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不眠症

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不眠症

不眠症(原発性不眠症・神経症性不眠症)

1)疫学的事項
臨床場面でもっとも高頻度に認められる病態であり,米国の睡眠障害センターやわが国の睡眠障害専門外来では15〜30%が本症と診断されている。日本一般人口において不眠の訴えを持つものは,近年の調査から成人の21.4%とされている。
本症は小児期や青年期にはまれであり,典型的には20〜30歳代に始まり,中年以降から急激に増加し,40〜50歳代でピークを示す。性比は女性に多い。

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2)臨床症状
次に述べるすべての型の不眠が生じうるが,中でも入眠障害を訴える場合が多い。患者は「なかなか寝つけないが,眠りについてしまえばある程度は眠れる」と訴えることが多い。
(1)入眠障害
就床後入眠するまでの時間が延長して,寝つきが悪くなるもので,不眠の訴えの中ではもっとも多い。一般的には入眠に30分〜1時間以ヒかかり,本人がそれを苦痛であると感じている場合に入眠障害と判断される。ただし,入眠時間は個人差や年齢により大きく異なる。ただ単に入眠に要する時間が長いだけで入眠障害と診断するのではなく,本来の入眠時間と比べて長くなっているかどうか,それを苫痛と感じているかが臨床七重要である。
(2)中途覚醒
いったん入眠した後,翌朝起床するまでの間に何度も目が覚める状態である。ただし,中途覚醒は加齢に伴って健常各でも増加するので,高齢者ではその回数が数回以上であったり持続時間が長い場合を除けば必ずしも病的とは判断されない。
(3)早朝覚醒
本人が望む時刻,あるいは通常の起床時刻の2時間以上前に覚醒してしまい,その後再入眠できない状態である。やはり加齢に伴って増加する。
(4)熟眠障害
睡眠時間は十分であるにもかかわらず深く眠った感覚が得られない状態である。健常片の場合,熟眠感は深いノンレム睡眠の量と相関するとされているが,不眠症患者では検査による客観的な睡眠内容に大きな問題がないにもかかわらず「ウトウトしただけで一晩中ほとんど眠れなかった」などと熟眠障害を執拗に訴える場合がある。
前述した症状に加えて日中の眠気,集中力低下などの精神運動機能の障害が認められる。
不眠による精神運動機能障害の発生機序
不眠→日中の眠気が増える→精神運動機能低下→注意力・作業能力低下→事故発生率アップ
不眠により夜間の睡眠時間が減少し,これにより日中の過剰な眠気が生じ,注意力低下,作業能力の低下を主とする精神機能の障害が生じる。睡眠時間の減少に伴
って日中の眠気は強まるが,その関係は一定ではなく,睡眠時間が4時間以下に減少すると,日中の眠気は急激に強まる。また,1日1時同程度の睡眠不足でも,それが持続すれば,蓄積して日中の精神機能に大きな影賢が生じる。
★症例★神経症性不眠症
55歳,女性。神経質、完全主義的傾向が目立ち,くよくよしやすい性格であった。ささいなことで不眠が生じやすかった。
25歳時第1子出産後,授乳による慢性の睡眠不足に陥りつらい思いをした。このころから「自分は十分眠らないとだめな体質だ」という思いを抱<ようになった。3ヵ月前、軽度痴呆の義母と同居することになり,そのころから寝つきに時間がかかり、数回の中途覚醒を自覚するようになった。当初はさほど気にもとめなかったが,次第に入院困難が増悪し、主観的には入眠するまでに2〜3時間を要するようになった。朝はア時ころには目覚めるが.疲れが抜けずに1日中どんよりと頭痛が残る。食欲は普通で家事は何とかできているが,午前中から夜の睡眠のことを考えて意識してしまうようになった。専門的な治療を希望して当科睡眠障害専門外来を受診した。治療は森田療法的アプローチおよび睡眠衛生教育を主とし,さらに睡眠薬の作用、副作用を含めた睡眠薬の使用法および離脱法を2ヵ月ほどをかけて根気よく説明した。その結果、月に数回睡眠薬を服用することはあるものの、自己の睡眠状況への不満を持つことなく、良好な日常生活を送れるようになった。
3)診断
(1)診断に際しての確認事項
①種々の型の不眠が日中の精神機能の障害を伴って認められる患者は,日中の集中力の低下,ふらつき,頭重感などの精神機能の障害は夜間の不眠の結果であると認知していることが多い。
②不眠に対する過度の不安と緊張
大多数の患者は患者独自の,多くの場合誤った方法で何とか眠ろうと過度に努力している。この過剰な努力により精神的緊張と興奮が高まるため,さらに睡眠が妨げられるという悪循環に陥っている。
③睡眠を妨げる条件付けられた連想
患者の多くは日常的に不眠とそれに伴う苦痛を体験しているため.自宅の寝室に横になっただけで粂件反射的に緊張と不安が生じてしまう。したがって,患者は睡眠を意識しない状況(TV視聴中,読書中など)や自宅の寝室以外の場所(ホテル,自宅の長いすなど)では比較的良好な睡眠がとれることが多い。
状況の変化や精神的なストレスによる-・過性の不|眠は誰にでも生じる正常な反応である。しかし,これを有害で病的なものととらえ,これを避けようと努めるために,自己の睡眠状態に過度にとらわれてしまう場合がある。こうして当初,不眠を誘発していた要因か取り除かれた険にも不眠が持続してしまい,神経症性不眠症が発症する。

神経症性不眠症の発生機序(森田学説)

神経症性不眠症の発生機序(森田学説)


 
(2)鑑別診断
①睡眠状態誤認
客観的には正常な睡眠(入眠潜時15〜20分以下,睡眠時間6時間30分以上.)かとれているにもかかわらず,自己の睡眠に関する主観的評価と客観的評価とか一致せず,強い不眠感を訴える場合。正確な鑑別診断には終夜睡眠ポリグラフ検査や活動量測定が必要。臨床的には神経症性不眠症との鑑別は困難な場合か多い。
②不適切な睡眠習慣による不眠
不規則な睡眠習慣(不規則な就床・起床時刻や長すぎる日中の仮眠など),入眠前のコーヒー・紅茶の摂取あるいは多量飲酒,日中の少なすぎる運動量などによる不眠。
③精神疾患による不眠
うつ病,躁病、精神分裂病,神経症,痴呆症などの精神疾患に不眠は高頻度に認められる。抑うつ気分や絶望感が弱い
うつ病(精神科以外では仮面うつ病とも呼ぱれていた)も,うつ病の身体砧状(食欲・性欲の低下,腸管運動障害,早朝覚醒などの不眠),気分の口内変動,精神運動機能の低下,仮面様の顔貌などで診断がつく。
4)治療
睡眠および睡眠衛生に関する教育指導,精神療法や認知行動療法などの非薬物療法.薬物療法などを行う。
(1)睡眠および睡眠衛生に関する教育指導
神経症性不眠症患名・は睡眠に関する正確な知識を持たず,不眠の弊害を拡大解釈し過度に恐れていることが多く,睡眠に関する正確な知識を教育する必要がある。たとえば,季節・加齢により睡眠変化が生理的に生じること,睡眠時間には個人差が大きいこと,たとえ不眠が植田11」持続したとしても,過度に心配する必要はないことを説明する。
睡眠の改善を目的とし,誤った睡眠習慣を継続している者が多く,さらに不眠が強化・慢性化している場合も少なくない。正しい睡眠衛生・睡眠習慣の知識の教育が必要である。
睡眠衛生
●就床時刻と睡眠時間にこだわりすぎない
●規則正しい起床直後の日光(高照度光)暴露
●午後から夕方の適度な運動
●適切な睡眠環境の維持
●寝室を眠る場所として以外には使用しない
●睡眠を妨げる物質の摂取を避ける(カフェイン、アルコール、ニコチン)
●リラックスする(昼間の労働と関係のない精神的,身体的活動)
(個人に見合った入眠儀式の習慣付け)
●必要に応じた睡眠導入剤の一時的な使用
(2)非薬物療法
不眠症患者の訴えは執拗で主観的虚惰性が目立つ場合が多い。こうした場合でも,患者に対しては受容的に接し,患者の訴えをよく聞くことがまず重要である。大したことではないと訴えに耳を貸さず,ただ睡眠薬を処方して帰すといった態度ではけっして良好な治療効果は得られない。
神経症性不眠症に対しては精神療法的アプローチなどの非薬物療法が必要である。森田理論によれば,神経症性不眠症は,神経質で完全主義的傾向を持ち,生の欲望の強い人が,誰でもが体験しうる一過性の不眠を体験した場合,それを病的で危険な現象であると認知し,不眠に対する過度の不安や恐怖心を抱き,これにより不眠が持続している状態とされる。こうした心理規制を患者に対してもわかりやすく何度も説明し,患者の自己の心理状態に関する理解を深めることか治療上重要である。
終夜睡眠ポリグラフ検査や活動量測定による客観的な睡眠評価を不眠症患者に呈示することは,患者が持つ自己の睡眠状態に関する主観的虚構性に気づかせる効果がある。しかし,患者が強い不眠感を自覚しているのは事実であり,客観的所見を根拠に一方的に患者の不眠の訴えを否定することは,その後の治療に悪影響を与えることからも避けるべきである。患者の訴えには理解を示し,客観的所見はあくまでも患者の不眠に関する不安の軽減に利用すべきである。
行動療法的アプローチとしては,刺激制御療法と睡眠時間制限療法がもっとも用いられる。そのほかに,不眠症患者にみられる睡眠前の筋緊張の軽減を目的とした自律訓練法,バイオフイードバック法,漸進的筋弛緩療法などもある。
(3)薬物療法
神経症性不眠症の治療に関しては,前述した睡眠衛生に関する生活指導や非薬物療法が主体である。しかし,実際の臨床場面ではベンゾジアゼピン系,非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を併用した万が治療効果が上がる場合が多い。大多数の患者が睡眠薬に対して過度の不安を持っているので,睡眠薬投与に際しては,薬剤の作用と副作用,服用に際しての注意事項などをわかりやすく説明し,患者の睡眠薬に関する誤解や不安を取り除いておくことが重要である。
血中半減期等の臨床特性を考慮し,患者の呈している不眠の臨床型に基づいて睡眠薬を選択する。
現在,主に使用されているベンゾジアゼピン系,非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は,血中牛政則により超短時間作用型(血中半減期:〜6時間),短時間作用型(6〜12時間),中間作用型(12〜24時間),長時間作用型(24時間〜)に分類されている。長時間作用型睡眠薬では持ち越し効果に,短時間・超短時問作用型睡眠薬では投与中止時の反跳性不眠に注意する必要がある。不眠の臨床型に応じた睡眠薬の選択例を次に示す。
●入眠障害:超短時間,あるいは短時間作用型の睡眠薬のいずれかを選択する。
ゾルピデム(マイスリー) 5〜10mg 1×就寝前
ゾピクロン(アモバン) 7.5mg 1×就寝前
プロチゾラム(レンドルミン) 0.25mg 1×就寝前
トリアゾラム(ハルシオン) 0.125〜0.25mg 1×就寝前
●中途覚醒,早朝覚醒,それに伴う熟眠障害:中間型,あるいは長時間作用型の睡眠薬のいずれかを選択する。入眠から1〜2時間以内の中途覚醒時に超短時間作用型睡眠薬の頓用投与が有効な場合もある。
クアゼパム(ドラール)   15〜20mg   1×就寝前
フルニトラゼパム(サイレース)1〜2mg    1×就寝前
不眠を主訴とする患者の治療手順

不眠を主訴とする患者の治療手順


 
神経症性不眠症の臨床症状,診断,および治療について述べた。本症は,不眠への恐怖により,いざ眠ろうとすると極度の緊張と睡眠を妨害する連想が生じることによる不眠であり,薬物療法を行う上でも精神療法的アプローチが治療上不可欠である。具体的にはまず良好な医師一患者関係の確立に努め,不眠を引き起こしている心理機制を患者にわかりやすく説明し,患者の恐怖感・不安感を和らげる。その上で睡眠や睡眠障害に関する基礎的知識を教育し,睡眠促進のための生活指導を行う。精神療法的アプローチは薬物療法の効果を強化する。

薬原性不眠

不眠症
1)疫学的事項
常用量の薬剤による副作用として生じる睡眠障害は、古くから各方面で注目されてきた。その内容としては,不眠,日中の眠気,睡眠随伴症(主として睡眠時の意識障害下で幻覚が生じ,これに伴って異常行動を生じるものが多い)などかあげられている。本来,不眠を軽減する目的で投与された睡眠薬の効果が日中に持ち越すことによる日中の過眠や,過眠症状治療のために使用された精神刺激薬(ペモリン(ベタナミン),メチルフェニデート(リタリン)など)による夜間不眠は,これら
の薬剤を投与されている症例の1〜3割程度でみられる。こうした薬剤の本来の作用による有害事象を発見することは困難ではなく,原因薬剤の変更・減量など対応も容易である。これに対し,身体疾患治療に用いる薬剤での副作用としての睡眠障害の実態はまだ十分に把握されておらず,薬剤の副作用と気づかれずに,対症的に睡眠薬が追加投与されているケースが多い。表に睡眠障害を引き起こす可能性のある薬剤を示した↓

睡眠障害をもたらす主な薬物

睡眠障害をもたらす主な薬物


 
こうした薬剤による睡眠障害の発現率は,ステロイド製剤(20〜50%)やインターフェロン製剤(2/3以上に達する)のように極めて高いものから,高詣血症薬やカルシウム桔抗薬のように5%以下のものまで多様である。症状の発現は,インターフェロンのように投与初期にみられるものもあるが,大半が慢性投与中に起こる。
症例:薬原性不眠
39歳、女性。4年前より皮膚筋炎の治療を受けている。プレドニゾロン(副腎皮質ホルモン)の経口投与を続けていたが、4ヵ月前に20mg/日に増量されてから、毎晩1時ごろまで寝つけなくなり、入眠しても1晩に4〜7回くらい眼が覚めるようになった。起床時には熟睡感がなく、いつも疲れた感じで、集中力がない。日中に午睡をとろうとしても寝つけない。同薬剤が25mg/日になってから、上記症状はさらに増悪した。
診断:薬剤性睡眠障害(副腎皮質ステロイド製剤による)
治療:中間型睡眠薬を投与したところ、症状は改善し、よく眠れるようになった。その後皮膚筋炎の症状の増悪がないことを確認しながら、プレドニゾロンを15mg/日まで減量したところ、睡眠薬なしでもよく眠れるようになった。
(1)抗パーキンソン病薬
パーキンソン病の治療中に起こる不眠は,レボドパもしくはドパミンアゴニストの影響によるものが多い。不眠が,これらの薬剤の重要な副作用である精神病症状の前駆症状であることがある。一部のドパミンアゴニストは,不眠だけでなく日中過眠を生じることもあるので注意すべきである。
(2)降圧薬
β一遮断薬(特に脳血流関門を通過しやすい脂溶性のβ1-遮断薬プロプラノロールなど)では,不眠,悪夢体験などが起こり得る。一方,α2-刺激薬(クロニジン,メチルドパなど)では,日中過眠を来しやすい。α1,β一遮断薬(ラベタロールなど)でも眠気を生じることがある。
(3)ヒスタミン受容体遮断薬
アレルギー疾患などに用いられるH1-遮断薬のうち,脳血流関門を通過しやすい脂溶性の薬剤(ジフェンヒドラミンなど)では,高頻度に眠気を生じるので,この作用を利用して睡眠薬として使うことがある。抗潰瘍薬として使用されるH2-遮断薬(シメチジン,ラニチジンなど)は,それ自体が睡眠に影響を及ぼすことは少ないが,肝臓の代謝酵素チトクロームP450活性に影響を及ぽすので,ベンゾジアゼピン,抗うつ薬,抗てんかん薬などの代謝を遅らせ,日中の過眠もしくは夜間の不眠を
来すことがある。
(4)ステロイド製剤
慢性経口投与中に不眠を早.するケースが多い。ステロイド使用中に不眠が生じている場合には,高揚感やイライラ感などの精神症状を併発していることが多い。
原因になっている薬剤が特定できる場合は,その薬剤を減量・中止するのが原則である。身体疾患の治療hどうしても減量できない場合には,睡眠薬を追加投与することになるが,多剤併用にならないよう注意する。なお,薬剤因性の日中過眠に対しては,精神刺激薬は無効なことが多く,精神症状発現・増悪の要因になるので使用すべきではない。

身体疾患による不眠

疫学的事項
呼吸器系,心血管系,消化器系,筋骨格系疾患などの身体疾患では不眠症状が出現することがある。特に臨床的に遭遇することが多く注意を要する身体疾患による不眠について述べる。
身体疾患に伴う不眠では必ずしも身体疾患だけが原因ではなく,心理的社会的要因などにも配慮が必要である。
身体疾患に伴う不眠の有病率は基礎となる身体疾患によって異なるが,特に呼吸器系疾患,疼痛を伴う疾患では不眠症状が出現しやすい。
1.慢性閉塞性肺疾患(COPD)
1)臨床症状
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では不眠症状を伴いやすい。
大阪困難や呼吸障害,息切れ,夜間の咳のための頻回の中途覚醒,覚醒時の不安感などのほか,早朝の頭痛も認められることがある。また,うつ状態を合併することが多く,うつ状態に伴う不眠が出現することもある。COPDの治療薬剤であるテオフィリンなどのキサンチン系薬剤はカフェインと同様の覚醒作用があり,不眠症状を悪化させることがある。睡眠中の上気道の閉塞性無呼吸が合併したオーバーラップ症候群では,右心不全へ進展する場合もあり注意が必要となる。
2)診断
COPDの臨床的経過と一一致した不眠があれば診断できる。オーバーラッブ症候群では終夜睡眠ポリグラフ検査による評価が必要である。
3)治療
COPDの患者の不眠症状に対して安易に睡眠薬を処方するべきではない。高炭酸ガス血症(PaC02≧45mmHg)の存在があれば睡眠薬は禁忌である。また,慢性呼吸不全の急性増悪の際には不眠症状を主訴とすることがあるか,その際には呼吸不全の治療が主体となる。睡眠薬を使用するにあたっては,上気道や呼吸筋への影響を考え,筋弛緩作用の少ない短時間作用型の睡眠導入薬ゾルピデム(マイスリー),ゾピクロン(アモバン)を選択するとともに,過量投与にならぬよう注意し,薬剤服用後も呼吸機能への影響について注意する必要がある。
COPD患者の治療手順を示す↓

COPD患者の治療手順

COPD患者の治療手順


 
2.気管支喘息
1)臨床症状
呼吸困難や喘鳴を主訴とすることがほとんどだが,診断や治療が開始されていない患者,治療のコントロールが困難あるいは不良である場合に不眠を訴えて受診することがある。喘息発作は睡眠前半で生じることは少ないため,睡眠後半の不眠を主訴とすることが多い。
2)診断
喘息と関連した覚醒や不眠によって診断される。気管支拡張薬など喘息の治療による改善の有無といった治療的診断が有用となることもある。
3)治療
喘息の治療が優先される。不眠症状は喘息に対する治療によって改善するが,テオフィリンなどのキサンチン系薬剤はカフェインと同様の覚醒作用を持ち不眠の原因となることがある。
症例:喘息に伴う不眠
45歳、女性。幼少時期に気管支喘息の既往があるが、その後、喘息は消失していた,最近、カゼ症状後,入眠は比較的容易であるが,午前4時ごろになると覚醒し、頻回の咳と粘稿の痰がでるようになった。気管支拡張剤などの治療によって、喘息が改善するとともに不眠症状も消失した。
3.疼痛を伴う疾患(結合組織炎症候群,慢性疲労症候群,リウマチ性疾患など)
1)臨床症状
リウマチ性疾患,頭痛や頚部や腰背部の疼痛など,慢性の疼痛を伴う疾患は不眠を引き起こすことが多い。また,不眠により睡眠による爽快感・休息感が得られず,日中の倦怠感を強め,疼痛間柄を低下させるため疼痛を悪化させやすい。
2)診断
慢性の疼痛を伴う疾患と関連した不眠,日中の倦怠感の訴えによって診断される。
3)治療
慢性の疼痛患者では,鎮痛剤や睡眠導入薬の耐性や依存性が出現しやすいため,その処方にあたって注意を要する。三環系,選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRDなどの抗うつ薬を用いた薬物療法や認知行動療法を併用する必要がある。
更年期障害に伴う不眠
1)臨床症状
中高年女性では閉経周辺期の女性ホルモン分泌の変動期で,不眠症状などの身体症状が出現しやすい。のぼせ,ほてり,発汗.といった更年期障害に比較的特異的な症状と,不眠,倦怠感などの症状が認められることが多い。
2)診断
更年期障害は閉経周辺期の不定愁訴か症状であり診断は難しいが,のぼせ,ほてり,発汗を伴う不眠ではその可能性が高い。
また、ホルモン補充療法による治療的診断も有用なことがある。
3)治療
ホルモン補充療法を行うと,約2週間から3ヵ月以内にのぼせ,ほてり,発汗といった症状とともに不眠症状が軽快することが多い。なお,ホルモン補充療法は若干の発癌リスクがあり,ベネフィットとリスクを考える必要がある。神経症症状や抑うつ症状などがある場合には,精神安定剤,抗うつ薬,漢方製剤や心理療法の併用が必要である。
症例:更年期障害に伴う不眠
50歳,女性。約1年前より月経不順となっているが、約3カ月前より,ほてり感やのぼせ感、発汗、顔面紅潮などの症状とともに、入眠困難,中途覚醒といった不眠が出現するようになった。ホルモン補充療法を開始して2週間後には、ほてり感やのぼせ感といった症状の消失とともに不眠症状も軽快した。
アトピー性皮膚炎での不眠
1)臨床症状
アトビー性皮膚炎や皮膚掻痒症では,強いかゆみのために入眠障害や中途覚醒を呈することが多い。中等症以上のアトピー性皮膚炎患者の大半か,かゆみによる睡眠障害を経験しており,睡眠薬を服用している。夜間入浴による皮膚温の上昇に加えて,夜間就床時は体を動かして気を紛らわすことかできないためかゆみはさらに増強されることとなり,不眠の原囚となる。アトピー性皮膚炎が中等症以上.になると入眠潜時が延長する。重症になると総睡眠時間が短縮し,深いノンレム睡眠が著
しく減少する。患者は,「かゆみのために眠れなかった」という表現をすることか多いか,実際には睡眠中から体を掻爬しはじめ、続いて睡眠が浅くなり中途覚醒する。すなわち,睡眠中も強いかゆみがあり、眠りながら掻爬する行為により覚醒してしまう。このようなかゆみ・掻爬は夜間前半の浅いノンレム睡眠期に多く.明け方には減少する。
2)治療
アトピー性皮膚炎自体の治療が主体であるが,夜間のかゆみと不眠を軽減することを目的とした薬物投与も必要となる。第1選択になるのは鎮静作用を持つ抗ヒスタミン薬である。ベンゾジアゼピン系睡眠薬は,中枢抑制作用により指印行動を減少させるので,これを併用するのもよい。掻爬によってびらん・瘢痕が生じると,これがさらにかゆみを増強するという悪循環を生じることも少なくないので,睡眠中の無意識の掻爬による受傷を抑制するために,患者に手袋をつけて入眠させることもある。

精神疾患による不眠

1)疫学的事項
不眠は,多くの精神疾患における基本的な症状であり,特jこ気分障害や不安障害においてはその診断基準の一症状となっている。したがって,背景にあるこれらの精神疾患を適切に治療すれば,随伴する不眠の多くが解消される。しかし、精神疾患の治療によっても不眠が改善しない場合には,後述する種々の要因を考慮しながら,その診断と治療方針を決定していく。
2)臨床症状
精神疾患の経過中に出現する不眠は,急性ストレス,不適応反応などによる数日程度の一過性不眠の場合もあるが,多くは抜道から数カ月にわたって毎晩のように続く持続性不眠である。精神疾患患者の再燃・再発にも,そうした持続性不眠がかかわっていることが多い。
(1)気分障害
うつ病では中途覚醒や早朝覚醒が,躁病では睡眠欲求の減少による睡眠時間の短縮と浅眠傾向がみられる。躁うつ病における不眠は,躁病あるいはうつ病エピソードの前兆症状として重要である。うつ病における持続性不眠は,QOL低下の要因になるとともに,初回エピソード後においては自殺の予測因子であり,さらには再発の予測因子でもあるので,厳に注意を要する。
(2)不安障害
全般性不安障害では,覚醒中の慢性かつ持続性の不安が夜間に持ち越されるため,入眠障害を訴えることが多い。一度不眠を経験すると,睡眠に対するこだわりがいっそう強化されて,一種の不眠恐怖ともいえるような状態になり,悪循環に陥る。
パ二ック障害では,約3割の患者が夜間のパニック発作を経験するので,「また夜間のパニック発作が起こるのではないか」という強い予期不安から持続性の入眠障害を呈しやすい。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)では,原因となった外傷的な出来事が夢体験として現れることが多く,夜間に覚醒して強い不安症状を生じるため,不眠が引き起こされる。
(3)精神分裂病
急性期には不眠,中でも入眠障害や中途覚醒,熟眠困難が必発であり,寛解期に至っても同様の不眠が持続することが多い。
その原因については,精神分裂病の背景にある神経機構の異常,過鎮静による日中の活動性低下,抗精神病薬の悪影響などが想定されているが,その詳細はいまだ明らかでない。
3)診断
精神疾患にみられる・過性不眠は何らかの契機があって生じるものであり,患者への問診により比較的容易に診断がつく。持続性不眠の診断には,精神疾患の存在の可能性を念頭に置きながらの詳細な問診が必要である。その際,背景にある精神疾患の治療が適切であるかどうかも検討し,投与された向精神薬の副作用(アカシジア,ジスキネジア,睡眠時遊行症など)による医原性不眠,未治療ないし治療不十分な身体疾患(甲状腺疾患,血清鉄低下・ビタミンB12欠乏などによるむずむず脚
症候群など)に伴う不眠,ひいては原発性不眠についても考慮しなくてはならない。必要があれば精神科医に依頼する。
4)治療
精神疾患による不眠の薬物治療は,?般の不眠症と同様に睡眠障害の型に応じて,入眠障害に対して短時間作用型,中途覚醒や早朝覚醒,熟眠障害に対して中〜長時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬を用いる。
気分障害の不眠や不安障害における強度の不眠には,鎮静作用の強い抗うつ薬,たとえばミアンセリン(テトラミド)10〜60mg,トラゾドン(レスリン)50〜150mgなどを就寝前に投与して,不眠の改善を図ることも多い。
精神分裂病の著しい不眠には,鎮静作用の強いフェノチアジン系抗精神病薬,たとえばレボメプロマジン(ヒルナミン)50〜200mgなどを就寝前に投与する。なお,バルビツール酸系睡眠薬や大量のベンゾジアゼピン系睡眠薬が投与されている患者では,筋弛緩作用による睡眠中の舌根沈下によって睡眠時無呼吸が生じやすく,肥満を合併しているとそのリスクはさらに高くなる。こうした場合には,睡眠薬を減量してフェノチアジン系抗精神病薬に置換するのがよい。
症例:精神疾患による不眠
46歳、男性。職場での昇進を契機に、部下の掌握について悩むようになり,不眠く中途覚醒,早朝覚醒)、焦燥感,食欲低下、集中力低下,抑うつ気分が出現してきた。ひどい不眠が1ヵ月以上続くため、上司の勧めで精神科クリニックを受診。軽症うつ病と診断され,抗うつ薬および睡眠薬の内服を始めたところ、数日で不眠が著明に改善し、食欲も出てきた。抑うつ気分も次第にとれ、治療開始1ヵ月後には職場での意欲,集中力も回復した。それとともに不眠もすっかり消失し,睡眠薬の内服も不要となったが,症状の再燃予防のために少量の抗うつ薬内服を継続している。

脳器質性疾患による不眠(痴呆を含む)

疫学的事項
脳器質性疾患にはアルツハイマー病などの神経変性疾患,脳梗塞などの脳血管障害,脳腫瘍,頭部外傷などさまざまなものが含まれている。こうした脳器資性疾患は,なんらかの睡眠障害を呈することがあるか,それぞれに疾患特異性のある睡眠症状があるわけではない。
一般的に,脳器質性疾患の急性期はほとんどが意識障害を呈し,慢性期にはそのほとんどは痴呆を呈する。慢性の脳器質性疾患患者では意識障害による問題行動か多くみられる。また,ある種の変性疾患はレム睡眠行動障害を引き起こすことが知られている。

せん妄に伴う睡眠障害

1)臨床症状
せん妄とは,身体状況の悪化などにより,覚醒維持機構が機能不全を起こした状態である。視覚などの感覚入力をゆがんで認知する一方で,感情,食欲,性欲などをつかさどる大脳辺縁系は逆に過剰に活動し,幻覚・妄想,問題行動が引き起こされる。夜間せん妄という言葉がよく使われているように,症状は夜間に出現,または悪化することが多い,このため,鎮静目的で睡眠薬を投与されることが多い。広範な火傷,心不全,呼吸不全,腎不全,肝不全,大手術の後に起こりやすい。
測器資性疾患を持つ患者や高齢者では常用量の身体疾患治療薬や、高熱などにより容易に誘発される。痴呆患者においては長期間にわたって持続することがある。
軽症の場合は、夜間の不眠,日中の集中困難,軽度の失見当識がみられる程度である。中等度のせん妄では,夜間の不眠、日中の傾眠に加えて,失見当識,幻覚・妄想など周囲の状況の誤認があり,それに基づいた問題行動がみられる。
2)診断
せん妄では,失見当識,幻覚などの精神症状が1日の中で,あるいは数日の周期で変動する点が特徴的である。脳波検査では基礎活動の徐波化を認める。
3)治療
せん妄は,原因となる身体状況・薬剤がはっきりしている場合は,原因を取り除けば次第に改善する。しかし,脳器質性疾患や痴呆を持つ患者では,原因がはっきりしないことが多く,薬剤による鎮静が必要となる。
原因のはっきりしたせん妄でも身体状況・治療のために直ちに原因を取り除けない場合,問題行動のため身体治療が行えない場合は薬剤による鎮静が必要である。
不適切な睡眠薬投与は,覚醒維持機構の働きを障害するため,せん妄がさらに遷延化することかある。また,脳器質性疾患の患者では,睡眠薬により呼吸抑制が出現しやすいので,慎重に投与すべきである。問題行動が激しい場合には精神科医に依頼する。
●点滴ラインが確保されている場合
ハロペリドール(セレネース)5〜15mg持続点滴/日
ハロペリドールは静脈内投与した場合,経口投与と異なり,パーキンソン症候群が出現しにくく,心肺機能にも影響がなく,排泄も比較的早いので安全に使用できる。鎮静が得られたときは用量を減らして数日問持続点滴を続ける。十分な効果が得られないときは,30mg/日まで増量する。フルニトラゼパム(ロヒプノール)の持続点滴は呼吸抑制作用が強く,血中半減期が長いので,事故の危険性が高い。また,催眠作用が消失すると再びせん妄が出現する。
●特に痴呆患者で長期間にわたって意識障害が持続する場合
痴呆患者では夜間に繰り返しせん妄が出現(夜間せん妄)したり,夕方から,失見当識,不穏,徘徊が出現し(日没現象,夕暮れ症候群)長期間持続することが多い。次のいずれかを選択する。
ミアンセリン(テトラミド)10〜50mg 夕方チアプリド(グラマリール゜)25〜150mg 毎食後ミアンセリンは催眠・鎮静作用が強い反面,せん妄を悪化させる抗コリン作用が弱いため,脳器質性疾患を持つ患者や痴呆患者にも使用しやすい。
症例:せん妄に伴う睡眠障害
72歳、男性。数年前から物忘れに気づかれていた。数カ月前から家の中でトイレの場所がわからなくなることがあった。数日前から、夜間に限って、息子の名前を間違えたり.自分がいる場所を違った場所だと言い張ったりした。また,知らない人がいるなどと言い幻視の存在が疑われた。精査目的で入院。入院時の病歴聴取時もウトウトと傾眠がちであったが,最近の状態に対するおおまかな病識はあった。長谷川式簡易痴呆スケール17点。入院初日より眠前にミアンセリン(テトラミド)10mg投与。しかし,夜間帯になると落ち着かなくなり、「仕事,仕事はどうすんだ」「戸締まりしなくては」などと言いベッドから下りようとし、制止しようとした看護者に暴力を振るいそうになるなど、夜間せん妄を呈した。ゾルビデム(マイスリー)の追加投与では効果がなく、ハロペリドール(セレネース注)2.5m9筋肉内注射を施行して落ち
着いた。その後,日中には落ち着いており検査などにも素直に応じていたが、夜間せん妄は持続していた。眼前のミアンセリン(テトラミド)30mgに増量するとともに、日中は覚醒度を上げるためにデイルームに誘導して.簡単な手作業などを促したところ、徐々に夜間せん妄の出現は改善し退院となった。

生体リズムの異常に基づくと考えられる睡眠障害

1)臨床症状
ヒトの体内時計は視床下部の視交父上核にあり,ここで約24時間の生体リズムが作り出されている。視交父上核には視神経からの神経繊維の人力があり,太陽光線の1日の周期的変化に基づいて生体リズムを作り出している。視交父上核からは,脳の他部位のさまざまな神経核,内分泌器官に神経線維が連絡しており,体内時計の作り出す生体リズムを伝達している。脳器質性疾患により,体内時計そのもの,体内時計への入力線維,体内時計からの出力線維,体内時計からの生体リズム情報を受け
取る部位が障害されると,生体リズムの異常が生じる。脳器質性疾患でみられる睡眠障害のうち,生体リズムの異常によると考えられるのは,昼夜逆転,夜間せん妄,日没現象である。これらは,痴呆患者で特に多くみられる。
a.昼夜逆転:日中はウトウトと居眠りなどをしており,夜間に不眠を訴えるものである。痴呆のない老人でも,視力・聴力が衰えたり,歩行障害により外出しなくなり太陽光などの刺激が少ないと,生体リズムの昼夜のメリハリが減弱した状態となり,日中の傾眠一夜間不眠へと容易に移行する。痴呆老人の場合は外界への興味・関心が低下することにより,より一層この傾向が強まる。多くは次に述べる夜問せん妄へと移行する。
b.夜間せん妄:痴呆患者の場合は,日中にはさはどの問題行動がなくとも夜間に繰り返しせん妄が出現することがある。
c.日没現象,夕暮れ症候群:夕方から夜間にかけて失見当識,興奮、徘徊などか出現する。
2)治療
(1)生活指導
基本は減弱した生体リズムにメリハリをつけるような生活をさせることである。外出の少ない生活や,施設入所,入院などにより日中に浴びる太陽光や活動量が不足していることが多いため,日中の光の量や活動量を確保するために,散歩,日光浴などを指導する。日中しっかりと目覚めていられるように,周囲の者が働きかけることも重要である。
(2)高照度光療法
高照度光には生体リズム同調作用がある。脳器資性疾患や痴呆の患者では,高照度光自体に覚醒促進作用かあるともいわれている。日中に1〜2時間2,500ルクス以上の高照度光療法を行うと,長期間持続していた夜間せん妄や日没現象に効果がある。
携帯型の装置を用いた場合,痴呆老人が装置の前で長時間静かに居続けることは困難である。
(3)運動療法
日中に適度な運動をすることにより覚酸度を上昇させ,昼夜のメリハリをつけることで,夜間睡眠の改善を図るものである。痴呆老人に遊技やカラオケなどによる運動療法を行うことは痴呆の進行を遅らせ,認知能力を改善する効果があるといわれている。
(4)薬物療法
夜問せん妄,日没現象の薬物療法についてはせん妄の項に記載した。昼夜逆転に対して薬物を用いる場合には,脳器質性疾患を持つ患者においては,健常者よりも薬剤の効果が増強・遷延するため,転倒,傾眠などが出現しやすく,場合によってはせん妄を誘発することもある。非薬物療法を用いることで睡眠薬が減量でき,その結果として日中の傾眠が改善し,夜間の睡眠も良好となることが多い。ベンゾジアゼピン系睡眠薬を投与する場合は,代謝産物が活性を持たず,筋弛緩作用の弱い者を選択する,抗コリン作用の少ない抗うつ薬のトラゾドン(レスリン)やミアンセリン(テトラミド)なども用いられる。
次のいずれかを選択する。
ミアンセリン(テトラミド)10〜30mg 就寝前
ゾルピデム(マイスリー) 5mg    就寝前
ロルメタゼパム(ロラメット)1mg    就寝前

特定の脳機能の障害による睡眠障害

脳器質性疾患により特定の機能をつかさどる脳の部位が障害されることにより,特殊な睡眠障害が出現する。
1)レム睡眠行動障害
レム睡眠中は生理的金縛りの状態にあり,夢の中の行動が実際の筋活動となって現れることはなく,夢の中で走ったりしても安らかな眠りに影響はない。こうした機能が障害されると,夢の中の行動が実際の身体の動きとして出現してしまい,異常行動が生じる。クロナゼパム(リポトリール)の眠前投与が有効である。
オリーブ桟橋小脳変性症,シャイ・ドレーガー症候群,パーキンソン病,進行性核上性麻疹などの変性疾患はレム睡眠行動障害を伴うことか多く,レム睡眠行動障害がこれらの疾患の初発症状であることも多い。
2)睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に頻回に呼吸が停止し,このため睡眠が分断され,夜間の不眠,日中の過眠が生じる疾患である。上気道の閉塞による閉塞型,呼吸中枢の機能不全による中枢型の無呼吸がある。
下垂体腺腫による末端肥大症や粘液水腫では咽頭・喉頭の組織が肥厚するため閉塞型無呼吸を呈する。脳器質性疾患で呼吸中枢の存在する脳幹部に病変が及ぶと中枢性の無呼吸が出現する。正常圧水頭症は治療可能な数少ない慢性の脳器質疾患であるが,シャント手術により無呼吸も改善する。

脳器質性疾患の症状・治療薬剤による睡眠障害

脳器質性疾患が引き起こすさまざまな神経症状,またその治療薬によっても睡眠障害が生じる。
1)錐体外路性疾患
パーキンソン病,進行性核上性麻痺,ハンチントン舞踏病は錐体外路系を侵す変性疾患である。パーキンソン病と進行性核上性麻痺では寡動,筋強剛により,寝返りが打てず,夜間のトイレ通いにも苫痛が伴い重度の不眠となる。レム睡眠行動障害を伴うことも多い。
パーキンソン病では,不随意運動は睡眠中は消失するが,呼吸筋の寡動により無呼吸が出現しやすい。パーキンソン病の治療に用いられるレボトパ,ドパミン作動剤,抗コリン薬はせん妄や精神症状を誘発しやすく,睡眠障害を悪化させることがある。
ハンチントン舞踏病では睡眠中も不随意運動が持続するため,重度の不眠となる。
2)脊髄小脳変性症
オリーブ核橋小脳変性症,シャイ・ドレーガー症候群は基底核から脳幹,脊髄にかけて広範な変性が出現し,多くの神経核を侵す疾患である。いずれも脳幹を侵すことにより,レム睡眠行動障害,睡眠時無呼吸症候群を引き起こす。

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