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睡眠

不眠症の治し方

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不眠症の治し方

リラックスすること

「そいつを引っ捕らえろ。そして牢屋へ連れていけ。風もあたらぬ場所で寝かせてやれ」
若者はこう答えた–「そりゃ無理です。私を牢屋で寝かせるなんてできない相談です。領主さまだって私を王様にすることはできないでしょう? それと同じです。無理な話です」「なぜだ? なぜお前を牢屋で寝かせることができないなどという?」とサンチョはたずねた。
(中略)
若者は答えた「領主さま。あなたが牢獄行きを命じ、私を独房に入れるとしましょう。足櫛をはめられ、鎖でつながれ、その上、厳しい看守が見張っているとなれば、逃げ出そうなんて滅相もないことです。だいたい看守は、領主さまの命令を怠れば重い罰が待っていることを心得ているのです。しかしですよ、私が眠ろうとさえしなければ–つまり、まぶたを閉じることなく、一晩中起きていようと決心さえすれば領主さまのカをもってしても私を眠らせることはできません。領主閣下のあらゆる力をしても、眠るまいと決心した人間を眠らせることはできないのです」(セルバンテス「ドン・キホーテ」第2部第49章より)
この引用は、ドン・キホーテの従者サンチョ・パンサと、放浪の罪で捕まった若者のあいだで交わされた会話である。このとき、サンチョ・パンサは公爵からバラタリアという村の統治官に任命されていた。捕まった若者は機知に富む、頭の回転の速い男であり、右の対話の中で、彼は「不眠症治療の核心」に触れている。すなわち、眠りは人に強要できるようなものではない、というわけだ。
だが、眠る準備さえととのえば、眠りは向こうからやってくる。それはいわぱ、よい波を待つサーファーのようなものだ。沖に出たサーファーは、波を待つのによいポジションを探し出し、大きな波を待ち受ける。眠ろうとする人間も、就眠準備がととのえぱ、後は眠りが訪れるのを待つだけでよい。基本的に、寝る準備をととのえる以外に、眠りを呼びこむ手段はない。
したがって、寝つきが悪い場合、準備段階で何か問題が生じていると考えられる。たとえば、寝る前に神経が興奮してしまうとなかなか寝つけなくなる。また、神経の興奮によって筋肉の硬直や心悸亢進が起こったり、心配ごとが次々と順に浮かんできたりして眠りをさまたげる。
そこで、不眠症治療の目的は、入眠をさまたげる阻害要因を取り除くことにある。問題となる要因を取り除きさえすれば、患者も寝るための態勢を自然なかたちでととのえることができる。つまり、就眠前の興奮をおさえるような手段があれば、不眠の治療法として利用することができるはずだ。たとえば、薬を飲んだり、心身をリラックスさせたりするのもよいし、バイオフィードバック法や自己催眠法を用いるのもよい。場合によっては、生活習慣に留意するだけでもかなりの効き目がある。まず、薬物を使わない治療法から紹介していこう。
心身の緊張を解くためには、さまざまなテクニックが知られている。たとえば、筋肉に力を入れたり抜いたりして体をリラックスさせる方法や、体の各部に意識を集中し、自己暗示によってリラックスする方法などがある(自己暗示というのは、身体感覚を自分で調節したり、おだやかな精神状態をイメージしたりする方法である。たとえば、体の一部に意識を集中し、外部刺激に頼ることなく、「暖かい」とか「重たい」といった感覚を体内に呼び起こす訓練をする)。瞑想法やバイオフィードバック法も、体の緊張を解く上で効果がある。
ただし、不眠症のいちぱんの原因は、身体的な緊張ではなく、精神状態である。もちろん体の緊張を解くことも大切だが、それよりもまず、考えごとばかりして眠れない、といった事態から抜け出さなければならない。つまり、不眠症の治療として自己暗示や瞑想が推奨されるのも、自己の体に注意を向け、そこからおだやかな気分を引き出し、よけいな考えにじやまされないようにすることが目的なのである。
シェイクスピアの「マクベス」で、スコットランドの将軍バンクオーはこう語る–「慈悲深き天使よ、休める心に忍び寄る忌まわしき思いを追い払いたまえ」(第2幕第一場)。考えごとや心配ごとが頭から離れないとき、人は不眠におちいる。寝つきをよくするためには、まず、その考えごとを意識から追い払わなければならない。古くから、眠れぬ夜は羊を数えるのがよい、などといわれているが、これもまた、よけいな考えごとから意識をそらすためのテクニックなのである。
次から次へと考えごとが浮かんできて止まらない–それは、たいていの不眠症患者が経験する状態である。会社の同僚とどうもうまくいかない、あの株を買うべきかどうか、大切な試験だったのになぜ合格できなかったのだろう……、などと考えごとを続けていれば、眠れなくなるのは当然だ。また、「今日は眠れるだろうか」などといった心配をしていれば、不眠はますますひどくなる。
ただし、不眠症患者なら、誰もが強い緊張に苦しんでいるとはかぎらない。したがって、リラックスのためのテクニックは、患者の症状にあわせて、適切なかたちで行なわなければならない。たとえば、夜眠れないといっても、本人の気分が十分リラックスしており、落ちついた精神状態が保たれているケースもある。
そうした場合、リラックスのための訓練が、逆に眠りをさまたげることも考えられる。
リラックス法で大切なことは、毎日約30分間、欠かさず続けることである。最初は、寝る直前ではなく、日中に訓練するのがよい。そして、うまくリラックスできるようになったら、ベッドに入る前に試してみる
のがよいだろう。

よく眠るための心がけ

不眠症を治すには、入眠をうながすための専門的なテクニックも大切だが、毎日の基本的な生活習慣に気を配るだけでも、かなりの効果を期待することができる。驚くべきことに、不眠症の治療法としては、専門的なテクニックよりも、正しい生活習慣を身につけることの方が有効なケースも多い。
①ベッドでぐずぐずしないこと。ベッドは眠る場所と心得て、朝起きたらすぐベッドから出る。その後は、夜寝る直前までベッドに戻らないこと。
②むりに眠ろうとしないこと。むりやり寝ようとすれば、よけいに神経が過敏になり、かえって眠れなくなる。ベッドで羊の数を数えるのは不眠症患者の常套手段だが、これも、眠れるかどうかなどと考え始めたりしないように、数を数えることで注意をそらせようとしているのである。たとえば、テレビを見ながらついうとうとしてしまうというのに、いったんベッドに入ると今度は目が冴えてしまうという人は、ベッドに入ったまま、テレビを眺めるのもよい方法である。その際、自分が眠れそうな時刻を予想し、その一時間後にテレビがオフになるよう、タイマーをセットするのがよい。
③寝室に時計を置かないこと。時計の音が聞こえたり、その文字盤の発する光が目に入ったりすれば、不眠症患者ならずとも、眠れなくなる。
④あまり遅くなってから激しい運動をしないこと。不眠症の人がよく誤解していることだが、入眠直前に
激しい運動をすると寝つきがよくなるという説がある。だが、運動すれば、体や心は興奮してしまうことを忘れてはならない。もちろん毎日適度な運動をするのは非常によいことだが、少なくともベッドに入る2時間前までに終えてしまうことが肝心である。
⑤寝る前にコーヒーやアルコール飲料を飲んだり、タバコを吸ったりしないこと。人によっては、夜コーヒーを飲んでもべつに眠れなくなることはないなどと主張する。それどころか、コーヒーを飲まないと眠れないという人さえいる。しかし、コーヒー中毒の人には申しわけないが、ニコチンと同様、カフェインもやはり刺激性の物質であり、覚醒作用をもつ。ただし、カフェインの効果は即座に現れるわけではない。というのも、カフェインそのものに覚醒作用はなく、カフェインの分解産物が覚醒を引き起こすからだ。つまりコーヒーは、飲んでから約一時間たって、ようやく覚醒作用を人体へおよぼすのである。要するに、コーヒーのせいで目が冴えたりすることはないといっても、飲んでしばらくの間は覚醒効果が現れないというだけなのである。
また、アルコール飲料を飲んでもべつに眠りに影響することはないと主張する人もいるが、ここで問題とすべきなのは、アルコール飲料を不眠対策として使用するケースである。実際、眠れないからといって、酒類を飲む不眠症患者は多い。たしかにアルコールには催眠作用がある。したがって、ベッドに入る前にプランデーやウォッカを一杯飲んでおけば、少し眠気が増し、その結果寝つきもよくなる。ところが、アルコールが体内・でいったん分解されてしまうと、今度はその分解された物質が神経を興奮させる。その結果、せっかくアルコールのおかげで眠ることができても、結局夜中に目が覚めてしまい、2度と眠れなくなってしまうことは多い。
⑤毎晩決まった時間に寝て、毎朝同じ時間に起きること。規則正しい睡眠習慣を身につけるのは非常に大切なことである。もちろん、ベツドに入る時間が毎日違っても、とくに寝つきが悪くなることはないという人も少なくない。しかし、不眠症患者にとっては、不規則な睡眠習慣は症状を悪化させるばかりである。
たとえば、仕事が休みになると、生活が不規則になる人は多い。そのせいで、いわば「週末不眠症」とでもいうべき典型的な睡眠パターンにおちいってしまう。もちろん、こうした生活パターンは、不眠症患者だけではなく、誰もが身に覚えのある経験であろう。つまり、土曜の夜は毎週のようにパーティーをして過ごし、日曜の早朝になってやっと眠りにつく。その結果、起きるのが昼頃となり、当然、夜はなかなか寝つけない。こうして、仕事の始まる月曜の朝、どうしても起きられなくなってしまうのである。この例は、不規則な生活が睡眠のリズムをこわすことをよく示している。
⑦寝る前に消化に悪い食事をとらないこと。食べるのであれば、炭水化物や蛋白質がよい。チョコレートや大量の糖分の摂取は禁物である。また、寝る直前には大量の水分をとらないこと。さらに、夜中に目ざめても、冷蔵庫を開けたりしないこと! 起きたら食べるということを習慣にしないよう注意すべきである。
⑧日中はなるべく眠らないこと。もちろん、昼寝自体が悪い習慣だということではない。しかし、午後の昼寝を楽しんでばかりいると、夜の不眠がひどくなり、悪循環を招く。日中しっかり起きていれば、夜の眠気が強まり、それだけ寝つきもよくなるはずだ。

睡眠薬について

眠るために薬を飲む–睡眠薬は人間による古い発明の一つである。ギリシャ神話に登場する「眠りの神ヒュプノス」は、浮き彫りのモチーフにもなっているが、その姿を見ると手にケシの束をもっていることがわかる。ケシの実に催眠作用をもつ成分がふくまれていることは古代ギリシャ時代から知られており、その頃から睡眠薬として使われていたのである。また、中世の宮廷では、不眠に悩む婦人たちはケシの乳液とアルコールの「混合物」に布をひたしておき、それを口で吸って眠りについたという。
古い医学文献をひもとくと、催眠薬としてカモミールの花からレタスまで、さまざまな植物が利用されていたことがわかる。私も以前、睡眠障害に間する講演でこの話題を取り上げ、レタスの催眠作用について冗談まじりに紹介したことがある。だが、その発言がちょっとした騒ぎを引き起こしてしまった。私は目の前の医師たちに向かって、「睡眠薬のかわりにレタスを処方してはどうでしょうか。レタスの葉3〜4枚で、睡眠薬一錠分の効果があるはずです」と、冗談めかして話した。だが、その講演内容がマスコミに伝わるとは夢にも思っていなかった。
マスコミは私の発言を冗談だとは思いもせず、まじめな話と信じこんだ。しかも、とあるイスラエルの大新聞が「レタスの催眠作用」について大きく取り上げてしまったのである。翌日、私たちの研究室の電話が鳴りやむことはなかった。「催眠レタス」を処方してほしい、という依頼の電話が殺到したのである。その件数は、何百とまではいかないが、驚くべき数に達した。
私は「レタスは睡眠薬の代わりにはなりません」と明言した文章を準備し、その大新聞の寄稿欄に掲載してもらったが、結局何の効果もなく、催眠レタスの話題は野火のように広がっていった。中には、寝る前に大量のレタスを食べたせいで胃をこわしてしまった、と電話をかけてきた女性もいたのである! 笑い話のようなできごとだが、このエピソードから次の事実が読みとれる–つまり、睡眠薬を必要としている人は世の中にごまんといるし、彼らは不眠を治すためなら何でも試そうとする。
睡眠薬を常用している人の数について正確な統計はないが、欧米諸国の場合、睡眠薬を週に数回服用する成人の割合は、5〜8パーセントと推計されている。また、睡眠薬の使用量は加齢とともに増え、男性よりも女性の方が服用率が高くなる。
現在もっともポピュラーな睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系の薬剤であり、さまざまな商品名で売られている。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が広く使われ出したのは、1960年代が終わりに近づいた頃である。それまで睡眠薬といえば、今世紀初頭に開発されたバルピツール酸系の薬剤であった。バルピツール酸系睡眠薬でよく知られているものといえば、バルビタール(商品名アミトール)、セコバルビタール(商品名セコノール)、ペントバルビタール(商品名ネンブタール)などであった。
ところが、睡眠実験を通じて、バルピツール酸系睡眠薬の問題点が明らかになってきた。バルピツール酸系の薬剤を服用すると、睡眠構造に望ましくない変化が生じるのである。つまり、レム睡眠および第3・第4段階の眠りが減ってしまうのだ。さらに問題なのは、バルビツール酸系睡眠薬を何カ月間、あるいは何年間もの長きにわたって服用し続けると、何も薬を飲まないときよりも状態が悪化することである。こうした実験結果が公表された上、あらたにベンゾジアゼピン系の睡眠薬が登場したために、バルビツール酸系の薬剤は不眠症治療の現場から姿を消した。
製薬会社は、新しい睡眠薬開発のために巨額の資金を投じ、睡眠研究所での実験に力を入れ、その実験結果をもとに広告キャンペーンを展開する。たとえば、睡眠薬を一種類開発するための投資金額は、じつに何千ドルもの金額にもおよぷのである。
私も、製薬会社が繰り広げる過当競争を間近に体験したことがある。すでに述べたように、博士号取得後、私はカリフォルニア大学サン・ディエゴ校の睡眠研究所で研究者としての道を歩み始めた。当時の私の研究生活は、ある製薬会社の助成金によって成り立っていた。そこで私は、助成金を受ける側の人間として、この製薬会社の薬理試験に協力しなければならなかった。つまり、不眠症患者に睡眠薬を与え、彼らの眠りを実験装置を使って記録したのである。また、朝起きたばかりの被験者に対しては、薬の効き目について質問し、彼らの自己評価を記録した。
実験が終わったことを製薬会社に知らせると、担当者が結果を聞きに研究所までやってきた。だが、話の方向がどうもおかしい。というのは、質問内容が、薬の効き目よりもその副作用にばかり集中していたからである。たしかに、その薬を服用した被験者は頭痛に苦しんだり、注意力や記憶力の低下を訴えたりしていた。製薬会社の担当者は、そうした副作用に関して、どんな些細な徴候でもよいから、データをすべて提出してほしいという。にもかかわらず、肝心の治療効果についてはまったく興味を示さなかったのである。
どうにも納得がいかなかった私は、研究室長であるダニエル・クリプケのところへ行って、今の話を報告した。薬の副作用を調べるためだけに、それほど多額の予算を割いていることが、私には驚きだったのである。だが、クリプケは信じられないという顔をして、こう答えた–「君がそんなに世間知らずだったとは
ね。本当に自社製品のテストだと思っていたのかね?」。
そこで私もやっと気づいた。製薬会社が私の研究を資金面でバックアップしてくれたのは、要するに競争相手の商品をテストするためだったのである。このしくみに、私は愕然とせざるをえなかった。
結局、副作用に関する私の実験データはアメリカ食品医薬品局へ提出され、問題の薬剤に副作用があることを証明する資料として使われた。薬効がないわけではなかったが、副作用の方が大きいという報告がなされたわけだ。数年後、この医薬品の使用は禁止された。私の実験データのせいなのかどうか、それはわからない。睡眠障害を訴える人々にとって、睡眠薬は非常に有効な治療手段である。ただし、服用にあたっては、自分の症状にあった睡眠薬を選ばなければならない。というのも、睡眠薬は種類によって効き目が大きく異なるからである。とくに、薬が体に吸収されるスピードと作用持続時間は、睡眠薬ごとに大きな違いがある。
たとえば、現在販売されている睡眠薬は比較的吸収効率がよいが、血中濃度が最高値に達するまでには、20〜45分程度の時間が必要となる。
さらに、睡眠薬の作用持続時間は、吸収率以上に大きな差を見せる。作用持続時間の目安としては「半減期」が使われる。半減期とは、ある一定量の薬を服用したとき、血中濃度が最高レヴェルに達した時点から、その濃度が半減するまでの時間である。血中濃度は、薬品が体内に吸収され、肝臓で分解されるにつれて下
がっていく。現在売られている睡眠薬の半減期は、短いものでは一時間程度、長いものでは80時間を超える。
薬の半減期が長くなるほど、翌日まで眠気が持ち越され、活動能率が低下する危険がある。いわゆる翌日への「持ち越し効果」である。たとえば、一2時間より長い半減期の睡眠薬を使用すると、薬の血中濃度がまだ高いうちに起きなければならない。その結果、翌日は仕事がはかどらなくなる。とくに、しつこい眠気によって集中力が発揮できない。また、半減期の長い睡眠薬を飲むと、翌朝の疲労感が強く、頭が働かないと訴える人は多い。まわりの刺激にもすばやく反応できなくなる。こうなると、体が普通の状態に戻るまで、何時間もかかってしまう。
また、半減期の長い睡眠薬は体内に蓄積する危険がある。たとえば、半減期が24時間を超える睡眠薬を何日か続けて服用すると、たとえ用量が一定であっても、血中濃度は上昇し続ける。薬物が体内に蓄積されているところへ、さらに服用するわけだから、毎晩の実際の服用量は規定量よりも多くなってしまう。その結果、翌日も薬の作用が続き、「持ち越し効果」がさらに高まる。ただし、患者の日中の精神状態を安定させる必要がある場合、半減期の長い睡眠薬は、その持ち越し効果によって抗不安薬としての作用を発揮するという点に注意してほしい。
逆に、半減期が2時間以下となる超短時間作用型の睡眠薬も、場合によっては問題を引き起こす。というのは、睡眠薬の血中濃度があまりにも早く低下してしまうと、眠っているあいだに薬の効き目が切れてしまうからである。そのせいで夜中に目が覚めてしまい、今度はなかなか寝つけなくなる。したがって、作用時間の短い睡眠薬は、夜中に何度も目ざめるような患者向きではない。そうした睡眠薬は寝つきの悪い患者にのみ処方すべきである。
以上のように、作用時間が長すぎたり、短すぎたりすると、いろいろと不都合な点が出てくる。そういう意味で、中程度の作用時間(半減期が4〜6時間)の睡眠薬は非常に便利である。朝起きるまで薬効が続くわけだし、翌日へ効き目が持ち越すこともない。
だが、自分の症状にぴったり合った睡眠薬を服用している場合でも、以下に述べる3つの基本ルールを守ってほしい。不眠症を悪化させることなく薬の効き目を最大限に引き出すためには、正しい使用法をしっかり守ることが必要である。
①まず第一に、睡眠薬を服用するタイミングの問題がある。睡眠薬を飲む人は、たいてい一種の「後ろめたさ」を感じている。つまり、薬に頼って不眠をなだめようという姿勢に自分の「弱さ」を見てしまうのである。その結果、睡眠薬を飲むべきかどうか、毎晩悶々と悩むことになる。そして、悩み続けた結果、中途半端な気持ちでベツドに入ってしまう。つまり、彼らはとりあえず薬を飲まずに横になり、「ようすを見る」。もしそのまま眠ることができれば問題はない。しかし、やはり眠れないとなると、ふがいない気持ちをおさえつつ、薬を飲もうとようやく決心する。それも、ベツドに入ってから1〜2時間、場合によっては3時間経ってからのことである。結局、こうした不眠症患者は、わらをもすがるような気持ちで午前3時に薬に手を出すのである。
こうした不眠症患者の心理的葛藤は理解できるし、薬をなるべく遠ざけておこうという努力も敬意には値する。しかし、不眠に対してこうした姿勢で立ち向かおうとすると、結局は睡眠薬を服用するタイミングを失するだけで、場合によっては、症状を悪化させる危険もある。たとえば、「何があろうと今夜は絶対に眠ろう」という決心をいだいてベッドに入るとする。ところが、強く決心すればするほど、そのことが気になって、精神的緊張や不安に悩まされる。すでに述べたように、眠りは自然に訪れるものであり、「意識的に」眠ろうとしても眠れるものではない。枕元の時計に何度も目をやって睡眠薬を飲むべきかどうか迷い続けるというのは、典型的な不眠のパターンである。そして、とうとう決心して睡眠薬に手を出すとしても、もはや朝は近く、結局翌日は睡眠薬の副作用に強く悩まされることになる。
たとえば、午前3〜4時に睡眠薬を飲み、翌朝は遅刻しないよう、午前7時に起きたとする。すると、たとえ作用時間の短い睡眠薬であっても効き目はまだ十分残っているので、翌日の活動能率を低下させる。とくに、車の運転など、集中力を必要とする作業への影響は大きい。
要するに、睡眠薬を服用する際は、あらかじめ飲むタイミングをしっかり決めておかねばならない。毎晩揺れ動く心理状態の中で飲むべきか飲まざるべきか悩んでいるようでは逆効果である。あらかじめベッドに入る時間を決め、睡眠薬はその20〜30分前にかならず服用する–このルールは、睡眠薬による不眠症治療を受けているあいだ、かならず守らなければならない。
②第2に、睡眠薬の連用期間が問題になる。つまり、睡眠薬を服用する際、どの程度連続して使用してよいのか? 実験によると、大半の睡眠薬は2〜3週間が連用の限度だといわれている。それ以上長期間の服用を続けると薬に対する「耐性」が生じ、場合によっては効き目がまったくなくなってしまうこともある。しかも、不眠症状がかえって悪化する場合さえある。連用期間を延ぱすためには、服用開始後2〜3週間経った時点でいったん中断し(3〜4日間)、ふたたび用量を変えずに継続するのがよい(ただし、薬を中断すると不眠が再発することもあるし、場合によっては以前より症状がひどくなることもある)。ともかく、たとえ薬の効き目がまったく現れなくなったとしても、医師に無断で用量を増やしたり、他の睡眠薬を試したりしてはならない。
私たちの研究所では、睡眠薬を正しく使ってもらうために、不眠症患者に対して次のようなアドヴァイスをしている。つまり、睡眠薬を飲むということは、いわば薬と契約を交わしているようなものだ、と説明するのである。この契約にもとづき、睡眠薬は不眠症状の改善につとめ、患者側はその使用法を正しく守る義務を負う。患者側に間違った使用法が認められれば、ただちに「契約不履行」とみなされ、当然、睡眠薬の服用は中止される。
③第3に、いかに睡眠薬の服用を中止するかという問題がある。睡眠薬を長期間連用すると、薬に対する「耐性」と「依存」が生じる。ただし、睡眠薬に対して身体的な依存ではなく精神的な依存が生じた場合、それは睡眠薬に期待された作用とは別物であり、もはや薬本来の効果が失われた状態である。たとえば、睡眠薬に依存するようになると、薬を飲まずにベッドに入ることができなくなる。薬を飲んでももう効き目がないとわかっていても、それでもやめられなくなってしまうのである。
依存症状がここまで進んでしまうと、服用を中止するのは容易ではない。それは、アルコール中毒や幻覚性麻薬中毒と同じ状態である。薬を無理にやめようとすれば、ひどい睡眠障害におちいる。たとえば、悪夢に襲われたり、日中も不安にかられたりする。睡眠薬への依存を何とか断ち切ろうとがんばってみても、ひ
どい退薬症状に打ち勝てず、1〜2日であきらめてしまう患者は多い。その結果、ふたたび薬に手を出すことになる。しかも、以前よりさらに用量が増えてしまうことが多い。
先に述べたように、こうした経過が一過性の不眠症を慢性化させるきっかけとなる場合もある。慢性化が進むと、薬を完全にやめるためには、もはや入院治療しかない場合が多い。つまり、患者を入院させ、服用量を何段階かにわけて徐々に減らしていく。こうして薬の服用をうまく中止することができれば、睡眠薬を飲み続けていた頃よりも、眠りの質ははるかに改善されているはずである。

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