力が不可欠であることをよく説明する。
(2)生活指導
①DSPSによる社会的不適応について理解を示す。
②就寝前のテレピゲーム,ビデオ鑑賞,カフェインやアルコール摂取を避ける。
③必要に応じて入院させ,積極的に環境・睡眠習慣の改善を行う。
④いったん睡眠覚醒リズムが正常化しても再発することが多いので,治療後も精神療法を含めたサポートが必要である。
(3)非薬物療法
①時間療法:毎日就床時刻を3時間ずつ遅らせ,1週間程度で望ましい時刻に就床,起床できるようになった時点で就床,起床時刻を固定する。 DSPSの患者は遅くまで起きているのは慣れているので,時間療法はほとんどの患者で導入可能である。
②高照度光治療:起床後1時間,2,500ルクス以上の高照度光を照射する。起床困難なDSPS患者か朝早く起きて光を浴びること自体に困難かあり,光照射中も居眠りしてしまうことが多いか,朝の光は確実に睡眠位相を前進させることができる。光療法開始前に眼科受診をすること。
(4)時間生物的薬物療法
メコバラミン(0.5mg) 3〜6錠   毎食後
投与前と投与後3週間前後のビタミンB12の血中濃度を測定する。
トリアゾラム(0.125mg)l〜2錠   就寝前
ゾビクロン(7.5mg)  1〜2錠   就寝前
プロチゾラム(0.25mg) I〜2錠   就寝前
ゾルピデム(5mg)  1〜2錠   就寝前
以上のいずれかを選択する。
通常の睡眠薬のように,就寝の15分前ではなく,5時間前に服用させる。いずれも作用時間の短い睡眠薬だか,睡眠位相前進的作用があると考えられている。
メラトニン      3〜5mg   就寝前
目標とする就眠時刻の5時間前あるいは,21時に服用させる。
メラトニンは生体リズムの位相前進作用,直接的催眠作用,体温低下作用などがあると考えられている。わが国では保険認可されていない。
症例:睡眠相後退症候群
17歳,女性、高校生。両親が働いていたこともあり、小さいころから夜遅くまで起きていることが多かった。高校1年のころから朝起きづらくなり、午前中は眠気が強く授業に集中できなくなり、起床後に頭痛や嘔気も出現するようになった。高校2年の6月から朝起きられず,遅刻や欠席をするようになった。夏休み中は午前2時ごろに寝て、午前11時ごろに起きる生活をしていた。
9月から午後9時ごろにトリアゾラムを服用し、しばらくは午前0時ごろに入眠できていたが,次第に睡眠時間帯が遅れた元の状態に戻ってしまった。入院して時間療法を行い、患者の睡眠時間帯を望ましい時間帯(午後11時〜午前6時半)にまで移動させた。退院後も睡眠時間帯の遅れはみられず、頭痛は軽減し吸気は消失した。その後、現役で希望する大学に入学し、遅刻することなく通学している。

非24時間睡眠覚醒症候群

1)疫学的事項
比較的まれな疾患である。視覚障害者や1日中室内に閉じこもっている者にみられることが多い。まったく通常の生活をしていた者か社会的理由や長期の休暇などで昼夜逆転生活を送った後に引き続いて出現することもある。

非24時間睡眠覚醒症候群

非24時間睡眠覚醒症候群


↑青い横棒は睡眠を表す。縦の軸は日数を表す。
上半分は治療前、下半分は高照度光療法時の記録である。
治療前は入眠できる時刻が毎日1時間ずつ遅れていくのがわかる。
高照度光療法を開始したところ,前日とほぱ同じ時刻に入眠できるようになった。Non-24では、高照度光療法は一定時刻に覚醒させで行う。
2)臨床症状
臨床的には,人眠できる時刻および覚醒できる時刻が毎日ほぼ一定時間ずつ(多くは1時間前後)後退していくことが基本的な症状である。たとえば,毎日1時間ずつ連れていく患者の場合,患者にとっての1日は,24時間+1時間=25時間となっている。これが非24時間睡眠覚醒症候群(Non-24-hour sleep-wake syndrome : Non-24)と呼ばれる理由である。
このため一定の時刻に人眠し起床することが困難で,完全な昼夜逆転となり夜間の不眠と日中の過度の眠気により社会生活に支障を来す時期が約1ヵ月おきに出現する。社会生活に合わせようと睡眠する時間帯を一定に保とうと努力する患者では,周期的な不眠や覚醒困難を訴えてくる場合が多い。昼間に睡眠時間帯が出現する時期に無理に覚醒していると,眠気や注意力低下,集中持続の困難や,易疲労感,倦怠感などが出現する。長期にわたり,経過を観察していると,睡眠相後退症候群を
星する時期か拝聞的に出現することがある。
3)診断
睡眠日誌を記録させ患者の睡眠・覚醒のパターンを明らかにすることで診断できる。睡眠日誌には,就床時刻と入眠時刻(実際に眠りにつくことのできた時刻),覚醒時刻と起床時刻(実際に床から出た時刻)を最低1ヵ月間記入させ,睡眠相のパターンをつかむ。これにより入眠時刻および覚醒時刻が毎日一定時間遅れていくことが確認できればNon-24と診断する。
毎日の遅れは1時間程度の場合が多いか,毎日3時間近く遅れる症例や,日によって遅れる時間が1〜3時間程度の範囲で変動する症例もある。1ヵ月半ほどの記録があれば診断は確実である。
睡眠が分断されていたり,患者の社会的スケジュールにより修飾を受け睡眠・覚醒パターンが不規則となり,睡眠日誌からだけでは診断が困難な場合には,専門医に紹介し,深部体温の連続測定や血中メラトニンリズムの測定などにより,生体リズムの周期が延長していることを確認する。
4)治療
治療の目的は,24時間以上になっている生体リズムを24時間とし,これにより睡眠相が毎日遅れるのを防止することである。
非24時間睡眠覚醒症候群治療手順

非24時間睡眠覚醒症候群治療手順


(1)生活指導
軽症の場合には規則的に太陽光を浴びることが効果をあげる場合がある。寝床を朝日の当たる場所に移し,睡眠相が夜間にきた時点を見計らって,朝の一定時刻にカーテンをあけ一定時刻に太陽光が目から入るようにする。入眠可能時間の5時間前になったら,室内照明を落とし暗めにすることも効果がある。
引きこもりや日光の当たらない状況で生活している場合には,朝の一定時刻に太陽光を浴びることができるように生活を整える。
(2)高照寂光療法
Non-24では入眠時刻が毎日少しずつ遅れていくが,これが望ましい時刻になる数日前から,朝の高照度光療法(1〜2時間)を希望する起床時刻に開始する。高照度光療法には,少な
くとも2,500ルクス以上の照度が必要である。晴れた日の窓辺でおよそ3,000ルクスの照度が得られるので,これを利用することも可能である。 24時に入眠し,7時に起床することを目標とする場合は,入眠時刻が21時ごろになってきたら,翌朝7時から2時間の高照度光療法を開始し,この時刻を固定する。これで,入眠時刻が固定できたら,照射時刻を1時間早める。これを繰り返し行い,望ましい時間に睡眠相を前進させる。
(3)薬物療法
ビタミンB12は,Non-24の症例に対して効果がある。ビタミンB12は1日量1.5〜3.0mgを毎食後経口投与する。ビタミンB12は,体内時計の光感受性を高める作用を持つと考えられており,高照度光療法や日光浴を併用するとより効果的である。
視覚障害があり高照度光療法が無効な場合にも効果がある。8週間投与で効果がない場合は中止する。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は,ヒトの生物リズム自体に対する作用はほとんどないため,Non-24の治療において眼独での効果は期待できない。高照度光療法と併用して補助的に用いることで効果がみられる場合がある。使用する場合には,超短時間作用型の睡眠薬を用い,睡眠相が夜間の望ましい時間帯に近づいた日より,希望する人眠時刻の4〜5時間前に投与する。1週間で効果がみられない場合,あるいは服用時刻と人眠時刻が5時間以上に開いた場合には中止する。投与量は通常の人眠障
害に用いる量を超えないようにする。
Non-24ではメラトニンの投与が有効である。睡眠相が望ましい時間帯に近づいた日より,望ましい人脈時刻の1〜2時間前に投与を開始し,毎日同じ時刻に1〜5mgを服用させる。メラトニンは,比較的有効度の高い薬物であり,高照度光療法を用いることのできない全盲患者においても有効である。日本においては,米国からの通信販売など限られた手段でしか入手できないので一般的な治療薬となっていない。
その他のリズム障害(睡眠相前進症候群と不規則型睡眠覚醒パターン)
1.睡眠相前進症候群
1)疫学的事項
高齢者に多い。家族性に発生することか多い。
2)臨床症状
睡眠相前進症候群では,入眠と覚醒時刻か通常の社会生活に適した時間帯よりも前進しているため,夕方早くから眠くなり起きていられなくなり,早朝に目覚めてしまう。通常,患者は20時以降まで起きていることができず,3時には覚醒する。
睡眠相前進症候群でみられる主な訴えは,夜起きていられない,早くに目覚めてしまい再人眠できない,などである。通常は,日中の学業や仕事での問題は起こらないが,早い時刻から眠気が出現するため夜間の活動が著しく制限される。このために,対人関係や社会生活面で問題が起こることがある。
3)診断
睡眠自体には問題がなく日中の過剰な眠気もみられないこと.睡眠日誌から慢性的に睡眠時間帯が著しく早まっていることを確認する。睡眠相前進症候群でみられる早朝覚醒はうつ病のそれと鑑別を要する。うつ病では,抑うつ気分,意欲の低下,自責,食欲不振などかみられるのに対し,睡眠相前進症候群にはこうした症状はない。一過性の睡眠相の前進は,交代勤務や西行飛行の後にもみられる。
4)治療
(1)生活療法
睡眠相前進症候群では,早朝からの太陽光に長時間さらされることが睡眠相の界常な前進の契機となっており,これをサングラスなどで防ぐことで望ましい時間帯に眠ることかできるようになる。
(2)高照度光療法
夜間の高照度光は体内時計の位相を後退させる働きがあるため,夜間の高照度光療法(2時間)が効果的である。
(3)時間療法
1日に1時間ずつ睡眠相を後退させる方法である。
症例:睡眠相前進症候群
56歳、男性。若いころから規則正しい生活をしていた。40代後半から23時に就寝し5時30分に起床していた。50歳を過ぎたころから次第に夜眠くなるのが早くなり、20時には起きていられなくなり、3時30分には目覚めてしまうようになった。
早朝の植木の世話、車での通勤,会社での植物の手入れで,8時の始業以前に2〜3時間太陽光を浴びていることがわかった。8時までサングラスをかけているように指導したところ、次第に夜遅くまで起きていられるようになった。
2.不規則型睡眠覚醒パターン
1)疫学的事項
先天性脳障害児,脳梗塞患者などが社会的接触の少ない環境に置かれると生じやすい。身体疾患のため臥床生活を余儀なくされる場合にみられることがある。
2)臨床症状
睡眠と覚醒の出現が昼夜を問わず不規則になる病態である。種々の夜間不眠と日中の眠気,昼寝の増加がみられる。
3)診断
睡眠日誌の記録では,入眠と覚醒の時刻が一定せず,1回の睡眠時間の長さもまちまちである。鑑別診断としては,夜間睡眠の分断化と日中の過剰な眠気を示す疾患,たとえば睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群,ナルコレプシーなどかあげられる。非24時間睡眠覚醒症候群で昼夜が完全に逆転した時期には睡眠・覚醒パターンが不規則化しやすい。
4)治療
本症候群は脳器質的障害が重症な症例に合併しやすく,治療が困難な場合か少なくない。
(1)生活指導
屋外での散歩や社会的接触を高めることで日中の睡眠時間を減らすことが効果的である。光により生体リズムを同調させ,メリハリをつけるため,日中は日当たりのよい部屋への移動や日光浴をするとよい。
(2)高照度光療法
朝の高照度光療法(2時間)が著功する場合がある。朝,窓辺にいるだけでも十分な照度が得られるので,これを利用して治療を行うこともできる。高照度光療法器はレンタルや購入することもできる。
(3)薬物療法
ビタミンB12(メチコバール)は日中の深部体温を上昇させ,体内時計の光感受性を高める作用を持つため本症候群に対し有効である。
夜間睡眠を確保するために睡眠薬が用いられることがある。脳器質障害を持つ患者や高齢者では睡眠薬の影響が翌日まで持ち越されやすく,日中の傾眠を引き起こす場合かあるので注意が必要である。トリアゾラム(ハルシオン)やゾビクロン(アモバン)などの短時間作用型の睡眠薬を少量使用する。
症例:不規則型睡眠覚醒パターン
84歳,女性。多発梗塞型痴呆。患者は主として夜間に眠っているがしばしば午睡がみられた。1日を通して覚醒時にはしばしば徘徊、不穏、せん妄などの異常言動がみられた。
看護者の働きかけや戸外での日光浴などにより夜間にまとめて睡眠をとるようになり徘徊などの異常行動は消失した。

睡眠薬・精神安定剤デパスやエスゾピクロンの通販サイト

-睡眠
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

睡眠薬

目次1 ヒトは何のために眠るのか?2 睡眠の段階を表す脳波3 睡眠の周期4 ノンレム睡眠とレム睡眠の違い4.1 睡眠随伴現象5 睡眠障害と不眠とその原因6 不眠の診断と治療6.1 睡眠薬を使わない治療 …

no image

睡眠は本当に必要か

目次1 瞬間的な睡眠2 脳半球睡眠とうとうと状態3 睡眠の脳内メカニズム4 レム睡眠の神経機構と神経伝達物質5 ノンレム睡眠の神経機構と神経伝達物質6 前脳基底部のはたらき7 睡眠中のからだと脳8 睡 …

睡眠障害の原因は生活リズム

目次1 どんな概日リズム睡眠障害があるか2 交代勤務も睡眠障害を伴うことがある3 夜型人間の睡眠障害4 早寝早起きから抜けられない 睡眠障害の原因は生活リズム どんな概日リズム睡眠障害があるか このペ …

その他の睡眠障害

目次1 レム睡眠行動障害2 夢遊病3 躯幹左右回転型の律動性運動障害4 歯ぎしり5 入眠時痙攣6 麻痺・寝言7 ミオクローヌス8 老人の睡眠障害9 時差ボケ10 時差ボケの対策はありますか? その他の …

睡眠の脳内メカニズム

目次1 睡眠の脳内メカニズム2 ブレメーとヘスの業績3 覚醒中枢の発見4 レム睡眠をコントロールする中枢 睡眠の脳内メカニズム 睡眠の脳内メカニズム フォン・エコノモと睡眠中枢 古来、睡眠をもたらす体 …