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睡眠

睡眠の基本を知ろう

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睡眠不足

睡眠について改めて考える

最近は日常生活がいちじるしく変化して、寝起きの習慣が多様化してきました。それに伴って、おとなぱかりでなく、子どもの眠りについての悩みも、社会的な問題になりつつあります。
ほんらい、眠りはさまざまな生活習慣に柔軟に適応した機能をもち、多様性に富むとともに、個性的なものなのですが、近代以降、人類は眠りを型にはめて規格化してきました。
なんであれ、効率よく集団を管理するには、規格化して一様にしておくと都合がよいからです。ですから、これまでは、会社も学校も決まった時間割をきちんを守ってきましたし、また、守らせることができたのです。ところが、高度技術化社会の到来とともに、この原則がくずれてきました。
原因はいろいろあります。なかでも、決定的な原因は、人類が夜にも活動するようになったことです。一日は二四時間ありますから、残業をふやしたり、交代勤務を実施したほうが生産性は高まります。都市の交通機関の発達や自家用車の普及により、深夜に移動したり遊んだりできます。電子レンジや冷蔵庫のおかげで、いつでも食べられます。インターネットやテレビゲームは時刻を選びません。そんなことから、眠りをどのように管理すればよいのか、各人が各様の問題をかかえた
まま、適切に対処できないで悩んでいるようにみえます。睡眠の悩みや睡眠障害の対策を考えるまえに、まずは睡眠の基本的な役割とそのメカニズムについて心得ておくことが、すこしは参考になるかもしれません。
睡眠の役割
古くから「睡眠とはなにか」と問われていますが、いまだに満足な答えはありません。それは「生命とはなにか」という問題に満足な答えがないのと同じです。睡眠が不足すると、私たちはいらいらしたり、眠くなったり、元気がなくなったりして、生活の質が損なわれます。また、場合によっては、生命維持に重大な支障を生じることさえあります。睡眠とはこのような状態を生じさせないための機能であり、そのために必要なのでしょう。
行動からみると、睡眠は無活動であり空白の時開城であるかのようにみえます。しかし、実際には、能動的な生理機能が脳によって脳のために営まれる重要な時開城なのです。睡眠は、生物界に広くみられる活動と休息のリズム現象を基盤に発適してきました。そして、脳の進化とともに、大きく発達した大脳をうまく休ませる機能が拡張されてきました。
発適した大脳をもつ私たち人間にとっては、睡眠の適否が質の高い生活を左右することになります。睡眠がうまくとれないと、大脳の情報処理能力に悪い影響が出ます。睡眠不足のとき私たちが感じる不愉快な気分や意欲のなさは、身体ではなくて大脳そのものの機能が低下していて、大脳が休息を要求していることを意味しています。
睡眠を実行するために、そして、睡眠のあとうまく目覚めるために、高等動物は進化の過程でさまざまな方式を開発してきました。こうして、浅いものから深いものまで、いろいろな段階の睡眠が分化してきました。その結果、私たちの睡眠は、大脳のためにあるといってもよいくらいに特殊化しています。
こうして、睡眠の役割は脳の進化とともに拡張され、大脳を適切に管理するという機能が最重要となっています。大脳はコンピュータのようにいつも同じレベルの活動をつづけることはできません。質のよい睡眠をとらないかぎり、脳は高い情報処理能力を発揮できないのです。
「よりよく眠る」ことは、「よりよく生きる」ことを意味します。

睡眠の起源はどこまで遡れるか

しかし、睡眠はすべての生物に一様にそなわっているわけではありません。地球上の全生物は、バイオスフエアという地表のかぎられた圏内に住んでいます。ここでは、まいにち昼と夜とがくりかえされています。ですから、私たちのまわりの環境には、一日のうちに明るい時開城と暗い時間城とが一回ずつ、かならずおとずれます。
この日周変化に同調し、さらにこの変化を予測しながら、活動と休息のリズムをくりかえすことが生物にとって最も基本的な生存戦略です。それゆえ、すべての生物は体内に「生物時計(紺旧時計・生体時計)」をもっていて、外界の昼夜のリズムの経過を予測できるようになっています。生物時計の指針によって、生物は体内に「生物リズム」をみずからつくりだし、これを環境サイクルに同調させながら一日の行動を管理できるのです。人間の生物時計は、脳の奥深くにある一対の「視交叉上核・しこうさじょうかく」という神経細胞の集団です。
睡眠という現象は、このような全生物に普遍的に共有される休息と活動の親日リズム(サーカディアン・リズム)を背景にしていますが、このリズムそのものではありません。動物たちは進化の過程で、迅速な情報処理と機能調節のための専用器官として脳を構築しました。
神経細胞のネットワークからなる脳は、身体の前部に配置され、最先端が膨れて大脳となり、管理機能を集中させ統合させる方向に進化してきました。脳の進化に対応して、″脳のための管理技術″として登場したのが睡眠です。
睡眠をコントロールするのもまた脳のしごとになりました。ですから、脳は「眠らせる脳」と「眠る脳」に分かれています。眠る脳とは大脳のことです。眠らせる脳とは、大脳以外の間脳、中脳、橋、延髄を合む脳幹と呼ばれる場所です。
中枢としての大脳が休息すれば、その支配下にある末梢の組織や器官はその影響を受けます。全身各部にさまざまな変化が現れるのです。したがって、睡眠現象には個体レベルでそれとわかる行動が表出されます。行動上の変化は、いわば睡眠の症状であり、末端での変化にすぎないのです。
ですから、系統発生からみると、生物リズムのほうが睡眠よりもはるかに古いのです。生物時計の起源は、地球上に生命が誕生した時点まで遡ることができるでしょう。ところが、睡眠の起源は、せいぜい脳をもつ比較的高等な動物が出現した時点までしか遡ることができません。つまり、大脳が発達した内温(定温、恒温)性の鳥類や哺乳類にだけ、まともな眠りが認められるのです。それ以外の生物すなわち単細胞の生物や植物には、厳密な意
味での睡眠が認められません。また、無脊椎動物や外温(変温)性の下等脊椎動物の睡眠様状態は、休息と区別するにはあまりにも未分化です。

睡眠には2種類あるレム睡眠とノンレム睡眠

私たちの眠りには、レム睡眠とノンレム睡眠の二種類があります。レムというのは、急速眼球運動(Rapid Eye Movementの頭文字REM)を指します。急速眼球運動とは、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろと動くことです。
レム睡眠とは「急速眼球運動を伴う眠り」という意味です。人間や動物が寝ているとき、目玉をきょろきょろと動かしていたり、手足の先をぴくぴく動かしているのを見たことはありませんか。口先が動いてむにやむにや寝言をいうこともあります。レム睡眠は浅い眠りで、体はぐったりしているにもかかわらず、脳は覚醒に近い状態になっていて、夢をよく見ます。
ノンレム睡眠とは「レム睡眠でない眠り」という意味で、いわゆる安らかな眠りです。浅いまどろみの状態から、ぐっすり熟睡している状態まで、脳波をもとに四段階に分けることができます。段階一〜二が浅いノンレム睡眠、段階三〜四が深いノンレム睡眠つまり熟睡に相当します。
レム睡眠とノンレム睡眠は、それぞれ異なる役割を分担しています。ひとくちでいうなら、ノンレム睡眠は「大脳を鎮静化するための眠り」であり、レム睡眠は「大脳を活性化するための眠り」です。それゆえ、両者の性質は対照的であり、たがいに相手を補いあっています。つまり、睡眠は、脳の鎮静化と活性化の両方を含み、寝入らせてから目覚めさせるまでの過程を含みます。「活性化」とは、覚醒時のように「活性状態にある」のではなく、覚醒する準備のために「活性状態に向かわせる」という意味です。
ちなみに、「レム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠り」というのは、日本人の好きな決まり文句ですが、あきらかな間違いです。
理由はすぐ後をお読みになればわかります。また、俗にいう「ノンレム睡眠は脳の眠り、レム睡眠は体の眠り」という表現も単純明快
ですが、正しくありません。理由は以下のとおりです。
レム睡眠は「体が動けなくなっている」状態でしかなく、骨格筋は「休んでいる」ようにみえても、血圧や脳温が上がったり、呼吸が乱れたり、交感神経活動が高まったりします。ペニスやクリトリスは勃起します。脳のエネルギー消費は部分的には覚醒時をしのぐことがあります。レム睡眠のとき、体は覚醒時とは異なる様式で活動しているのです。

睡眠には約90分のサイクルがある

ふつう、人間の眠りはごく浅いノンレム睡眠から始まり、しだいに深くなり、やがて浅い段階のノンレム睡眠に戻って、さらにレム睡眠に入ります。レム睡眠が終わるときが、一区切りです。健康な成人では、この一連の経過に約90分かかります。これを「睡眠単位」と呼びます。
一夜におよそ八時間寝る人は睡眠単位を五回、およそ六時間寝る人は睡眠単位を四回くりかえしているわけです。そして、それぞれの単位の終わるたびに、つまりレム睡眠が終わるたびに、目覚めやすくなります。ですから、起きるのによいタイミングが、およそ一時間半ごとにやってくるわけです。
最初の二単位つまり寝入りぱなの約三時間のなかに、最も深い眠り(深ぃ段階のノンレム睡眠=熟睡)が多く合まれています。それ以後は、浅めのノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせが主体となります。
こんなふうに、私たちは浅くなったり深くなったりという眠りのサイクルを規則的にくりかえしています。とはいえ、眠っている当人には、この時間経過が自党できるわけではありません。
深い段階のノンレム睡眠は、大脳の回復あるいは修復にとってたいせつです。このとき成長ホルモンという身体づくりに必要なホルモンが分泌されるからです。だから、寝入りばなの三時間ほどのあいだは、眠りが邪魔されないように心がけるとよいでしょう。
レム睡眠は大脳内の情報の整理整頓にたいせつだといわれています。しかし、実際に脳内でどんな情報処理がされているのか、よくわかっているわけではありません。レム睡眠は浅い眠りですから覚醒につながりやすく、夢を回想することが比較的容易なのです。ですから、夢を見てばかりいる人は、眠りが浅くてしょっちゆう目を覚ましていることが多いといえるかもしれません。
まず、睡眠の基本法則を知ろう
睡眠には基本法則が二つあります。つまり、睡眠は二本立ての方式でコントロールされているのです。
睡眠はほぼ一日を周期とするリズム現象であり、脳内の生物時計が管理しているというのが、第一法則です。つまり、眠るのに適した時間域(休息期)と、起きているのに適した時間域(活動期)のプログラムが、ほぼ半日ずつ私たちの脳内にインストールされているわけです。このため、眠気は時刻とともに変化します。
生物時計は未来を予測する機能をもっています。そして、外界の昼夜リズムに合わせて、活動しやすい時開城と眠りに適した時開城とを、ほぼ半日ずつに割り振っています。生物時計の指令にもとづいて、脳は眠る時開城を設定するのです。人間にとって、明るい昼間が眠気がすくなく活動しやすい時開城であり、暗い夜間が眠りに適した時開城となります。
こうして、眠気は時刻とともに変化します。
このほか、ほぼ半日周期の眠気のリズムもあります。つまり、一日のうち二回眠気が高まります。午後の一時期に眠気がすこし高まるのはそのためです。
つぎに、睡眠は寝不足を解消させる埋め合わせの機能であり、寝ついてからの睡眠の質と量とを脳が算出して調節するというのが、第二法則です。つまり、眠らせる脳は過去の睡眠の貸し借りを清算する機能をもっています。
ですから、寝る直前までにどれだけ睡眠不足なのかによぅて、眠りの質と量が自動的に決められているのです。昼間ぼんやり起きていると、夜間の眠りは浅くて途切れがちになります。逆に、昼間しっかり起きていると、夜間の眠りは深くて連続するのです。
生物時針は毎朝リセットされる
第一法則に関連して注意すべきたいせつな点があります。生物時計は、人工の時計のように正確ではないという点です。
人間の生物時計の一日はおよそ二五時間です。そのため、生物時計は一日に一時間くらい遅れる性質をもっています。朝の七時になっていても、生物時計のほうは「まだ六時ごろだ」と思っているのです。朝寝坊してしまうのも、むりはないわけです。
それゆえ、まいにち生物時計の針を進めて、約一時間のずれを修正しなければなりません。ふつうは、無意識のうちに、外界の昼夜リズムとか社会の時間割が、生物時計の針をリセットしてくれます。寝床から起きだして、朝の明るい光のなかで、顔を洗ったり、朝ごはんを食べたりすることがそのまま、生物時計に時間合わせをさせてしまうのです。
ところが、暗い寝室に寝たままでいると、生物時計は時間合わせができません。そのため、起きるべき時刻に目が覚めなかったり、眠るべき時刻に寝つけなかったりするのです。しかも、遅く起きて明るい光を浴びても、もはやリセットはできません。生物リズムのかぎられたタイミングを過ぎてしまうと無効なのです。
おもしろいことに、夜寝るまえに明るい光を浴びると、こんどは逆に生物時計の針はいっそう遅れてしまいます。ですから、そのぶんだけ朝寝坊してしまいやすくなるのです。
また、活動と休息のリズムがたいへん不規則で、外界のリズムが生物時計をリセットしにくくなると、生物時計の生得的なリズムで生活する結果になります。こうなると、24時間周期の昼夜リズムや社会リズムと同調できなくなり、ときには昼間に耐えがたい眠気に襲われることにもなります。社会生活との不適合が生じるのです。
それゆえ、眠気のコントロールにとって、規則的な生活をすることがたいせつです。寝不足だからといって不規則に寝起きするよりは、生活のリズムを乱さないことのほうが得策です。昼夜リズムや社会の時間割にしたがって規則的な生活をすることが、生物時計の働きにとってたいせつなのです。

睡眠不足の解消法

第二法則は、睡眠不足の埋め合わせに大きな役割を果たします。睡眠不足があれば、それが当夜の眠りに反映されて、深い眠りがいつもより多く出現します。これが熟睡で、寝入りぱなの約三時間のうちに最も優先的に配分され、睡眠不足の埋め合わせに大きな役割を果たしています。わざわざ意識的に長く寝なくても、うまく帳尻合わせができてしまうのです。
また、一晩眠らないで起きつづけると、たまらなく眠くなり、寝るとたちまちぐっすり眠ります。これが「はねかえり現象」です。逆に、居眠りや昼寝をすると、そのぶんだけ夜になっても眠くなかったり、寝つきにくくなったりします。昼間にすこしぐらい眠くても、我慢できるなら頑張って起きていたほうが、夜間に質のよい眠りがとれますし、生物時計のリズムを崩さずにすみます。それに、質のよい眠りなら量はすくなくてすむのです。
つまり、断眠で生じた眠りの損失分が一定の方式で埋め合わされることになります。この事実は、生体に一定内容の睡眠が必須のものとしてプログラムされていることを示しています。そして、睡眠の不足量が負のフィードバックによって補償される機構が、生体に組みこまれていることがわかります。
眠らせる脳は、私たちの意識下のレベルで睡眠の質と量を自動的にコントロールしているわけです。しかし、この法則はあくまでも寝る直前までの″過去″の情報にもとづいて発動されるものですから、。未来〃の事情をあらかじめ考えて余分な眠りを先取りしておこうとしても無効です。寝だめはできないのです。
さらに、この法則から寝過ぎの害という現象が出てきます。熟睡は事前の必要量から割り出され、その量は寝入りばなの三時間ほどのあいだに優先的に実現します。必要量が満たされると、もうそれ以上はほとんど出現せず、あとは浅い眠りばかりになります。たくさん眠れば、その分だけ質の悪い浅い眠りばかりになりますから、起きたときの気分は悪く身体はぐったりして、かえって疲れてしまうのです。多すぎる眠りはむしろ害があるわけです。
ニつの法則はたがいに補いあう
二種類の基本法則は協調しており、たがいに相手を補いあう関係にあります。しかし、それぞれはもともと生体が進化の過程で別々に獲得したものと考えられます。ですから、それぞれが独立に作用を現すことができるのです。
うまく眠ってうまく目覚めるには、なにはともあれ、これら二つの基本法則に忠実であることです。つまり、規則正しい生活をすることと、メリハリのきいた生活をすることです。
これは「言うは易く行うは難し」です。とはいっても、どちらか一つの法則が多少犠牲になったとしても、もうIつが睡眠を支えてくれるなら、なんとか健康に生きていくことができます。けれども、両方が犠牲になるような状況がつづけば危険です。睡眠に異常が生じ、ひいてはさまざまな健康上の不利益を蒙ることになるでしょう。現代社会に蔓延するさまざまな睡眠障害は、まさにこのような現実を背景にしているのです。
ですから、不規則な生活を強いられている人なら、こきざみでもよいから睡眠をじゆうぶんに確保することを心がけるとよいでしょう。また、夜に長くまとまった睡眠時間をじゆうぶんに確保できない人なら、就寝と起床の時刻を変更しないで、短くてもよいから熟睡できるように心がけるとよいでしょう。

よい睡眠の基準はあるのか

よい眠りとはどんなものでしょうか。私の答えは簡単です。「日常の生活で、自分の眠りが気にならなければ、つまり、自分の眠りについて悩みがなければ、それがよい眠りです」というものです。
ところが、たいていの人は、この答えに不満です。もっと具体的に答えてほしいと食い下がってこられます。何時から何時まで何時間寝るのが、よい眠りなのですか。ノンレム睡眠とレム睡眠とがどんな比率だと、よい眠りなのですか。夢を見るのは、よい眠りなのですか、と。つまり、「よい眠り」を満たすべき細かな基準を示せ、というわけです。
現代は、専門家が手取り足取り、こまかくアドバイスしてくれることが求められているご時世です。みずから探求することなど念頭になく、なんでも市販のマニュアルをそっくり鵜呑みにしたいのが現代人です。万人に共通の規格化された理想的な眠りが存在するはずだから、それを専門家から教えてもらおうというわけでしょう。だから、私の答えは答えになっていないのでしょう。
残念ながら、万人に共通の規格化された理想的な眠りなんてものは存在しません。たとえ存在したとしても、それが毎夜希望どおり実現するなんてむりでしょう。起きて活動している内容が一人ひとり違っているのに、眠りだけが皆同じ内容になるわけがないのです。
ですから、グルメ志向の「よい眠り」を探求するような″無駄な努力″は止めたほうが賢明です。むしろ見方を変えて、毎日の生活のなかで、眠りをあまり意識しないですむことこそ理想的だと考えたらよいでしょう。つまり、平凡な・ありふれた・気にならない眠りなら、よい眠りなのです。
眠りは大脳を管理している
睡眠は、大脳つまり「眠る脳」を活性化したり休息させることが最大の役割となった生体機能で、「眠らせる脳」(大脳以外の下位の脳)によってコントロールされます。
眠らせる脳では、神経細胞のネットワークと、睡眠物質という多数の体内物質とが、眠りをコントロールしています。つまり、眠らせる脳には二種類のコントロール・システムがあります。すなわち、ニユーロン活動にもとづく神経機構と睡眠物質にもとづく液性機構とであり、両者の相互作用のもとに睡眠覚醒状態が動的に調節されています。
レム睡眠とノンレム睡眠のそれぞれに対して、眠らせる脳は複雑な階層性の神経回路を構成しています。しかし、その分化の程度はあまり特殊化したものでなく、広範囲な構造のなかに散らぱっています。
レム睡眠の中枢は、古い脳のなかでも、より古い中脳、橋、延髄に存在し、間脳(主として視床)を介して大脳と交信しています。また、ノンレム睡眠の中枢は、古い脳のなかでも、より新しい間脳(主‐こして視床下部)および前脳基底部に首座を置いています。そして、それぞれに隣接して覚醒中枢が局在します。
神経機構では、ニューロンが神経繊維をつないで神経回路を形成し、電気的なパルスによって相互に密接に交信しあっています。このようなニューロン活動を支える化学信号として、各種の神経伝達物質が知られています。神経伝達物質はニューロン間の接点すなわちシナプスで放出される化学物質です。
ニューロンが電気的なパルスを発信すると、これに対応してシナプスでは特定の神経伝達物質が放出され、相手のニューロンの活動を促進させたり抑制させたりします。それぞれが動的な変化をしながら、ニューロン回路内の情報伝達を担っていて、結果として睡眠調節に関与しています。
液性機構では、多種多様の睡眠物質が、脳脊髄液を介して脳全域に伝えられ、ニューロン活動を広域的に調節することによって、睡眠と覚醒をコントロールしています。生体内のさまざまな条件、とりわけ睡眠欲求の高い状態にあることが、睡眠物質の動態に微妙な影響をおよぼし、その結果として睡眠が調節されているのです。さらに、いろいろなホルモンや免疫関連物質、異物や毒物、さらには代謝産物までも、なにがしか眠りの調節にかかわっています。

睡眠には個人差がある?長眠と短眠

睡眠はさまざまな要因で大きく変化します。まず、個人差があります。人並み以上に長く寝床にいる人とあまり長く眠らない人がいます。こうした個人差は、かなり遺伝的な素質にもとづくことが知られています。睡眠の多様性は、日々の生活パターンによるだけでなく、生まれながらのものでもあるのです。
ですから、長眠あるいは短眠の傾向は、赤ちゃんのころからすでに現れます。赤ちゃんなら、みんな眠ってばかりいる、というわけではないのです。それゆえ、ある赤ちゃんはよく眠るのに、ほかの赤ちゃんはいつも目を覚ましているということがおこります。
保育園や学校のように集団をまとめて管理する場では、子どもに睡眠の多様性があることを前提にしていないのがふつうです。そのため、年齢差、発育差、個人差、個々の家庭の事情の違いなどによる、子どもの睡眠の多様性にふりまわされ、しばしばやっかいな問題が生じることになりがちです。
世の中には「1日に8時間眠らなければならない」と、かたく信じている人がいます。たしかに、1日の3分の一を睡眠のために確保しておくことは好ましいことですが、睡眠が絶対に八時間必要だという根拠はありません。それより短くても長くても、よいのです。短くても長くても、先に記したように、日常の生活で、自分の眠りが気にならなければ、つまり、自分の眠りについて悩みがなければ、それでよいのです。
先に記したように、「よりよく眠る」ことは「よりよく生きる」ことを意味します。無用なマニュアルを求めたりせず、睡眠の基本法則にもとづいて、個性的な生活をみずからデザインするのが有用です。睡眠の良し悪しは、自己管理の結果の良し悪しをそのまま反映しているのです。
睡眠には時刻差がある。朝型と夜型
寝起きをいくつかのタイプに分けるとき、よく知られているのが「朝型」と「夜型」です。朝型は「ヒバリ型」とも呼ばれます。このタイプの人たちは、早寝早起きで、午前中のほうが体調はいいし、頭も冴えています。夜型は「フクロウ型」とも呼ばれます。こちらは宵っぱりの朝寝坊で、調子が出るのはいつも午後からです。両者のあいだに「中間型」の人がいるわけです。
朝型や夜型があるのはなぜでしょうか。脳内にあって活動期の始まりや終わりを告げる生物時計には、万人共通の標準時があるわけではありません。針が進んでいる人もいれば、遅れている人もいます。中間型に比して、前にずれたか後ろにずれたかの違いです。
一日のうち寝床で過ごす時開城にかなりの個人差が出てくるのは、これが原因です。朝型と夜型の位相のずれは、体温リズムにも密接な関連があります。つまり、体温のピークが早めにくる人は朝型、遅めにくる人は夜型というわけです。
生物時計が、二四時間周期で、昼夜リズムないし社会時計と同調している点では、朝型でも夜型でも同じです。社会生活のスケジュールと同調できるかぎり、つまり、学校や社会の時間割と睡眠のリズムがうまく組み合わせられるかぎり、生物時計は二四時間周期で活動と休息のリズムを維持できるからです。
ですから、すくなくとも生物時計に関するかぎりでは、「早起きは三文の徳」であるわけでもなければ、「宵っぱりの朝寝坊」が悪徳であるわけでもありません。
朝型と夜型を比較すると、後者のほうが現代の都市生活では有利のようです。朝型は生活の規則性が確立しているので、融通が利きにくいという面があります。これに対して、夜型は交代勤務や夜勤など不規則な生活への適応力が高いからです。
睡眠には季節差がある
さまざまな気象条件が人間の睡眠パターンに影響をおよぼしています。「春眠暁を覚えず」とか「寝苦しい熱帯夜」(夏)とか「灯下親しむ候」(秋)といった常套句があって、季節が睡眠ないし意識水準に大きくかかわっていることがよく表現されています。
春は生理的には生体機能の交替期であり、体内のさまざまな活動がさかんになるために、寝不足になりがちです。たとえば、恋の季節です。また、年度の交替期でもありますから、社会のさまざまな活動がさかんになるために、寝不足になりがちです。たとえば、受験、入学、卒業、就職、転勤、花見の季節です。
こんな劇的な変化が睡眠不足を招き、朝の寝起きの悪さや昼間の耐えがたい眠気に反映します。しかも、幸か不幸か、暖かい季節になって居眠りしやすい環境条件が整いますから、ついつい、うたた寝することにもなります。そのぶんだけ、夜の寝つきが悪くなり、朝寝しがちになり、昼間眠いという、悪循環にはまるのです。
夏は一年のうちで最も睡眠不足になりやすい季節です。夜が短く、早起きと夜更かしを強いられます。寝所の気温も湿度も高すぎて睡眠を妨げます。汗を蒸発させて体表からの放熱を促進し、深部体温を下げなければならないのに、それがしにくいからです。また、夏には長い休暇があるため、生活リズムが乱されることがあげられるでしょう。そのため、眠気の日周リズムを調整する脳内の生物時計が時差ぼけをおこすからです。その埋め合わせとして、夏は一年のうちで最も昼寝が実行される季節となります。
日本人の睡眠は、盛夏の七1八月に有意に短くなるのと対照的に、晩秋から初冬の11〜12月に有意に長くなります。夜が長く、気温が下がるので、早寝はともかく早起きがつらくなります。雨や雪が多く外界の昼夜リズムのメリハリのすくない地方では、生活リズムのメリハリもつけにくくなりがちです。この傾向が増幅された季節性感情障害という疾患が、昼夜の時間差の大きな高緯度地帯で知られています。つまり、冬季にうつ病のような症候群が現れ不眠になるのです。

睡眠には年齢差が大きい

睡眠の質と量は年齢に大きく依存しています。睡眠は脳の発達とともに発達し、同時に、脳は睡眠の発達とともに発達するからです。ですから、脳が未発達のうちは、睡眠も未完成の状態にあるのです。そればかりではなく、睡眠が脳を発達させるという面もあります。したがって、人間の睡眠は胎児、新生児、乳児、幼児、学齢期、思春期、青年期……と、流動的に変化します。ひとことでいえば、子どもの眠りは脳を創り、おとなの眠りは脳を守る、ということができます。
胎児期や新生児期の睡眠は未分化で睡眠総量が多く、こきざみに昼も夜もしょっちゅう眠っています。このように一日になんども眠るのは、一日単位の生活リズムをつくる生物時計がまだ完成していないからです。人間の新生児や乳児の睡眠時間は、一日の半分から三分の二を占めます。そして、動睡眠(レム睡眠の原型)が全睡眠時間のほぼ半分を占めます。ちなみに、おとなの眠りにレム睡眠が占める割合は、二〇〜二五%です。
しばらくすると、乳児の睡眠は、一日のうちで眠りがすくない時間域と、眠りが多い時間域とに分かれてきます。生物時計の働きが始まったからです。そして、睡眠のこきざみなリズムが、ほぽ一日周期の親日リズムに組みこまれたからです。
生物時計が生まれつきもっている概日リズムは、先に記したとおhソ、人間では周期がおよそ二五時間です。そのため、乳児の一日は昼夜リズムとかかわりなく、約二五時間周期で進行します。この現象は、生物時計が外界リズムに同調できるようになるまでつづきます。
やがて、生物時計は環境の昼夜リズムや周囲の人々との接触をもとに、外界リズムに同調できるようになり、二四時間周期のリズムで生活するようになります。これが生後四ヵ月のあたりです。こうして、脳内の生物時計が環境の昼夜リズムや社会の活動リズムに同調できる機能が完成します。睡眠は昼夜リズムと同調し、昼寝がすくなくなって、夜に連続した長い眠りが出現するようになるのです。
幼児期に入ると、ノンレム睡眠がまず出現したのち、レム睡眠がつづく、という睡眠単位が確立します。レム睡眠の割合が減るのと入れ代わりに、深いノンレム睡眠(熟睡)の割合がふえます。これは幼児期の際立った特徴です。
この深いノンレム睡眠には特別の意味があります。この深い睡眠のあいだに、脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌されています。成長ホルモンは、発育をうながすだけでなく、体の組織を修復させる作用もあります。文字どおり「寝る子は育つ」のです。
思春期から成人間にかけては、睡眠は社会や文化の影響のもとに管理されるようになり、睡眠総量は減少する傾向を示しますが、個人差も大きくなります。一般に深いノンレム睡眠が多いパターンが継続します。
中高齢期の睡眠は、加齢とともに質の劣化が進行します。睡眠時刻のずれ、深いノンレム睡眠の減少、中途覚醒の増加による眠りの分断、昼寝や居眠りの出現などです。さまざまな睡眠障害が芽生えてくるのもこの時期の特徴です。

睡眠には男女差がある

女性の眠りは、男性の眠りとはかなり違います。つまり、睡眠には性差があるのです。「そんなバカな!」といわれるかもしれませんが、ほんとうです。では、女性の眠りは男性の眠りと、どこが違うのでしょうか。そのまえに、ホルモン分泌の男女差についてふれま
女性には、思春期から更年期までを特色づける月経周期や妊娠・哺乳の期間があります。これらの生殖活動に伴って、脳下垂体ホルモンと女性ホルモンがダイナミックに分泌されます。これに対して、男性の生殖活動には、このような週または月単位の劇的なリズムはありません。つまり、男性では生涯をとおして、男性ホルモンや関連する脳下垂体ホルモンがあまり変動なしに分泌されています。
このようなホルモン分泌に性差があるのは、生殖機能をコントロールする脳(性中枢)が、男と女で違うからです。この違いが睡眠に反映されるのです。睡眠を管理する脳(睡眠中枢・眠らせる脳)の一部は、性中枢と近接していますから、たがいに連携しているのです。
さて、女性ホルモンには二種類あります。このうち、卵胞ホルモンは、眠気を抑制する効果があります。逆に、黄体ホルモンは眠気を促進する効果があります。ですから、卵胞期は比較的眠気がすくないのに対して、黄体期は比較的だるかったり、眠かったりすることになりやすいのです。いっぽう、男性の眠りにはこのような変動はありません。男性ホルモンは睡眠にはほとんど影響をおよぼさないからです。
そんなわけで、女性にはホルモン分泌に合わせて活動量をふやしたり、減らしたりする生理機能が内在しています。女性は、男性のようにロボットみたいに働くのではなく、ホルモンのリズムに合わせて、休息時間をふやしたり減らしたりするほうが、自然の理にかなっている、といえましょう。
睡眠には文化差がある
多くの日本人は、日中ずっと勤勉に起きていて、眠りを夜間に連続してとるのがあたりまえと思っています。しかし、この眠りのパターンは、一部の文明社会で働いたり学んだりしているかぎられた人たちだけが実行しているもので、かなり特殊なものです。なぜなら、学校や職場の時間割に拘束されて、睡眠は人為的な制約のもとに、社会的ないし文化的に管理されるためです。つまり、人間の睡眠は自然のままではなく加工されたものです。
そして、人間の眠りは生理的な欲求よりも文化的拘束面のほうが優先するのです。
幼児期の習慣であった昼寝は、学齢期になると許されなくなります。社会で働く人々についても同様です。自宅での昼寝はともかく、学校や職場での昼寝や居眠りは悪徳だとする考えがわが国ではまだ普遍的です。日本のような勤勉でまじめな社会では、成人の睡眠パターンに昼寝が組みこまれるかどうかは、昼寝を休息の必要性のあらわれとして社会が容認するかどうか、にかかっています。
いっぽう、多くの文明国で昼過ぎの眠気に逆らって働くことによって、能串の低下のみにとどまらず、判断の誤りや交通事故などがこの時開城に多発しています。もちろん、主睡眠期の夜間にむりして働く場合には、さらに深刻なさまざまな問題が発生します。そんな現実をふまえて、最近では各人の眠りのパターンをもっと柔軟に考えようという機運が高まりつつあります。
人間の睡眠は、ほんらい柔軟性や多様性に富むものです。多様性ゆえに私たちの睡眠はたいへん個性に富んでいますから、自分なりに工夫して快眠法を開発できる可能性があります。社会では、一日に一回ずつ八時間寝ることが基準であるとみなしたり、睡眠は気力で制御できるものだと信じている傾向があるのですが、これらは万人に共通するものではありません。
人間はさまざまな生きざまとともに、さまざまな寝ざまを実行できる素質や能力をもっています。このような生得的な睡眠の多様性を、一定の枠にはめることは、睡眠の本性を歪めることになるはずです。私たちはいま、固定的な睡眠観を改訂する好機に恵まれているといえるのです。
睡眠に悩む人がふえている
現代はストレスの多い時代ですから、夜の不眠や昼の眠気に悩まされる人がかつてない規模でふえました。自分の眠りについて、ほとんどの人がなんらかの悩みをかかえています。しかも、有効な手だてを見つけられなくて困っているのです。
こんな悩みをもつ人は、頭脳明晰・元気漫潮という状態にはなりにくいので、自分自身の創意工夫で問題を解決しようなんていう意欲がなかなか湧いてきません。そのため、安易に睡眠薬とかアルコールを利用したり、権威筋の情報を入手してそれに従うといったマニュアル的な手段に頼りたがるのです。
しかし、その結果が報われないことは、眠りに悩む人がいっこうに減らないばかりか、ふえつづけているという実態が証明しています。では、どうすればよいのでしょうか。
睡眠そのものについて、現代科学の知識をいちおう心得たわけですから、つぎには、睡眠障害について正確な知識をもつことがたいせつになります。

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