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睡眠

睡眠は本当に必要か

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睡眠は本当に必要か

一見活動的で、眠っていないように見える動物でも、脳レベルでは睡
眠が行なわれている。哺乳類や鳥類などの高等動物にとって、睡眠
は、脳が脳を休ませるために開発した高度の生存戦略なのである。
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 常識的にこれほどにも必要視されている睡眠が本当は無用なものだという結論が、依頼され
た表題から暗に期待されているかのようである。だが、最初に私の結論を述べておこう。残念
ながら、答えはノーである。
ハイテク時代に入った現代の忙しい文明社会では、睡眠を犠牲にして活動し、生産性を高め
る努力がなされた。たしかに、睡眠はおとなしく削減に応じ、睡眠が本当は無用なものである
という「常識」が体験的に証明されるかのようにみえた。睡眠科学にそれを証明してもらえそ
うな期待さえもかけられた。しかし、皮肉なことに、結果は裏腹なものとなった。睡眠を軽視し圧迫したつけは、文明社
会を覆うさまざまな睡眠障害や頻発する事故として、深刻に反映されてしまったのである。
睡眠は単なる活動停止の時間ではなくて、高度の生理機能に支えられた適応行動であり、生
体防御技術である。とりわけ、発達した大脳をもつ高等動物にとっては、睡眠の適否が高次の
情報処理能力を左右することになる。質のよい睡眠をとらないかぎり、質の高い生活ができな
いのである。
それだけに、睡眠を実行するために、高等動物はさまざまな方式を開発してきた。睡眠に驚
くほどのバラエティーがあるのは、そのあらわれである。一見、睡眠が不必要にみえるほどの
連続的な活動がみられたとしても、その状況をよくよく分析すると、実際はなんらかの方式で
睡眠機能が補填されている。だから、完全な意味での不眠あるいは無眠は存在しない。睡眠が
短いか長いかだけの差にすぎないのである。
睡眠はなぜ快いのか
睡眠が生体にとって必須のものであるという傍証を、まず示しておきたい。
睡眠は本能行動の一つであるとみなされている。本能とは古い用語だが、一般に、本能と呼
ばれる行動は、その行動が充足されたときに快感をともなう。これはなぜだろうか。答えは簡単である。本能行動は、生体にとってきわめて重要でありながら、同時にまた、たいへん危険な行為をともなうからである。つまり、快感という至上の報酬と引き換えにしない
かぎり、簡単には実行してもらえないほど危険な仕事であり、それほどにも重要な行為なので
ある。
たとえば、食欲を満たすという行動には快感がともなう。性欲を満たすという行動にも快感
がともなう。生き物にとって食物を摂取することの重要さは自明である。また、生殖活動によ
って自己の遺伝子を複製して子孫として残し、種族を維持することの重要さも自明である。
しかし、これらの行動はさまざまな危険をともない、場合によっては命を賭してまで実行せ
ねばならない。それゆえに、行為の報酬は進化の過程でしだいに増大し、快感という様式で定
着したのである。これらの行動はもともと快感ゆえに遂行されたのではなく、生命維持ゆえに
遂行されたのである。
睡眠も同様である。眠るとき感じる快感は、睡眠という「命がけ」の行為をあえて遂行した
ことに対する生物学的な、つまり原始的な報酬である。摂食や生殖と同様に、睡眠もまた生命
を維持し、ひいては種族を維持するために必須の重要な生体機能として、生体にプログラムさ
れているのである。睡眠が本当は無用のものだとしたら、こうまでして実行させる意味がない
はずである。
ちなみに、睡眠のもつ快感ゆえに、これを意志の力で抑圧することこそ人間らしい行為だと
眠りは本当に必要か説くのは、生物学的な次元を超えた論点である。これは、グルメ時代の飽食行為や快楽追求の
性行為と同列の文化的な次元で扱われる問題であろう。私がここで強調したいのは、すでにふ
れたように、快感をともなう行為はもともと快感ゆえに開発されたのではなく、本来の因果関
係は逆だったという点である。
断眠実験
睡眠が必要かどうかは、睡眠を奪ってみるとわかるのではないか。そして、睡眠なしの生活
で何が起こるかを調べれば、睡眠の役割がわかるのではないか。こんな発想をもとに、古くか
ら断眠実験がヒトや動物を使って行なわれてきた。
有名なロシアのマリア・マナセーナ博士のイヌの実験は、いまから100年以上も前に行な
われたものだが、そこから得られた結論は明快であった。つまり、眠りが長期間にわたって連
続的に奪われると、動物はかならず死に至るというものであった。
この結論は一時期懐疑の目でみられたことがあった。しかし、最近になってアメリカの研究
者たちがネズミを使って行なった一連の実験から、納得のいくかたちで実証された。こうして、
睡眠は生命維持に必要不可欠であるという結論が確認されたのである。
ヒトでの断眠実験からは、長期にわたる睡眠不足によって最もいちじるしい悪影響を受けるのは精神機能であることが、繰り返し示された。すなわち、睡眠は大脳にとって必要不可欠で
あることがわかったのである。

瞬間的な睡眠

断眠時間が延長するにつれて、フラッシュ睡眠あるいはマイクロ睡眠と呼ばれる瞬間的な眠
りの頻度が増してくる。これは秒単位の眠りであり、ノンレム睡眠とレム睡眠とが組み合わさ
った定型的な睡眠構造とは異質の特殊な眠りである。
このような急場しのぎの睡眠が頻発することは、断眠に対抗して睡眠をなんとしても実行し
ようとする巧妙な適応機能が作動しているからであろう。
さらに断眠中に起こる特異な現象が知られている。行動的には明らかに覚醒していて合目的
性のある身体活動がみられるにもかかわらず、脳波には深いノンレム睡眠の指標であるδ波
が出現するというものである。つまり、末梢の運動系と脳とが乖離してしまうのである。
これらの事実もまた、睡眠の重要性を示す傍証とみなせよう。長期間の断眠という極限状況
にさえ、生体は通常とは異なる睡眠で脳を守るのである。このような特殊な眠りでさえ、生体
防御の役割を果たすわけである。
ちなみに、フラッシュ睡眠の積極的な活用を説く人もいる。フランスのピエール・フリシェール氏は、本人自身が短眠者で毎夜四時間しか寝ないのだが、フラッシュ睡眠の実践者・普及
者として知られている。彼は瞬間的な眠りを毎日何度も繰り返しながら、三〇年このかた精力
的な生活を送ってきたという。このような眠り方をすると、疲れがとれ、時間を最大限の効率
で活用できるとのことである。
はねかえり現象
断眠時間と睡眠欲求とのあいだには強い相関関係がある。断眠時間が延長するにつれて、眠
気は直線的に増大する。なにはともあれ眠りたくなり、自力で覚醒しつづけることは不可能と
なるのである。
この事実は、生体に一定内容の睡眠が必須のものとしてプログラムされていることを示して
いる。そして、睡眠の不足量が負のフィードバックによって補償される機構が、生体に組み込
まれていることがわかる。これを睡眠調節のホメオスタシス機構という。
したがって、断眠後の睡眠すなわち回復睡眠には、不足量に応じてノンレム睡眠とレム睡眠
のそれぞれが、質的にも量的にも大きく変化し、いわゆる「はねかえり現象」が出現する。つ
まり、断眠で生じた眠りの損失分が一定の方式で埋め合わせられることになるのである。
もし睡眠が本当に生体にとって不要のものであるならば、このような機構は組み込まれなかったはずであろう。
眠らない人たち
ところが、世の中にはあまり眠らないで人並み以上に元気に活躍している人が実在するとい
う。こんな人たちは、睡眠の無用さを実証する存在にならないのだろうか。
しばしば短眠者の代表として引き合いに出されるナポレオンとエジソンは、毎夜三時間とか
四時間しか眠らなかったそうである。また、レオナルド・ダ・ヴィンチは、四時間ごとに一五
分だけ寝ていたという。つまり、一日を六分割し、合計一時間半の睡眠で生活したのである。
さらに極端な短眠者の例として、無眠者の存在が知られている。無眠者とは、毎日ほとんど
眠らないか、眠っても一時間以内でありながら、不眠を訴えることもなく、疲れも知らず、き
わめて健康に生活している人たちのことである。ごく少数だが、このような無眠者が実在する
のである。
イギリスのレイ・メディス博士によると、一夜平均四九分しか眠らないで七〇年も元気に活
躍している女性とか、記録をとった一四夜のうち九夜しか眠っておらず、一回の眠りは一時間
程度という男性など、いく人もの無眠者がいる。一六歳以降は一夜に一五分以上は眠ったこと
がないという中年男性も実在するというから驚く。
眠りは本当に必要かこんな人たちが実在するからには、努力しだいで自分も短眠者あるいは無眠者になり、人生
を充実させられるはずだ、とお考えの皆さんも多いことだろう。だが、このような非凡な人物
あるいは睡眠に無縁な人たちでさえ、毎夜しばし眠っていたという事実こそ示唆的ではないだ
ろうか。つまり、これらの人は、まったく睡眠なしに生活しているわけではないところに注目す
る必要がある。冒頭に記したように、それは睡眠が短いか長いかだけの差にすぎないのである。

脳半球睡眠とうとうと状態

動物界を見渡すと、見かけはまったく休息しない生き物がいる。海洋を泳ぎつづけるマグロ
のような遊泳魚や、イルカとかオットセイのような海生の哺乳動物、海洋を飛びつづけるアホ
ウドリやカモメのような滞空性の鳥などである。
では、少なくともこれらの動物は、睡眠が不必要であることを実証してくれるのではないか。
生物には例外がかならず存在するという原則がある以上、例外的な無眠動物は実在してもよい
のではないか。
しかし、こうした生き物のうち、脳波の観測ができる哺乳類や鳥類では、意外な事実が判明
した。すなわち、これらの動物は、左右の大脳半球を交互に眠らせているのである。したがっ
て、見かけはまったく休息しない行動状態が保たれていながら、じつは睡眠が実行されているわけである。これは水中あるいは空中に長時間滞留するための特殊な技術として開発された眠
りであろう。
一方、見晴らしのよい草原に住む草食獣も、見かけはほとんど眠らない。栄養価の低い草を
大量に食べるには時間がかかる。また、隠れる場所のない草原では、肉食獣に襲われたとき、
睡眠状態にあると危険である。それゆえ、睡眠を長くまとめてとることは不可能となる。
しかし、こうした動物の脳波を観測してみると、うとうと状態という特殊な休息法があるこ
とがわかった。つまり、なかば覚醒なかば睡眠という状態で、筋肉の緊張を弛めることなく、
睡眠機能を実行しているのである。
脳半球睡眠といい、うとうと状態といい、こうまでしてでも眠りを確保するのは、睡眠に生
存上のきわめて重要な役割があるからと考えなければならないことになる。ではその役割とは
なんだろうか。その問題を論じるのは本章の目的ではないが、私の従事する睡眠物質の研究に
関連づけて、少しだけ考察を加えておきたい。
睡眠の役割と睡眠物質のはたらき
最近の睡眠物質の研究から、生体内のさまざまな条件が体内物質の動態に微妙な影響をおよ
ぼし、その結果として睡眠が修飾されることがわかった。
眠りは本当に必要かたとえば、脳下垂体から分泌される成長ホルモンは生体を積極的に構築したり修復したりす
るために重要なホルモンであるが、これが分泌される時間帯は熟睡期と同調している。そして、
成長ホルモンを放出させる脳ホルモンGRHは睡眠物質の役割も同時に演じている。つまり、
生体は熟睡状態を利用して、自己の保守点検や成長を定期的に実行するのである。深いノンレ
ム睡眠が抑制されると、このようなたいせつな身体機能が阻害されることになる。
また、睡眠は免疫増強過程と密接にかかわり合っている。生体がウイルスや細菌に感染する
と、それらが体内で分解されて生じた物質が、インターロイキンーやインターフェロンなどのサイトカイン類の生産を促進して免疫学的な生体防御反応を誘発するとともに、発熱とノンレ
ム睡眠をも誘発する。それゆえ、感染後に出現する眠りは、生体防御ないし免疫増強の重要な
一翼を担っているのである。
ストレス状態では精神的緊張があって、不眠症が起こりやすい。このときストレスホルモン
として脳下垂体から分泌される副腎皮質刺激ホルモンは、睡眠を抑制する作用がある。ところ
が、このホルモンが分解されると、その分解産物は、一転して睡眠を促進する作用を示すこと
になる。
こんなふうに、生体は異物や毒物、さらには代謝産物までも活用して、たくみに眠りを調節
している。睡眠機能のもつ多目的性ないし多様性は、これらの例だけからも理解できるであろう。
睡眠調節の分子機構から
私どもが断眠ラツトの脳幹から抽出した二つの睡眠物質(ウリジンと酸化型グルタチオン)の
睡眠促進にかかわる役割はたいへん対照的であり、また相互補完的である。一方のウリジンは、
抑制性のガンマアミノ酪酸作動性ニューロンの伝達活動をシナプスレベルで促進するようには
たらく。他方の酸化型グルタチオンは、興奮性のグルタミン酸作動性ニューロンの伝達活動を
シナプスレベルで抑制するようにはたらく。そして、結果としてともに睡眠を促進するのであ
る。
これらの睡眠物質はさらに、右のような分子機構を介して、高次の脳機能の修飾にも参与し
ていると考えられる。つまり、ウリジンはニューロン活動機能の回復ないし新生や新規情報の
消去に貢献しているらしい。また、酸化型グルタチオンは還元型グルタチオンとの連関のもと
に、ニューロンの過活動によって生じる細胞毒を解毒して、細胞膜の傷害や細胞死を防ぐとと
もに、過度の学習および記憶を抑制することにも貢献しているらしい。
こうして、睡眠という行動レベルの現象が、分子レベルでは脳内のニューロンを保全する役
割を担っていると推理できるのである。
生存戦略としての睡眠機構
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠という異なる状態があり、これら二種類の睡眠を調節する
脳部位が前脳基底部から脳幹にかけて分化している。さらに、睡眠調節機構自体にもニ種類?
ニューロン活動にもとづく神経機構と睡眠物質にもとづく液性機構?あり、両者の相互作用
のもとに睡眠覚醒状態が動的に修飾されている。
睡眠調節のメカニズムには二つの基本法則がある。第一の法則とは、睡眠は一日を単位とす
るリズム現象であり、脳内に存在する生物時計に管理されているというものである。第二の法
則とは、さきに述べたホメオスタシス機構による調節である。
この二つの法則はたがいに協調しており、相補的な関係にあるが、ほんらい生体が進化の過
程で別々に獲得したものとみなされ、それぞれ独立に作用を発現することができる。そして、
後者のほうがより新しい高度の技術であり、より適応性に富んでいると考えられる。
このように複雑な二重構造の睡眠機構が高等動物に発達しているのは、高等な脳にとって、
このような睡眠がどうしても必要になったからであろう。すなわち、高等動物では、生物時計
に依存する古い様式の休息だけでは不備となるほど大脳が発達し、この特殊な器官を合目的性
の高い様式で休息させ、また活性化させることが必須になったからであろう。こうして、二種
類の睡眠は、脳が脳自身を休ませるために開発した高度の生存戦略として出現したのである。それゆえ、睡眠は無用なものどころか、睡眠こそ高等動物を高等たらしめている基盤であると、私は認識している。

睡眠の脳内メカニズム

生体の恒常性維持に重要なはたらきをもつと考えられる睡眠。そのメカニズムを、睡眠を制御する脳部位に作用する神経伝達物質、およびそれを調節する「睡眠物質」の新しい知見をもとに探ってみる。
われわれのほとんどは、朝起き、日中活動し、そして夜眠る。しかし、このような日々の生
活も、つねに単調ではなく、なかなか眠れない夜や、疲れてすっと眠りに陥ってしまう夜、朝
もっと眠りたいと思う日などさまざまである。このような、日々の睡眠の背景にはどのような
メカニズムが潜んでいるのであろうか。
本章では、はじめに睡眠の機能を探る断眠の実験について述べ、次に眠りについての物質的
側面として、神経伝達物質の役割と、最近研究が進んでいる睡眠物質について概説する。
断眠
さて、徹夜をした翌日などには、眠気が強くなり、ベッドが恋しくなるが、こういった睡眠
への欲求は何を意味するのであろうか。眠気を解消する睡眠の機能を明らかにする目的で、実
験的に夜間睡眠の一部、または全部を取らせない「断眠」の研究がなされてきた。この研究の
目的は、断眠前後の生体の変化や断眠後の睡眠を観察し、これにより睡眠の機能を推測しよう
というものである。レヒトシャッフェンらは、ラットを用いて断眠実験を行なっている。この
結果、断眠二週間を終えたあたりから、断眠ラットには皮膚潰瘍ができ、食物摂取量が減少し
ないのに体重が減少し、体温の調節機能が失われ、四週間後にラットは死亡した。この結果を
みると、睡眠は生体を恒常的に維持してゆくためのエネルギーの収支にかかわる、重要なはた
らきをしているように思われる。
ところで睡眠には、ノンレム(NREM)睡眠とレム(REM)睡眠の二種類がある。ノン
レム睡眠は脳波に徐波が多く出現し、徐波睡眠とも呼ばれる。またレム睡眠中の脳波は覚醒時
に近く、急速眼球運動がみられる。ノンレム睡眠とレム睡眠は、一〇〇分前後の周期で出現し、
これが四〜五回繰り返されて一晩の睡眠を形成している。
一夜眠らないと、翌日にはこれを補うように睡眠量が増加する。これを反跳睡眠(rebound
sleep)という。実験的には、睡眠中に脳波を観察しながらノンレム睡眠やレム睡眠のみを妨害し、片方の睡眠だけを取らせないようにすることも可能であり、これを選択的断眠と呼ぶが、
このように、片方だけの睡眠を取り除くと、翌日の妨害のない睡眠では、取り除いた睡眠だけ
が反跳を起こす。反跳はノンレムまたはレムそれぞれに独立して出現し、これらの睡眠に別の
メカニズムがはたらいていることが推定される。
断眠とは逆に、通常より多く睡眠を取らせた場合にも、反跳とは逆の埋め合わせがはたらく。
ファインバーグらはコンピューターによる脳波の分析を用いて、午後昼寝をさせたあとの夜間
睡眠では、ノンレム睡眠中の徐波の量が昼寝の間に出現した分だけ減少すると報告している。
こう考えると、覚醒時には、その長さに応じて睡眠の「つけ」が生じ睡眠中にはその「つけ」
を返してゆくという仕組みが想定される。ボルベイらは、この仕組みに、二四時間周期の眠り
やすさのリズムを加えた「二過程モデル」を提唱している。こういったヒトを用いた実験の結
果をみても、恒常性の維持という睡眠の機能が推察されるが、睡眠中には脳でどのようなこと
が起きているのであろうか。
睡眠の脳内メカニズム(神経伝達物質の役割)
脳は、神経細胞の集まりによってできており、多くの神経細胞が複雑に連絡しあって機能し
ている。そして、ある神経細胞から別の神経細胞に活動が伝わるときには、神経細胞末端から神経伝達物質と呼ばれる物質が放出され、このはたらきによって次の細胞に活動が伝わる。睡
眠中の脳でも、このような活動が行なわれている。睡眠中の脳のはたらきについては、神経細
胞(ニューロン)の活動や、神経細胞に含まれる神経伝達物質の種類などから詳細な研究が行
なわれている。
前述のように、睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠の二種の睡眠が交互に出現する。フランスの
睡眠研究者ジュヴェーは、二〇年以上も前に、睡眠のモノアミン仮説を提出した。これによれ
ば、脳幹部の縫線核のセロトニン含有ニューロンがノンレム睡眠の導入に、また青斑核のノル
アドレナリン含有ニューロンがレム睡眠の発現に本質的な役割を果たしているとされる。この
研究は、神経伝達物質と睡眠の機構に関しては、先駆的な研究であったが、その後の研究によ
り、大きく修正される結果となった。

レム睡眠の神経機構と神経伝達物質

まず、レム睡眠の神経メカニズムと神経伝達物質の役割について述べる。レム睡眠は、成人
の睡眠の約二〇%に認められる睡眠で、前述のように、睡眠中にあたかもまわりをキョロキョ
ロと見回しているかのような急速眼球運動(Rapid Eye Movement :REM)が起こるためにこ
う呼ばれるようになった。また、主に動物では後述するPGO波と呼ばれる特徴ある脳波波形が出現する。この他に、筋緊張の消失、あ
たかも覚醒しているかのような、比較的低
振幅で速い周波数から構成される脳波(脳
波の脱同期化)などの持続性の変化も呈す
る。レム睡眠は、睡眠中にもかかわらず覚
醒しているような脳波波形がみられるため、
逆説睡眠(Paradoxical Sleep)とも呼ばれ
る。レム睡眠のこれらの特徴の発現機序に
ついて、以下に概説する。

レム睡眠の発現に関与する脳幹部領域の略図

レム睡眠の発現に関与する脳幹部領域の略図


レム睡眠時の急速眼球運動は、脳幹部の網様体ニューロンから、前庭核、動眼および外転神経核ニューロンにいたる経路が関与していると考えられている。また、この経路のほかにも、網様体ニューロンは内側前庭ニューロンや、反対側の同様のニューロンにも神経繊維を送っており、これらが協調的にはたらいて、急速眼球運動が生じると考えられる。これらの経路のニューロンでは、急速眼球運動の発現に先立ち発火(興奮)が起こり、さらに、アセチルコリンを増強する薬物により、発火率が増加することが報告されており、急速眼球運動の発現にはアセチルコリンが関与していると考えられる。
PGO波(Ponto‐geniculo‐occipital Wave)はネコなどの脳における、橋、外側膝状体、大脳皮質視覚野と呼ばれる部位で著明にみられる相脂性活動で、鋭波状の特異な律動波からなる脳波現象である。PGO活動は一般にレム睡眠の開始より数十秒先行して出現する。酒井らによればPGO波を生ずるニューロンの分布は、中脳尾部、吻側橋被蓋(酒井らのX野)、外側傍腕核、青斑核のper-α 、青斑核α吻側部、被蓋外背側核などにある。そのうち、少なくとも
背外側膝状体核に直接投射するものは、コリン性またはコリン受容性であると考えられている。
抗重力筋の筋緊張低下は、レム睡眠の持続性の特徴の一つである。酒井らの研究によれば、
青斑核のperl‐a’と呼ばれる部位が、抗重力筋の筋緊張低下に強く関係しているという。この
部位のニューロンはレム睡眠中に持続的かつ特異的な活動しており、この部位を両側性に破壊
するとレム睡眠中の筋緊張低下が起こらなくなるという。この部位にアセチルコリン作動性の
カルバコールを注入すると、筋脱力が起こることから、この部位のニューロンはコリン性か、
少なくともコリン受容性であろうと考えられている。また、山本らはこの部位に微量のカルバ
コールを注入し、レム睡眠のすべての特徴が速やかに出現したと報告しており、この部位をレム睡眠の中枢と考える説もある。皮質脳波の脱同期化もレム睡眠の重要な持続性の特徴である。モルツツィらは、睡眠中の皮
質脳波説同期化が中脳網様体に関係して出現することを発見した。その後、この時期に動物の
海馬ではΘ(シータ)帯域の活動が起こっていることがジュヴェーら(ネコ)および島薗ら
(イヌ)により見出されている。皮質脱同期化と海馬のΘ(シータ)活動は覚醒時にも存在し、
レム睡眠固有の機構としてよりは覚醒とレム睡眠期に共通した特徴として扱われている。
皮質説同期化の神経経路については不明な点が多いが、第一次ニューロンはおそらく延髄大
細胞被蓋野の上行性ニューロンである。これは、脳幹を上行性に走り、視床髄板内核、視床下
部後部に終わる。この間、X野や中脳網様体に興奮を伝える。この後、皮質の脱同期化を起こ
すのは視床から皮質に投射する系であると考えられている。皮質の説同期化にはコリン系の伝
達が関与していると考えられている。アセチルコリンのはたらきを阻害するアトロピンを投与
すると、同期した皮質脳波を示すレム睡眠が出現し、説同期パタンは急速眼球運動が出現した
ときのみかろうじて出現する。また、これとは逆にコリン作動性の薬剤は他のレム指標と同時
に皮質の説同期化を引き起こす。
網様体からのニューロンは内側前脳束をとおり中隔に達する。中隔から海馬へのニューロン
は解剖学的に同定されており、コリン性であろうと考えられている。
さて、前述のジュヴェーのモノアミン仮説によれば、青斑核のノルアドレナリン含有ニュー
ロンが、レム睡眠の発現に本質的な役割を果たしているとされたが、実際にはどうであろうか。
ノルアドレナリンニューロンが多く存在している青斑核、青斑核″および傍腕核から記録さ
れるほとんどの細胞群は、レム睡眠開始直前にPGO波が出現し始めると、発火が減少し、レ
ム睡眠期にはまったく発火が抑制される。このためりQO‐o”ニューロンと呼ばれている。こ
ういったノルアドレナリンニューロンは、レム睡眠の発現そのものには本質的な役割を果たし
ていないが、レム睡眠の出現を許可するような役割を果たしたり、レム睡眠の出現を調節した
りしているのではないかと考えられている。

ノンレム睡眠の神経機構と神経伝達物質

ジュヴェーのモノアミン仮説では、セロトニンニューロンがノンレム睡眠を起こすとされた。
これは、セロトニン生合成を阻害するパラクロロフェニルアラニン(PCPA)の投与により
重篤な不眠が出現し、この不眠がセロトニンの前駆物質である51ヒドロキシトリプトファン
(5‐HTP)を投与することによって改善することや、セロトニン分解代謝を阻害し、作用を
持続させるMAO阻害剤によってノンレム睡眠が増加することなどによる。しかし、その後の
研究で、セロトニンニューロンに神経毒性を示す5、6‐ジハイドロキシトリプタミンや5、
7‐ジハイドロキシトリプタミンを用いて縫線核のセロトニンニューロンを選択的に破壊して
も、これによる不眠はしだいに回復することが示された。一方、神経生理学の分野からも、マギンティらの研究により縫線核のセロトニンニューロンの発火は、覚醒時には高いが、ノンレ
ム睡眠期では減少し、レム睡眠期では消失してしまうことが示された。
これらの事実は、セロトニンニューロンがノンレム睡眠の実行系をつかさどっているという
仮説と矛盾する。これに対して近年ジュヴェーらは、セロトニンニューロンは視床下部に線維
を送っており、視床下部における覚醒時の睡眠物質の合成や蓄積に関係している、という仮説
を提出している。この仮説はPCPAによって、セロトニンの生合成を阻害し、不眠状態にな
ったネコの視床下部に、セロトニンを局所注入すると睡眠が再び起こることによっても支持さ
れる。さらに、PCPAによる不眠ラットに、5‐HTPと、5‐HTPからセロトニンヘの代謝
経路を阻害するアミノ酸説炭酸酵素阻害剤であるベンセラジドを投与することによっても不眠
が回復すること、また、トリチウムでラベルした5‐HTPの分布が視床下部に集まることか
ら、PCPAによる不眠が5‐HTPによって回復するのは5‐HTPから生合成されたセロトニ
ンによる作用ではなく、5‐HTPそのものが視床下部に作用したためであろうという結果も
提出している。
このように、セロトニンとノンレム睡眠との関係については当初考えられていたほど明確で
ないものの、今まで示された多くのデータは、セロトニン関連物質がなんらかの機序で睡眠機
構に関与していることを示唆しているように思われる。睡眠物質の役割
さて近年、睡眠に関係し
た脳内物質として、前述の
神経伝達物質のほかに、睡
眠物質の研究が進んでいる。
睡眠物質の研究は、覚醒時
にある物質が蓄積され、こ
の物質の作用によって、睡
眠が起こるという考えのも
とに今世紀の初めに始まっ
た。これは、前述の断眠実
験の結果とあわせると考え
やすい。

睡眠物質の候補一覧

睡眠物質の候補一覧


睡眠物質の候補一覧

睡眠物質の候補一覧


現在では上の表に示
したように、多くの物質が、
さまざまな動物において調
べられ、候補にあがっている。睡眠物質は、脳脊髄液
や血液を介して脳全体には
たらき、神経活動をダイナ
ミックに調節すると考えら
れており、ちょうどホルモ
ンのようなはたらきをする。
これらの物質の特徴は、体
内物質であり、いわゆる睡
眠薬と異なってより自然な
睡眠を導く点である。
代表的な睡眠物質を紹介
する。DSIP(Delta
Sleep lnducing Peptide)は、
一九七七年にウサギから単
離された。この物質を、脳
室内に投与すると、睡眠徐
波(δ波)が増加することが確認されている。しかし、最近の研究では、DSIPには、この他にも体温調節や、ホルモ
ン調節などさまざまな作用があることが報告されている。
ムラミルペプチドは、物質Sとしてパッペンハイマーらにより、断眠動物の脳脊髄液から抽
出されていたものを、クリューガーらが同定したペプチドである。この物質を極微量、ウサギ
の脳室内に注入すると、徐波の出現をともなうノンレム睡眠を有意に増加させる。しかしなが
ら、レム睡眠についてはほとんど変化しない。ムラミルペプチドは細菌の細胞壁を形成する物
質の一種であり、睡眠物質としてはたらいている物質も、脳内で産生されるのではなく、腸内
の細菌に由来する可能性が考えられている。これに関連して、不眠症患者や、短時間睡眠者に
は腸内細菌の数が少ないという報告もある。
これまで平滑筋を収縮させる生理活性物質として知られていた、プロスタグランジンの睡眠
に対する効果が、最近注目されている。これは、早石、上野らによって明らかにされたもので
あるが、プロスタグランジンの中でもDのみに睡眠誘発作用がある。この物質は、ラットの脳
室内に投与すると、少量ではノンレム睡眠を、多量ではレム睡眠も増加させる。またプロスタ
グランジンE2には、睡眠抑制効果がある。
さて、これまでの睡眠物質はおもにノンレム睡眠を増加させる作用をもっていたが、レム睡
眠を増加させる物質も報告されている。ガンマプロムという物質で、脳幹の網様体で、抗コリ
ンエステラーゼ作用を示すと考えられている。前述の断眠実験の節で、ノンレム睡眠とレム睡眠が独立に変化することを述べたが、これにはガンマブロムのような物質が関係している可能
性もある。

前脳基底部のはたらき

これらの睡眠物質の作用部位として、前脳基底部が注目されている。この部位は、さまざま
な脳の機能をつかさどる部位の、中継地点と考えられる。ナウタらは一九四〇年代に、この部
位を破壊することによって、実験的な不眠が生ずることを示した。脳幹部の破壊が一時的な不
眠にとどまるのに対し、この部位の破壊は、長期間の不眠をもたらす。また、この部位への電
気刺激が、睡眠を誘発することも知られている。近年の研究では、この部位に、ムラミルペプ
チド、プロスタグランジンD2などの睡眠物質や、前述のジュヴェーらの研究で示したセロトニ
ンの前駆物質5‐HTPを、微量注入することによって、睡眠が誘発されることが報告されて
いる。こう考えると、神経伝達物質が関与した脳の神経回路によって実行されるノンレム、レム睡眠は、睡眠物質と呼ばれるさまざまな脳内物質によって大きく制御されており、この制御
には、前脳基底部などの部位が関与している可能性が推定される。
最新の睡眠研究の知見をもっても、なぜ眠るのかという問いに、明確な回答を与えることはできない。しかし、これまで解説したように、眠っている間に脳では何が起こっているのか、
何が眠りを誘発するのかについては、徐々に明らかになってきている。今後、各研究が有機的
につながり、生命の維持という大きな観点から、睡眠の役割が明らかになっていくことが望まれる。

睡眠中のからだと脳

寝返りをうったり、汗をかいたり、夢をみたりというように、睡
眠中はからだと脳の単なる不活動期では決してない。自律神経系
の活動や脳波の変動など、たえずからだと脳は「活動」している。
山口成良
われわれは人生の約三分の一の時間を睡眠に費しているが、睡眠の定義として、クライトマ
ンは、「睡眠は通常、健康な成人の一般的な生活様式である覚醒状態の周期的な一時的停止ま
たは中断とみなされる。睡眠の特徴は、ほとんど完全な運動の消失と、一般感覚と反射の刺激
感受性闇値の増大によって特徴づけられる感覚運動性の停止で、この活動の停止は外部の条件
によるものではなく、内部の必要によるもので、これが環境の影響から生ずる植物および動物
の一時的な不活動状態から睡眠を区別するものである。さらに睡眠は、覚醒しうる能力を保持
しているということで、他の多くの睡眠様状態、たとえば昏睡、麻酔またはトランスなどからそれを区別しうるものである」と述べている。また、朝比奈は睡眠状態を特微づける指標とし
て、①外界とのつながり、あるいは外界への反応の不適応化、あるいは低下または消失、②感
覚刺激闘の上昇、③特異な睡眠姿勢の保持、多くの骨格筋の弛緩および運動の減少または消失、
④必ず覚醒可能であること、すなわち意識水準の可逆的低下であること、などをあげている。
すなわち、次に述べるヒトの脳波の発見や睡眠ポリグラフィの導入までは、睡眠中のからだ
は運動の停止状態で、また、脳の活動についても外部からの刺激に対して無反応であり、測り
知られざる領域と考えられていた。
睡眠の客観的指標ー睡眠ポリグラフィ
先に述べた睡眠の指標は、外見的に把握しうる個体の姿勢、動作を指標としているものであ
り、単に姿勢や運動の停止だけでもって、それが真の眠りか、たぬき寝入りかを鑑別すること
は困難である。そこで睡眠を、より客観的な指標にもとづいて規定することが必要である。そ
の指標として最も有力なものは、一九二九年のハンス・ベルグーの発見によるヒトの脳波、そ
の他の生体活動を電気的に記録するポリグラフィ、すなわち睡眠ポリグラフィ(ポリソムノグ
ラフィ)である。

睡眠各期のポリグラム

睡眠各期のポリグラム


EEG : 左(C3)・右(C4)中心領の脳波,EOG:左右の眼球運動,
RESP:鼻の換気曲線と腹部の呼吸運動,ECG:心電図,EMG:
左右の前脛骨筋・順筋の筋電図,NPT:夜間陰茎膨張記録
人の自然睡眠にともなう脳波の変化は、上の図1に示したように、かるい眠気をおぼえる状態(STAGE W)ではα波(8〜13ヘルツの波)の出現頻度が減少して振幅も低下し、ついで、
a波はほとんど見られなくなり、低振幅で不規則なθ波(4〜8ヘルツの波)やδ波(4ヘルツ以下の波)が現われる。頭頂部に優位な、瘤波(ハンプ)が散発する時期(STAGE 1=段階1)を急速に経過して、12〜14ヘルツの紡錘波(スピンドル)が目立つ状態に速する
(STAGE 2=段階2)。さらに眠りが進行すると、徐波(θ波とδ波)はますますその周波数が
遅くなり、振幅も増大して高振幅のδ波が主調をなす状態となる(STAGE 3,STAGE 4=段階3、段階4)。入眠から約九〇分すると、脳波は低電位でさまざまな周波数の波を含み、さら
に速い眼球運動が出現し、筋電図は低振幅となる。この状態は10〜30分間続き、REM期
(STAGE REM)といわれ、その前の状態をNREM(non‐REM)期という。REM期は約九〇
分ごとに一晩に四〜五回出現する。
図2 ポリグラフ的睡眠経過図〔Kales,A.et al.,1975〕

図2 ポリグラフ的睡眠経過図〔Kales,A.et al.,1975〕


このような一夜の睡眠の経過をプロット・ダイアグラムとして表わしたものが脳波的またはポリグラフ的睡眠経過図(図2)である。図2は、小児、若年成人、老人の睡眠経過の特徴を
図示したもので、この図からStage 4の減少と中途覚醒が加齢とともに増加することがわかる。

睡眠と生理機能、とくに自律神経系の変化

睡眠にともなう諸生理機能の変動について一般的にいえば、NREM期には副交感神経系の機能が活動し、縮瞳、血圧低下、徐脈、低体温などを呈する。これに反して、REM期には自
律神経系の活動の乱れが起こる。しかもREM期には持続的な変化(筋緊張の低下)と、一時
的な相動的な変化(急速眼球運動、発汗など)とがある。もちろん、これらの変動は睡眠にとも
なう変化の場合もあるし、また約二四時間リズム(概日リズム=サーカディアン・リズム)にの
っとっての変化にすぎない場合もある。

図3 終夜睡眠中の脳波,収縮期血圧,呼吸数,心拍数および体動の変化

図3 終夜睡眠中の脳波,収縮期血圧,呼吸数,心拍数および体動の変化


脳波睡眠段階上の太い横棒はREM(レム)期を表わし,汲下段の体勁の縦棒の長さ
は8段階によるその程度を表わしている. 〔Snyder,E et al.,1964〕
⑴呼吸・循環系機能
スナイダーらは、図3に示したように、心拍数と呼吸数は一夜の眠りの経過にしたがって漸
減し、収縮期血圧については初期に強く低下したのちに漸増する傾向をみている。これらの傾
向を基線変動として、各変数の上に細かい変動が重なる。REM期には、平均水準の軽度の上
昇と時々刻々の変動のいちじるしい増加がみられ、とくに睡眠後半のREM期において、血圧
の変化がいちじるしくなる。このようなREM期の呼吸・循環系の乱れ現象は「自律系の嵐」
とも呼ばれている。
⑵陰茎ならびに陰核の勃起
睡眠時に陰茎が周期的に勃起する現象を最初に記録して確認したのはオールマイヤーらであ
る。その後フィシャーらは、初めてストレングージとサーミスタ電極によって、この現象を明確にとらえ、陰茎勃起はREM
期と相関の高いこと、その際、
陰茎皮膚温が上昇することを示
した。また、ヨパノヴィックの
研究結果によると、女性でもR
EM期に陰核の勃起が起こり、
これは睡眠後半期で顕著である
といっている。
⑶体 温
古閑と藤沢は睡眠中の皮膚温
について、手掌、手背を五分間
隔で測定し、覚醒時に手掌は手
背に対して約1℃高く、入眠後
両者はともに1〜1・5℃上昇
し、睡眠が深まると両者の差は
縮まるが、睡眠段階とは明確な関係はないといっている。
小川は、夜間睡眠中の直腸温を測定し、REM期は体温が下降するにつれてよく現われるよ
うになり、最も長いREM期は、体温が最も低くなる午前六時前後に現われるのがふつうであ
るといっている。人によっては朝方の四時頃を最低体温とする場合もある。体温リズムは、睡
眠リズムよりも、概日リズムの影響を受けていることのほうが大であると思われる。
⑷筋緊張と体動
ヤコプソンらは、全身の二九ヵ所から筋電図を記録し、入眠後はすべての筋電図振幅は低下
し、緊張がゆるむのがみられるが、なお一定の水準を保っており、REM期に入ると頭部なら
びに頚部の筋にいちじるしい筋弛緩がみられ、振幅がいちじるしく低下あるいは消失すること
をみている。
睡眠中の体動として、デメントとクライトマンは大運動と小運動の二種類を区別し、前者は
全体の位置をかえる寝返りであり、後者は明瞭な四肢の運動であり、それらの回数は一晩に数
十回あるといっている。図3では体動の変化の程度をハ段階に分けて表わしてある。
⑸発 汗
睡眠時、発汗性が増すことは古くから知られているが、小川は抵抗湿度計を用いてその発汗速度を連続的に測定し、夜間睡眠の温熱性発汗(胸部)の特徴として、発汗速度は入眠と同時
に増大するが、睡眠の経過につれて総体的に下降の傾向をたどることと、睡眠深度と発汗速度
との関係がしばしば乱れることの二つをあげている。精神性発汗部位(手掌)では、床につい
た後、精神状態がやわらぐにつれて減少し、入眠数分前に消失する。REM期の間はほとんど
発汗しないが、しばしば相動的な発汗増加がみられ、その際、情緒的に興奮した夢の内容を述
懐することが多いといっている。
⑹内分泌
高橋らによると、夜入眠期にいちじるしい成長ホルモンの分泌活動が起こる。「寝る子は育
つ」といわれていることの一面を物語るものと思う。副腎皮質ホルモンのコルチゾールは夕方
遅く最低値に達し、夜間睡眠中にゆっくりと増加し、明け方に最高値に達する。夜間睡眠中に
メラトニンやプロラクチンの分泌も高まる。

レム睡眠中のからだと脳

夢は主観的体験であり、その人が夢をみたかどうかは、ひとえに覚醒後の陳述に依存すると
いうところに夢研究の隘路がある。アゼリンスキーとクライトマン(1953)がREM期において夢をみているという報告をしてから、にわかに夢とREM期の関係が論議されるようになっ
た。一方、NREM期にも夢をみることは知られているが、REM期に比して夢の想起は少な
く、また夢の内容もいきいきした(vivid)ものが少ないという。

図4 REM期に夢が出現するメカニズムの模式図

図4 REM期に夢が出現するメカニズムの模式図


⑴レム期における夢の出現機構
大熊は図4のごとき模式図を掲げ、夢の出現機構について、以下のように説明している。
第一に、REM期はNREM睡眠が九〇分ほど続いた後にはじめて出現するので、覚醒時の
精神生活とREM期の体験、すなわち夢とのあいだの時間的連続性が失われる。
第二に、REM期には脳に入る感覚刺激の入力がいちじるしく減少するので、ヒトは周囲の
環境との連続性を失い、感覚遮断に近い状態になる。すなわち、REM期には抗重力筋の緊張
の低下が起こるので、関節や腱からの自己受容性感覚刺激の量が減少する。瞳孔は極度に縮小
し、視覚系の外側膝状体でシナプス前抑制が生じるので、視覚系入力が減少する。聴覚系では
鼓膜についている耳小骨に付く筋の緊張が変化するので、聴覚系入力も減少する。睡眠中には
身体の運動が減少するので、皮膚の表面感覚や深部感覚が減少する。このようにREM期には
他の睡眠期にくらべて感覚入力が顕著に減少し、外界との空間的連続性が失われ、空間的にも
隔離された状態になる。
第三に、REM期には脳波は浅い睡眠期(STAGE1)に相当する波形を示し、大脳皮質の活動水準はやや低下しているので、整然とした論理的思考を行なうことは困難である。しかしネ
コなどについての動物実験の結果では、記憶と関係が深い辺縁系の活動水準は比較的に高いの
で、夢の素材としての過去の記憶の蓄積は利用しやすい状態にあると思われる。
第四に、REM期には急速眼球運動が群発し、これと一致して脳の活動水準が上昇する。ま
た視覚に関係した外側膝状体、後頭葉皮質、橋にPGo波(ponto‐geniculo‐occipital wave)が
出現し、これは急速眼球運動にほぼ一致して現われるが、これと一致して視覚系の興奮が一過
性に高まると推定される。したがって、眼球運動やPGO波が出現する時期に夢の断片的な視
覚映像が出現するという可能性もある。
以上のようないくつかの条件が重なりあって、覚醒時の現実世界とは時間的、空間的な連続
性を失い、かつ整然とした論理性は失われているが、過去の記憶素材は比較的豊富に利用され、
しかも視覚映像の要素が優勢な「夢」という特殊な体験が出現するのであろうと考察している。
⑵睡眠時随伴症(parasomnia).身体疾患とレム睡眠
睡眠時随伴症としての悪夢(nightmare)はREM期にみられ、一方、夜驚症(night ter‐
rors)や夢遊症(somnambulism)はNREM期に出現する。
睡眠時無呼吸症候群はREM期に起こりやすいが、一方、夜間ミオクローヌス(noctumal
myoclonusまたはperiodic movement in sleepともいう)はREM期に抑制される。アームストロングらは十二指腸潰瘍患者においてREM期に胃酸の分泌が高まることを報告し、ノーリンら
は夜間狭心症発作が、心電図のST低下(心室の機能の異常)とともにREM期に一致して出現
することを認めた。また、デクスターとワイツマンは、夜間頭痛発作がREM期に出現するこ
とを強調している。
以上、睡眠中のからだにおける種々の活動状態と脳の状態(主として脳波と夢)との相関を
述べた。NREM期には副交感神経系の機能が活動し、REM期には「自律系の嵐」とも呼ば
れる自律神経系の活動の乱れが起こる。REM睡眠では頭のほうは夢をみているのに、からだ
のほうは筋が弛緩しているから「体の眠り」といえるかもしれない。一方、NREM睡眠は脳
波の徐波化を示すことから「頭の眠り」といえるかもしれない。しかし、REM睡眠中でも眼
球運動や筋のれん縮(twitching)などの相動的変化がみられるし、NREM睡眠中でも夢をみ
るので、「体の眠り」、「頭の眠り」と単純に睡眠を二分化することもできないように思う。
いずれにしても、朝方の四時から六時にかけて体温も最低体温となり、夢をみているREM
期も長く、自律神経系の乱れもみられる。このような時間帯に三交代制のために勤務すること
は肉体的にも非常につらいことであり、事故を起こしかねない。21世紀にはあらゆる職種に
おいて二四時間稼働が求められるコンピューター化時代になると思われるので、この時間帯の
適応対策を早急に考えなければいけない。

現代病としての睡眠障害

睡眠障害へのストラテジー
人間は生物としての本来の姿に逆らって二四時間社会といわ
れる状況を生み出してきた。それにともなう睡眠障害の増加
傾向に対してトータルな政策の確立がいま求められている。
寝つきが悪く睡眠が十分にとれない、夜中にしょっちゅう目が醒める、目覚めるのが早すぎ
てそれから眠れない、など不眠の訴えをもつ人が増加している。とくに最近では都市部で勤務
している人の不眠が増加している。これらは、ストレスなどの心理社会的問題と大きく関係し
ている。
一方で、仕事のために夜になっても眠らない人たちが増えている。これは睡眠を慢性的に犠
牲にするような活動様式が多くなっているためである。夜勤や不規則勤務に従事する勤務者は、
夜間に起きていることを要求される。こうした勤労者では、仕事が明けた後、昼間に睡眠をとろうとしても塾睡できないことが多い。このため慢性的な睡眠不足や疲労の蓄積が起こりやす
い。不眠や過眠といわれる睡眠障害は日中の活動性に大きな影響を与え、生活の質の劣化を引
き起こす。この問題は本人の社会的生活の問題になるだけではなく、居眠りや不注意による交
通事故や作業ミスによる大きな産業事故につながることが報告されている。さらに、睡眠の不
足は健康にも悪影響を及ぼし、種々の疾患の原因となる。ここでは近年増加傾向にある睡眠障
害の社会的意義について述べる。
生活スタイルの変化
生物学的にヒトは昼行性の哺乳類である。日の出とともに起床して、日中に活動し、日が沈
むと休息をとる生活が、生物としての本来の姿である。すなわち心身の機能は日中に活動し、
夜間に休息するようにできている。ところが先進工業国では人びとは夜も遊び、働くようにな
ってきた。このようなライフスタイルが可能になったのはそれほど昔のことではない。この一世紀の間に、電気が使われ始め、私たちの生活をとりまく環境に大きな変化が起きている。こ
れは世界の先進国といわれる欧米で始まり、日本もその後に続き、現在ではその先端にある。
そしてこのような先進工業国ではテレビやエレクトロニクス化により、二四時間社会といわれ
る状況が広がりだした。産業では機械化、自動化が進み、稼働率を上げるために連続操業をする会社が急増している。若い
人たちの周りにはディスコ、
カラオケ、コンピニといった
夜どおし開いている店があり、
これらがいつのまにか都市の
風景になっている。このような数字は日本人全体の生活が夜型化傾向を示し、睡眠時間
を短縮させていることを示している。現代人は人間本来の生物としての活動時間帯をはるかに
越えて活動していることになる。
このような生活スタイルの変化は、私たちの心身にどのような影響を及ぼしているのであろ
うか。睡眠を慢性的に犠牲にした結果と考えられる代表的心身の症状として、熟眠感が得られ
ないなどの睡眠障害があげられる。次いで覚醒時にみられる眠気、注意力、集中力の低下、作
業能率の低下、疲労感、食欲低下など消化器症状、抑うつ気分や意欲の低下などうつ症状など
がみられる。このような調査結果の内容は、航空乗務員にみられる時差症候群の症状とよく似
ている。同様の症状が夜勤や不規則な勤務をする職場、すなわち医療機関、警察、消防などの
保安機関、新聞、テレビなどの報道機関などで働く人びとにも多くみられる。
現在の日本では労働人口の約三〇%がこのような不規則勤務条件にあることがわかっている。
このような人びとにみられる睡眠障害は、ヒトが本来起きて活動すべき時間帯とは異なった時
間帯に活動することになり、生体リズムに逆らった生活をすることから引き起こされるものと
思われる。このような睡眠障害は概日リズム睡眠障害と呼ばれている。さらに夜型生活と活動時間の延長は、栄養や運動不足の面で
も日常生活に影響を及ぼし、過栄養や運動不足をもたらす。これらは成人病の増悪因子として
もはたらく。

図4睡眠不足に関連した事故およびヒューマンエラー

図4睡眠不足に関連した事故およびヒューマンエラー


慢性の睡眠不足は社会経済側面からも無視できない。それは睡眠不足が産業事故や交通事故の原因となるからである。これらの事故の多くが深夜や早朝に眠気と関連して起きていることが報告されている(図4)。一九八九年のアラス
カ沖で起きた巨大タンカーの座礁事故はアメリカ
史上最大の海洋汚染を引き起こし問題となった。
調査により事故は深夜における乗務員の睡眠不足
による運転ミスが原因であることが判明した。こ
のような睡眠不足による事故は、チェルノブイリ
原子力発電所の爆破事故、スペースシャトル「チ
ャレンジャー」打ち上げ失敗の事故などでも証明
されている。
アメリカではこのような睡眠不足や睡眠障害に
よる死亡、疾患、損害をアメリカ社会の甚大な問
題として取り上げ、一九九三年に国立睡眠障害研
究センターを設立した。アメリカ睡眠障害研究国
家諮問委員会は、現在およそ七千万人のアメリカ
国民に睡眠に関してなんらかの問題があり、この
うち六〇%が慢性的にこれに悩まされていると報
告している。しかし、ほとんどは十分な診断、治療もされず放っておかれている。そしてアメリカでは睡眠障害に関するプロジェクトが国民の
健康、社会生活、経済という国家的プロジェクトとして取り上げられたのである。わが国にお
いても同様な対応策を講じるぺきと考える。

睡眠障害の現状

睡眠障害はどのような病気と考えればよいのだろうか。また、睡眠障害の患者はどのくらい
いるのだろうか。
睡眠障害の症状は次の四つに分類される。
⑴不眠‥寝つきの悪い入眠障害、熟眠できない、何度も目醒めるなどの睡眠の維持の障害、
早朝に目醒めて再度入眠できない早朝覚醒など。
⑵過眠‥夜眠っているにもかかわらず、昼間にも眠い、耐えがたい眠気のため眠ってしま
うなど。
⑶概日リズム睡眠障害‥睡眠時間帯が通常とは大幅にずれているため社会生活に支障をき
たすもので先に述べた交代勤務や時差症候群もこれに含まれる。
⑷異常行動‥睡眠中にみられる夢中遊行や夜驚症などの異常行動である。
これらの症状を引き起こすさまざまな原因があり、これによる睡眠障害の診断分類が提案され、現在は国際睡眠障害分類(一九九〇年)が広く用いられている。このような国際診断分類
により、睡眠障害の有病率や発生率、死亡率などが比較検討されるべきであるが、まだこのよ
うな調査は行なわれていない。アメリカ睡眠障害研究国家諮問委員会は、およそ七千万人のア
メリカ国民の睡眠障害の主要なものとして睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、不眠症、睡
眠時随伴症、時差症候群、概日リズム睡眠障害、神経疾患や呼吸循環系疾患、および精神疾患
による睡眠の障害をあげている。これらの睡眠障害のうちで最も
盛んに研究が行なわれているのは睡眠時無呼吸症候群である。これは不眠症について頻度が高
く、二千万人のアメリカ国民が罹患している。睡眠時無呼吸症候群が問題となるのは夜間睡眠
中に呼吸が停止するため覚醒反応が起こり、これが不眠を引き起こし、このため昼間の病的な
眠気の主要な原因となっている。また睡眠時無呼吸症候群が高血圧、冠動脈疾患、心臓発作、
脳血管障害、神経精神科学障害などをひき起こすことになる。
さらにアメリカではI〜五歳の約二五%が睡眠障害に罹患していること、六五歳以上の老年
者の半数以上が睡眠に問題を抱えていることをあげている。このことから将来の高齢化社会に
向けて長期的展望に立った睡眠障害対策を推進する計画を立てることになったのである。
わが国の睡眠障害
最近、筆者を含めて組織された厚生省精神・
神経疾患委託研究費による睡眠障害の疫学、診
断・治療に関する研究班は、総合病院外来新患
患者を対象に睡眠障害の調査を行なった。これ
は睡眠障害の疫学調査ではないが、睡眠障害に
関する重要なヒントを示唆している。図5はこ
の結果をまとめたものである。

図5.全国11総合病院新患外来患者の睡眠障害に関するアンケート調査

図5.全国11総合病院新患外来患者の睡眠障害に関するアンケート調査


調査は、一九九四年夏から九五年春までの四
季四回にわたり行なわれた。集計・分析は、全
国の11の総合病院外来の初診患者六四六六人
から得られたアンケートの回答にもとづいてい
る。これによると外来患者の五人に一人が「現
在何らかの睡眠の問題で困っている」と答えた。
また「過去に睡眠のことで困った経験がある」
と答えた人は三人に一人という高率であった。
長期不眠と日中過眠で困っている人の割合

長期不眠と日中過眠で困っている人の割合


ストレスと睡眠障害

ストレスと睡眠障害


睡眠障害の克服のために
このように睡眠障害は表面に現われないところで国民生活に脅威を与え続けていることが明
らかになった。このような睡眠障害を予防し、国民の健康と福祉を推進するためには、
⑴睡眠障害に関する医療協力体制の強化、
⑵睡眠障害の病態解明と治療法の開発、
⑶一般市民への睡眠に関する科学的知識の普及、
などが考えられる。
⑴睡眠障害の医療体制の強化
わが国において、睡眠について問題を抱える人が五人に一人と高率にみられるにもかかわら
ず、睡眠についての相談ができる窓口は非常に少ない。そこで各地域ごとに窓口となりうる医
療システムを確立することが急務である。また睡眠医学の重要性をヘルスケアにかかわる医療
関係者に普及し、一般医療の中で適切に睡眠障害を同定することができる体制を作ることが必
要であろう。さらに睡眠医学の専門外来を中核的総合病院に設置することが望まれる。
⑵睡眠障害の病態解明と治療法の開発
現在、わが国では睡眠および睡眠障害の解明のための国家的プロジェクトはわずかに二つで
ある。睡眠障害の診断法開発のための研究班として厚生省精神・神経疾患委託費による睡眠障
害研究班がある。しかし、この班の研究費の規模はきわめて小さく、病態解明などとうてい望
めそうにもない額である。睡眠について科学的知見を生活に応用する技術開発のプロジェクト
として科学技術庁科学技術振興費による睡眠研究班の研究がある。このプロジェクトから睡眠
の基礎科学的な研究が推進されることが予想される。しかし、広い分野にわたり、広範な睡眠
障害の病態解明と、睡眠を国民の健康問題、社会的問題としてとらえるプロジェクトはまだ立
ちあげられていない。研究費の面からみてもアメリカでは睡眠研究の予算は年額五〇億円とい
われているが、わが国ではその10の1にも達していないのが現状である。
睡眠障害研究のために学際的アプローチが不可欠である。こうしたプロジェクトを支えるた
めに若手医師、研究者の養成が必要である。そしてこのようなプロジェクトを成功させるため
に国家的対策のみならず、各財団などにも研究事業の一環としての援助を期待したい。
⑶一般市民への睡眠に関する科学的知識の普及
近年、睡眠に関する関心が高まり、マスコミで取り上げられる機会も増加している。睡眠に
対する正しい知識を普及させるために健康教育の一環として、小中高等学校の科学、保健教育あるいは市民の健康教育などで取り上げられることが考えられる。これにより良質な睡眠や正
しい生活習慣を身につけることは睡眠障害の予防にとどまらず、さまざまな疾病の予防につな
がる。さらに24時間社会といわれる現代社会にあって、多くの人びとが変則的な時間に勤務
することを余儀なくされている。このような状況でみられるさまざまな心身の不調が体内時計
を無視したような生活に起因していることが明らかにされている。交代勤務にたずさわるよう
な人ぴとは睡眠や体内時計についての正しい知識をもつことにより、たとえば、勤務時間体制
の組み方や夜勤後の休養のとり方、交代勤務後の疲労回復に要する休暇日数の算定など、どの
ようにすればよいかという問題を自ら提起することができる。
おわりに
脳科学の一分野である睡眠科学の発展により、睡眠が生体にとってきわめて重要な役割を果
たしていることがわかってきたが、こうした学問的な進歩を国民の健康・福祉に役立てるには、
睡眠医学の確立とこの分野での臨床研究を推進することが必要である。さらに睡眠医学の成果
を生かし、睡眠障害の予防と早期治療により国民の健康問題を解決し生活の質を高めるために、
睡眠医学の臨床実践にかかわる医療・保健システムの整備が急務である。

睡眠の異常とは

睡眠は個体差がきわめて大きい現象であり、どの程度以上の場合を異常と
するかの判定は容易ではない。ここでは、ASDC‐APSSやICSD
といった体系的な国際分類を通して、睡眠障害の概要を明らかにしたい。
大熊輝雄
不眠を中心とする睡眠の障害は、多くの人びとを悩ます最も普遍的な障害の一つである。以
前から、不眠症は文明の進歩とともに増加するといわれ、とくに社会的ストレスが多い社会で
は頻度が高いとされてきた。
ごく一般的には、アメリカでは国民の三人に一人、英国では四人に一人、フランス、日本な
どでは五人に一人がなんらかの睡眠障害を訴えるといわれてきた。事実、わが国での会社員、
一般住民などについての調査でも、不眠を訴える人は二〇%前後という報告が多いから、この
外国とのおおまかな比較もだいたい正しいものと思われる。
睡眠障害のいろいろー睡眠障害の体系的分析
比較的最近までは、睡眠障害というと不眠を意味することが多かったが、最近では不眠とな
らんで睡眠の過剰すなわち過眠や、睡眠に随伴する異常な現象である睡眠随伴症(パラソムニア)も睡眠障害として重要であることがわかってきた。
睡眠障害の体系的な分類にはいろいろあるが、最近まで比較的に広く使われてきたのは、アメリカの睡眠障害センター連合ASDC(Association of Sleep Disorders Centers)と睡眠心理生
理学会APss(Association of Psychophysiological Study of Sleep)とが共同で一九七九年に発
表した分類である(表1)。

表1 睡眠覚醒障害の診断分類

表1 睡眠覚醒障害の診断分類


 
この分類では、まず睡眠と覚醒とが表裏をな
す現象であることから、睡眠障害を睡眠・覚醒
障害と呼び、これを不眠症群、過眠症群、睡眠
覚醒スケジュール障害、睡眠随伴症(パラソム
ニア)の四群に分けている。
不眠症群は、正確には「睡眠の開始と維持の
障害」とされているが、これは不眠の簡潔な定
義にもなっている。不眠といっても、まったく
眠れない場合は少ないから、正確にいえば睡眠
減少であるが、一般には不眠という言葉が使わ
れている。過眠症群は、過度の眠気を示す障害
とされており、実際には睡眠時間そのものの増
加よりも、昼間の眠気が強いために起こる障害
が主である。
睡眠覚醒スケジュール障害というのは、ジェ
ット機によって異なる時間帯域を短時間で旅行
したときの時差ポケや、交代制勤務のさいに起こる生体リズム(概日リズム)と社会生活上の時刻(睡眠覚醒スケジュール)の「ずれ」によっ
て起こる症状である。
睡眠随伴症は、睡眠そのものの障害ではなく、睡眠時に睡眠や部分的な覚醒などによって起
こる異常な現象であり、夢遊状態、寝ぼけ、寝言、歯ぎしり、夜尿、いびきなど、われわれに
とって身近な現象が多い。
このASDC‐APSSの分類は、世界最初の国際的な睡眠障害の分類であり、理論的にわか
りやすいこともあって、国際的に広く用いられるようになった。しかし、たとえば睡眠時無呼
吸症候群では、夜間の睡眠中に上気道の閉塞、あるいは呼吸中枢の機能低下などのために無呼
吸が起こり、このために夜間の不眠が起こるとともに、昼間の眠気の増大が起こる。このよう
な睡眠時無呼吸症候群は、この分類では、不眠症群と過眠症群との両方に重複して分類され、
不便である。そのほかいくつかの理由により、最近になってアメリカ睡眠学会は、世界各国の
研究者の協力を得て、次に示すような新しい睡眠障害国際分類を作成した。

睡眠障害の国際分類(ICSD)の特徴

表2 睡眠障害の国際分類
(lntemational Classification of Sleep Disorders, ICSD)
1.Dyssomnias(睡眠異常)
A.lntrinsic Sleep Disorders (内在因性睡眠障害)
B.Extrinsic Sleep Disorders (外在因性睡眠障害)
C.Circadian Rhythm Sleep Disorders (概日リズム性睡眠障害)
2.Parasomnias(睡眠随伴症・パラソムニア)
A.ArousaI Disorders (覚醒障害)
B.Sleep-Wake Transition Disorders (睡眠・覚醒移行障害)
C.Parasomnias usuany Associated with REM Sleep (通常レム睡眠と
関連する睡眠随伴症)
D.0ther Parasomnias (その他のパラソムニア)
3, Sleep Disorders Associated with Medical/Psychiatric Disorders (内科
的/精神医学的睡眠障害)
A.Associated with MentaI Disorders (精神障害に伴うもの)
B,Associated with NeurologicaI Disorders (神経疾患に伴うもの)
C.Associated with Other Medical Disorders (その他の内科的疾患に伴
うもの)
4.Proposed Sleep Disorders (提案中の睡眠障害)
上の表2はアメリカ睡眠学会が一九九〇年に作成したもので、lntemational Classification of  Sleep Disordersを略してICSDと呼ばれる。これは、AsDc‐APssの分類がさきに述べたような欠点をもっていることのほ
かに、現代的な診断分類としては、
誰が用いても同一の診断に達するこ
とができるような「操作的診断基
準」あるいはこれに近いような診断
基準をもつ必要があることから、新
しい診断分類として作成されたもの
である。
ICSDの分類では、まず睡眠障
害を既知の精神疾患あるいは身体疾
患にともなって起こるものと、そう
ではなく睡眠障害が主な障害である
もの、すなわち原発性の睡眠障害と
に分ける。そして、原発性の睡眠障
害をさらに睡眠異常症(ジスソムニ
ア)と睡眠随伴症(パラソムニア)
とに分ける。
この分類では、ASDC?APSSの分類では二つに分けられていた不眠症群と過眠症群とは、
睡眠異常症という一つの枠の中に入れられていて、前の分類でみられたような重複は避けられ
ているが、不眠と過眠とを無理に一つの枠にいれたという印象がなくもない。
またこのICSDでは、最近のほかの疾患分類でも用いられている「多軸診断」の形がとら
れている。すなわち、診断名をA軸とし、そのほか必要に応じてB軸として検査所見(脳波、
ポリゾムノグラム所見など)を記載したり、C軸としてICSDには載っていないがその患者が
もっている病気の名(高血圧、糖尿病など)を記載したりすることができるようになっていて、
これによってその患者の全体像を知ることができる。
睡眠障害国際分類(ICDS)の概略
さきに述べたように、睡眠異常症(ジスソムニア)という用語は、不眠(インソムニア)と過
眠(ハイパーソムニア)とを包括するために作られたもので、やや耳慣れない用語であるが、
これは「内在因性睡眠障害」と「外在因性睡眠障害」に分けられている。
「内在因性睡眠障害」は、身体それ自身または体内にある原因によって起こるものをいう。
そのうち精神生理性不眠は、精神的緊張が身体化され、また寝室、寝床、寝具などと不眠が条
件反射的に結びつく(陰性条件づけ)ために、不眠の訴えが起こり、それに関連して昼間の覚醒中の精神身体機能の低下が起こるものである。
わが国では、この種の不眠については、人格面が重視され、神経質性不眠と呼ばれてきた。
特発性不眠は、生涯にわたって十分な睡眠が得られないもので、睡眠・覚醒系の神経性調節の
異常が原因と考えられるものをいう。
ナルコレプシー、反復性過眠、特発性過眠は、過眠あるいは昼間の過剰な眠気を起こす疾患
である。閉塞性睡眠時無呼吸症候群、中枢性睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動性障害、む
ずむず脚症候群などは、睡眠時に起こる無呼吸、異常な四肢運動などのために、夜間の不眠と
昼間の過眠のいずれかあるいは両方が起こるものである。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠
中に反復性に上気道閉塞が起こり、血中酸素飽和度の低下が起こり、夜間の覚醒・不眠と昼間
の眠気が起こるもの、中枢性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の呼吸中枢の機能障害のために、
睡眠中に呼吸努力の中止または低下が起こり、夜間の覚醒・不眠が起こるものである。
「外在因性睡眠障害」は、身体外にある原因によって起こり、ふつうはその外的原因を除去
すると睡眠障害は解消される。不適切な睡眠衛生とは、よい睡眠を得るための日常生活上の摂
生を守らないための睡眠障害である。適応性睡眠障害は、急性ストレス、感情葛藤または感情
を高ぶらせるような環境変化などに時間的に関連して起こる睡眠障害である。限度設定性睡眠
障害は、主に小児にみられる障害で、親など保護者が早すぎる時刻など、不適切な睡眠時間を
子どもに強制した結果、子どもが適切な時間に就寝することを渋ったり拒否したりする状態をいう。入眠関連性障害は、特定の物体または状況設定がないと入眠が障害されるものである。
「概日リズム性睡眠障害」は、内在因性、外在因性とは別に独立してあつかわれており、本
人の意志で変えられる睡眠時間のタイミングによる障害(交代勤務または時間帯変化・時差ボ
ケ)と、神経学的機序の障害(睡眠相後退症候群、非二四時間型睡眠・覚醒症候群)とがある。時
間帯域変化(ジェット時差、時差ポケ)症候群、交代勤務性睡眠障害はよく知られている。睡眠
相後退症候群は、主要な睡眠エピソードが望ましい時刻よりも後退(遅れ)し、そのために社
会的に望ましい時刻に入眠したり覚醒したりすることができないもので、たとえば午前四時に
ならないと入眠できず、正午にならないと覚醒できないといったものである。非二四時間型睡
眠・覚醒症候群は、入眠時刻と覚醒時刻が一日に1〜2時間ずつ慢性的に遅れていく状態で、
約二五時間の概日リズム(生体時計)を二四時間の一日に合わせる(同調させる)機能の障害に
よって起こる。
第二の大項目である睡眠随伴症(パラソムニア)は、「覚醒障害」として睡眠時遊行症(夢中
遊行)、睡眠時驚愕症(夜驚症)など、「睡眠・覚醒移行障害」として睡眠時はね起き、寝言な
ど、「通常レム睡眠と関連している睡眠随伴症」として悪夢、睡眠麻輝、レム睡眠関連行動障
害など、「その他」として歯ぎしり、夜尿、原発性いびきなどがあげられている。
第三の大項目は内科的/精神医学的睡眠障害で、「精神障害に伴うもの」として精神病(精
神分裂病)のさいには不眠が起こる。感情障害のさいにも不眠は典型的症状の一つであるが、双極性障害(躁とうつを持つもの)のさいには過眠を呈する場合もある。うつ病による不眠の
さいにうつ病を見逃して不眠だけの治療をしていると、うつ症状が悪化して自殺が行なわれた
りすることがあるので、注意が必要である。アルコール症のさいにも不眠あるいは過度の眠気
が起こることがある。
「神経疾患に伴うもの」のうち、痴呆にともなう睡眠障害の特徴は、せん妄、興奮、攻撃性、
徘徊および明白な目的のない発声などが、夕方または夜間に起こることである。パーキンソン
病のさいの不眠は、生体アミンの欠乏という、錘体外路症状と睡眠障害に共通した機序による
のかもしれない。致死性家族性不眠症は、入眠障害から始まり、数カ月で完全な睡眠不能に至
り、その後静かな覚醒状態から夢をともなう睡眠状態へ移行する進行性の障害であると定義さ
れているが、その実態はよくわからない。睡眠関連性頭痛は、主に一側性の高度の頭痛が睡眠
中に最初に出現するものである。
「内科的疾患に伴うもの」のうち、睡眠病は、原虫による疾患でまず急性発熱性リンパ腺症
が起こり、これに続いて四〜六ヵ月の潜伏期の後、慢性髄膜脳脊髄炎になり、過度の眠気が現
われるものをいう。
以上、睡眠障害の国際分類を通して、各種の睡眠障害のあらましを紹介した。最近の国際分
類は、ほとんどすべての睡眠障害を網羅しているが、頻度の高いものから稀なものまでが同じようにならべられていて、複雑すぎてわかりにくいという欠点がある。したがって、今後は、
ここで筆者が説明を加えたものなどを中心にもっと簡略化したものを作る必要があろう。

不眠症のいろいろ

不眠症にはいろいろな場合があり、単なる「眠れない病気」と考える
のは早計である。からだの痛みやかゆみによる不眠、交代制勤務のた
めの不眠、そして老齢にともなう不眠など、じつにさまざまである。
アメリカ合衆国では年間に七〇万人が不眠症を患っているといわれている。残念ながら日本
においては全国規模での統計調査が行なわれていないため、不眠症に悩んでいる人の正確な数は不明である。
不眠症の人が年々増加する傾向にあるのは明らかである。
さて、不眠症の原因はいろいろであり、さらにいくつかの原因が重複して存在することも少
なくない。また、高齢者ほど不眠を訴える頻度は高くなるが、その原因として加齢による睡眠
そのものや生体リズムの変化が関与していると思われる。不眠症をその原因から分類・解説する。不眠症の正しい理解に少しでも役に立てば
幸いである。
不眠症の原因
不眠症の診断分類として確立されたものはないが、
表1に示したような原因による分類が理解しやすい。
表1 不眠症の原因
5つのP
●身 体 的 physical
●生理学的physiologic
●心理学的psychological
●精神医学的 psychiatric
●薬理学的 pharmacologic
なお、これらは英語ではすべて頭文字がPなので「五つのP」と覚えるとよい。
⑴身体的原因による不眠
痛みやかゆみを生じる疾患により、寝付けなかった
り(入訳障害)、途中で目が覚めろ(中途覚醒)ことが
ある。たとえば椎間板ヘルニアによる腰痛や末期がん
による疼痛、アトビー性皮膚炎や疥癬、白痴症、老人
の皮膚掻痒症などは高度の不眠をもたらす。また、ぜ
んそくや呼吸器疾患による咳、夜間頻尿なども不眠の原因となる。その他特殊なものとして、睡眠時無呼吸症候群や睡眠時ミオクローヌス症候群、
レストレス・レッグス症候群などによる不眠がある。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に頻回に呼吸が停止し、息苦しさのあまり目を覚ますもので
ある。睡眠時無呼吸症候群には、中高年の男性に好発する過眠症群と高齢男性に多い不眠症群
があるが、不眠症群は過眠症群に比べ身体合併症(高血圧、多血症、肥満など)に乏しく、終夜
睡眠ポリグラフィ(以下PSG)検査を行なわないと診断は確定できない。したがって、いび
きや夜間の窒息感をともなう中途覚醒があるなら、しかるべき専門病院を受診すべきである。
睡眠時ミオクローヌス症候群は、睡眠中に下肢の筋肉が周期的にれん縮するために睡眠が中
断されるものである。しかし、患者はそのことに気づいていないことがほとんどで、PSG検査をしないと診断は確定できない。レストレス・レッグス症候群は眠ろうとすると下肢がムズムズして眠れないもので、患者の苦しみ
はきわめて大きい。睡眠時ミオクローヌス症候群やレストレス・レッグズ症候群は高齢者に多いが、腎透析患者にもかなりの頻度でみられるので注意を要する。
⑵生理学的原因による不眠
いわゆる時差ボケ(ジェット・ラグ症候群)や交代制勤務者の不眠が代表的なものである。これらは、生体時計が急激な環境の変化についていけなくて、その
結果不眠が出現するものである。詳細は他の章(「時差ボケ・交代勤務の睡眠障害」、「睡眠覚醒リ
ズム障害とはなにか」)に譲るので、参照願いたい。その他、短期間の入院や旅行先での不眠も
ここに分類される。
老人では睡眠が浅くなり、しかも夜間にまとまった睡眠がとれなくなる。このことはある面
では生理的な老化現象と考えてよいのだが、こういった加齢による睡眠の変化が老人の不眠の
原因になっていることがある。これを老人の原発性不眠というが、こうした老人の不眠につい
ては節を改めて解説する。
⑶心理学的原因による不眠
ストレスや生活上での重大な変化(ライフ・イベント)により生じる不眠で、その持続が三
週間以内のものは短期の不眠症、三週間以上のものは長期の不眠症といわれる。このうち、後
者が一般的に使用されている不眠症とほぼ同じものであり、神経質性不眠とか持続性精神生理
学的不眠といわれるものである。これらについても、節を改めて解説する。
⑷精神医学的原因による不眠
ここで、最も重要なのはうつ病あるいはうつ状態にともなう不眠である。不眠はうつ病だけでなく、精神分裂病や躁病などの精神疾患にはほとんど必発の症状で、しかも初発症状として
出現することが多い。うつ病の不眠は朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒が特徴とされるが、中
高年以上によくみられる不安や焦燥(イライラ感)が強いうつ病(激越性うつ病)では入眠も障
害される。
精神分裂病でもごく初期の段階から不眠が出現する。しかし、家族や周囲の者は患者の抱え
ている重大な苦しみや不安、潜在する幻覚や妄想に気づかず見過ごしてしまうことが多い。比
較的安定している寛解あるいは不完全寛解状態の慢性の分裂病患者が再燃する場合も、不眠か
ら始まることが多い。
躁病の場合は、次々と考えが浮かび、なにかしていないといられないような状態(行為心迫)となり、はたから見ると寝る時間を惜しんなにかに没頭しているように映る。しかし、ほ
とんどが空回りの状態で、実際には途中で破綻してしまうことが多い。
⑸薬理学的原因による不眠
さまざまな薬剤が睡眠を障害するが、日常の嗜好品(カフェインを含むお茶やコーヒー、ニコチンを含むタバコ)もときに不眠の原因になる。ぜんそくの治療薬であるテオフィリンや、ナルコレプシーの治療薬である中枢神経刺激薬(ペモリンや塩酸メチルフェニデート)を使用している場合も注意を要する。
よくアルコールを睡眠薬の代わりに常用している人がいる。しかし、アルコールは適量であ
れば一見入眠を促進させてくれるようにみえるが、睡眠そのものは浅くなり、しかも目が覚め
やすくなるので、寝酒の習慣はやめるべきである。また、アルコールや睡眠薬、とくにフェノ
バルビツール酸系睡眠薬を長期にわたって常用すると、耐性(薬の効果が徐々に弱くなる)や依
存を生じ、使用を急に中断すると離脱(禁断)症状として強い不眠が出現する。
老人では循環器や呼吸器疾患に対してさまざまな薬剤を服用していることが多い。したがっ
て、老人が不眠を訴える場合、なにか薬を飲んでいないかどうか、もし飲んでいるならどんな
薬かといったことを十分に調べなければならない。
以上、主な五つの原因による不眠症について解説したが、これらの他に追加するものとして
持続性のリズム障害による不眠症とくに睡眠相後退症候群がある。詳細は後の「時差ポケ・交
代勤務の睡眠障害」、「睡眠覚醒リズム障害とはなにか」で解説されているが、こうしたリズム障害による不眠は睡眠薬による薬物療法や精神療法のみでは改善しないので、きちんと専門医を受診することが必要である。
次に、老人の不眠症といわゆる不眠症(神経質性不眠、持続性精神心理学的不眠)について解説する。

老人の不眠症

昔から、老人になると「早寝、早起き」になり、しかもよく昼寝をするようになるといわれ
ている。このことは別に根拠のないことではなく、最近の老人における睡眠や生体リズムの研
究から、加齢にともなう生理的な変化の一つであることが証明されてきた。すなわち、程度の
差はあるが年をとると深い睡眠は徐々に少なくなり、睡眠は浅くしかも途中で何回も目が覚め
るようになる。また、成人では睡眠と覚醒はきちんと二分されているが(一相性の睡眠)、老人
では夜にまとまって眠れない代わりに昼寝をよくするようになる(多相性の睡眠)。
一方、生体リズムの変化については次のように考えられている。ヒトだけではなくこの地球
上に生息するほとんどの生物は、からだの中に時計(生体時計)をもっていると考えられてい
る。それは基本的には一日二四時間で自転する地球環境に適応するために進化・発達したもの
である。ヒトの場合、それが脳の中にあることは確かであるが、一個なのか、二個なのか、あ
るいはもっとたくさんあるのかさえわかってはいない。しかし、さまざまな生体現象がほぼ二
四時間のリズム(サーカディアン・リズム)をもって変動していることに間違いはない。老人で
はこの生体時計の針が前に進み(位相の前進)、そのために「早寝、早起き」になると考えられ
ている。
こうした老人にみられる睡眠や生体リズムの変化や意義については十分に解明されてはいないが、老人で不眠を訴えるものの頻度が高くなる一つの要因と考えられる。
久留米市の七〇歳以上の在宅健康老人を対象として睡眠の実態調査を行なった。そ
の結果、アンケートに回答のあった三八二名中四七・三%のものがなんらかの睡眠障害を自覚
していた。しかも、睡眠障害を自覚しているものは自覚していないものに比べ、神経質、心配症、内向的といった性格傾向をもつものが多かった。
このように、老人においても当然ながら不眠の要因としてこうした性格傾向が大きな役割を
果たしているものと思われる。すなわち、老人では加齢による睡眠や生体リズムの変化や神経
質で内向的な性格を背景として、先に述べたさまざまな身体的、精神・心理学的あるいは社
会・環境的要因が複雑に絡み合って不眠の原因になっていることが多い。
いわゆる不眠症(神経質性不眠)
一般に不眠症の人は執拗に眠れない苦しみを訴えるが、意外と家族や周囲の人はそのことに
対して冷たい態度をとることが多い。その一つの理由として、実際は患者が訴えるほど睡眠が
障害されていないことが多いためである。厳密には本当に睡眠が障害されている不眠症と、睡
眠そのものはあまり障害されていない不眠症に区別するべきであるが、実際は困難なことであ
る。したがって、本人が眠れないと訴え、そのことが患者の日常生活に悪い影響を及ぼしているときは、実際の睡眠がどうであれ、やはり不眠症と診断すべきである。
こうした不眠症の人の最大の特徴は、睡眠に対する過度のとらわれ、言い換えれば不眠に対
して必要以上に「恐れ」を抱いていることである。一般に不眠症の人は自分の睡眠を過小評価
し、「睡眠時間は八時間以上必要である」とか「不眠症が続くと精神に異常をきたし、最後に
は死んでしまう」といった誤った考えを強固にもっていることが多い(睡眠に対する認知障
害)。その結果、眠ろう眠ろうとして早くから就床し、なかなか寝付けずに悶々とした時間を
ふとんの中で過ごすものが多い。そのためますます不眠症が重症になるといった悪循環を繰り
返している(負の条件づけ)ことが多くみられる。
不眠症の人の悩みや苦しみは、われわれが想像する以上に深刻なものである。しかし、まず
不眠を起こすような何か隠れた原因がないかということを冷静に検討しなければならない。と
くに、老人の場合、さまざまな原因が重複して存在することがあるので注意しなければならな
い。そのうえで、やはり少なくとも一度は専門医の診察を受け、安易な睡眠薬の使用は慎まな
ければならない。診察の結果、睡眠薬の使用が必要と判断されたなら、医師の指示に従い、き
ちんと服薬しなければならない。不眠症の治療の第一は、先に述べた悪循環を断ち切ることで
ある。そのためには、たとえ睡眠薬を服用したとしても、眠れたという実感が大切である。
最後に、すべての不眠に悩む人に対して次の言葉を贈り稿をとじる。「不眠症を克服するには、眠ろうとしないこと」

過眠症とはなにか

昼間に耐えかたい眠気や突発的な睡眠発作におそわれ、事故やミ
スをおかしてしまう「過眠症」。昼型の現代社会に与える影唇は
測りしれないという点で、不眠症よりこわい病気といえよう。
ふつう過眠といえば、眠り過ぎを連想するが、だらだら眠る朝寝坊は、ロング・スリーパー
といって過眠症とは区別される。過眠とは過剰な昼間の眠気(excessive daytime sleepiness :
EDS)であったり、昼間にも強い眠気に傾きやすい状態=傾眠症(hypersomnia,somnolence)
をひとまとめにした邦語である。ディケンズの小説『ピックウィッククラブ』をご存知の読
者は、お腹の突き出た肥満の少年ジョーの居眠りを想起されるであろう。
さて過眠症はしばしば不眠症よりこわいといわれるが、それはなぜなのだろうか。
過眠症の定義
過眠症は昼間の過剰な眠気と睡眠発作(睡眠不足では説明されない)、あるいは完全覚醒への
移行が長引いた状態として定義され、以下の二点が特徴である。
⑴昼間の過剰な睡眠あるいは睡眠不足によらない睡眠発作、または目覚めるさい、完全に
覚醒した状態への移行が長引くこと(ねぼけ)。
⑵睡眠障害は毎日起こり、少なくとも1カ月以上続くか、あるいはより短い持続期間が反
復すること。
昼間眠くて困っている人の頻度は、入院患者のI%、産業労働者の四%といわれている。睡
眠と覚醒は桔抗しながら一日二四時間の中ではたがいに補い合う関係にあり、夜間の良好な睡
眠が昼間のすっきりした覚醒を保証する。夜間の睡眠が障害されれば当然昼間眠くなる。
過眠症の社会的インパクト
居眠りといえば交通事故を思いつくが、実はそれだけではなく社会生活上のさまざまな問題
が発生するのである。睡眠研究の盛んな米国では睡眠不足と眠気のもたらす社会的損失は、①
心身の健康の阻害、死亡率の増大、②生産性の低下、③ミスや事故の増大などとされている。
過眠を呈する病態と重症度

表1 過眠を呈する疾患・病態

表1 過眠を呈する疾患・病態


過眠症を呈する病態を表1に示した。自分では睡眠がなんらかの原因で障害されていると気
づかないままでいると、その結果昼間にいちじるしい過眠を呈する病気や昼間の覚醒を維持で
きない特殊な病態=反復性過眠症(覚醒機構そのものの障害?)も存在する。過眠を呈する病態
でよく知られているのは、「狂人日記」(色川武大著)のナルコレプシーであろう。
睡眠時無呼吸症候群は過眠症の代表的病態で最も頻度が多いものである。器質的原因(脳炎、髄膜炎、脳震盪その他の脳損傷、脳腫瘍、脳血管病
変、変性疾患その他の神経疾患、代謝性疾患、中毒、
内分泌異常、放射線照射による後遺症)による過眠
症や、不眠と過眠の両方を呈する周期性四肢運動
障害やむずむず脚症候群も忘れてはならない。う
つ病の中でも、双極型は不眠ではなく過眠を呈す
ることがある。最近注目されている季節性うつ病
も定型的うつ病とは異なり、睡眠が過剰となる。
過眠といっても、眠気の強さと社会生活上の支
障の度合いによって、その重症度は異なる。眠気
の重症度判定基準を下の表2に示す。
表2 過眠の重症度判定基準(ICSD,1990による)
軽 度:休憩中とか注意集中が不要なときに限って,眠気が出現する.
社会的・職業的機能の支障は軽い.
MSLT:10〜15分
中等度:日中軽い身体活動を要し,中等度の注意集中が必要なとき(た
とえば,車の運転中,コンサート,映画,劇場,集会など)に眠っ
てしまう.社会的・職業的機能の支障は中程度である.
MSLT : 5〜10分
重 度:日中,軽度から中等度の注意集中を要する活動中(たとえば,
食事中,対話中,運転中,歩行中,スポーツ)に眠ってしま
う.社会的・職業的機能と支障はいちじるしい.
MSLT<5分
*MSLT : Multiple Sleep Latency Test
昼間の眠気の客観的検査:脳波室で午前10時から2時間ごとに,20分間横
になり眠りに入るまでの時間(入眠潜時=sleep latency)を測定する.入眠潜
時の平均が15分以下だと過剰な眠気となり,5分刻みで3段階に分けられる.

代表的過眠症の症例

睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、100人に1〜3人の
頻度で中高年男子に好発する、睡眠と呼吸が同時にできない病気である。一晩七時間の睡眠中
にノンレム睡眠中も含めて10秒間以上の呼
吸停止が30回以上みられる。昼間の眠気、
夜間の激しいいびき、不眠、発汗、起床時の
頭痛、口渇、倦怠感、高血圧や心臓病の併発、
インポテンツなどの症状を示す慢性進行性疾
患であらゆる病態の最終共通経路とさえいわ
れている。
〔症例1〕 五六歳、男性、会社重役
身長一六八cm、体重九〇kgの堂々とした体
格で、10年前から高血圧と糖尿病がある。
夜ちっとも眠れない。何度も目が覚めて、朝
すっきりしない。朝頭が重く、すごく喉が渇
大事な商談中に居眠りしてしまい、会社に
大損害を与えてしまった。夜中は大いびきで、一五年前から妻とは別の部屋で寝ている。社員旅行などはみんなから同室で眠るのを敬遠され
る。セックスもまったくダメになってしまった。
頸(くび)が短く、四〇%の肥満があり、精密検査で一晩五〇〇回もの無呼吸がみられ、動脈血酸素
飽和度は六〇%にも低下する重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された。経鼻持続陽圧療
法(シーパップ)により、見違えるように改善した。
次の患者(米国)の回顧録は、睡眠時無呼吸症候群の社会的側面を端的に示している。
「睡眠時無呼吸症候群は私の人生をメチャクチャにした。私はいま障害者で、給料の良い職
を失った。私が働けないのは、居眠りをしてしまうからで、TVを観たり、本を読んだり、映
画に行ったり、遊ぶこともできない。車の運転もできない。これまでの友人のほとんどを失っ
てしまった。会食中や会話中に眠ってしまう人の周りに一体誰が、寄ってくるでしょうか?
私は身体的にも病んでいて、それらの幾つかは、明らかに睡眠時無呼吸症候群の増悪した結果
である」
ナルコレプシー
ナルコレプシーはいわゆる「居眠り病」のことで、一五歳から三〇歳の青年期に好発し、昼
間に繰り返し起こる居眠りの発作、笑いや喜びなど感動をともなったさいに、筋肉の力が抜け
る情動脱力発作を主症状とし睡眠麻痺(金縛り)や入眠時幻覚をともなうこともある慢性発作性疾患で、レム睡眠過剰という睡眠の質的異常がある。ヒト白血球抗原分画のDR2とDQW1が陽性であることが診断の必要条件とされ、頻度は一万人に三人から一五人である。ナルコ
レプシーの患者は仮眠をとるとリフレッシュする点で、睡眠時無呼吸症候群とは区別される。
〔症例2〕 三五歳、男性、トラック運転手
運転中に耐えがたい眠気に襲われ、中央分離帯に乗り上げてしまうなど、事故が絶えない。
一五歳のときから、授業中でもいつも居眠りをしていた。夜眠りに入るやいなや四つ足の獣が
ふとんの周りを走り回り、恐くて恐くて仕方がなかった。笑うと顎の筋肉がガクンとゆるむ。
金縛りもときどきある。なにか悪霊にでもとりつかれたのではないか、と思う。職場では怠け
者で、根性が足りないといつもばかにされている。
典型的なナルコレプシー患者。メチルフェニデートを三〇mg投与し昼休みに三〇分間眠るよ
うに指示したところ、居眠り発作はなくなって、失職を免れている。
また、以下の患者(米国)の回想はナルコレプシーの深刻さを物語る。
「二三歳の時私は一年に六ヵ月働いて、七万五〇〇〇ドルの収入を得ていた。私の意識、覚
醒度、決定能力、記憶のすべてが私を見放すまでは、米国の歴史上フオーチュン誌に載る五〇
〇の保険会社のなかで最も若い販売マネージャーだった。この病気をもつ私の余生を生きる見
通しはメチャメチャである。ナルコレプシーは死に至る病ではないが、この五〇年間を振り返ると、私のような若者にとってまさしく致命的な病いであったのだ」
季節性うつ病
毎年秋冬になって日が短くなると、元気な夏とは正反対に気分が滅入って、仕事の意欲が減
退し、自信をなくしてしまう病態がある。自殺を考えるほど深刻であるが、食欲や睡眠はかえ
って九進し、炭水化物がとくに欲しくなり、昼間もウトウト眠くなり、春が待ち遠しくてたま
らない、あたかも、こころにも季節があるかのような独特の気分障害である。
〔症例3〕 三五歳、女性、教師
秋口に入ってから、やたらに甘いものが食べたくなって、体重が六4も増えた。進路指導で
大事な時期に入るのに、ちっとも熱が入らない。職員会議中もウトウトと眠くて、集中できな
い。早くから床につき長く眠っても朝気分はすぐれず、つらい。こんな状態が七年前から続い
ていて、春が待ち遠しくてたまらない。夏に恋人ができても、冬になると破談になってしまう
ので結婚もあきらめている。今までいろんな抗うつ薬を飲んだがぜんぜん効かなかった。
季節性うつ病と診断され、毎朝一時間三〇〇〇ルクスの高照度光療法を施行したところ、二週間で元気が出てきた。
睡眠不足
わが国では1000万人前後が交代勤務に従事しているといわれるが、若者の夜遊び、深夜
TVやビデオ鑑賞など、睡眠はあたかもむだなことであるかのように奪い取られている。
〔症例4〕 二三歳、女性、会社員
仕事中にウトウト居眠りをしてしまい、ミスが増えている。朝気分がすっきりしない。睡眠
不足気味で、朝は食欲がない。睡眠習慣を詳細に尋ねると、以前は七時間の睡眠だった。この
ことは内緒のつもりだったが、実は五ヵ月前から、お金を貯めようと思い毎晩午前三時までバ
イトをして働いている。
絶対的睡眠不足と診断された。バイトは健康のためにやめるよう指示し、七時間の睡眠を確
保するようになってから、過眠は解消した。
この随意的(自発的)慢性睡眠奪取に間する米国の報告は興味深い。過去100〜125年
間で平均睡眠時間は20%以上も減少している。それは現代社会の技術革新と並行している。
とくにエジソンの電気の発明が大きい。1910〜11年に行なわれた子どもと思春期の睡眠
習慣の調査では、8〜12歳の子どもは平均10・5時間、13〜17歳の青年は平均9・5時間眠っていた。ところが一九六八年の調査では、おのおの1・5時間も少なくなっていた。
さらに労働時間も増大し、二四時間交代勤務が、機関車技術者、医療スタッフ、消防士、警察官などで広く行なわれるようになり、ますますこうした睡眠奪取が増えている。
昼間の眠気を訴えて睡眠障害外来を訪れた場合にどのように診断・治療されるのか。過眠症
の診断治療チャートを図1に示した。

図1 過眠症の診断・治療チャート(Reiteら,1990による)

図1 過眠症の診断・治療チャート(Reiteら,1990による)


以上、過眠症の概念、代表症例、社会的側面を中心に述べた。過眠症は勉強や労働能率の低
下をはじめ、社会生活上の支障をきたし、時に大災害を引き起こす。過眠症の中には心血管系
の続発症のために突然死の危険がある睡眠時無呼吸症候群も存在する。過眠症は不眠症よりも
こわいのである。
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