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睡眠専門医はどのような方法で睡眠障害と診断するのでしょうか?
睡眠障害の診断には、まず問診、睡眠前問紙、睡眠日誌を用いて、同型と原因を検討し、さらに検査を行うことで診断を確定します。

睡眠障害の鑑別診断チャート

睡眠障害の鑑別診断チャート


睡眠障害の診断(図)には、まず、問診、睡眠質問紙、睡眠日誌を用いて、病型と原因を検討します。
問診では主に、①不眠の種類、②不眠の持続期間、③不眠の出現頻度、誘因の有無、④睡眠障害を引き起こす身体疾患の有無、⑤精神疾患の有無、⑥睡眠に影響を与える薬物の服用の有無、⑦生活習慣、⑧睡眠に対する誤った認識の有無、⑨睡眠に悪影響を与える環境の有無、⑩一緒に寝ている人による腫眠状態の観察、について明らかにし
ていきます。
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 ①では、寝つきが悪い(入眠障害)、途中で目覚めてしまう(中途覚醍)、朝早く目覚めてしまう(早朝覚醒)、よく眠れた気がしない(熟眠障害)など不眠の臨床型を確認します。また睡眠中に大声をあげたり、歩き回ったりするなどの睡眠中の行動異常があるかどうかの確認をします(睡眠時随伴症)。
次に①では不眠の持続期間(一過性あるいは短期間か、1ケ月以上続いているのか)を確認します。③では、不眠を引き起こす原因を検討し、不眠との間に時間的な関連があるかどうかを確認します。④⑤⑥では、睡眠障害の原因となり得る身体疾忠、精神疾患、もしくは不眠を引き起こす薬剤の服用の有無の確認をします。⑦⑧では睡眠に対する知識不足から、睡眠のとり方が誤っていたり、自分の睡眠状態を誤って悪い評価をしてしまったりしている場合(睡眠状態誤認)に役立ちます。また、自分の睡眠状態は、自己評価が誤りやすいため、睡眠質問紙、睡眠日誌、一緒に寝ている人の観察を利用して、睡眠の評価をより明確にしていきます。
さらに診断を確定するために、睡眠内容を客観的に測定するため睡眠ポリグラフ検査や睡眠・覚醒パターンを客観的にとらえるためにアクチグラフ検査を2週間測定して、より詳細な情報を得るようにします。アクチグラフ検査は、万歩計のような腕時計型の測定器を24時間装着するものであり、自宅でも測定できます。また、過眠症(ナ
ルコレプシーなど)には、日中の眠気を調べるためにMSLT、HLA検査、睡眠時無呼吸症には、日中に30分程度の睡眠ポリグラフ検査や血中酸素濃度測定、睡眠・覚醒リズム障害が疑われる場合は、深部体温測定、血中メラトニン濃度測定、をそれぞれ行い、診断を確定していきます。
特殊な検査では、数週間の入院をしていただいて、検査を行う場合があります。

睡眠障害を評価する検査には主にどんなものがありますか?

睡眠ホリグラフ検査や入眠潜時反復測定検査など、何種類かの検査法があります。
睡眠障害の評価に現在主に用いられている検査法は以下のとおりです。
1.睡眠ポリグラフ検査(polysomnography ; PSG)
2.入眠潜時=反復測定検査(multiple sleep latency test ; MSLT)
3.概日リズムの検査
いアクチグラフ
2)深部体温測定
3)血中メラトニン濃度測定
4.睡眠障害検査関連調査票
1)東京都神経科学総合研究所(都神研)式生活習慣調査日
2)睡眠日誌(sleeplog)
3)ピッツバーグ睡眠質問票(pittsburgh sleep quality index ;
PSQI)
5.その他
1)HLA検査
1.睡眠ポリグラフ検査
睡眠ポリグラフ検査は最も広く用いられている検査法で、睡眠および睡眠に伴う生体現象を同時に測定するものです。睡眠ポリグラフ検査では脳波、心電図、眼球運動、顎や下肢などの筋電図に加え、必要に応じて呼吸運動や換気の様子、いびきも記録することができます。これにより、眠りの評価(寝つくまでにかかった時間、深さ、睡眠の持続時間など)に加え、睡眠中の異常行動や呼吸状態なども評価できるので、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、レム睡眠行動障害など様々な睡眠障害の鑑別診断に有効な検査法です。検査室で一晩測定するのが原則ですが、簡易的に日中30分のみ測定するデイタイムPSG(主に睡眠時無呼吸症候群の診断に有効)や、長時間連続測定するために携帯型脳波計を用いて測定する場合もあります。
2.入眠潜時反復測定法
入眠潜時反復測定法は、日中過度の眠気を訴える患者さんに対し、客観的な眠気の評価をするための検査法です。朝から2時間ごと4回以上検査室で入眠してもらい脳波を測定し、脳波上、寝つくまでの時間を測定します。寝つくまでかかった時間が短いほど眠気が強いと判断します。
1回の入眠に要した平均時間が10分以上だと正常、5分以下だと病的な日中の眠気として診断されます。
3.概日リズムの検査
1)アクチグラフ
アクチグラフは腕時計型の測定器で、長期間の睡眠と覚醒のパターンを記録することができます。睡眠状態誤認や睡眠・覚醒リズム障害など客観的に日常の睡眠時間の評価が必要なときに有効です。腕時計型の測定器を終日、ほぽ1〜2週間以上装着し、測定器内の加速度圧を連続測定することで行動量を記録します。そのデータをコンピュータ解析することで、睡眠・覚醒リズムの周期を求めたり、睡眠と覚醒を判定したりできます。
2)深部体温測定
ヒトの深部体温(直腸温)リズムは、体内時計の影響を強く受けていることが知られており、血中メラトニン濃度測定に比べ、侵襲(体への負担)が少なく、費用もかからないため、特に概日リズム睡眠障
害の精査によく用いられます。深部体温は、夕方最も高く、早朝に最も低くなるサインカーブ(波形の曲線)を描くようなリズムをもちます。検査期間は、1週間程度必要です。
3)血中メラトニン濃度測定
血中メラトニン濃度は、深夜2〜4時ごろにピークとなるリズムをもち、運動や食事などによる影響(マスキング)がないことから、現時点において最も正確な生体リズムの指標です。測定は入院で行い、1回の測定時間は24時間で、1〜1.5時間ごとに留置針から採血をします。ただし被験者への侵襲と、測定費用が高額となることが難点です。
4.睡眠障害検査関連調査票
検査器具を用いない簡便な睡眠の評価法として、睡眠障害検査関連調査票があります。都神研式生活習慣調査は、日常の睡眠習慣(就床・起床時刻、睡眠時間、睡眠環境など)を把握するために用いられます。睡眠日誌は、就床時刻、中途覚醒時刻、起床時刻、昼寝時刻など、毎日患者さん自身で記録していただくことで、長期間の睡眠・覚醒リズムを把握するために簡便な方法です。
5.その他
HLA検査は、主にナルコレプシーの診断に利用されます。
睡眠ポリグラフ検査とはどのようなものですか? つらいものでしょうか?
睡眠ボリグラフ検査は、眠りの質を調べる検査です。顔や頭に電極を哀思しますが、検査上、特に痛みを感じることはありません。
睡眠ポリグラフ検査は、睡眠時の脳波や眼球運動、筋電図、心拍、呼吸などを記録することで、眠りの質(寝つくまでにかかる時間、全睡眠時間、中途覚醒の回数、深い睡眠の出現量、レム睡眠のリズムなど)を調べる検査です。また睡眠中の呼吸状態、血中の酸素飽和度(SaO2)下肢の動きなどを同時に記録することができますので、睡眠障害の診断や重症度の判定に有川な検査法です。
睡眠ポリグラフ検査の実施は、担当医が、外来診察で得た問診や睡眠日誌などの情報では不十分な場合に、疑わしい睡眠障害の鑑別、診断の確定、重症度判定、薬物療法後の治療効果判定を目的に必要と判断したものに行われます。
検査の前日は、通常どおり十分な睡眠をとり、当日は、夜間睡眠に影響を与える、過度の運動、飲酒、喫煙、睡眠薬の服用などは控えていただきます。
検を開始時刻は、事前に生活習慣調査で通常の睡眠習慣をお聞きし、その時間を参考に測定時間を決めます。
検査は、室温および照度調節のできる防音設備の整った検査室もしくは病棟で行うのが一般的です。特殊な場合、携帯型の装置を用いることで、自宅で行うこともあります。

睡眠ポリグラフ検査における各電極およびセンサーの位置

睡眠ポリグラフ検査における各電極およびセンサーの位置


一般的に装着する電極(基準電極)は、図のとおり、頭に2〜4ケ所(脳波)、耳の後ろに2ケ所、両眼の外側に各1ケ所(眼球運動)、下顎(かがく)に2ケ所(筋電図)、前額に1〜2ケ所、また胸部に2ケ所(心電図)装着します。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、呼吸の状態を調べるために、鼻孔に温度を測るサーミスターという小さな装置をつけ、また、胸部と腹部にバンドを巻いて、胸郭や腹部の動きを記録します。その他いびきセンサーを喉に装着したり、体位センサーを腰のベルトに装着することもあります。また睡眠に関連して下肢が自然に動いてしまうむずむず脚症候群では、下肢の前脛骨筋に2ケ所定極を装着します。レム睡眠行動障害や夜驚症では、睡眠中の患者さ
んの動きをモニターするため、同時にビデオに記録する場合もあります。
電極はすべて少量のペーストをつけた後、医療用のテープで固定しますので、検査上、特に痛みを感じることはありません。しかし、通常の睡眠とは異なった寝室環境の変化、検査という心理的ストレス、顔や頭に装着した電極やテープの違和感などから、初めてのポリグラフ検査の結果は、いつもの睡眠の内容とは異なってしまいます。これをファーストナイトエフェクト(First night effect)といいますが、これを除外するために検査回数は、基本的に2晩以上とります。一度検査を経験してしまうと、慣れが起こりますので、2回目以後の負担は少ないと思います。
睡眠ポリグラフ検査は、時間と若干の費用(1日2〜10万円程度)を要する検査ですが、主観的評価に偏りがちな睡眠および睡眠時随伴症の評価を客観的に評価できる検査ですので、必要なときは、怖がらずに受けてみるようにして下さい。

日中の眠気の検査とはどのようなものがありますか?

日中の眠気の検査には主観的な眠気の測定と、客観的な眠気の測定があります。同時に行うことで正確な眠気の評価を行います。
眠気には、「主観的な眠気」と「客観的な眠気」とがあります。これらは、しばしば解離することが知られるため、主観的な眠気の測定以外に、客観的な眠気の測定を同時に行う方が望ましいです。

主観的および客観的眠気の変化

主観的および客観的眠気の変化


1.主観的眠気の検査法
1)SSS(Stanford Sleepiness Scale)
自記式質問紙で、質問時点での眠気について測定するもので、7つのカテゴリーから最も合うものを選んで答えるように作られています↓
現在のあなたの状態について最もあてはまるものを1つ選んでください。
①いきいきしている。機敏で神経が張りつめている。
②最高のコンディションではないが、仕事は能率よくでき集中できる。
③ゆっくりとくつろいだ状態である。張りつめてはいない。
④少しぼんやりとして調子もあまりよくない。
⑤少し頭がぽ?っとして重い。あまり起きていたくない。動作も鈍い。
⑥横になりたい気分で睡魔と戦っている。
⑦半分夢うつつで眠ってしまうのも時間の問題。起きていようとは思わない。
2)ESS(Epworth Sleepiness Scale : エプワース眠気尺度)
日中の過眠を呈するナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などの疾患を臨床場面で簡便に測定するために開発されたスケールです。
3)VAS(visua1Analogue Scale)
10cmの直線上で、左端を「まったくねむくない」、右端を「大変ねむい」とし、感覚的に測定時の眠気を答えさせるものです。
2.客観的眠気の検査法
MSLT(Multiple Sleep Latency Test)は、現在最も広く用いられている客観的眠気の検査法です。測定前日は日中の眠気に影響を与える前夜の睡眠内容評価のため、睡眠ポリグラフ検査を施行します。
測定当日は飲酒、喫煙、過度の運動、昼寝は禁止されます。
検査は、朝から2時間ごとに1日計4回以上、脳波、眼球運動、下顎(かがく)筋屯図、心電図を記録して、眠るまでの時間を測定し眠気の評価をします。検査は静かで暗く室温調節できる検査室で行い、被験者にはできるだけ入眠しやすい姿勢をとらせ、担当医からリラックスして横になり眠るように努力するように指示されます。そして測定開始後、脳波を測定し、寝つくまでの時間を記録します。検査は脳波により入眠が確認された時点で終了とし、覚醒させます。もし入眠しない場合は、開始後20分たった時点で終了とします。眠気の評価は、寝つくまでの時間で行い、長いほど眠気が弱く、短いほど眠気が強いと判断します。1回の入眠に要した平均時間が10分以上だと正常、5分以下だと病的な日中の眠気として診断されます。 MSLTは睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーなどの過眠性疾患の日中の過度の眠気の診断に有用で、ナルコレプシーの場合、入眠してすぐにレム睡眠になる、睡眠開始時レム睡眠期(Sleep onset REM Period ; SOREMP)の出現を確認できます。時間を要する検査法ですが、正確な眠気の評価のためには必要な検査です。
睡眠専門医を受診する前に自己診断をしたいのですが。
睡眠の病気はきわめて多くの種類がありますので、詳しい自己診断はてきませんが、おおざっぱな見当をつけることはできます。
どんな病気でも自己診断はむずかしいものです。ひとくちに睡眠障害といっても、まず思い浮かべる不眠型の睡眠障害だけでなく、過眠症もあれば、睡眠・覚醒リズムの障害から不眠症のようにみえるもの、睡眠中に起こる無呼吸や脚のむずむずで睡眠が途りれるものなど、きわめて多種類のものがあります。したがって、どの睡眠障害であるかという、病名を「診断」をすることまでは専門医でない限りできないと思われます。質問紙もありますが専門医向けのものだけです。ここでは、どのタイプの睡眠障害か、ごくおおざっぱに見当をつけるためのフローチャートをお示ししておきます(図)。
睡眠障害の診断のめやす

睡眠障害の診断のめやす


睡眠に関する主要な訴えである,不眠,過眠,睡眠中の行動異常から診断までの道筋を示してあります.これだけですべてか診断できるわけではありませんが.めやすにはなるでしょう.睡眠時無呼吸症候群や睡眠相後退症候群は、不眠にも過眠にもなり得ます.
これを見て、どこかに当てはまりそうな方は医療機関にご相談下さい。
睡眠障害のなかで最も多い不眠型の睡眠障害では、その不眠度(不眠の強さ)をみる一般向けのチャートがありますのでご紹介しておきます。
不眠度チェック表

不眠度チェック表


不眠度チェック表

不眠度チェック表


これはあくまでも不眠の強さをみるだけのものですから、その点を忘れないで下さい。不眠の強さと、病気であるかないかは、必ずしも関係はないことに注意が必要です。

うつ病と睡眠障害

私は寝つきが悪く、しかも夜中に何回も目が覚めます。神経質なタイプで、定期的にうつ状態になります。心配やゆううつが睡眠障害の原因になりますか?
不安や心配は不眠の大きな原因となります。神経質な性格の人では不眠にこたわりすぎるために逆に不眠をこじらしてしまうことがありますので注意が必要です。
不安や心配があると入眠障害や中途覚醒などの不眠症状を生じるのは誰しもよく経験することです。このような場合、不安や心配の原因となっているストレスの処理に努めるとともに生活習慣を改善するなどの方法をとれば、多くの不眠は一過性のものとして解消されます。ところが、神経質な性格の人の場合は、不眠に対するこだわりが強
すぎるために、元々のストレスが解泊されても、今度は不眠自体がストレスとなって眠れなくなる不眠恐怖の状態に陥ってしまうことがよくあります。あなたの場合、うつ状態でないときにも入眠障害や中途覚醒などの不眠があるとすれば、1つには神経質な性格が災いしてこうした不眠が長期に続いている可能性が考えられます。いわゆる精神生理性不眠症の病態にあると考えてもよいかもしれません。すなわち、眠れないのではないかという心配が毎晩続いて、慢性不眠となっている状態です。
定期的にうつ状態になるとのことですが、うつ状態になる原因として何か明らかなものはあるのでしょうか? また、うつ状態のときに入眠障害や中途覚醒以外に早朝覚醒などの症状はないでしょうか? もしも、明確な原因もないのに定期的にうつ状態となるのであれば、うつ病の周期を繰り返しているものと考えられますが、この場合、うつ状態のときに早朝覚醒が出現するなど、不眠症状が悪化しているものと思われます。
うつ病では約90%の患者さんに睡眠障害がみられます。睡眠障害を訴えて医療機関を訪れる患者さんのなかでも、うつ病が原因であることが最も多いといわれています‰したがって、不眠を訴える患者さんでは常にうつ病の可能性を考えておく必要があるといっても過言ではありません。うつ病でみられる不眠としては、入眠障害が最も頻度が高いのですが、中途覚醒がみられることも少なくありません。早朝覚醒がうつ病に特徴的であると考えられていますが、これはうつ病以外の疾患で早朝覚醒を起こすことはまれだからです。
長い間うつ病を患っでいる30歳の女性です。うつは冬に特にひどくなり、夏は軽快します。冬にひどい睡眠障害がありますが、どうしたらよいでしょう?
季節性感情障害は、秋から冬にかけてうつ状態となります。抗うつ薬は効果が乏しく、光療法が有効ですので、精神科の専門医を早く受診してください。
季節性感情障害(冬期うつ病)と呼ばれる病気がありますが、あなたの場合はこの病気であると考えられます。季節性感情障害とは、多くは秋から冬にかけてうつ状態を示し、春から夏にかけては寛解または軽躁状態となるうつ病の一群のことです。発病年齢は20歳代前半でに男女比は1:4で、圧倒的に女性に多いといわれています。日照時間が短くなる高緯度地域ほど発症率が高いと報西されています。症状としては、抑うつ症状として、不安、焦燥感、抑うつ感などの感情障害と意欲低下などの行動抑制がみられますが、程度としては比較的軽度のことが多いようです。この他に、うつ病にみられる症状とは異なる、過眠、過食、炭水化物飢餓などがみられます。炭水化物飢餓とは、スナック類などの炭水化物を過剰に摂取してしまうことで、多くは体重増加を伴います。睡眠障害としては、不眠よりも日中の過眠が特徴的です。まれではありますが、夏にうつ状態となって、冬に寛解あるいは軽蹄状態となる夏型の季節性感情障害もあるようです。夏型の場合は不眠が特徴です。
治療としては、抗うつ薬は効果が少ないとされ、高照度光を用いた光療法が行われます。これは光治療器を使って2,500〜3,000ルクス(晴れた日の窓辺程度)の光を基本的には朝に2時間くらい浴びる治療法です。
目(網膜)から入った光が中枢神経に伝えられることで効果が発現すると考えられています。光療法は、わが国で行われた多施設共同研究の結果では、60例中36例(60%)で有効であったと判定されていますが、これは欧米各国からの報告とほぼ同等の成績のようですへ近年、10,000ルクスなど高い照度を用いて照射時間を短縮しようとする試みや、バイザー(図1)を使って行動を制限することなく光療法を行おうとする試みなどがあります。

季節性感情障害

季節性感情障害


季節性感情障害では抗うつ薬など薬物療法は効果を示さない場合が多いので、できるだけ早めに精神科の専門医を受診して、診断を確定したうえで、光療法の導入を検討してもらってください。
図2に渡漫と高橋の報告した季節性感情障害の症例の臨床経過を示しました。この症例は、18歳で発病し、以後ほぼ毎年冬季にうつ病相を認めていました。 22歳のときは、冬季を熱帯地方で過ごしたために、うつ病の発症を免れています。 28歳の秋に精神科を受診し、翌年1月から光療法を施行されて、うつ病は軽快し、以後は再発もみられていません。

躁鬱(そううつ)病

躁うつ病でいろいろな薬を飲んでいます。日中始終居眠りしていますが、薬のせいで睡眠障害が起こることがありますか?
躁うつ病の治療には、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定案が使用されます。これらの薬物は、いずれも日中の眠気なとの副作用があり、睡眠にも影圓します。
躁うつ病では、躁状態の治療に抗精神病薬が、うつ状態の治療に抗うつ薬が使われますが、気分安定薬が併用されることが一般的です。さらに、躁状態でもうつ状態でも不眠を合併することが多いために、睡眠薬の併用も少なくありません。また、不安・焦燥が強い場合には、抗不安薬も用いられますし、抗精神病薬の副作用であるパーキンソン症状などの治療や予防のために抗コリン薬が使われることもあります。このように躁うつ病ではたくさんの薬が使用されることがありますが、いずれの薬物も日中の眠気などの副作用をもっており、睡眠にも影響を及ぼします。
1.抗精神病薬
抗精神病薬は、躁状態の程度によって使い分けされますが、なかでもゾテピンや塩酸スルトプリドが抗踊作用を有する薬としてよく使われます。いずれの抗精神病薬でも眠気を生じますが、鎮静作用の強いフェノチアジン系(塩酸クロルプロマジンなど)のものが強い眠気を引き起こします。抗精神病薬による眠気は主にヒスタミン受容体の阻害作用から起こると考えられています。抗精神病薬によって起こるパーキンソン症状などの副作用の治療や予防のために使われる抗コリン薬は、大量に使用すると意識障害を引き起こすので注意が必要です。
2.抗うつ薬
抗うつ薬も眠気を引き起こすものが多いため、鎮静作用の強いものを用いる場合には、就寝前の服用がすすめられます。近年開発された選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、従来の三環系抗うつ薬などと比較すると、眠気を含めて非常に副作用が少ないことが報告されています。
3.気分安定薬
気分安定薬としては、炭酸リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウムなどが使われますが、いずれも抗躁作用と躁うつ病の予防作用をもっています。炭酸リチウムの副作用としては、吐き気などの胃腸症状、手指振戦(ふるえ)の他に眠気がよくみられます。カルバマゼピンやバルプロ酸ナトリウムでも眠気がみられることがあります。
4.睡眠薬
睡眠薬は、最近はベンゾジアゼピン系薬物あるいは非ベンゾジアゼピン系薬物が使われることがほとんどですが、これらの睡眠薬は作用時間によって、超短時間作用型、短時間作用型、中間型、長時間作用型の4つのタイプに分けられます。超短時間作用型や短時間作用型の睡眠薬を使用している場合には、早朝覚醒がみられることがありま
すし、急に服用を中止すると、以前よりも強い不眠となってしまう反跳性不眠を生じることがあります。中間型や長時間作用型の睡眠薬では、翌日まで眠気が残ってしまう持ち越し効果が出やすいことが知られています。抗不安薬もベンゾジアゼピン系薬物が使用されることが多いので、副作用として眠気はよくみられます。
20歳の女性。夜中に目を覚まして食べたり飲んだりします。これは異常でしょうか?
睡眠の障害というより、過食タイプの摂食障害と思われます。性格の問題と考えずに一種の病気として、精神科や心療内科で治療を受けて下さい。
若い年代の女性で、夜中に目が覚めたとき、かなりの量を食べたり飲んだりする方は増えているようです。食べるものはスナック菓子であったり、甘いペットボトル飲料であったりするなど、かなりその内容に偏りがあるようです。このような方たちは、空腹感で食べるというより、食べるという行為そのものが目的であるかのようにすら見えます。
おそらくこの方も睡眠の問題が根本なのではなく、摂食障害があるのだろうと思われます。摂食障害には過食の方、拒食の方、その混合しているタイプの方など様々ですが、過食がみられる方では、しばしば家族が寝静まった時間に、堰を切ったようにこのような行動に走ってしまうようです。これは一種の病気ですから、異常とはいっても性格の問題と考えて罪悪感をもつ必要はありません。ぜひ、精神科や心療内科で治療を受けられて下さい。治療はカウンセリングと薬物療法(選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)など)を組み合わせながら行うことがふつうです。ただし、短期間で終了することは少ないので、地道に治療を続けることが必要です。
また、かなりの方が境界性人格障害という別の精神医学的問題も抱えていたり、まれに睡眠相後退症候群という睡眠・覚醒リズムの障害を合併していることもありますので、やはり専門医の判断をあおいで下さい。

心不全と不眠

私の父は狭心症と心不全を患っていて、夜はよく眠れません。心臓の病気が原因でしょうか?
心不全では、肺の血液の流れが悪くなることかあり、呼吸状態が悪くなることがあります。睡眠時には体を横にすることにより重力の影皿がなくなるためにさらに症状が悪化することがあり、睡眠状態が悪くなることかあります。
心不全とは、心臓の働きが弱まり、全身の血液の流れが悪くなった状態をいいます。その結果、静脈系で血液のうっ滞が起こり、様々な症状がでることがあります。具体的には、不足のむくみや「肺に水がたまる」状態が起こったりします。この「肺に水がたまる」症状は、夜間睡眠時には、重力の影響がなくなるためにさらに悪化し、夜間の咳、呼吸困難などが引き起こされ、睡眠がうまくとれないことがあります。そのような場合には、頭の位置を低くせず、上半身を少し起こすような位置で就寝すると症状が緩和されることがあります。
もし夜間に睡眠がうまくとれないような場合には、必ず主治医の先生に相談し、指導・治療を受けてください。
心臓発作や脳卒中は、早朝眠っているときに起こりやすく、死亡したりするそうですが、本当でしょうか? またその理由は?
心筋梗塞や脳卒中の発生は、起床直後の午雨中に一重多くみられますが、その原因として、入閣の体内に存在する概日リズムが関係していると考えられています。
心筋梗塞、突然死や脳卒中の発生は、24時間均等に分布しているわけではなく、ある時間帯に発生件数がかたよっています。その時間帯とは、朝の起床直後からの数時間です。
理由としては、ヒトの体内に存在するリズムが関係していると考えられています。ヒトの体内には様々なリズムが存在していますが、そのなかでも周期が約25時間のリズムを概日リズムと呼びます。循環器系の概日リズムとしては、モーニングサージがありまず)。健康な人でも夜間に血圧や心拍数は低下し、起床直後から上昇に転じるといっ
たリズムがありますが、モーニングサージとは起床してから1時間から1時間30分くらいの間に急激に血圧が上昇する現象をいいます。睡眠から覚醒へ移行する時間帯でもあり、交感神経が活性する影響も加わり、血圧が急上昇し、動脈への負担が一気に増します。そのため心筋梗塞や脳卒中発生の引き金になっていると考えられています。高血圧の人の約半数に認められます。
その他には、その時間帯に血小板の影響で血液が固まりやすくなっていることがわかっており、このことも影響していると考えられています。
胃液の逆流があり夜中に何度も目覚めるため、眠りが妨げられます。どうしたらよいでしょう?
過食、喫煙、脂肪の多い食事、コーヒー、アルコールなどを避け、睡眠の際には、上半身を少し起こした状態で就寝することにより胃液の逆流が予防できることもあります。
胃液の逆流によって起こる病気として、逆流性食道炎があります。逆流性食道炎の症状は、口のなかに酸っぱさや苫みを感じ、胸やけや胸痛を伴います。 60歳代以上に多くみられ、外来患者さんの約10%にも及びます。逆流性食道炎の原因は、下部食道括約筋(食道と胃の間、少し食道側にある筋肉でこの筋肉が閉まることにより胃液の逆流を防いでいます)の機能異常により、睡眠時に胃酸が食道の粘膜まで逆流し、長時間接触して炎症を起こすためだと考えられています。
治療方法としては、薬物治療と生活習慣の改善などによる非薬物治療があります。生活習慣の改善としては、まず、過食を避けることと、食事の際に大量の水分を一緒に摂取しないことがあげられます。また、喫煙、脂肪の多い食事、コーヒー、アルコールなども逆流性食道炎にとっては好ましくない場合がありますので、避けた方がよいでしょう。
就寝時の注意点としては、上半身を少し起こした状態で就寝することにより、胃液の逆流が緩和されることもありますので、試してみてはいかがでしょうか。
ただし、逆流性食道炎の合併症として、食道の粘膜が変化してしまうパレット食道というものがあり、この場合には、食道がんの一種で腺がんを合併することがあります。そのため、厳重な経過観察が必要となりますので、きちんと医療機関を受診された方がよいでしょう。

甲状腺と不眠

昼間いつもひどく眠く、夜間は頻繁に目が覚めます。血液検査の結果、甲状腺の機能が低下していると診断されました。過度の眠気は甲状腺の異常からきているのでしょうか?もしそうであれば、治療は可能でしょうか?
甲状腺機能低下症では、疲れやすいという症状が出ることがあり、眠気と感じる方もいらっしやいます。その場合には、甲状腺ホルモンの補充療法により池原可能です。
甲状腺機能低下症とは、血液中の甲状腺ホルモンの量が正常より少なくなった状態のことをいいます。これは、女性に多くみられる症状で、65歳以上の10人に1人は、初期の甲状腺機能低下症があるといわれています。
甲状腺機能低下症の症状としては、寒ささに弱い、疲れやすい、無気力、思考力・記憶力の低下、皮膚のかさつき、便秘、筋肉のこわばり、食欲不振、体重増加、毛髪がぬけやすい、などの全身の症状があります。しかし、ごく軽い場合はまったく異常を感じません。
このなかでも疲れやすい、無気力といった症状では、昼間の眠気と感じる方もいらっしゃいます。また、これらの症状がうつ病と似ているため、うつ病に間違われる場合もあるようですが、血液検査をすることで診断することが可能です。検売の結果、甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンの低下がみられます。
甲状腺機能低下症の患者さんの睡眠は、健康な人と比べても睡眠時間には変化がみられません。しかし、徐波睡眠(深い眠り)が減る一方、ノンレム睡眠の段階2が増えるという報告があります。そのため、睡眠の質が悪く、昼間に眠気を感じていることも考えられます。
甲状腺機能低下症の場合には、甲状腺ホルモンの補充療法が可能ですので、主治医の指導をよく守りながら服薬しましょう。
いつもひどい疲労感があります。また体中が痛み、触ると痛い箇所がいくつかあり、不眠に悩んでいます,慢性疲労症候群や線維筋痛症という病気があるそうですが、こうした病気でしょうか? 睡眠障害症状が起こりますか?
慢性疲労症候群、線維筋痛症などのような疾患でも睡眠障害が起こることがあります。
慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome ; CFS)は、6ケ月以上にわたる強い疲労を特徴とする疾患で、微熱、咽頭痛、頚部あるいは秋高リンパ節の腫脹、原因不明の筋力低下、筋肉痛ないし不快感、労作後に長時間続く全身倦怠感、頭痛、腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛、思考力低下・集中力低下などの精神神経症状などの症状を呈しますが、そのなかに睡限界常(過眠・不眠)も含まれます↓
表.慢性疲労症候群の診断基準(厚生省診断基準試案、1995)
A.大クライテリア
1.生活が著し<損なわれるような強い疲労を主症状とし少なくとも6ケ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
この強い疲労とは、疲労が短期間の休養で回復せず、月に数日は疲労のため休まねばならなかったり、家事ができず、しばしば臥床せねばならない程度のものである。
この疲労の程度については別表1「P.S(PERFORMANCE STATUS)による疲労・倦の程度」の段階3以上のものとする。
2.病歴、身体的所見、検査所見で別表2にあげられている疾患を除外する。
但し、精神疾患については別表2以外の心身症、神経症、反応性うつ病などはCFS発症に先行して発症した症例を除外するが、同時または後に発現した例は除外しない。
特にうつ病に関しては、両極性うつ病は直ちに除外するが、単極性のものは精神病性が明らかになった時点で除外することとし、それまでの診断不確定の間は反応性うつ病と同じあつかいとする。
B.小クライテリア
1.以下の症状が六ケ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること。
(1)微熱(旅寓温37.2〜38.3度)ないし悪寒
(2)咽頭痛
(3)頚部あるいは腋窩リンパ節(えきかりんぱせつ)の腫脹
(4)原因不明の筋力低下
(5)筋肉痛ないし不快感
(6)軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
(7)頭痛
(8)腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
(9)精神神経症状(いずれか—つ)
羞明・一過性暗点・健忘・興奮・昏迷・思考力低下・集中力低下・うつ状態
(10)睡眠異常(過眠・不眠)
(11)発症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現
2,身体所見クライテリア(少なくとも一月以上の間隔をおいて2回以上)
(1)微熱
(2)非溶出性咽頭炎(頚部、旅寓リンバ節)
(3)リンパ節の腫大
1:A2項目+BIを6項目以上+B2を2項目以上
2:A2項目以上+BIを8項目以上
のいずれかを満たすと「CFS」と診断する.
A2項目を偏えるが.B項で診断条件を満たさない例は「CFS疑診例」とする.
●別表1 P.S(Performance Status)による疲労・倦怠の程度
0:倦怠感がなく平常の生活ができ、制限を受けることなく行動できる。
1:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労感を感ずるときがしばしばある。
2:通常の社会生活はでき、労働も可能であるが、全身倦怠の為、しばしば休息が必要である。
3:全身倦怠の為、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。
4:全身倦怠の為、週に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。
5:通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。
6:調子の良い日には軽作業は可能であるが週のうち50%以上は自宅にて休息している。
7:身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、通常の社会生活や軽労働は不可能である。
8:身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。
9:身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。
●別表2
1:悪性腫瘍
2:自己免疫疾患
3:限局性感染症(潜在膿瘍など)
4:急性・慢性細菌性感染症(心内膜炎・ライム病・結核など)
5:真菌性感染症(ヒストプラズマ症・分芽菌症・コクシジオイデス症など)
6:寄生虫感染症
7: HIV感染症
8:精神神経疾患(分裂病・躁うつ病・脳損傷・変性などの器質的脳病変による精神疾患)
9:慢性炎症性疾患(サルコイドーシス・ウェゲナー肉芽腫症・慢性肝炎など〉
10 :神経筋疾患(多発性硬化症・m症筋無力症など)
11 :内分泌疾患(甲状腺機能低下症・アジソン病・クッシング症候群など)
12 :薬物依存(アルコール・モルヒネ・コカインなど)
13 :中毒(溶剤・殺虫剤・m金属など〉
14 :その他の慢性疾患(呼吸器・心臓・消化器・肝臓・腎臓・血液疾患)
原因は未だ不明
ですが、ある種のウィルスの罹患後に発生する場合が推察されることから感染によって何らかの免疫系の異常が発生している可能性がならされています。また、発症後の患者さんでは、自律神経系の異常や、脳内の血流の低下などが報告されています。
慢性疲労症候群と比較的似ている疾患として、線維筋痛症(Fibromyalgia ; FM)があります。慢性疲労症候群と線維筋痛症の合併も比較的多いとされています。

線維筋痛症の18個の代表的な圧痛点

線維筋痛症の18個の代表的な圧痛点


線維筋痛症の特徴は、全身に広がる痛みで、体の両側、上下、中心線に同時に痛みが存在し、図に示すような18の圧痛点(触ると痛みが増すところ)のうち、11個以上認められた場合に線維筋痛症と診断されます。痛みによる不眠のため、目覚めたときの爽快感はありません。線維筋痛症の原因も不明ですが、免疫系の異常や中枢神経系の異常などが推察されています。有病率は不明ですが、成人早期に発症することが多く、8:1で女性に多いとされています。
どちらの疾患も日本ではまだ認知度が低いようですが、睡眠の異常を伴うこともあり、心当たりがある場合は専門医への受診が必要です。
現在までのところ治療法も確立されたものは存在しませんが、慢性疲労症候群では認知行動療法のような心理療法の効果が報告されていますし、線維筋痛症では、塩酸アミトリプチリンのような抗うつ薬などの効果)も報告されています。

肺気腫と睡眠障害

肺気腫と気管支炎を患っています。
最近はよく眠れない日が続いていますが、肺の病気が原因でしょうか?
肺気腫や気管支炎では、夜間の咳や痰により、睡眠が妨げられることがあります。
肺気腫や気管支炎(細気管支炎)は、呼吸器疾患のなかでも慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれ、慢性の咳や痰が認められます。 COPDの原因の95%が喫煙とされています。60歳以上の人に発病することが多く、そのほとんどが過去に喫煙歴があったといわれています。また、ヒトでの発病の報告はありませんが大気汚染の影響も考えられています。
COPDでは、夜間の咳や痰へ覚醒時の不安感、早朝の頭痛により睡眠が妨げられる場合があります。またさらに咳や痰の症状が進行した場合には、低酸素血症になる可能性もあり、酸素療法が必要となります。
また、うつ病を併発することもあり、うつ病による不眠症状がみられることがあります。
COPDによる睡眠障害の治療では、睡眠薬の筋弛緩作用による肺機能の低下を考え、睡眠障害の治療よりもCOPDの治療が主となります。
COPDの治療法としては、気管支の拡張剤や感染防止薬、抗炎症薬などがあり、症状によってこれらの薬剤が組み合わされます。しかしCOPDの治療薬には覚醒作用のある薬もあるので、医師や薬剤師にご相談ください。
アレルギーで気管支喘息です。よく眠れないのはこの病気のためでしょうか?
気管支喘息では、発作が夜間や早朝に起こることが多いので、睡眠が妨げられることがしばしば見受けられます。
睡眠時に起こる気管支喘息の発作を、睡眠関連喘息と呼びます。気管支喘息では、咳、息苦しさ、喘鳴、呼吸困難、恪勤時の息切れなどの症状の発作が起こります。一般に喘息発作は睡眠時に悪化し、多くの患者さんが夜間の喘息発作を訴えます。また、これらの喘息発作の症状は寝入りばなの1時間や徐波睡眠(深い眠り)ではほとんどありませんが、夜間から早朝にかけて出現することが多いという特徴があります。健康な人でも早朝には気管支の抵抗が増すのですが、この傾向は喘息の患者さんに著しいようです。喘息の患者さんは夜間に20〜50%も空気の流通が減ります。それゆえ喘息の重症度と睡眠関連喘息の発作との間にかなりの相関がみられます。
以上の症状により、中途覚醒や早朝覚醒など睡眠が妨げられます。また夜間の睡眠障害による日中の眠気がみられます。
喘息発作による睡眠障害の治療は、その発作を抑えることで睡眠障害を改善することができます。気管支喘息の重症例では、死に至ることもまれではありませんので、日ごろから主治医の指示どおり、きちんと服薬や吸入薬の使用を行うことが大切です。

ポリオと睡眠障害

子どものときポリオにかかりましたが、麻痺はかなり回復しました。 60歳になってまた、以前麻痺した方の足の力が衰えてきて、他の手足もやや萎えてきている感じです。体中の痛みと睡眠障害も起こってきました。ポリオ後週障害症候群でしょうか?
ポリオの急性症状を回復後に数十年を経て、筋・関節痛、筋力低下・筋萎縮、睡眠障害を発症したものをポリオ後遺障害症候群といいます。
ポリオに罹患した患者さんが、急性症状の回復から数十年を経て、倦怠感、寒さに弱い、日中の眠気、筋や関節痛、進行性の脱力(筋力低下)・筋萎縮、呼吸困難および睡眠障害・睡眠時呼吸障害がみられるものをポリオ後遺障害症候群といいます。原因についてはまだわかっていません。質問の内容からポリオ後遺障害症候群の可能性が考えられ
ます。
ポリオ後遺症害症候群と睡眠障害の関係については、Cosgroveら,)は、ポリオ後遺障害症候群の31%に睡眠障害の訴えがあるといい、Kralingenらは、本症候群の患者さんの50%に日中の眠気、倦怠感、起床時の頭痛、むずむず脚の訴えがあると報告しています。
ポリオ後遺障害症候群では、睡眠時呼吸障害の合併がみられ、延髄に存在する呼吸中枢の神経細胞の障害が発症に関与するといわれています。
さらに側弯(そくわん=筋の萎縮により背骨が曲がること)や胸郭(胸骨、肋骨、胸椎と、これらに付着した筋肉、筋膜)の変形、体幹筋や補助呼吸筋(頚部の筋肉、肋間筋など)の筋力低下は呼吸機能の制限をもたらし、これらの呼吸障害が悪化する原因になると考えられます。Hsuらは、ポリオ優遊障害症候群と睡眠時呼吸障害について検討し、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)、肺胞低換気(H)、OSAHSとHの混合型の3型があることを示し、OSAHSでは日中の眠気と睡眠時無呼吸を、肺胞低換気では夜間の中途覚醒、不眠、起床時の頭痛を訴える傾向にあるといわれています。肺胞低換気を示す例では肺性心、低酸素血症、高炭酸ガス血症を合併します。 OSAHSでは経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal CPAP療法)が、肺胞低換気型や混合型では陽圧式人工呼吸法により治療が行われます。
筋萎縮性側索硬化症にかかっている友だちがいます。睡眠があまりとれなくなり、呼吸困難も進んできました。睡眠専門医に診でもらえばよい治療法があるのでしょうか?
筋萎縮性懸案硬化症の呼吸障害は、病初期は睡眠時呼吸障害がみられるため不眠を訴えます。睡眠時呼吸障害の治療には、経扁的持続阻圧呼吸療法が有効です。
筋萎縮性側索硬化症は上肢、下肢、発声、嘸下、呼吸にかかわる運動神経が病的に老化する病気で、次第に筋肉の萎縮や脱力が進行していきます。
横隔膜と補助呼吸筋(頚部の筋肉や肋間筋)から構成されている呼吸筋も運動神経の支配を受けています。この神経が障害されると呼吸筋が麻痺して呼吸不全となり死に至ります。呼吸筋の麻痺は病初期には睡眠中のみに、睡眠時呼吸障害として現れます。このため中途覚醒の増加などの不眠を訴えます。このような不眠の患者さんが睡眠薬を安易に服用しますとその呼吸抑制作用により夜間に肺の換気が不十分となり、動脈血のなかの炭酸ガスの分圧が高くなり呼吸不全を誘発してしまうケースもありますので注意が必要です。不眠の原因は睡眠時呼吸障害が原因となる場合が多いので、睡眠専門医あるいは神経内科専門医を受診された方がよいでしょう。
睡眠時呼吸障害は下の表の検査によって睡眠の質、睡眠時呼吸障害の重症度を評価します。
表.睡眠時呼吸障害の評価項目
・動脈血採血による動脈血中の酸素の分圧(PaO2)
炭酸ガスの分圧(PaCO2)
・呼吸機能(肺活量など)
・心電図
・胸部レントゲン写真
・パルスオキシメーター(血中の酸素濃度を測定する機械〉による夜間の呼吸モニタリング
・終夜睡眠ポリグラフ検査
睡眠時呼吸障害がみられる場合には、睡眠中のみに呼吸を維持するために鼻マスクにより空気を送り込む経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal CPAPまたはbilevel PAP療法)または陽圧式人工呼吸法(nasal IPPV)を導入します。これにより睡眠の状態の改善もはかられます。人工呼吸療法の導入の目安は動脈血中の酸素分圧(Pao2)が50Torr以下になると絶対適応となり(正常値は80〜100Torr)、動脈血中の炭酸ガス分圧(PaCO2)では50Torr台半ばまで増えると導入されます(正常値は30〜45Torr)。
またKleopa KAらは筋萎縮性翻案硬化症の患者さんにおいてbilevel PAPは生存率と肺機能の下降の速さを改善させるといい、①自分でできる最大の肺活量(努力性肺活量)が最大値の50%以下のとき、②呼吸困難が発症したとき、または③急速に努力性肺活量が低下したときに導入すると効果があると報告しています。
しかし、この疾患は進行性疾患であり、のちには日中も呼吸筋が衰え、人工呼吸療法を継続する場合には、気管切開を行ったのちに終日人工呼吸管理が必要になってきます。呼吸筋のみならず、四肢の他、発語も嚥下(えんげ)の機能も侵され、意識が保たれていても、眼を動かすことができること以外には運動ができなくなり、寝たきりとなってしまいます。呼吸管理を含め本疾患の治療方針については、患者さん本人とその家族、医療スタッフとも交えて相談のうえ、治療法が選択されるべきと思われます。

脳卒中と睡眠障害

脳卒中で睡眠障害や睡眠時無呼吸が起こることがあるとききましたが、本当ですか?
脳血管障害発症後の睡眠障害には、脳障害によるものの他に、後巡症による精神身体症状が関与すること、また睡眠時呼吸障害の合併がみられることがあります。
睡眠時呼吸障害(睡眠時無呼)が脳卒中の危険因子となることは注目されていますが、一方、脳卒中の後遺症として睡眠障害や睡眠時呼吸障害がみられることがあります。
1.脳血管障害(脳卒中)発症後の睡眠障害
不眠、過眠、睡眠時随伴症、睡眠・覚醒リズムの障害などがみられることがあります。原因を表1に示しました。
表1.脳卒中による睡眠障害の原因
1.脳卒中による脳障害によるもの(1次性)
2.脳卒中後遺症によるもの(2次性)
1)感情障害(うつ状態、心悸状態など)によるもの
2)身体症候(痛み、しびれなど)によるもの
3)軽い意識障害、痴呆によるせん妄
4)異常行動(レム睡眠行動障害)
5)睡眠時呼吸障害の合併
脳障害による(1次性)のものとしては睡眠中枢の直接の障害が考えられており、催眠系と覚醒系があります(表2)。
表.2脳の催眠系と覚醒系
1.催眠系
1〉前脳基底部
視床、視床下部、内側前脳束、視束前野、眼嵩回
2)縫線核群
脳幹部
3)孤束核を含む延髄網様体よりの上行性抑制系
2.覚醒系
1)視床下部後部
2)中脳脳幹網様体賦活系
これらの障害による睡眠障害の代表例として、両側の視床障害による、過眠がみられます。過眠が突然発症した場合は両側の視床症候群を考慮すべきです。また脳の橋にはレム睡眠の発現に関連している神経核があり、橋梗塞によってレム睡眠行動障害を発症することがあります。
長江ら日は脳血管障害発症後の不眠について598例を対象に調査を行ったところ、患者さんの20〜50%に何らかの不眠の訴えがありました。年齢と不眠との関連をみたとき、高齢になるほど不眠が強くなる傾向があり、加齢とともに中途覚醒が増加する傾向にありました。また、脳血管障害発症後の期間別にみたとき、発症後3ケ月以内において最も不眠(特に熟眠障害と中途覚醒)が強く、これをピークにそれ以降は、徐々に減少していく傾向にありました。不眠を病型別にみたものを表3に示します。
表3.不眠の病型別の訴え
中途覚醒  53.8%
早朝覚醒  44.3%
入眠障害  25.4%
睡眠時間の短縮 22.6%
熟眠障害  21、1%
目覚めの悪さ 13.4%
また、日常生活動作(ADL)の悪い患者さんほど不眠を訴える傾向にありました。
睡眠障害は、心身の疲労の蓄積、日中の眠気などにより、リハビリテーションを阻害するので、積極的な治療が必要となります。
脳卒中による睡||民障害の治療には、原因治療と対症療法(症状を抑えるための治療)があります。
1)原因治療
うつや意欲の低下などがあれば、抗うつ薬を服用します。身体症候(痛み・しびれなど)がみられる場合は、鎮痛薬(非ステロイド系消炎鎮痛薬)や抗けいれん薬(クロナゼパムなど)を服用します。
夜間せん妄(一過性の意識障害)による不眠については、原因(感染症、脱水、電解質異常など)を調べて解決するとともに、抗精神病薬(塩酸チアプリド、ハロペリドール)を服用します。
2)対症療法
a.薬物療法として、ベンゾジアゼピン系または非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を用います。不眠の病型、高齢者に多いこと、および持ち越し効果による転倒やケガの予防のため、超短時間作用型または短時間作用型の睡眠薬(Q85参照)を選ばれるとよいと思います。
b.非薬物療法として、睡眠習慣を見直すことが大切です。睡眠の時間帯を規則的にしましょう。また、早朝覚醒してしまう人は就寝時刻が早すぎることがありますので、就寝時刻を睡眠周期に合わせて、約90分遅らせて眠る方法もあります。また朝の日光浴、3度の食事を規則正しくとること、午後は軽く体操やリハビリテーションを行ったり、社会活動に積極的に参加し、人との交流を多くすることにより体内時計の機能を強化させ、1日の活動のリズムにメリハリをつけることができます。
2.脳血管障害(脳卒中)発症後の睡眠時無呼吸
私たちは脳梗塞患者さん(93例)における睡眠時無呼吸症候群の合併について、終夜睡眠ポリグラフ検査を行いました。その結果、約55%に睡眠時無呼吸症候群の合併がみられ、そのうち約75%が中枢性睡眠時無呼吸症候群でした。脳の障害部位により夜間の呼吸異常が異なり、大脳皮質梗塞では約80%の患者さんに中枢性睡眠時無呼吸がみられ、脳幹小脳梗塞のなかでも延髄外側梗塞(ワレンベルグ症候群)では夜間睡眠中に群発呼吸、呼吸リズムの異常(不規則な呼吸、緩徐呼吸、頻呼吸など)がみられる傾向にありました。しかしいずれも、軽症な例がほとんどなので経過観察のみで治療の必要はないと思われます。
治療方針については、いまだ確立されたものはありません。また、長期間の病後の経過についてもまだ十分に解明されていないのが現状です。現時点で治療が必要とされる場合をあげますと以下のようになります。
①脳血管障害に閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)を伴う場合では脳血管障害の再発を招く可能性があります。睡眠障害や日中の眠気を伴ったり、心循環器系疾患(高血圧、虚血性心疾患など)を合併することがあります。重症例では経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal CPAP)による治療を積極的に行います6)。また、下顎が後退することによる舌根沈下が原因となるときは口腔内装具(マウスピース)が有効な場合があります。
②脳血管障害に、心不全を合併する例では、睡眠中などにチェーンストークス呼吸がみられることがあり、酸素療法、薬物療法(利尿薬、強心薬、血管拡張剤)、このほか病状に応じて経鼻的持続陽圧呼吸療法が行われます。
③脳幹部、特に延髄の呼吸中枢の障害である、中枢性肺胞低換気症候群(オンディーヌの呪い:睡眠中など無意識下では自ら呼吸ができなくなる病態)をきたす場合では、人工呼吸療法が必要となってきます。

糖尿病と睡眠障害

糖尿病で足に刺痛やしびれ感があります。糖尿病に関連した根治が困難な神経の病気と診断されました。この病気になってからよく眠れないのですが、よい治療法はありますか?
糖尿病性末梢神経障害では、血糖値のコントロールの他に、フットケアや疼痛・しびれに対し、塩酸メキシレチンなとの内服薬による治原が行われます。
糖尿病で足に刺痛やしびれ感がある場合、糖尿病の3大合併症である糖尿病性末梢神経障害(ニューロパチー)が考えられます。この障害は糖尿病患者さんの約30〜40%にみられます日。原因として、神経栄養血管の障害や糖代謝異常の関与が考えられています。特にポリオール代謝界常の関与が注目され、糖尿病による高血糖の状態が続きますと末梢神経に障害が起き、ポリオール代謝活性の完遂すなわちアルドース還元酵素活性の完遂がみられ、神経組織内に糖(ソルビトール、フルクトース)が過剰に蓄積してしまい、細胞内浸透圧が上昇して障害が起きると考えられています。このポリオール代謝活性完遂は、プロテインキナーゼC活性の異常や、非酵素的糖化反応による糖化最終産物の産生完遂酸化ストレス完遂の関与もあげられています。診断は、“糖尿病性神経障害を語る会(1998年)”が作成した簡易診断基準があります(表)。
必須項目として糖尿病があること、そして糖尿病以外の神経疾患が除外され、
①両足先や足底部のしびれや痛み、感覚低下、感覚異常(冷感やほてり感は除く)
②膝立位での両側アキレス腱反射の低下や消失
③両側内課部での振動覚が10秒未満(128Hzのアルミ音叉使用)以上の3項目のうち2項目以上満たしたとき、神経障害ありとします。
治療は、糖尿病の治療および神経障害に対する対症療法(症状を抑えるための治療)を行います。糖尿病の治療としては、食事・運動・経口血糖降下薬やインスリン療法による良好な血糖管理(理想:HbA1c7.0%以下を目標)を行います。神経障害に対する対症療法としては、末梢神経組織の代謝異常の改善、すなわち代謝経路阻害のため糖尿病性末梢神経障害治療薬(エパルレスタット)、細小血管病変による神経栄養血管の循環障害の改善(末梢血管拡張薬、末梢血涙改善薬)、ビタミンB,2製剤を内服します。末梢神経障害による、しびれ・痛みに対しては、非ステロイド性消炎鎮痛薬、抗てんかん薬(カルバマゼピン、クロナゼパム)、抗うつ薬(塩酸アミトリプチリン)などもよく使われますが、抗不整脈薬である塩酸メキシレチンは、神経細胞膜のナトリウムチャンネルを阻害することにより疼痛に対し有効であり、即効性があるので、まず最初に服用する薬として推奨されています2回。効果が不十分な場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、抗うつ薬が併用されます。有痛性糖尿病性神経障害の痛みは数ケ月から約1年で軽快することが多いといわれていますが、薬剤の有効性をみながら徐々に減らしていくか、または痛みがあるときだけ服用するようにします。
なお、足の感覚消失や感覚麻痺を伴う場合には、足のケガや潰瘍・壊疽(えそ)の発症予防のためフットケアが必要です。
パーキンソン病で薬を服用しでいます。最近は睡眠障害に悩んでいますが、これはパーキンソン病のせいでしょうか? それともパーキンソン病の薬のせいでしょうか?
バーキンソン病では睡眠障害を訴える恵皆さんが多く、原因および種類も多岐にわたり、それそれの病態に応じた治療を進めていきます。
パーキンソン病は1990年に発表された睡眠障害国際分類(ICSD)において、「内科/精神科的障害に伴う睡眠」のなかの「神経疾患に伴う睡眠障害」の項目にパーキンソン症候群として記載されています。パーキンソン病で睡眠障害がよくみられることは、パーキンソン病を発見したジェームス・パーキンソンの1817年の著書にすでに記載されています。 ICSDによりますと、パーキンソン病は全人口の0.1〜0.3%にみられ、パーキンソン病患者さんの60〜90%に睡眠の問題があるといわれています。
睡眠障害の訴えから分類したものを表に示しました。
表.睡眠障害の訴え
1.不眠(入眠障害、中途覚醒、熟眠障害、早朝覚醒)
2.昼間の眠気・睡眠発作
3.夜間の不随意運動、異常運動(睡眠中の振戦の持続、夜間の無効の増強による寝返り困難、早朝ジストニアなど)
4.夜間の異常行動(夜間の叫び・レム睡眠行動障害など)
早朝ジストニアとは早朝に抗バーキンソン病薬(L-ドーパ製剤)の効果が切れたときに生じる足の不随意運動(ねじれ)です.(立花直子:バーキンソン病での睡眠障害.脳21 4 : 360-364,2001より作成)
睡眠障害の原因としては、①パーキンソン症状によるもの(振戦〈ふるえ〉による睡眠の分断、筋の固縮、こわばり、痛み、寝返りが困鄭など)、②抗パーキンソン病薬など薬剤に由来するもの(睡眠の分断、悪夢、幻覚、不眠、日中の眠気)、③1次性睡眠障害(むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、睡眠時呼吸障害、レム睡眠行動障害の合併、④精神症状(うつ症状、痴呆など)、⑤夜間額尿、⑥下肢こむらがえり、⑦概日リズム障害すなわち、夜間せん妄(一過性の意識障害)や日没症候群(観日リズムが全体的に前進してしまうことにより早朝覚醒や夕方から夜間にかけての覚醒水準が低下する症状)などによるものがあります。治療ですが、①パーキンソン症状に由来する場合には、抗パーキンソン病薬を調整(増量または変更)します。なお日中の眠気については、不眠による影響や薬物による影響、うつ症状の合併の有無、1次性睡眠障害の合併の有無、パーキンソン病によるものなのか? などを見極めてそれぞれの病態に応じた治療方針を決めていく必要があります。
②抗パーキンソン硝薬による睡眠障害が考えられる場合は、薬の服用量や時間的関係との因果関係を検討し、パーキンソン病の症状が悪化しない程度に薬を減量します。また、薬物の副作用として、例えば、L-ドーパ製剤では鮮明な夢や悪夢を見ることがあり、抗コリン薬および塩酸アマンタジンでは幻覚(圭に幻視)が出現することがあり、薬物による影響が考えられる場合も、抗パーキンソン病薬を調整(減量または中止)します。しかし改善がみられない場合は、パーキンソン症状を悪化させない程度に抗精神病薬(塩酸チアプリド、ハロペリドール)を併用します。薬剤による幻覚・妄想などの精神症状に対し、最近では、パーキンソン症状を悪化させることの少ない非定型抗精神病薬も用いられています。③夜間の異常運動や行動異常として、むずむず脚症候群の合併がみられるときはL-ドーパ製剤、ドーパミン受容体刺激薬(メシル酸ペルゴリド、カベルゴリン、塩酸タリペキソールなど)やクロナゼパムなどを使用します。周期性四肢運動障害やレム睡眠行動障害にはクロナゼパムが有効です。④うつ症状が関与している場合は抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用します。⑤夜間頻尿についてはパーキンソン病による神経因性膀胱の可能性が考えられますので、泌尿器科での検査とともに、メシル酸ペルゴリドを就寝前に服用したり、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニンなどを服用します。⑦夜間せん妄や日没症候群のみられる例では、原因となる病態(感染症、脱水、電解質異常など)の排除、薬物誘発性のときはパーキンソン症状を悪化させない程度に、抗パーキンソン病薬を減量します。また、概日リズムを強化させ
るためにも日中は、日光浴をする機会を増やすとよいと思います。
睡眠時呼吸障害を合併する例もあり、特にパーキンソン症状以外に自律神経障害(起立性低血圧、排尿障害、発汗障害)や小脳性運動失調を伴う多系統萎縮症(パーキンソン病の類縁疾患)では、夜間に声帯運動障害(開大麻痺、ゲルハルト症候群)を合併することがあり、窒息などによる夜間突然死の原因になります。吸気性喘鳴様のいびきがみられ
る場合は、パーキンソン病よりも多系統萎縮症の可能性があります。覚醒時および睡眠時の声帯機能の検査を行い、声帯間大の手術や気管切開術などの処置が必要となってきます。
なお、パーキンソン病患者さんでは前夜の睡眠が十分にとれると起床時の動きがよくなることがあります。これを睡眠効果といい、よい眠りによりパーキンソン病の運動症状の改善とともに生活の質の向上もはかることができます。
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